こんにちは。
コンサルタントの稲橋です。
キャリアアップやスキルアップのため、転職活動の合間にビジネス書を読む人は多いものです。
今回は、キャリアコンサルタントとして、転職前の人にぜひ読んで欲しい良質な本を紹介します。
社員第一、顧客第二主義
「社員第一、顧客第二主義」
先日読んだ本のタイトルです。
伊集院 憲弘(著)
出版社: 毎日新聞社 (1998)
発行されたのは1998年ですから、かなり昔の本です。
当時とは状況が変わっているものの、今でも参考になる情報や斬新な考え方が多く詰まっています。
扱っているテーマは「アメリカの格安航空会社であるサウスウエスト航空」です。
サウスウエスト航空はあまり日本では知られていないかもしれません。
1967年に設立され、現在ではアメリカ国内100都市近くに乗り入れています。
2021年にはボーイング737 MAX 7(737-7)を100機確定発注したことが報じられ話題となりました。
社員数は2022年時点で54,448人です。
長く黒字経営を続けてきた、アメリカでは数少ない航空会社で、9.11で航空産業が冷え込んだ際にもレイオフを行っていません。
顧客第二主義を掲げ、格安ながら信頼度の高さで有名
本書の内容を紹介しましょう。
サウスウエスト航空は格安航空であるため、徹底的なコスト削減を行っています。
「格安航空」と聞いただけで「質が悪いのでは」と不安になる人は多いものです。
その点、サウスウエスト航空は非常に高い顧客満足度を誇っています。
長年乗客や乗員の死亡事故が一度もなかったことで評価されていました。
※2018年4月17日に残念ながら初の死亡事故が起きてしまいましたが、死亡事故発生率の低さは圧倒的です。
※2018年4月17日に残念ながら初の死亡事故が起きてしまいましたが、死亡事故発生率の低さは圧倒的です。
「定時運航率の高さ」「手荷物の紛失件数の少なさ」「利用者からの苦情の少なさ」
の3部門では、全米航空会社の中でトップになったこともあります。
そのため顧客第一が徹底されているというイメージがありますが、実は顧客を一番に重視しているわけではありません。
ユーザーではなく社員ファーストがもたらす利益
サウスウエスト航空のトップの方針は「社員第一、顧客第二主義」です。
顧客のニーズを最優先する「ユーザーファースト」という言葉はよく聞きますが、「顧客第二」とは斬新な言葉ですね。
もちろん「お客様はどうでもいい、大事なのは社員」という意味ではありません。
社員全員が「自分たちは会社から大切に取り扱われている」という実感を持てるように努めているのです。
すると社員のモチベーションが上がり、会社で働くことへの誇りを感じるようになります。
結果的に、社員が心から顧客第一に徹してくれることにつながるのです。
社員ファーストによってユーザーファーストへとつながっていくという、現代でも斬新に思える理念ですね。
あらゆる企業の理念に触れて視野を広げよう
「社員第一、顧客第二主義」を掲げながら黒字経営を続け、顧客をはじめ業界からも高く評価されてきた企業。
理念には大胆な発想を好むアメリカの風土や少し変わり者の社長の存在が大きく影響しているように思えました。
少しでも内容に興味を持った方は、視野を広げるためにぜひ一度本書を読んでみてはいかがでしょうか。
会社を選ぶ上で、知名度や規模というのは一つの判断軸になるものです。
しかし企業理念や経営者の考えと合う、合わないという視点も選ぶポイントとなります。
あまり固定概念を持たずにさまざまな企業の理念を見てみれば、新たな気づきや発見があるはずです。
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今回は、転職前に読んで欲しいおすすめ本「社員第一、顧客第二主義」についてお伝えしました。
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