「安定企業」「大企業」と呼ばれる企業でも、年功序列・終身雇用は崩れ、誰もが定年まで雇用される保障のない世の中です。今の環境に満足しており、転職するつもりはない人も、いつ会社が倒産して転職の必要に迫られるか分かりません。
そのため自分のスキルを磨き「市場価値」を高めて、どの企業からも求められる人材として生き残る必要があるのです。
ここで重要となるのが、どのような環境でも活かせる持ち運びが可能なスキル、いわゆるポータブルスキル。
今回は必要とされ続ける人材であるために、今すぐできるポータブルスキルの鍛え方を解説します。
【目次】
ポータブルスキルとは?一覧&重要な理由
ポータブルスキルはどの会社でも通用するスキルのことを指します。主に仕事を進める上で求められる能力と対人関係で求められる能力に分けられます。
以下が、代表的かつ生き残る上で重要なスキルです。
仕事を進める上で求められるポータブルスキル
・論理的思考力
・判断力
・現状把握力
・問題発見力
・問題解決力
・計画立案力
・計画実行力など
社内外の対人関係で求められるポータブルスキル
・コミュニケーション力
・プレゼンテーション力
・マネジメント力
・交渉力
・主張力
・説得力
・統率力など
上記はすべて、どのような会社の採用活動においても求められ、活用できるという理由で重要なスキルです。これらを身に付ければ、あらゆる分野で成果を出せる人材として、人事担当者から評価してもらいやすいでしょう。
逆に「ポータブルではないスキル」=「アンポータブルスキル」は、特定の組織内でしか通用しないスキルです。マニュアルの知識や会社独自のルールを守るために必要な手順などが該当します。
もはや使われなくなった技術や、市場規模の小さい領域の業務知識など、ニッチで汎用性の薄いスキルもポータブルスキルにはなりにくいでしょう。
もちろんアンポータブルスキルは業務遂行の上で重要なため、習得することは決して無意味ではありません。しかし将来的なキャリアを考えると、それだけにこだわるのは危険なのです。
ポータブルスキルがあるか厚生労働省のツールで確認できる
まずは自分が将来的にも活躍を続けられる人材かどうか確認しましょう。
厚生労働省の「ポータブルスキル見える化ツール」では、計画立案力や対人力などがあるか15分ほどでチェックできます。
まずはスキルの棚卸しをする意味でも、自分のスキルが社外でも役立つポータブルなものかツールでぜひ確認してみてください。
スキルを洗い出した上で、以下の観点から各スキルを記号で表すのがおすすめです。
ポータブルスキル=◯
汎用性が低いスキル=△
アンポータブルスキル=×
上記のように分類しておくと、自身のどのスキルを活かして、どのスキルを磨き直すべきか明確になります。将来的にキャリアアップを図る必要が生じたときに役立つでしょう。
FAS今すぐポータブルスキルを磨いて生き抜くコツ
ポータブルスキルが不足していたとしても、研修でスキルを磨いたり、心がけ次第では明日から職場や家庭で自主的に磨いたりすることが可能です。仕事中やプライベートを問わず、常に意識するだけでも現状は変わる可能性があります。
以下3つの行動を取ることで、今すぐ将来的に役立つポータブルスキルを身に付けましょう。
すぐ納得せず理由を考えるようにする
あらゆる物事において、すぐ納得せず理由を考えるクセを付けてみてください。そうすることで論理的思考力・課題発見力・問題解決力という3つのポータブルスキルを磨けるでしょう。
論理的思考力が高い人は、物事を体系的に捉える能力に長けています。物事に対してすぐ納得せず「なぜこうなるのか」と疑問を抱き、自分の頭で考える習慣があるのです。
ささいなことでも構わないため、まずは身の回りのあらゆる出来事に疑問を抱き、なぜその結果になったのか考えましょう。
訓練を重ねれば、徐々に本質的な問題を見極めるスキルが磨かれ、課題を発見しやすくなります。課題が生じるまでのプロセスまで把握できれば、解決の糸口も見つけやすいはずです。
結果的に仕事上の課題を解決し、同じミスを防ぐ手だてを講じられるようになるでしょう。まずはささいな疑問から課題を見出し、それが生じたプロセスを見極められるよう意識してみてください。
相手の話を傾聴するよう心がける
対人関係で重要なポータブルスキルに、コミュニケーション力と交渉力があります。
これらのスキルを高めるには、まず相手の話を傾聴することを心がけましょう。その際に「相手の立場」「相手が最も主張したいこと」「相手の特徴」を見極めます。
「立場」は相手が組織内でどのような地位にいるのか確認すればOKです。これが分かれば、相手が今どのようなプロジェクトで何を達成したいか把握しやすいはず。
すると自然に「相手が最も主張したいこと」も理解できるでしょう。ゴールに向けて今必要としていることが何なのか意識すれば、相手の主張に適切な反応をしやすくなります。
同時に相手の話し方の特徴も意識します。会話のテンポは速いのか、遅いのか。ドライなコメントをするのか、身振りを交えてオーバーなリアクションをするのか。
ドライな雰囲気であれば、端的に要点だけを述べることで相手に合わせやすいでしょう。逆にオーバーリアクションを好む人なら、こちらも大きくうなずいたり、話を広げたりすれば喜ばれるかもしれません。
良好なコミュニケーションのためには、相手のニーズを満たせるよう真摯に向き合い、信頼関係を築くことがポイント。相手の特徴に合わせて反応できれば、心を開いてもらいやすく、交渉もスムーズに進む可能性が高いです。
先入観を捨てて自分の意見に疑問を持つ
先入観を捨てることもポータブルスキルを高める上で重要です。思い込みや思考のクセを直し、物事を客観的に見られるようにしましょう。
これができると、紹介してきた論理的思考力や問題解決力、コミュニケーション力といった総合的な力が養われます。
重要なのは前提を疑う考え方、いわゆる「クリティカル・シンキング」を意識すること。いつの間にか、自分の考え方に固執していることに気付きやすくなるためです。
たとえば自社商品に対してLINEでの問い合わせが増えていたとします。あなたは「商品を欲しい人が増えたんだな」と考えるかもしれません。
しかし「問い合わせが増えた」ことが「商品を欲しい人が増えた」ことと同義であるというのは、あなたの思い込みです。
実はそれまでメールで問い合わせをしていた人が、返信が遅いためLINEに切り替えただけかもしれません。だとすれば、一時的にLINEでの問い合わせ件数が増えたに過ぎず、新規顧客は獲得できていないことになります。
その場の数値に一喜一憂せず、常に自分の見解に疑問を持ち、思い込みを捨てるクリティカル・シンキングがポータブルスキルの習得に不可欠です。
キャリアアップを目指せばポータブルスキルを鍛えやすい
最も手っ取り早くポータブルスキルを磨く方法は、とりあえずキャリアアップを目指すことでしょう。
今の会社で満足のいく仕事ができていても、平穏な日々がいつまでも続くとは限りません。
「このままでいいのか」という課題意識を持ち、「将来こうなるかもしれない」と予測すれば課題発見力が養われます。さらに「解決にはこの行動が重要」と見極めることで課題解決力が磨かれるはずです。
自分の理想の生活を守るために必要な行動が分かったら、キャリアアップのための計画を立てましょう。
「この時期までに資格を取っておこう」
「この時期までにあの職種を目指してみよう」
「これくらいの時期に転職しよう」
数ヶ月先までの目標で良いため、大まかでも上記のような計画を立てたら、計画立案力が磨かれます。
あとは実行力を発揮して前進するだけです。キャリアアップを視野に入れてポータブルスキルを身に付ければ、先行きの不透明な時代も堂々と歩いていけるでしょう。
p>=================
>コンサルタントへのキャリアに関する記事
コンサルタントへ転職するための「志望動機書」の作り方【未経験~ファームtoファームまで】
https://www.axc.ne.jp/column/axis-column/2015/0713/264.html
「コンサルは論理で客を打ち負かす商売じゃない」外資系ファームのシニマネが語る”マネージャー昇格への壁”
https://www.axc.ne.jp/column/2015/0410/16855.html
=================
今回は、ポータブルスキルの鍛え方についてお伝えしました。
キャリアでお悩みの方は、ぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。
アクシスの求人のうち、
約77%は非公開。
平均サポート期間は3年です。
各ファームのパートナー、事業会社のCxOに定期的にご来社いただき、新組織立ち上げ等の情報交換を行なっています。中長期でのキャリアを含め、ぜひご相談ください。