こんにちは。
キャリアコンサルタントの最上裕司です。
成功者のキャリア講演はしばしば行われますが、その内容を鵜呑みにしてはいけません。
著名人と同じようにできると思い込むのは危険
著名人による講演会は自己研鑽の一環でもあり、興味もあるため、時間の都合がつく限り顔を出すようにしています。
そこで語られることの多くは、
「自分がこれ! と思った道ならリスクを抱えてでも進むべし」
「殻を破って突き抜けろ! 異なる世界が待っている」
「踏み出さないと成功は得られない」
といった内容ばかり。
この意見には個人的には賛成です。
「信念を持って諦めずに取り組めば道は拓かれる」と私も信じています。
一方で、「危険だなぁ」とも思うのです。
成功者(ここではとりあえずそう呼びます)の言葉はどれも魅力的ですし、説得力に富んでいます。
当たり前です。魅力的で説得力に富んだ話ができなければ、成功しませんから。
ただ「危険だなぁ」と思うのは、それを真に受けて「自分にもできるかも」と安易に思い込んでしまうことです。
成功者は突き抜けた能力と努力で成功していることを肝に銘じる
刺激を受けて挑戦していく姿勢そのものは否定しませんし、むしろ良いことだと思います。
しかしながら、後先考えずに動けばいいというものでもありません。
場合によっては取り返しのつかない失敗をしてしまう危険性があるのです。
成功者は成功者なりに、どこか突き抜けた能力を持っていることが多いもの。
さらに講演会では決して語られないような辛酸を舐め、努力を重ねて、ようやく栄光を掴んでいるはずです。
「有為な凡人」にとって、決してたやすくないことも多いですし、乗り越えられない壁もあろうかと思います。
成功者は皆「私はむしろ会社ではできない方、いわゆる落ちこぼれで……」と話し始め、聴衆と心理的な距離感を近づけます。
しかしこれだけは言えますが、非凡な何かしらの能力を持っているからこそ、彼らは成功しているのです。
その上で、講演では語らない壮絶な苦労体験を重ね続けた結果、今の状態に至っていることを忘れてはいけません。
講演で刺激を受け、自分の一歩を踏み出す糧とすること自体は素晴らしいと思います。
しかしながら、ゆめゆめ気楽に考えることなく、あらゆるリスクを想定してから動くようにしましょう。
悲観的に準備し、楽観的に行動する。
リスクマネジメントにおける原則ですが、講演は得てして「楽観的な行動」のみにスポットを
あててしまうことが多い、ということを知っておきましょう。
=================
>キャリアに関する記事
波乱万丈型キャリアの成功者によるセミナーの危険性
https://www.axc.ne.jp/column/axis-column/2010/1112/742.html
社員2名のスタートアップから3,000名規模の大企業までを経験。10年にわたって経営者と対話を積み重ねた弊社キャリアコンサルタント河東孝至のキャリアと強みの源泉に迫る
https://www.axc.ne.jp/column/axiscareerconsultant/kato.html
野球選手への志望から一転、大手メーカーの人事部にて採用~教育・研修を経験。多くのコンサル出身者を間近で見てきた肌感に強みを持つAXISキャリアコンサルタント山口翔の経歴と強みの源泉に迫る
https://www.axc.ne.jp/column/axiscareerconsultant/yamaguchi.html
=================
今回は、成功者のキャリア講演の内容を鵜呑みにしてはいけないということをお伝えしました。
キャリアでお悩みの方は、ぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。
アクシスの求人のうち、
約77%は非公開。
平均サポート期間は3年です。
各ファームのパートナー、事業会社のCxOに定期的にご来社いただき、新組織立ち上げ等の情報交換を行なっています。中長期でのキャリアを含め、ぜひご相談ください。