私はNTTデータ出身のため、転職希望者の方から「NTTデータに行きたいです」というご相談もたまにいただいていました。
有名大手企業ということもあり、高い年収を稼いで安定した生活ができると考えている方が多いようです。
しかし本当にそうなのか。「役職定年」という制度とともに、注意したい点を解説していきます。
【目次】
NTTデータなど大手日系企業は終身雇用で安定?
相談者のうち多くの方は、真剣にキャリアを考えているわけではなく、
「NTTデータは大手だから安定してそう」
「福利厚生が充実していて、まったり余生を過ごせそう」
などと考えているだけ。そのため、あえてNTTデータの求人を紹介してきませんでした。
上記の例からわかる通り、NTTデータをはじめとする大手日系企業には、
「終身雇用だし、定年まで幸せに働けそう」という漠然としたイメージを持つ人が多いもの。
確かに客観的に見ても安定して働ける環境であることは事実です。
しかし日本の大手企業には「役職定年」というものがあります。
ぜひ覚えておいて欲しい言葉なのですが、これを気にする人は少ないため、詳しく解説しますね。
役職定年は大手企業の多くが導入:年収が大幅ダウンするリスクも
役職定年とは、
「役職者が一定年齢に達すると、現在のポストから外れ、専門職的な位置づけで異動ないしは再雇用される制度」
のことです。同時に早期退職制度が適用されているケースも多いですね。
NTTも導入している役職定年制。
実は、厚生労働省の調査に参加した日本の大手企業うち、47.7%という半数近くが、役職定年を導入しています。
参考:賃金事情等総合調査(退職金、年金及び定年制事情調査)」|厚生労働省
目的は組織の若返り、新陳代謝や若手のモチベーション向上、そして人件費削減などです。
例えば、役職定年は課長職52歳、部長職55歳といった具合に定められている企業があるとします。
この場合、課長になった後、部長に昇進せずに52歳を迎えると、課長の任から解かれて専門職などに契約が変わります。
同様に、部長もその上のポストに就いていなければ55歳でポストから外れます。
一般社員は60歳定年のため、とりあえず60歳までは働けます。
役職定年を迎えた方も60歳までは、管理職から外れるものの働くことは可能。しかし年収は大幅ダウンしてしまうのです。
NTTも55歳で役職定年が適用され、年収が3割ダウンするリスクもあることを忘れてはなりません。
NTTデータなどの大手社員こそ早め早めのプランニングを
役職から外れると、管理職手当がなくなり、収入が半額になってしまう人もいます。かなり大きな出来事ですよね、これ。
例えば40歳で第一子が生まれた課長の場合。
役職定年により52歳で管理職から外れることになります。
子どもは12歳で、これからまだまだお金がかかる時期ですが、容赦なく管理職手当がなくなり年収も大幅ダウン。
「早期退職して年収維持を」といっても50歳を過ぎるとそもそも転職先の選択肢も大幅に減っています。特定の技能や経歴がないとかなり苦戦が予想されますし、年収ダウンを余儀なくされることも多いです。
間違っても早期退職に乗っかって「辞めてから次を探そう」などと思わない方が身のためです。
「日系大手企業に入ったので、とりあえず安泰だ」と気を緩めず、日系大手企業であればなおのこと、
・自分がどの辺のポストまで狙えるのか
・出世ラインに乗っているかどうか
早めに客観視しておいてください。
「自分の給料はどういうカーブを描き、どこで激減するのか」
「その時に自分の家族に必要なお金はいくらか」
を考えておきましょう。
「いやぁ、きついね」という場合は、転職先の選択肢が多い段階で、ある程度手を打っておいた方が身のためかも知れません。
キャリアプランニングと、ファイナンシャルプランニング。
早め早めのプランニングができていれば、修正も効きやすいものです。
ぜひ折に触れて考えてみてください。
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>コンサルタントへのキャリアに関する記事
【コンサルタントの給料が高い理由】未経験でも年収は上がるか?ファームの年収・給与体系と未経験からの転職事例
https://www.axc.ne.jp/column/money.html
「コンサルは論理で客を打ち負かす商売じゃない」外資系ファームのシニマネが語る”マネージャー昇格への壁”
https://www.axc.ne.jp/column/2015/0410/16855.html
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今回は、役職定年の概要とファイナンシャルプランニングの重要性についてお伝えしました。
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