「コミュニケーション能力」。新卒採用でも中途採用でも応募要件に出てくることが多いキーワードです。
実際、「学歴はいいのですが、コミュニケーション能力の面で懸念が残ります」という理由でお見送りになる方も多くおられます。
そこで、今回のコラムでは転職面接における「コミュニケーション能力」を高めるコツや、コンサルティングファームにおいて「コミュニケーション能力」が求められる背景についてお伝えいたします。
関連記事:コンサルタントに学歴はやはり不可欠? 学歴フィルターの「中途」「新卒」、「戦略系」「総合系」での違い
【目次】
- コミュニケーションのプロセスは3つに分解できる
- 真にコミュニケーション能力が高い人とは?
- 転職活動でコミュニケーション能力がないと思われないための面接のポイント
- コンサル業界への転職ではタイトルが上がるにつれコミュニケーション力が求められる
コミュニケーションのプロセスは3つに分解できる
コミュニケーション能力という言葉は幅広い意味を持ちますが、
「相手に対して、自分が感じていること、考えていることを忠実に伝えること、その能力」
と表現できるでしょう。
コミュニケーションのプロセスを紐解くと、
1.自分(発信者)が何かを考え(感じ)ているのか、表現可能な状態に生成(言語化)し、
2.相手(受信者)の理解力や性格、受け止め方の特性を理解し、
3.相手(受信者)に正確に伝わる手段(ツール、声色、表情など)で伝える。
という段階を踏むことになります。
1〜3のどこかの段階で不具合が発生すると、正確なコミュニケーションが難しくなるわけです。
真にコミュニケーション能力が高い人とは?
「コミュニケーション能力が非常に高い人」は上の1〜3の全てが上手いものですが、全部を備えるのは大変という人もいるはずです。
特に世間で重視されているのは、
「3.相手(受信者)に正確に伝わる手段(ツール、声色、表情など)で伝える」能力があることのため、まずはこれを身に付けましょう。
「プレゼン講座」や「話し方講座」など、上手く話すことに力点を置いた講座や、書籍で学んでみるのがおすすめです。
しかし、真に大切なことは、むしろ「2.相手(受信者)の理解力や性格、受け止め方の特性を理解」することだと思います。
結局のところ、相手が正確に理解してくれなければコミュニケーションは成り立っていないのです。
自分は上手く伝えたけど相手が悪くて伝わらなかった、というのは言い訳に過ぎません。
相手の理解力はどの程度で、どういう受け止め方が多く、感受性はどうなのか。
ということを会話の中でリアルタイムに把握でき、それに応じて言葉を選び、イントネーションや表情を変えられるかどうか。
この能力の差により、コミュニケーション能力が決まってくるのだと思います。
転職活動でコミュニケーション能力がないと思われないための面接のポイント
では面接の場において、コミュニケーション能力はどのように見られているのでしょうか。
会話のキャッチボールができているのは当たり前で、高次のコミュニケーションにおいて押さえたいのは、相手の質問の意図や背景です。
すなわち相手の質問をどれだけしっかり「聴ける」かが肝要です。
「聞く」は耳で聞くこと、「聴く」は漢字が表す通り、耳に加えて目と心で相手の真意を聴くことを指します。
単に会話のキャッチボールをするだけであれば、事実や情報共有のレベル、事柄をしっかり聞けていれば問題ありません。しかしながらこれだけでは、表層的なやりとりしか生まれませんね。
相手の質問の意図や背景をしっかりと汲むことができれば、それを踏まえた回答ができます。
相手としては、自分の気持ちをよく理解してくれた上に、回りくどいやりとりをせずに端的なコミュニケーションがおこなえるため、心地よい印象を受けるものです。これができる候補者がいれば、少なくとも面接官はそのコミュニケーション力を高く評価したくなるでしょう。
聴く技術には3つのレベルがあると言われています。
レベル1:事実や事柄、情報を聞く
レベル2:相手の本音を聴く
レベル3:見えないところ(背景)を聴く
レベル1は「会話のキャッチボール」のレベルであり、事柄を聞いてそれに対して正確に返す、というもの。
レベル2、3は「人を聴く」とも言われますが、相手(例えば面接官)に関心を持ち、その人の質問の意図、背景を想像しながら、何を評価しようとしているのかイメージする、という聴き方です。
しっかり聴いた上で、相手の理解力や性格、受け止め方の特性を踏まえた回答ができれば完璧ではないでしょうか。
常に「結論ファースト」を意識し、一言で主張を述べてから理由を簡潔に説明すれば、端的で正確な回答ができるはずです。
面接時に自分がしっかり聴けるか、相手の特性を理解して回答ができるか自信がない方は、事前に転職エージェントの面接対策で練習しておきましょう。
コンサル業界への転職ではタイトルが上がるにつれコミュニケーション力が求められる
コンサル業界の場合、入社段階では学歴も採用の要件として重要な位置を占めます。理由としては、コンサル業界はロジカルスキルなど物事を構造的に考えられる力が求められるからです。
しかし学歴はあるよりもない方が、入社段階では良い結果をもたらすケースもあります。ロジカルスキルだけでなく、クライアントとの交渉やリレーションなど「コンサル業界はサービス業」と言う人もいるように、入社後のフェーズにおいては学歴だけでは測れないスキルや能力が求められるためです。
特にマネージャークラスでは、セリングの責務の配分がその後のキャリアにとって重要になります。クライアントから案件を依頼されるスキルは、頭よりもハートの部分が重要なことも多く、そういった意味ではコンサル業界ではコミュニケーション力のある人の方がプロモーションしやすい面もあります。実際に、大卒ではなくてもマネージャーになる方もいます。
関連記事:【実例】コンサル転職後も「順調にプロモーション」するための3つの挙動
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今回の記事では、転職面接における「コミュニケーション能力」についてご紹介しました。
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