【”とりあえずコンサル”の前に業界の将来性を見極める大切さ】「一般的な大卒レベルでもコンサルタントになれますか?」という質問への答え

某中小企業で経営企画を担当する28歳男です。新卒で入社し、今回が初めての転職活動です。

今の会社は社長が一代で築き上げた会社。将来自分も起業したいと考えているので、学ぶ点も多かったのですが、最近は仕事にやりがいを感じられなくなってきました。

社長がすべての決定権を持っているため、自分が会社の将来のために考えた企画も通らないことが多いことが理由です。

デジタル化への対応が遅れており、今のままでは、会社の将来性にも不安があります。

起業のための勉強という面で考えると、様々な経営者をサポートしながら、学ぶことができる経営コンサルタントへ転職したいと考えています。

また、コンサルタントになれば、キャリア・給与面でも大きく飛躍できるという話も聞き、魅力的だと思っています。

しかし、コンサルタントの業界のことはわからないことが多く、優秀な人しか採用されないとも聞いているので、自分が採用されるのか? という不安もあります。

経営コンサルタントになるにはどのような能力、経験、知識が必要なのでしょうか? 一般的な大卒レベルでも受け入れてもらえる可能性はあるのでしょうか?

コンサルティング業界採用に関する情報と率直な意見をお願いします。

M.N

コンサルタントになるには?

今回、コンサルティング業界への転職をご検討されているとのこと。

将来起業したいと考えており、様々な経営者をサポートすることで事例を学べる環境と、キャリア・給与面で飛躍できる待遇面でコンサルティング業界を魅力に感じられているとのことですね。

一方、求められる経験、知識、能力から、ご自身が本当になれるのか、不安をお持ちのご様子。

コンサルタントという職種は数多く存在しますが、経営コンサルタントになるために求められる能力、経験、知識についてはどういったコンサルティングをしていきたいかによって異なります。

学歴の面では、コンサルティングファームによって異なります。正直、一定レベルの大学卒以上でないと受けられないファームもありますが、本人の実力次第で、大学のレベルは気にしないファームもあります。

今はコンサルティング業界も人材が不足しており、幅広い層をターゲットとしているファームもありますので、コンサルタントを目指す方にとっては好機ではないでしょうか。

参考:コンサルタントに学歴はやはり不可欠? 学歴フィルターの「中途」「新卒」、「戦略系」「総合系」での違い

また、文面を拝見すると、中小企業において経営企画でのご経験をお持ちとのこと。

経験された領域にもよりますが、経営視点から自社を俯瞰することができ、経営者との距離も近い経営企画というポジションはコンサルティング業界への転職に優位に働きます。

例えば、今までは自社の中期経営計画を策定していたが、今後はコンサルタントとして、他業種の経営支援や業務改善等において支援したいというご意向であれば、これまでの経営企画のご経験が評価されそうです。

また、現在在籍している企業の規模や、クライアントの規模も判断材料になります。

多くのコンサルティングファームが大企業をクライアントにしているため、中小企業出身者よりも大企業出身者を採用したいというニーズが強くなります。

一般的に組織が大きくなれば、一つのプロジェクトに関わる人も多くなり、複数の部署を巻き込んだ調整が必要となります。

自分が大企業に属して、身を以て経験していれば、顧客がどのように意思決定をするのかを肌感覚で分かっています。それがコンサルタントになってからも優位に働くと言えます。

一方、中小企業にいらっしゃる方は大手企業と比較すると若手でも裁量権を持って活躍している方が多くいらっしゃいます。

責任を持って仕事をしてきた経験や、スピード感のある組織で事業を進めてきた経験は、コンサルティング業界でも十分に活かせるスキルだと思いますので、そのスキルを評価してもらえる企業を探すことが必要でしょう。

そもそも「何故コンサルタントなのか?」コンサルタントの将来性を見極め、ビジョンとのズレをなくすことが大切

ご相談者様は「将来自分も起業したいと考えている」というビジョンをお持ちですが、それを叶えるのに最も適しているのが果たしてコンサルタントという職種なのでしょうか?

日々キャリアコンサルタントとしてコンサル業界を希望される方にお会いし、「起業したい」と相談される方も多いのですが、コンサルタント経験と起業に要求されるスキルや能力は必ずしも一致していないようです。

主にコンサルティング業界のクライアントは、一定の事業規模の会社が多く(そうでないとフィーが払えない)、起業に必要な0から1へと事業立ち上げの経験を積むには、ベンチャー企業など、事業会社での企画職を選択する方が、希望するキャリアに近づくかもしれません。

また、今回の転職理由が「環境」と「待遇」ですが、起業という選択をするのであれば、最初から「待遇」を期待することはできませんので、本当に待遇面を改善したいのであれば、将来の目標がそもそも「起業」なのか、についても熟考された方がよいかもしれません。

コンサルタントを経験すれば、事業会社の数倍のスピードで成長できるといわれており、コンサルタントは高い将来性や、待遇を得ることができるのは事実。コンサルを経験された後に起業する方も実際多いため、経験が無駄になることはないと思います。また、中にはコンサルティングファーム在籍中に副業として個人事業を始める方もいらっしゃいます。

参考:

【コンサルと個人事業(副業)の兼業事例】起業に活きるコンサルタントのスキル/足りないスキルとは?

「いつかは起業」ではなく「本当に起業の準備をしている」コンサルタントはファームで働きながらどう準備をしているのか?

ただし、チャレンジするにあたっては本当に自分のキャリアを実現するために最適なのか、という点について、熟考して頂くことをおすすめいたします。

参考:なぜベンチャーの経営層にはコンサル出身者がいることが多いのか?

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今回は、経営コンサルタントになるために求められることについてご紹介しました。

キャリアでお悩みの方はぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。


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