今回は、中堅システムインテグレーターから外資系大手コンサルIT系コンサルティングファームへの転職事例についてご紹介します。
<プロフィール>
28歳 男性:中堅システムインテグレーター(年収480万円)⇒外資系大手コンサルIT系コンサルティングファーム(年収550万円)
一次請けは大企業だけ?
私がNさんとお会いしたのは今年の5月。
Nさんはご年齢に対してとても落ち着いた雰囲気を持っていて、一生懸命、懇切丁寧にお話しをされる好青年でした。
Nさんは、大学卒業後、中堅システムインテグレーターに入社し、エンジニアとしてのキャリアをスタート。
主に大手広告代理店のWEBサイト構築プロジェクトで実績を出して、若くして課長補佐に昇進されるなど、社内外で高い評価を受けていました。
私:「経歴を拝見しましたが、会社や、お客様からとても高いご評価を頂いているんですね」
Nさん:「ありがとうございます。自分だけの力ではなく、運にも恵まれて、そういった評価に繋がっているんだと思います」
私:「運ではなく、Nさんの実力ですよ!素晴らしい!」
Nさんは、大学卒業後、新卒で入社した現職にて、次々に仕事で実績を出し、同期よりも速いスピードで昇進してきました。
一見、順風満帆にみえるNさんに、今回の転職活動理由を聞いてみました。
Nさん:「正直、今の仕事は楽しく、責任感を持って仕事が出来ているので充実しています。
しかし、会社全体を見渡すと、私の様に大手企業と直接取引きをしている案件は皆無で、この案件もいつ終了するか分からない状況なんです。
自分としては、これからもエンドユーザーに深く入り込んで、上流工程からの仕事をしていきたいと考えています。30歳を前に、そういったエンドユーザーとの仕事を中心にしている企業に転職して、キャリア構築をしていきたいと考えて転職活動を開始しました」
私:「了解しました。ところで、Nさんは営業活動をしたこともあるんですか?」
Nさん:「はい。小規模ですが、あるメーカーのWEBサイト構築などの案件を受注した経験があります」
私:「すごいですね。プロジェクトをマネジメントしながら営業もしてるんですね。」
Nさん:「プロジェクトの切れ目に活動するくらいですが。
ただ、やはり受注案件規模も小さいので、たいしたことはないです……」
私:「いえいえ、大小関わらず、その若さで営業活動して案件受注出来るのは素晴らしいことだと思いますよ。因みに、転職活動ですが、今まで何社くらい企業のエントリーされましたか?」
Nさん:「はい、実は、既に10社くらいエントリーしています。」
私:「そうなんですか、結構応募されてますね。それだと、既に最終面接フェーズの企業もあるんじゃないですか?」
Nさん:「いいえ……。実は面接は全て落ちて、今進行している企業は無いです」
私:「そうなんですか?意外ですね。どのあたりの企業を受けているんですか?」
Nさんが受けていた企業は誰もが知っている大手企業が中心でした。
私:「ご希望は大手企業ですか?」
Nさん:「そうでは無いんですが、やはりエンドユーザーの仕事を請けているのは大手企業なのかと」
私:「傾向としてはそうかもしれませんが、そうとは限りませんよ」
本当のコミュニケーション力とは?
Nさんは大手企業 = 一次請け企業という認識を持っていました。
私は現在のIT業界、コンサルティングファーム業界の状況についてマップを使って説明をしました。
今の業界の流れとしては、決して大手企業がエンドユーザーの案件を受注しているわけでなく、確固たる強みを持った企業であれば、数十名規模でも魅力的な案件を受注しています。
Nさん:「認識が間違ってました。勉強になりました。規模に捉われず幅を広げて受けて行きたいと思います。」
私はNさんに中堅のシステムインテグレーターや、IT系コンサルティング企業を中心にご提案しました。
Nさんはその中から3社を選択して受けることになりました。
書類選考については、若さと、綺麗な職務経歴のため、全て通過しました。
しかし、2社の面接を受けたものの、1次面接を通過することが出来ませんでした。
私は最後の会社、H社の面接の前にNさんとお会いしました。
私:「Nさん、書類選考は順調に通過しますが、面接に苦戦していますね。ご面接の感触としては、どう思われていますか?」
Nさん:「はい。実は面接の出来は良いと思っていたんです。自分の強みや、志望動機、将来への思いなど、先方には存分にお伝え出来たと思ってます。」
私:「なるほど。因みに先方からの面接フィードバックなんですが……」
2社からNさんへの面接のフィードバックとしては、若くて、優秀な実績をあげてきた方で、任せた仕事はきちんとこなしてくれそう、という点では高い評価でした。
一方で、
・自分中心に話を進めてしまう傾向があり、話が冗長
・結果的に何を伝えたいのかが分からない
・質問に対して、要求している答えではない回答をしてしまう
よってコミュニケーション力に難有り、ということで面接不合格となっていました。
私:「Nさん、面接ではもう少し自分を客観視する必要があると思います。
そして相手が何を意図とする質問をしているのか、それを的確に把握して、ポイントだけ絞って話すことを心がけてください。」
Nさん:「はい、自分でも分かっているんですが、どうしても話しすぎてしまう性格でして……。話が長くなり、まとまりの無い内容になっていると感じてはいたんです」
私:「そうですね。
【自分の言いたいことを伝える、流暢に話す】ということと【コミュニケーション力がある】とは異なるものですからね。
次のH社の面接までは、仕事や私生活でも、その点を意識してコミュニケーションを取ってみてください」
Nさん:「分かりました。頑張ります!」
決め手はコミュニケーション力
1週間後、H社の面接を受けたNさんから連絡がきました。
Nさん:「先ほどH社の面接が終わりました。自分なりに、冷静になり、相手の質問の意図を理解した上で、ポイントを絞って話してきたつもりです。後は良い結果になることを祈ります」
そして、2日後、そのH社より選考結果の連絡が来ました。
私:「Nさん、H社から選考結果連絡が来ました」
Nさん:「どうでしたか!?」
私:「おめでとうございます!内定です!」
Nさん:「本当ですか!?ありがとうございます!!本当に嬉しいです!」
私:「H社からNさんへのご評価ポイントですが、ご経歴やスキル面は勿論、【何よりもしっかりとしたコミュニケーションが取れる点を評価しました】とのことでした」
Nさん:「ありがとうございます。この1週間、仕事や私生活でも的確にコミュニケーションを取ることを心がけてきたことが報われました。ありがとうございます!」
そして、H社から正式な採用条件が提示されました。
提示された年収面も現職の年収を上回る魅力的な内容であった為、NさんはH社への入社を決意されました。
NさんはH社に入社後、プロジェクトのリーダーとし案件をリードするだけでなく、積極的に営業活動も行い、入社後2ヶ月で早速1件案件を受注するなど、大活躍中です。
Nさん、これからもアグレッシブにがんばってください!
担当キャリアコンサルタントから一言
企業との面接では、何よりコミュニケーション力が重要となってきます。
どんなに素晴らしい経験・スキル・知識を持っていても、それをきちんと面接担当者にアピールすることが出来なければ採用されることはありません。
言葉を噛んでしまって流暢に話せない、というのは問題ではありません。
先方が何を知りたくて質問しているのか、しっかりと聞いて、理解した上で、正確に伝える。質問が聞き取れなかったら聞きなおしても大丈夫です。
自分自身も普段の生活から相手の立場になって、丁寧にコミュニケーションを心がけて行きたいと思います。
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