【20代でコンサルから事業開発への転職事例】面接でのコミュニケーションは微妙も、並々ならない熱意で逆転内定

「事業会社というよりB社に入社したい」

Hさんの希望は「事業会社」。コンサルファームからのEXITで安易に事業会社を希望される方について、私は少々気を付けるようにしています。

事業会社を希望する理由については色々とお聞きしますが、単にファームの激務から逃れたいだけ、事業会社って楽だよね、という本音が見え隠れするケースが多いですし、ファーム出身なら経営企画など企業の舵取りを任される重要ポジションに行けるもの、と「浅く」考えている方が多いためです。

当然、実際はそんなに甘くはありません。私は「何故事業会社へ行きたいんですか？年収も下がりますし、思い通りにプランニングが出来るかどうかなんて分かりませんよ？経営企画といったってその部署内でオペレーションメイン、なんてことも多々あります。」その真意を推し量ろうと敢えてやや挑発的に質問をぶつけてみたところ、Hさんはおずおずと答えました。

「いえ、別に経営企画に行きたいわけでもないですし、事業会社というか、B社に行きたいんです。B社の代表のマインドに心底共感してますし、その事業の進め方、経営手腕など、大変魅力を感じています。B社のフィールドで力を発揮したいんです。経営企画でなく、事業をまわす主体者として、利益に貢献したいのです。」

今までお会いしたことないほどのB社へかける情熱

ピンポイントでB社と言ってきただけあり、Hさんの情報収集は半端なく、私以上に詳しいのでは、という状況でした。B社代表の著書は当然全て目を通しているどころか、「自炊」といって本を裁断し、スキャナで読み込んでPDF化してiPhoneなどに入れ、その金言をいつでも読めるようにしている、という情熱ぶり。

今までここまで「熱い」求職者様にお会いしたことはなく、これは逆にB社へのサポートがうまくいかなかったら大変だ、と気の引き締まる思い。そして、とはいえHさんは第一印象でアピールできるタイプでもなく、決して面接受けが良いとも言えないであろう点が気になりました。

焦点はいかに「面接を通過するか」

HさんにB社の事業内容等の説明はもはや不要であり、いかに「面接を通過するか」が焦点でした。Hさんも、会社情報は自ら調べられても、面接についてはブラックボックス。私の介在価値はまさにその点におけるサポートだと心得ました。

かくて、Hさんを「面接通過」させるための練習を開始。面接の基本から始まり、過去の面接者のフィードバック、不合格理由の分析、そして面接のやりとりのロールプレイ。Hさんは真面目に、適宜メモを取りながらしっかりと吸収していきました。

コミュニケーション不足に勝った情熱

ところが、面接後、うまくパフォーマンスを出せなかった、というフィードバックが来ました。やりとりの中で頭が真っ白になることが多く、会話もたどたどしくなってしまった…という残念そうなHさんの声。

私としても、何とか受からせたい想いがあり、企業にアピールはするものの、本番に力を出せるかどうか、というのもある意味実力。やるせない想いです。

…が、無事、選考はうまく進み、そして、内定の連絡。喜び半分、疑問半分でB社に細かく評価を確認しました。

B社からは「確かにコミュニケーションという点ではやや微妙ではあったものの、少なくとも当社への並々ならぬ熱意は感じられ、どういう準備をしてきたか、といったものが木訥とした中からしっかり感じ取れた。何より、うまく話せないながらも、具体的に当社で働くイメージを本人が持っていたことがプラスに評価されたんです」

面接はうまく話せる方が確かに評価されやすいのですが、やはり見る人は見ているものです。Hさんの場合は、その本気度、熱意が企業を動かしたんですね。

企業研究は面接の基本ではありますが、場合により逆転ホームラン、に繋がるようなインパクトがあるものなのですね。

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今回の記事では、20代でコンサルティングファームから事業会社の事業開発職へ転職された方の事例についてご紹介しました。

キャリアでお悩みの方は、ぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。