今回は、税理士法人から経営コンサルタントへのキャリアチェンジに成功されたSさん(20代後半男性)の転職事例をご紹介いたします。
前職では、税務会計領域のコンサルティングに従事されていたSさん。ここでの経験から、”よりクライアントの成長や課題解決に貢献したい”という強い想いを抱き、ご転職をサポートさせていただくこととなりました。
初めてのご面談では、とても爽やかで誠実な印象を持ちました。高いポテンシャルを持ち、前職で活躍をされていたSさんは、転職活動においてこちらからのアドバイスを余すところなく吸収され、面接では常に高評価を獲得されました。
結果として複数の内定を獲得し、企業を選ぶ判断軸を自身でしっかり落とし込み、会社の規模と高い成長性を兼ね備えた日系コンサルティングファームへの入社をご決断されました。
そんなSさんより、転職活動での感想や重要と感じたポイントなどをお教えいただきましたので、以下にご紹介いたします。
経営コンサルへの転職を考えたきっかけは、「税務アドバイスしか行うことができない税理士法人としての立場に歯がゆさを感じたこと」
私は新卒で、外資系の税理士法人に入社し、クライアントの税金計算及び税務アドバイス業務に従事してきました。
やりがいはあったものの、仕事を進めれば進める程、クライアント側のイシューは税金計算ではなく、むしろ売上高の減少や変化する市場へのキャッチアップ等、経営・戦略的な課題であるということに気づくようになりました。
その中で実際に、経営不振の影響による担当者のリストラや、子会社の精算の現場を見ていくうちに、税務アドバイスしか行うことができない税理士法人としての立場に歯がゆさを感じていきました。
税理士としての「専門家」のあり方は、税務アドバイスを行えることを前提に、さらに経営課題を経営者と手を取り合いながら一緒に考え、持続的な成長を支援していくことではないか。
そう思うようになり、企業経営のアドバイザーである経営コンサルタントを志すようになりました。
税理士から、経営コンサルタントへの転職は前例が少なく、不安な部分もありましたが、自分の気持ちに正直に向き合いました。
その後、コンサル業界への転職支援に強みを持ち、実績のあるアクシスコンサルティングの門戸を叩き、具体的に転職活動を進めました。
面談を通し、転職先企業の求人選定や、履歴書・職務経歴書の書き方レクチャーまで一気通貫でサポート
上記のような不安を抱えながら、初めての面談を迎えました。
会員登録後、すぐに担当者の方から丁寧なご返信を頂けたので、「安心できる」といった印象を受けました。最初の面談時ですでに多くの企業の採用データをご提示いただき、私の志望動機の確認と、今後のスケジュールを教えていただけました。
しかし、その後一ヶ月、語学留学が入り中断することになりましたが、その期間中もフォローアップをメールでして頂き、帰国後の転職活動をイメージすることができました。
二回目の面談時では、以下の内容について1.5時間ほど丁寧に行っていただけました。
・転職動機の再確認(そもそもなぜ転職する必要があるのか等含め)
・転職先企業の選定(外資or日系、大規模or中規模、成長志向or磐石な基盤etc…)
・履歴書、職務経歴書の書き方について
・テスト対策の紹介
上記のように、二回目の面談で網羅的にお話をいただき、スケジュール等を決めていくことができました。初めて、かつ、異例な転職を志望する私にとって、目標とするキャリアチェンジが具体的な日付となっていく様は嬉しいものがありました。
面接~内定までの間で苦労した点は、SPI~玉手箱~CAB・GABへの対策と、スケジューリング
印象に残ったのは、大きく分けて以下の二点です。
・テスト対策(10月の一ヶ月)、SPI, 玉手箱、CAB・GAB
テストにも様々な種類があり、それらを限られた時間で同時並行していくことは、スケジューリングの面で苦労しました。
私は働きながら大学院に通っていた関係から、平日夜及び週末は大学院の課題等で、テスト対策をできる時間はほとんどなかったため、朝の時間や通勤の移動時間のみで対応するようにしていました。
その限られた時間のお陰で、集中力が高まり、短期間でスコアを伸ばすことができました。
学生の就職活動では、”替え玉受験”が希に行われていると思いますが、テスト対策の結果そのものも、志望する企業との相性や仕事の適正を図るための大切な尺度だと思います。”実力で内定を得る”ためにも、手を抜かないことがポイントであり、内定獲得後もそれが自信になると思います。
・スケジューリング
仕事、大学院、転職活動の三つをどう上手く回すかを考えました。
仕事については、10月の語学留学帰国後、すぐに上席の方に退職する旨を伝えました。この時点では、テスト対策はおろか、履歴書さえ書いておりませんでしたが、2014年中に内定を獲得し、年明け入社を目指していた関係から、すぐに申し出ました。
もちろん、宣言してしまったからには後戻りはできないので、無職になるリスクはありました。しかし、その後は突発的な仕事は無くなり、安定して業務を進めることができ、ケジュールが組み易くなったのも事実です。
“忙しいから、時間が空いたら転職しようかな”では、年次が上がるに連れて時間にゆとりができることは例外を除いては有り得ず、いつまで経っても理想に近づけないので、やるからには短期決戦でいくのが良いと、個人的には思います。
大学院については、修士論文の執筆が佳境を迎える時期にありました。毎週末は、朝から晩まで大学院で論文についてのディスカッションを重ね、教授からもプレッシャーをかけられました。ただし、時間がない分、自然と集中力が高まり、ムダを省くことで中身の濃い論文に仕上がっていきました。平日夜と週末は基本的に論文のことを考えていたと思います。
この一見関係のない、論文を書くと言う行為も、実は自分の考えを論理的に説明するという点では転職活動とリンクしており、この作業の中で論理的思考は飛躍的に高まった思います。
嫌がらずに全ての作業での共通項を見つけ出し、成長につなげることが大切だと思います。
企業選びの際には、「自分なりの”キャリアアップ”と”リスク”の定義を持ち、常に”当初の志望動機”に立ち返ることを大切にした」
自分なりの”キャリアアップ”と”リスク”の定義を持ち、常に”当初の志望動機”に立ち返ることが大切だと思います。私のキャリアアップの定義とは以下の三つを全て満たすものでした。
・年収Up
・職位Up
・やりたい仕事ができる&更なる成長ができる
特に年収、職位については、所属企業のテーブルと判断基準のみで査定されることが一般的で、個人の市場価値が考慮されていないことに疑問を感じていました。
商品と同じで、市場に出た時の評価も含めた上で、年収、職位を判断されることが望ましく、総合的判断であるため妥当であるように思います。したがって、今の自分の立ち位置を知る意味でも転職活動の意義は大いにあると思いました。
また、私にとっての”リスク”の定義とは以下のものでした。”経営コンサルタントとして素早く大きな成長ができないこと”これは、転職を目指す方々のライフステージ(未婚or既婚、子供の有無等)に大きく依存するかと思いますが、私にとってのリスクとは、志望動機に素直に向き合った時の理想を実現できないことでした。
それゆえに、企業選びの際は、以下の点を重視しました。
・その会社の評価制度(昇給、プロモーションスピード)
・業務範囲の自由度
・組織体制の柔軟さ
・優秀なメンバーと仕事ができるか
これは内定先の最終面接で聞かれましたが、”成長”するということをまずは定量的に具体的に説明できると良いと思います。定量的な成長とは、目指す年収、職位、Deal規模等を何歳までに達成するかということであると思います。
それらを達成する風土が志望企業にあるかどうか。無い又は薄いのであれば、それが私にとってのリスクでした。「リスク」とは、無職になる、家族を養えなくなる、社会的な地位を失うといった様々なことが考えられますが、それら一つ一つを真剣に考え、それらが起こりうる可能性を検討し、その場合の対処策を打ち出すことで、不安は軽減していきました。その上で、より高い理想を持ち「リスク」と向き合うことにしました。
一般的に物事には「リスク」があるとはよく言われる話ですが、ご自身にとって何が「リスク」なのかを見極めることも大切かと思います。
また、内定先が出揃った際には、当初の志望動機に立ち返ることが必要です。ネームバリュー、企業規模、目先の給与等で心が揺れてしまうことがあるかと思います。しかし、その際にもう一度、転職志望動機を思い出し、それらが実現できる可能性が高いか、本当に自分が納得しているか(他人の意見になっていないか)を確認して、長期的な目線で考えます。
最後に決断するのは自分自身なので、落ち着いて原点に立ち返って納得感のあるオファーを傑諾することが必要だと思います。
今後10年は、経営コンサルタントとして短期的には定量的に掲げた理想を追求することを最優先したいと思います。その後は、コンサルとして蓄えたナレッジを用いて税理士業界に還元するのか、また他業種にトライするのかは分かりません。ただし、今後も”その時点での理想とリスク”を明確に洗い出すことで、敢えて方向性は定めずに進んでいこうと思っております。
今回の転職活動は、自分の可能性を広げる一助となったことは確かなことだと思います。
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今回は、税理士からの経営コンサルタント転職体験談をご紹介しました。
キャリアでお悩みの方は、ぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。
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