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「コンサルは論理を客で打ち負かす商売じゃない」
先日、外資系ファームのシニアマネージャーとお話をした際に「シニマネの立場から眺めたメンバークラスによくある勘違い」についてお聞きしました。そのシニアマネージャーが語った「コンサルは論理を客で打ち負かす商売ではない」という言葉は、コンサルタント同士の会話でも話題に上がります。
特に、マネージャーにプロモーションする際にはこの勘違いがネックになることもあると言います。そこで、今回は現役シニアマネージャーが語る『マネージャーになるための壁・それを超えるための対策』についてご紹介します。
「コンサルは一人でやる商売」という考えがマネージャー昇格への壁になる
一般的にコンサルタントに向いているとされる、「構造化できる人」「体系的にコミュニケーションができる人」について言うと、もちろん該当するスキルをベースとして持ち合わせている必要はあります。しかしながら、それがすべてではない、というのが本当のところのようです。なぜなら、完璧な論理でクライアントを打ち負かしても相手から信用を高められるわけではないからだと言います。
件のシニアマネージャー曰く、「分析・資料作成の段階ではロジカルな思考やドキュメント力が大事だが、いざクライアントフェイシングでも同じ考えで対応してしまい、“打ち負かそう”という話し方で信用を得られず、パフォーマンスできないシニアコンサルタントが多い」とのことでした。
そもそも“論理的に打ち負かそう”と考えているコンサルタントに不足しているのは、「コンサルティング業は一人でやる商売ではない」という考えそのものだそうです。相手からの要件を聞きそれに対して最適な答えを出すだけではなく、「クライアントを巻き込んで『ビジネスを一緒に進めていきましょう!』と問題を実際に解決することが本質的に求められている」ということでした。
「自分が苦手そうなクライアントの案件にも手を挙げる」などの努力が大切
ただ、もちろんクライアント側も「一緒にやっていきましょう!」という人ばかりではないのが実情です。先のシニアマネージャーも「みんなを巻き込んで一緒にやろう!というクライアントがフィットする」、「苦手としているのは学者タイプ」と率直に語られていました。
苦手なタイプを克服するための努力として、弱みを補完するために自ら苦手そうなクライアントの案件に手を挙げ、アサインし、上長のふるまい方を学ぶことを続けたとのことです。さらに、どのようなクライアントでも巻き込めるように「現場で学ぶ」ことをとにかく実践したそうで、ステップアップのためには地道な苦手分野・意識の克服が必要となる場合もあるようです。
アナログな努力で社内ネットワークを作り、同僚からコツを学ぶことも必要
クライアントフェイシングのコツを知るためには「類似したプロジェクトで成功した社内の人に直接アプローチしている」とのことでした。
タイトルアップをしても、ファームから求められるマネージャーロールに対して自分のスキルに不足がないかを冷静に判断し、足りないところがあればそこを埋めていく、という内省的な挙動が求められると言えます。しかしながら、同時に「意外とその壁も高い」とも言及しています。
コンサルティング業界は同じマネージャーの案件にアサインされやすく、他のマネージャーの案件に移るためにはネットワークを築くことが必要なのは有名な話であると言えます。特に「新卒は同期からマネージャーを紹介してもらえることもある」というように新卒組は同期という強力なネットワークを使える一方で、中途の場合は年数も少なく、人脈が浅いので苦労することが多いようです。
これは他のシニアマネージャーも口をそろえて語ることの一つですが、このようなコネクションの壁を乗り越えるには「意外とアナログな努力」が必要と語っていました。やはり「飲み会、ゴルフなどで人脈をつくるなど仕事以外のところでネットワークを作った方が良い」との意見で、個人プレーのイメージのあるコンサルタントこそ、どこにいても人脈づくりが大切ということなのかもしれません。
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今回の記事では、外資系ファームのシニマネが語る”マネージャー昇格への壁”についてお伝えしました。
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