普段は中途の転職活動支援を展開している、弊社アクシスコンサルティングですが、今回はその転職活動に使用するノウハウを新卒でコンサルティングファームを目指す、皆さまに特別に伝授したいと思います!→転職を検討されている方はコチラ
【目次】
- コンサルタントになりたいけど、志望動機がつくれない、、、。
- 戦略コンサルティングファームでは志望動機を重視する!
- 志向の整理。あなたはコンサルタントになって何をしたいですか?
- 自分の強みの整理。あなたはなにをしてきましたか?
- あなたが手に入れたいものと、あなたの強みを結びつけてみましょう。
- 志望動機のロジックにズレがないかチェックしましょう。
- 最後に
コンサルタントになりたいけど、志望動機がつくれない、、、。
さて、今回のコラムのテーマは「志望動機」。キャリアアドバイザーとして働いていると、志望動機について本当によく相談されます。 「コンサルタントへ転職するための志望動機」に悩んでいる方が多いです。新卒の方でも多いのではないでしょうか?事業会社のように特定の商品を持っているわけではないので、商品を軸に志望動機を組み立てることができません。 また、一見するとどのコンサルティングファームも同じようなことをしているので、「なぜ他のファームではなく、うちを希望したのですか?」という質問にうまく答えられないのです。
戦略コンサルティングファームでは志望動機を重視する!
ちなみに戦略コンサルティングファームを受ける場合は、特に志望動機が重視されます。 先日、某大手外資系戦略コンサルティングファームの感謝祭に行ってきました。前半は採用計画・求める人物像の説明で、後半はパートナーとの交流会というスケジュールでした。前半の話で、面接で見ているポイントの説明がありました。
1:考えることが好きな人
2:人とコミュニケーションを取るのが得意な人
3:コンサルタントの志望理由、同社への志望動機
1と2は少し漠然としていますが、イメージがつくと思います。3についてはどうでしょうか? 外資の戦略系コンサルタントで志望動機が必要な理由。イメージが湧かない方もいるかもしれませんね。 なぜコンサルタントになるのか? その中でなぜ弊社なのか? この2点はかなり重要視しているそうです。なぜなら、戦略コンサルタントの業務は非常にタフで憧れだけでは業務を遂行できません。情熱がないと大手クライアントの難易度の高い課題に立ち向かうことができないのです。
ちょっと考えれば至極真っ当な理由ですが、外資戦略コンサルタントにクールなイメージを持っている人は少しギャップがあるかもしれませんね。実際に面接対策で、ケース対策ばかりに時間を使っている応募者もいますが、「何でコンサル?」の質問でつまずいている人が結構多いのも事実。コンサルタントはクライアントサービス業なので、使命感や情熱が大切なのです。
志向の整理。あなたはコンサルタントになって何をしたいですか?
ライバルと差をつけるためには何が必要でしょうか? それは明確な意思を持っていることです。
・年収が高い企業に入りたい
・世間体のいい会社に入りたい
・将来に困らないよう自分の市場価値を上げたい
・人間関係のいい職場に行きたい
・英語を使ってグローバルな仕事をしたい
・20代は成長できる環境に身を置きたい
などなど
当然すべてをかなえることはできないので優先順位が必要です。この中から3つに絞りこんでみましょう。
1.年収が高い企業に入りたい
2.人間関係のいい職場に行きたい
3. 英語を使ってグローバルな仕事をしたい
ここで視点を切り替えます。ビジネスパーソンとして、お客様や世の中に対して、どのような価値を発揮できる人になりたいのか。自分視点ではなく、貢献視点に切り替えられるものはありますか。 上記の場合、1と2は貢献視点に切り替えることはできません。ただ、3は切り替えることができそうです。
自分視点だと、「私は、英語力を活かしたいと考えており、いずれは海外で働いてみたいと考えている(自己実現、自己成長)」
貢献視点だと、「企業にとって、グローバル化への対応は喫緊の課題となっており、そのような課題に対して、貢献できる人材になりたいと考えている」 採用担当者から見て、どちらが好印象でしょうか? もちろん後者ですね。これが、志望動機の一つ目の柱となります。 この自分視点から貢献視点への転換は、特にコンサルタントを目指している方には意識してほしいポイントです。
というのも、「コンサル=成長できる環境」という図式で志望動機を組み立ててしまう人が多いのです。 もちろん、成長したいからコンサルタントにという気持ちは間違ってはいませんし、実際にコンサルティング業界には成長できる環境があります。 ただし、面接の場で自身の成長にフォーカスしすぎてはいけません。コンサルタントの仕事は企業の支援です。当事者よりも当事者意識を持ち、課題解決や戦略策定をおこないます。 つまり自分のことより相手のことを考える人間でなければ務まらない仕事です。
クライアントファーストがまず求められる職場の採用面接で、自分の成長ばかりを語る人間が評価されるでしょうか? マッキンゼーの採用マネージャーを12年務めた伊賀泰代氏も
(本文抜粋)
経営者が、経営上の重大課題について相談するのは、「問題を解く能力がある人なら誰でも」ではないのです。そういった相談を受けるためには、お互いの間に深い信頼関係が成り立っていることが不可欠です。
※「採用基準」, 伊賀泰代,ダイヤモンド社,p43
と、地頭信仰になりがちな採用基準や思いこみに警鐘を鳴らしています。 なぜ、成長したいのか?自分のことも大切ですが、その先にいる、顧客や業界、社会を意識してみてください。
自分の強みの整理。あなたはなにをしてきましたか?
「就職活動の第1歩は自己分析から」といいますね。自分の志向が整理できたら、次に自分の強みを整理します。これも片端からリストに書き出してみましょう。重要なのは、どんなに小さなことでもいいので書き出すことです。
あらかた書き出した後、これは転職活動をしている方にしているアドバイスですが、自身のアピールポイントを“STAR”に落とし込んでみましょう。 S=Situation(状況) T=Task(仕事) A=Action(行動) R=Rsult(結果) ただ頑張った結果のみをアピールするのではなく、「私の強みは●●です。」→「こういった状況で」→「どのような仕事をした時に / 何か課題があって」→「このようなアクションを試みた」→「結果、このようにすることが出来ました。」→「だから、私の強みは●●だと思います。」という風に話すとあなたのビジネスパーソンとしての素養を面接官が感じ取ることができるのです。
数字にできるものは極力数字で表現してください。
×→大規模サークルで
○→100名を超える大規模サークルで
志望動機に深みを出すためには、書籍やネット・経験者に話を聞くなどのリサーチが不可欠です。ただし、いくら調べたことを並べても、面接官に刺さる内容にはなりません。 なぜかというと、そこに“実体験に基づいたエピソード”がないからです。これでは内容に深みがなく、「なぜ?」と突かれるとすぐにボロが出てしまいます。事前のリサーチはもちろんのこと、実体験に基づいたエピソードを“しみじみ”と伝えられれば、オリジナリティのある志望動機になるのです。
あなたが手に入れたいものと、あなたの強みを結びつけてみましょう。
最後にあなたの志向と、成功体験に裏付けられたあなたの強みを結びつけます。ここが大切なポイントです。プラスの体験の延長上に自分の志向を置くのです。 「私は、将来○○のようなビジネスパーソンになりたいです(貢献視点の志向)。今までこのような体験をして、○○のような強みを身につけてきました(成功体験に裏付けられた強み)。これを将来さらに発展させたいと考えたときに貴社の存在(企業研究の結果感じた、これをやってみたい!と思えるような仕事・経験。あるいは課題)を知り、ぜひ貢献したいと考えました」というような構造になります。
ここでコンサルティング業界ならではの注意点を。入社したコンサルティングファームのさらにその先には、クライアント企業がいることをぜひ意識してください。「貴社に貢献する」というのは、「貴社を通じてその先にクライアント企業、ひいては社会に貢献する」ということなのです。その観点を忘れてはいけません。
志望動機のロジックにズレがないかチェックしましょう。
完成したら自己チェックです。あなたの面接官になるコンサルタントはロジックのズレを見つける専門家です。たとえばボストンコンサルティンググループで長く活躍したドリームインキュベータ創業者の堀紘一氏は著書で以下のように記述しています。
(本文抜粋)
コンサルタントは、部門間でどういう対立が起こりうるか、それをどうやって解決して全体のパフォーマンスを最大化するのか、ということを多くの企業で山ほど経験している。…コンサルタントの能力として、インタビューを行うことによって各部門の「ズレ」を探り当てる…。
※「コンサルタントとは何か」堀紘一,PHP研究所,pp194-195
企業の「ズレ」を敏感に察知するコンサルタントは、目の前のあなたの「ズレ」に必ず気づきます。だから入念な自己チェックが必要なのです。いくつかチェックの方法をご紹介します。
<文章に落としこんでみる>
文章に落としこんでみましょう。文章化することで、言い回しの曖昧さや重複、矛盾を客観的に把握することができます。スピーチ1分間の文字数が300文字と言われているので、1分間のショートVerと900文字3分間のロングVerを作ってみましょう。
上から下へ、下から上へ読み返すことで話が1つの輪になっているかが分かります。
<業界・企業・職種の3つの観点で考えてみる>
例えば、志望理由の内容が“職種”に関するものに限定されてしまっている求職者に、「そもそも、なぜこの業界・企業を選んだのですか?」と質問をしてみると、意外にすんなりと答えられないケースが多いものです。 当たり前の話ですが、数ある求人の中から「ここ!」と選択して応募をしている訳なので、志望理由は、対業界、対企業、対職種の3つの切り口で語れるように準備しておきましょう。
<「なぜ?」を3回繰り返す>
想定される質問に対して「一問一答」形式で準備をされる方が多いのではないでしょうか?しかし、ここに大きな落とし穴があります。なぜなら、面接官からの質問は“一問一答の後からが本番”だからです! 面接では、皆さんの回答に対して、「それはなぜですか?」、「○○という選択肢もあるのではないですか?」、「それであれば、他の業界でも実現できるのでは?」 という深堀りをする質問が、間違いなく返されます。
これに答えられないと、残念ながら面接官が持っている評価シートの志望動機欄には「×」がつけられてしまうのです…。 目安として、ご自身の志望理由に対して、面接官から「なぜ?」と3回聞かれても回答できる準備ができれば安心ですね。
最後に
いかがだったでしょうか? 中途採用と異なり、職業経験がないからこそ、志望動機や自己PRの作り込みが重要となります。いかに「働くこと」が鮮明に描けていて、自分の人生にリンクさせることができるか。考えるきっかけになると嬉しいです。
それでは、皆さまの明るい未来を心から願っております!
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今回はコンサルタントになるための志望動機の作り方についてご紹介しました。
次のキャリアを模索・検討されている方はぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。
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平均サポート期間は3年です。
各ファームのパートナー、事業会社のCxOに定期的にご来社いただき、新組織立ち上げ等の情報交換を行なっています。中長期でのキャリアを含め、ぜひご相談ください。