「転職の結論」はある程度、見えている。第一希望の書類選考を待つべきか、第二希望を同時に進めるべきかの判断について

10名中、8~9名は合否の結末を予想できるのがベテランのキャリアコンサルタント

私もこの業界が長く、かれこれ8年間キャリアコンサルタントとして活動を してきました。

最近「キャリアコンサルタントの仕事で重要な事はなんだろう」 と考えることがありました。

強く思うのは、我々は経験上、 転職希望者の【転職先の結論を予測できる】 ことを活かしているか?という事です。

【転職先の結論を予測できる】とはどういうことかといいますと、 職務経歴書と直接お会いした時に感じたお人柄で、 どの企業であれば合格しそうで、どの企業であれば合格しない、 というある程度の結論が予測出来てしまうのです。

当然10名居たら1名は我々では予測できない企業に転職するわけですが、 8、9割は正解するわけです。

凄いじゃないですか!と思われるかも知れませんが、それは当然で、 8年間も同じ事を毎日していれば、経験の積み上げで分かってしまうものです。

しかしそれを活かしきれているか?といわれると、そうではないなぁ、 と強く強く反省することもあるのです。

特に不景気時には、【転職先の結論を予測】よりも、【転職者のイメージする企業】を優先した結果転職の長期化を招くケースが多い

反省することは昨年一番数多く経験しました。

リーマンショック後、各企業はリストラの嵐。早期希望退職制度を募って、 退職を決めてから、新しい転職先を探す皆様と良くお会いしました。

例えば、IT業界の40代で、転職回数を何度も繰り返している方が 「もう転職はしたくないので、大手の安定した企業に行きたいです」 と相談に来ます。

転職希望者のイメージは、NTTデータとか、野村総研とか、大手で離職率も低く、 一般的には生涯勤められるだろうと言われている会社。

大手で安定していることは正解であっても、40代で転職回数を重ねた方をNTTデータとか、野村総研が中途採用するとは、余程のご経歴の方以外は思えません。

我々は経験上知っているのです。

そこで、我々は結論を知っているが故、大手を紹介せず、小規模のベンチャー企業などを紹介したり、外資系で転職回数を気にしない企業を紹介したりするのです。 その提案企業は【転職先の結論を予測】した結果なのです。

しかし、初回転職相談の面談でお会いした時点では、

「転職希望者のイメージする企業」と「我々が紹介した【転職先の結論を予測】した企業」では大きな隔たりがあり、転職希望者の方は、まず「自分のイメージする企業」を受けようとします。

我々が反省しなければいけなかったのは、ここのタイミングで、どうしてしっかりと転職希望者と話合わなかったのだろうという事です。

昨年よくあった例①「書類選考3週間ののち見送り、次々と求人がクローズ、結果的に転職活動の長期化を招いてしまう」

転職希望者のイメージを先ず受けることになります。大手企業の書類選考は非常に時間がかかり、下手すると2、3週間書類選考の結果を待つことになるのです。

そして出てくる結論は当然「今回は見送りたい」。

その2、3週間の間に今までオープンであった、小規模のベンチャー企業や、転職回数を気にしない企業の求人はクローズ。。。 転職活動の長期化を招く。

昨年良くあった例②「『合格の可能性がある限られた求人』とストレートに言い出せず、転職の長期化を招いたケース」

最初から私のご提案をご理解頂き、【転職先の結論を予測】した企業を受けていただきます。当然書類選考も通過しやすいわけです。

しかし転職希望者の方は心の底からその企業を欲しているわけではないので、 面接に行ったときにどうしても、良いパフォーマンスが出ない。

折角のチャンスなのに、本気を出さないため面接でNGになってしまう。。。

転職活動の長期化を招く。

特に昨年良くあった例②の場合を、私は激しく後悔しました。心の底から行きたくない企業を受けているので、放っておけば転職希望者はそれなりのパフォーマンスになるわけです。しかし、我々は未来が予測出来る。

どうして 【あなたは、その企業しか受からないのですから、この企業を全力で準備して受けるべきだ!】 と言えなかったのか。

皆さんは簡単だと思われるかも知れませんが、初めて会った人に 【あなたはその企業しか受かりません!】 と言われたらハラ立ちますよね?

だから我々は回りくどく、ストレートには伝えずにお話をします。

ストレートに結論を伝えることを怖がります。

逆に以前ストレートに伝えたこともあったのですが、その後、 その転職希望者とは連絡が取れなくなります。 よっぽど「失礼なエージェントだ!」とご立腹されたのでしょう。。。

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ということで、エージェントは色々悩みを持っており、さらに反省をしながら日々成長を重ねております。もし皆さんも転職をする際に、 そのエージェントに【本気】を感じたら、先ずは素直に聞く耳を持ってあげて欲しいなと思います。

エージェントは、ある程度【転職先の結論を予測できる】ので、その情報を上手く利用する位が良いかと思います。


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