面接の着こなし術(男性編)

中途採用の面接は、あなたのこれまでのキャリアを棚卸しする場です。小手先の対策は通用しません。

しかし、一つだけ即効性の高いノウハウがあります。「見た目」です。

見た目といっても、ルックスではなく服装のことです。きちんとした服装で面接に臨めば、それだけで印象がよくなります。

「自分は服装のセンスが悪くて、、、」と嘆くこともありません。重要なのは清潔感。男性であれば、パリッとしたスーツ、シャツ、ネクタイ、靴を用意するだけで十分です。

このコラムでは、アクシスNo1のお洒落キャリアコンサルタント(かつて、某首相も顧客だった高級シャツブランドで、マーケティングを担当)が、面接映えする着こなしについてアドバイスします。

印象のよいスーツの選び方とは?

スーツはこだわり始めたら価格も天井知らずのアイテムですが、実際どのくらいの値段が妥当なのでしょうか?スーツの上代は、大きく分けると生地代と加工賃の合算額で設定されています。

たとえば低価格のスーツの場合、生地代が安い化学繊維の混紡生地で賄い、海外工場で大量生産されているものがほとんど。また以前はパターンや縫製に難があるものも多かったです。

ただ、最近のスーツは安価でもデザインがきちんとしています。有名セレクトショップでは6~7万円の価格帯から用意されていますが、ブランドにこだわらなければ、吊るし(上下セット)で28,000円~35,000円以上の価格帯のものであれば生地も程よく、よい買い物ができると思います。

スーツの柄はセンスに自信がなければ、無難なものがよいです。ただ紺の無地(リクルートスーツ)は避けましょう。中途採用ですから学生とは違うのだ、と印象付けたいところです。

吊るしの既製品を購入する際は、身長とスーツのゆとり(A体=標準体型、AB体=やや太めの体型、Y体=細身体型、など)で判断していきます。

やはりスーツはタイトで体のシルエットが美しく見えるものがおすすめです。ジャストサイズを心がけましょう。こだわるのであれば、パターンオーダーでサイズを合わせてください。

その際は、ジャケットは基準としてスーツの袖から1cm~1.5cmワイシャツの袖が見える長さ。ジャケットのボタンを止めたときに、握り拳をひとつ入れることができるかが目安です。

ズボン丈は靴に少しかかるくらいの長さを意識していればよいでしょう。

プレゼン

ネクタイとシャツのベストバランスとは?

最も重要なことは『シャツの顔に気を使う』こと。スーツを着るうえで最も目の行くポイントはワイシャツの襟とネクタイの結び目のポイントです。この結び目のバランスをキレイに見せるだけで紳士服の着こなしが大きく変わります。

ネクタイの結び目の大きさは襟の幅の大きさによって変えるべきです。また、ワイシャツの襟幅の広さはスーツのラペルのゴージラインに合わせるとキレイに決まると言われています。

このポイントはトレンドによっても変わる部分ですが、私的にはワイドスプレットカラーの広い襟にはダブルノットの結び目がおすすめ。伝統的で堂々とした印象になります。

ワイドノット

ワイドスプレットカラーにはダブルノットの結び目

逆に、レギュラーカラーやナローカラーなど、細い襟のシャツにはシングルノットで結び目も小さく、細いネクタイがおすすめです。

白シャツ

レギュラーカラーやナローカラーにはシングルノットの結び目

さらに欲を言えば、襟の剣先が、ラペルに少し触れるぐらいのバランスがベスト。ちょっとしたことですが、微差が大差です。このポイントにこだわりましょう。

また、着こなしをクールに見せるには、なるべくシンプルな色を選ぶと良いでしょう。例えば、ワイシャツなら白、ブルー、柄物であれば細めのロンドンストライプがよいと思います。

最近流行っている二枚衿やボタンが複数ついているカジュアルなタイプはビジネスシーンには向いていないため、スタンダードなデザインを選びましょう。

紳士服の要。それが“靴”

どんなによいスーツを着ていても、靴が汚れていると、「細かいところに気の回らない人なのかな」という印象を与えてしまうかもしれません。

大昔の街道筋や宿場で働いていた駕籠引きや馬方は、旅人の足元を見ては疲れ具合を判断し、値段を変えたそうです。

靴からは人となりが見えてしまうもの。面接の場でも足元を見られてしまわないよう、靴はよいものを選びきちんと手入れをしましょう。

靴

最近はビジネスシューズもバリエーション豊富になりましたが、面接でおすすめなのはこれから紹介する3パターンです。このいずれかであれば、面接中に足元を気にする必要もありません。

まずストレートチップ。つま先に横一文字に切り返しラインが入ったものです。紐を通す部分が閉じている「内羽根」と開いている「外羽根」があり、ストレートチップの「内羽根」は最もフォーマルな形とされています。

次にプレーントゥ。つま先の部分に何も飾りのないタイプ。上位モデルに1枚革で包み込む「ホールカット」というタイプも存在します。内羽根はフォーマル、外羽根はビジネスシーンの大定番的な存在です。

最後にウイングチップ。つま先の切り替え部分が翼(ウィング)のようなW字の形をしているデザインです。「ブローグ」という穴飾りがついている点も特徴的。

注意点としては、ウイングチップは一見とてもクラシックな佇まいなのですが、基本はカジュアルなアイテムだということです。特に茶色のウイングチップはかなりカジュアルで、人によってはビジネスにふさわしくないと判断されるかもしれません。

センスに自信があれば、あえて外すのもありですが、一般的には黒のストレートチップかプレーントゥをおすすめします。ただ、靴については何よりも「きれいに磨いてある」ことが重要です。面接会場に入る前に、今一度汚れがついていないか確認してください。

ブラシ

いかがだったでしょうか。中途採用の面接は、新卒と比べてだいぶ長く時間をとりますが、それでも1時間ほどです。初対面の印象が面接官に与える影響は、決して小さくありません。

冒頭に書いたように、服装は面接対策の中でも即効性があるものです。このコラムを参考に、しっかり準備を進めてくださいね。


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