こんにちは。キャリアコンサルタントの最上裕司です。
会社勤めをしていると、必然的にどこかの部署に所属し、場合によっては役職がつくことになります。職務経歴書を書く時には、その部署名や役職名を記載しますよね。何の問題もなさそうですが、実は、この辺少なからず気をつけた方が良い場合があります。
部署名も役職名も、「その会社ならでは」の固有の制度や文化に基づいており、実は業務内容とそれほどリンクしてません、ということもあるからです。
以前お会いしたAさんはまさに「それ」で他のエージェントにキャリアを読み違えられ、危うく望まぬ方向性にキャリアを持っていかれるところでした。
そこで、今回は物流企業に勤めていたコンサル志望のAさんの事例をご紹介します。
レジュメでは「未経験」のご人材。しかし、深堀すると、希望業界の「経験者」としてアピール可能なことが判明
当初、Aさんのレジュメを見ていると、所属が「営業統括部」だけあり、「営業」という文字がここかしこに散りばめられていました。
営業からコンサルへの道は、実は相当に厳しく、30歳を迎えたAさんには可能性はかなり薄いという現実があり、その現実をうまく伝えなきゃ、と思いながら面談に臨みました。
実際、他のエージェントを既にまわっていたAさん、紹介されるポジションは営業職が中心。ご本人の志向とは異なっていましたが、コンサルファームの提案もコンサル職ではなく、営業職でした。
しかしながら、詳しくお話しを伺うと、「これは営業のキャリアじゃない」と感じました。
確かにクライアントへの提案などは行っていますが、売上目標などもなく、Aさんが携わっているのは、あくまで物流の企画であり、物流業務の改善。
聞けば、業務にかなり深く刺さりながら、改善点を見いだし、どう改善すれば業務が効率化でき、コストを削減できるかのプランニングを行い、そして、自ら先陣を切って実行していくというもの。しかもプロジェクトワークでそれを経験していました。
職務経歴書の修正を依頼、「所属組織名は書かない」という判断で大手ファーム数社から内定を獲得
私は即座にAさんに職務経歴書の修正を打診しました。
「所属組織名は書かなくて良いです。組織名で転職するわけじゃないですし、営業の文字が入っていると紛らわしいです」
「プロジェクトベースで業務改善をされてますので、書き方もプロジェクト単位にしましょう。アピールポイントは、どういう改善をし、どういう結果をもたらしたのか、であり、売上云々ではないです」
書き直したAさんの職務経歴書は、全くもって営業フレーバーもなく、コンサルタントそのもの。でも、これがリアルな姿でした。
他エージェントから営業職として提案されたコンサルファームも、コンサル職でひっくり返し、他の並み居るコンサルファームも次々と書類通過。面接もトントン拍子で、Aさん、晴れて大手グローバルファームに内定。
所属部署や役職はあくまでその企業固有のもの
いかがでしょうか。
エージェントの力量、本質的なキャリアの読み込みが重要なのは言うまでもないのですが、Aさんの場合、結果的に所属部署名がAさんのキャリアの邪魔をしていました。
私自身、職務経歴書を読む時に、所属部署名を見て、ある程度経験の想定をしますが、所属部署はあくまでその企業固有のもの。一般論とは異なる場合も当然あるのです。
あまり、企業固有のものを一般的なものと理解して盲信してはいけませんね。
ちなみに役職名なんかも同様です。課長という役職だからといって、本当にマネジメントしているのかどうか、というのは聞いてみないと分からないことです。
そういえばNTTデータ時代も、名刺に書けるというだけで、管理職ではない「呼称課長」と、本当に管理職であり、部下の評価にも責任を負う「課長」とがありました。職務経歴上は、両方とも「課長」と書きますが、中身は異なるもの。この辺、気をつけなければいけませんね。
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転職の際に自分の「所属部署」や「役職」のラベリングを盲信することの恐ろしさについてお伝えしました。
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