今回はBCG初のフレームワーク「PPM分析」で、製品ポートフォリオを制するポイントについて、前回の続きを解説します。
【目次】
PPM分析を実際に使ってみよう
Boston Consulting Group (ボストン・コンサルティング・グループ。以下BCG)のブルース・D・ヘンダーソンが提唱したPPM(Product Portfolio Management。プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)を、実際の市場分析に用いてみましょう。
PPMとは、市場成長率(製品ライフサイクル)と相対的市場占有率(経験曲線効果)を軸として自社の事業を、
「問題児」
「花形」
「金のなる木」
「負け犬」
に分類したものです。
「金の生る木」の資金を投資した「問題児」を「花形」に育てあげ、成長が停止しても「金の生る木」として温存。キャッシュフローを最適化させ、「負け犬」には陥らせない形を理想に経営戦略を行うものです。(詳しくは前編をご覧下さい。)
ロレアルの製品ポートフォリオを事例にPPM分析を実践
たとえば、フランスの化粧品会社、ロレアルの「3Dプリンターによる人工皮膚生成」は、マーケットシェアが低い「問題児」です。しかし、今後の技術革新によって、「花形」に成長する可能性があります。
ロレアルは海外の化粧品市場において資生堂、エスティローダーといった競合に差をつけ、世界最大のシェアを持つコスメ企業として知られています。
化粧品市場から得た利益を人工皮膚生成などの新規事業に投資することで、新たな「花形」、さらには「金のなる木」を得ようという狙いです。
このように、ある企業がどのような製品ポートフォリオを持っているか、という点に着目するのがコツです。
ただし、問題児に経営資源を投入しても花形にならないケースなどはもちろんありますから、PPM分析は必ずしも、確実な将来を予測できるというものではありません。
PPM分析の花形事業を守り抜けない場合は?
「花形」は成長率が高く、マーケットシェアの大きい事業ですが、魅力的な市場であれば新規参入が多くなります。ですからシェアを守り抜くための戦略が欠かせません。
もしも「花形」事業のマーケットシェアを維持出来ないという段階に差し掛かった場合、新たな「金のなる木」を生み出す必要に迫られます。
株式会社ミクシィには「mixi」という「金のなる木」がありましたが、SNS業界のマーケットシェアは落ち込んでいます。一方で、「モンスターストライク(同社が配信しているiOS・Android用人気ゲームアプリ)」が「花形」事業。
「パズル&ドラゴンズ(ガンホー・オンライン・エンターテイメントから配信されているiOS・Android・Kindle Fire用ゲームアプリ)」をはじめ、市場には同様のソフトがひしめき合っている状況です。
そのため「モンスト」に経営資源を投下し、今後もマーケットシェアを守り抜けるか、注目が集まっています。
PPM分析は使い勝手の良い分析ツール
このようにPPM分析を用いることによって、企業戦略の分析を行うことができます。コンサルティング業界の採用においては、PPMが使える出題が少なくありません。
面接の場でこのようなツールを使いこなせる人材は、高く評価されるでしょう。
=================
>転職に関する記事
MECEを具体例で学ぶ!コンサルでの仕事に欠かせないMECEとは?
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/mece_consul
マーケティング戦略の立て方(プロセス)とは【有効な戦略を立てるための4つのステップと具体的な手法】
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/howtomake_marketingstrategy
=================
今回は、PPM分析についてお伝えしました。
キャリアでお悩みの方は、ぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。
アクシスの求人のうち、
約77%は非公開。
平均サポート期間は3年です。
各ファームのパートナー、事業会社のCxOに定期的にご来社いただき、新組織立ち上げ等の情報交換を行なっています。中長期でのキャリアを含め、ぜひご相談ください。