バイアス・ゼロでデータを読み解く思考法
コンサルタントの実務には、特徴的なデータから、事象の原因を特定するという能力が求められます。たとえば、日本でもベストセラーになった「0ベース思考」(スティーヴン・レヴィット、スティーブン・ダブナー著。ダイヤモンド社)もそのひとつ。
「バイアス(偏見、先入観)をゼロにする」ことで、どんな問題にも合理的な答えを導き出せるという思考法です。
答えは予想外のところに存在する
ここで「アメリカの凶悪犯罪が90年代から減り続けている」ことの原因を考察してみましょう(出典:0ベース思考)。ここから考えられるのは
・A:銃規制の強化 景気拡大 死刑の増加
・B:警官の増員 受刑者の増加 クラック、コカイン市場の衰退
Aは筋が通っているように思われますが、データを調べたところ「銃で犯罪を起こす人間に、規制は影響がない」「景気拡大は犯罪抑止にはならない」という結果がでたのです。
一方のBは犯罪減少に影響しましたが、これですべてを説明することはできませんでした。
「警官が増え、検挙率があがれば一時的に犯罪が減る。しかし長期的にはどうなのか」という疑問が生じたのです。
では、決め手となる原因は何だったのか?
実は「人工妊娠中絶の合法化」にあると分かったのです。
妊娠中絶が増えたために、望まれない子どもがあまり生まれなくなり、犯罪の温床になりやすい酷な状況で育つ子どもが減ったのだ。(出典:0ベース思考)。
普通とは違うプロセスでの思考法を身に着ける
人間は問題に直面すると、「Aが原因でBが起こった。すなわちAがBを引きおこしたのだ」と考えがちです。ところがデータを紐解くと、答えはまったく別のところにあるケースは少なくありません。このような考え方を身に着けておくと、各種経済データを分析・精査する「計量経済学」の知識にもつながります。
NERAや自然総合研究所といった日本のコンサルティング会社では、計量経済学を学んだ人材を優遇し始めているところが多くなっています。
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