ITコンサルタントになるのに有利な資格はあるのか?

どんな資格が良いのか?

コンサルティングファームには、クライアントとの折衝やプレゼンテーション、上流工程などに強いコンサルタントはいますが、しっかりとシステム開発工程を経験していて、体系的に学んでいる人材は多くありません。

キャリア採用で補強したいのは、しっかりとシステム開発工程を経験し、体系的に学んでいる人材。まずは『情報処理技術者系』の資格を取得しているとアピールになります。

情報セキュリティ、ITリスク系のニーズもかなり増えてきているため、当領域に関心がある方は、『情報セキュリティ』や『システム監査技術者』などを取得していると良いでしょう。

プロジェクトマネジメントの『PMP』はもちろん、ITは導入して終わりではなく、その後どのように運用していくかで真価が問われますので、『ITIL』の評価も高いです。

また、コンサルタントにとって会計知識は必要不可欠なので『簿記2級』以上もおすすめ。英語を使う機会も多いため、TOIECも受けておいた方が良いでしょう。

しかし、資格を取得すること自体が目的になっては本末転倒。コンサルティングワークにおいて、体系的に得た知識から、クライアントへ質の高いアウトプットを提供したい。そのために、がんばって資格を取得する。この志をしっかり持っていれば、必ずマーケットやクライアントから評価されるITコンサルタントになれると思います。

ITコンサルタントを目指している方は、ぜひ、目的意識をしっかり持って資格の勉強に取り組んでください。

関連記事:コンサルタントの転職やキャリアアップに有利な資格一覧【IT・MBA・英語・公認会計士まで】

ITコンサルタントになるには資格が必須?

ITコンサルタントを目指しているシステムエンジニアの方から、「ITコンサルタントになるのに有利な資格はありますか?」という質問を頂くことがあります。

結論から言うと、「これを取得していれば絶対有利になる!」と断言できる資格はありません。

資格を持っていなくても、システムエンジニアからITコンサルタントにキャリアアップされる方もいますし、活躍しているITコンサルタントの方も数多くいます。

「それでは、資格はいらないのか?」と言われると、そういうわけでもでもありません。

資格を取ることでアピールできる点は?

コンサルタントの仕事は、クライアントの課題を解決するために常に考え、答えをつくり出すこと。コンサルタントに必要な最低限の能力は、考えることが好きなこと、勉強することが好きなこと、やり抜く力があることです。

そのため、資格を取得することは、コンサルタントにとって必要な「勉強するという行為ができること」を証明することになります。

また多忙な業務の合間に、睡眠時間を削りながら勉強して資格を取得している方などは、ハードワークの中でもインプットをし続ける、コンサルタントのワークスタイルにフィットしている点が評価に繋がります。

ITコンサルになる上で、資格以外に必要なものは?

ただし、ITコンサルにおいて資格は<歓迎要件>として求められるケースが多く、必須要件としては求められるケースはほとんどないのが実情です。一方で、下記のような経験が共通して求められる傾向にあります。

・ コンサルティングファームでの上流コンサルティング業務(業務改革、IT戦略策定等)の経験
・ 大手事業会社での企画業務(事業改善検討、システム導入検討、及びその推進リード)の経験
・ 大手SIベンダでのシステム化上流工程(システム化構想策定、業務要件定義、IT要件定義等)の経験

また、戦略系ファームを中心に、IT戦略コンサルポジションの募集が活況です。

職務内容としては、

・CxOとのやりとりの中で経営戦略を実行するためにITの知見を活かしてコンサルティングを行う
・テクノロジーをトリガーに経営戦略を策定する

ですが、こちらのポジションでも資格は求められず、

・SIerやソフトウェアベンダ、ITコンサルティングファームでの勤務経験者。※業界、業種、コンサルティング経験や資格は不問。
・知的好奇心が旺盛で、発想の斬新さとそれを裏付ける緻密で論理的、分析的能力をお持ちの方。また、クライアントとのリレーションを円滑に行える対人スキル、精神的タフさ。

上記が求められるようです。また、外資系戦略ファームでも英語力は採用時には不問とされるケースもあり、よりIT寄りの実務経験が重要視されるようです。

もちろん、直近ではクライアントに対して最上流から導入までのEnd to Endでのサービスが求められることから、開発フェーズまで関わった経験が活かされ、コンサルティングファームでもSAPやSalesforceの導入に特化したチームなどでは同領域の経験だけでなく資格をお持ちの方は採用においても優位に働く傾向があります。

(例)外資系ITファームのデジタルツール導入チームにおける募集要項

◆望ましい経験・スキル
・経営計画を実現するための次世代ITシステムの立案経験
・SAP/Oracle/IBM等の主要な製品ソリューションに対する導入経験や知識
・インフラからアプリケーションまで幅広い技術に関する経験および知識
・NEW IT関連スキル・経験(AI、ブロックチェーン、IoT、xR、量子コンピューティング、etc)
・Java/Python等でのカスタムメイドシステム導入経験
・Globalプロジェクト参画経験

IT人材の枯渇から、SAP認定資格など取得するのに難易度が高い、金額が高い、といった資格でも、研修から受験料の援助まで一貫してサポートするファームも増えてきました。

未経験からITコンサルを目指す場合は、そういった研修制度の整っているコンサルティングファームを事前に調べ、目指すのも一つの手でしょうか。

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