志望動機の整理
面接準備は志望動機の整理から。
まず、当たり前ですが「なぜコンサルタントになりたいのか?」という質問に答えられないといけません。志望動機の整理から始めましょう。
単にコンサルタントになりたいだけでなく、3年後、5年後にコンサルタントとしてどう成長していきたいか、自身のキャリアのゴールとして何を目指しているかを論理的に語ることができるようにしておきます。
お客様不在の志望動機はNG。
ただし、注意しなくてはいけないことがあります。自己成長だけを志望動機にしてはいけません。これはコンサルタントを目指す方に共通する間違いなのですが、「ビジネスパーソンとして成長したいからコンサルタントになりたい」という人が非常に多いのです。
コンサルティングファームにとってのお客様、つまりクライアント企業が無視されています。自分の話ばかりなのです。コンサルタントはお客様商売という基本的なことが抜け落ちているのです
もちろんコンサル業界はビジネススキルを向上させるのにふさわしい場所ですし、ある程度は志望動機に盛り込んでかまいません。しかし新卒採用ならいざ知らず、一定のビジネス経験を積んだ人間がただ成長したいからという理由では納得を得られないでしょう。
クライアント企業を支援したい、という視点はコンサルティングファームへの志望動機には不可欠だと考えてください。そこに自分の過去の経験や、専門性をリンクさせていきましょう。
「なぜ?」「なぜ?」の自問自答を繰り返す。
志望動機が大まかに固まったら、自分で自分に「なぜそう思ったのですか?」と繰り返し突っ込みを入れていきましょう。面接官にもよりますが、コンサルティングファームでは、求職者の言動をさらに深堀りして思考の深さや論理性を測る面接が多いです。
最低3回、できれば5回以上の「なぜ?」にしっかり答えられるようにしておいてください。
なぜ御社を志望するのか?
また意外と多いのが、「なぜ他のコンサルティングファームではなく、うちなのか?」という問いの答えに窮してしまうケースです。企業研究不足です。事前にしっかり調べるなんて当たり前だと思うかもしれません。しかしコンサルティングファームの中途採用において、求職者が見落としがちな視点なのです。確かにコンサルティングファームはBtoC企業と違い、商材が見えにくいため企業研究が難しいという側面はあります。ただ「コンサルは純粋に求職者のスキルを見て採用を決める」という根拠のない思い込みを持っている方も意外と多くいます。
もちろんこれは間違いです。面接官の立場を想像すればすぐにわかることですが、能力が同じなら、この会社で働きたいとより強く願う人間を採用するに決まっています。論理性と熱意は矛盾することではなく、むしろ熱意の感じられない求職者はクライアント企業の説得ができないとみなされるでしょう。
なぜ他社ではなく御社なのかという問いには必ず答えられるようにしておきましょう。
面接で聞かれること
コンサルタントとはどんな仕事?
コンサルティングファームの面接というと、まずケース面接を思い浮かべる方も多いと思いますが、意外と多いのが、「コンサルタントとはどんな仕事?」という質問です。ケース面接については対策本なども出ており準備している方も多いですが、このような基本的なことをいきなり聞かれると適切な答えが出てこない場合もあります。
また「現在お勤めの会社に対してコンサルティングをしてみてください」と、現職に対する課題とその解決策を求められることも多く、あらかじめ自社の分析などもしっかりしておく必要があります。
どんな本を読んでいる?
他にコンサルティングファームの面接でポピュラーなのが、「どんな本を読んでいますか?」「最近読んだ本はありますか?」という質問。さらに「読んだ本のなかで一冊私に推薦してください。その理由も含めて。」と突っ込まれます。まず本を読む癖があるか、そして常に知識をインプットし続けているのか、などを判断しているようです。
一般的にコンサルタントは読書家が多く、執筆の実績がある方も多いです。例えば、元ボストンコンサルティンググループの堀紘一氏は、自分が全精力を使うときとして、社員のキャリアの相談に乗っているときと本を執筆しているときと話しています。
この質問に正しい回答はありませんが、読んでいないというのは論外としても、ビジネス書だけしか語れないという事態は避けましょう。エッセイでも小説でも何でもよいです。繰り返しになりますが、コンサルタントはお客様商売なのです。クライアント担当者との会話に合わせられるのか?そのための努力をしているのか、という視点は必ず持っておきましょう。
普段あまり本を読んでいない人は答えられませんか?逆にたくさん読んでいる人は、これぞという一冊をすぐに思い出せないということにはなりませんか?このような点を整理しておくのも、中途面接のテクニックのひとつです。
ケース面接などを中心に論理的思考力、分析力、普段からどれだけ情報収集しているか?などが見られることが多いです。 コンサルタント未経験者の中途採用の場合、採用は30歳前後が多く、入社した場合の職位を想定すると多くの場合「コンサルタント」となります。 ちなみに「コンサルタント」はプロジェクトのなかでPDCAサイクルを、アナリストを使いながらひとりで動かす役割で、主に「提案書・報告書の一部作成」「業務分析」「フィットギャップ分析」などを担当します。そのため、面接では即戦力性を加味した志望動機を十分にアピールすることが重要になります。 ○コンサルティングファームにおける中途採用面接の流れ 中途採用の選考プロセスは一般的には書類選考→筆記試験→面接(複数回)→内定となります。書類選考時に志望動機書の提出を求める会社も多くあります。 中途採用の書類選考時のポイントは、一般的に戦略ファームと総合・IT系ファームで異なり、戦略ファームでは学歴と現職の会社規模と職歴を、総合・IT系ファームでは年齢と職歴で判断しています。 書類選考が通過すると第2新卒クラスでは筆記試験となり、筆記試験は新卒面接とほぼ同じ内容となります。面接は、戦略ファームの場合にはほとんどがケースインタビューとなり、総合ファームは一般企業と同じような面接とケースインタビューを同時におこなうような面接スタイルを取るケースが増えています。また、質疑応答のみで終わる面接もあります。 ケースインタビューでは新卒面接時以上に高度な設問を出されます。例えば財務諸表を渡されて「15分時間を与えますので、○○について考えてください。」など具体的なテーマによる面接となる場合が多くありま す。また一般的な面接では自己紹介や職歴の説明、志望動機を聞かれます。 —– 面接回数の多さ —– コンサルティングファームの面接 の特徴として、面接回数の多さが挙げられます。戦略ファームでは、4〜6回面接することも多々見受けられます。 また、1次面接:マネージャー⇒2次面接:ディレクター⇒3次面接:パートナー・・・というように、現場中心で面接が進み、人事よりも現場の意向が強く作用されるのも特徴といえます。 —– コンサルティングファーム毎の面接の特徴 —– コンサルティングファームの面接は戦略系ファームとその他ファームで特徴がわかれています。 戦略ファームの場合、地頭力、プレゼンテーションスキルを試すためにケースインタビュー(ケースススタディによる面接)を用いてくることもあります。 (最近は総合系ファーム、新興ファームでも一部取り入れられている傾向にあります) ○「なぜ?」「具体的には?」 その他のファームは、先に述べた「なぜコンサルタントを目指すのか?」「そのための根拠・専門性は?」に質問のポイントが集約されます。 ただし、表面的に確認をするのではなく、ひとつの強みに対して『具体的には?』『なぜ?』とあらゆる角度から掘り下げて確認してくるので、しっかりとした根拠・ ロジック をもって対応していくことが大切です。 【得意分野、専門性】⇒【その強みを武器になぜコンサルタントになりたいか】という図式になります。 —– 事業会社とコンサルティングファームでの面接のポイント —– コンサルティングファームの面接では、現在のポジションによっても変わってきますが、上になればなるほど、キャリア重視だとご理解をいただけると思います。 それは事業会社でも同じことです。 ここで事業会社と比較をしてみましょう。 事業会社で基本的に聞かれることは □自己PR(専門性) □貢献できるポイント □志望動機 □退職理由 □将来どんなビジネスマンになりたいか? □成功事例・失敗事例 より仕事にリンクした具体的なものである必要があります。 優秀な人材であって、うちの会社で活躍のポジションがありそうだ、となれば採用に至るわけです。 活躍のポジション、というのは業務内容もそうですが、社風であったり、長く働いてくれるかどうかを見ます。 長期で貢献してくれる人材かどうか、採用したはいいけどすぐ退職してしまいそうな人材は、採用コストを考えたら、できるだけとりたくありません。 ですから 「うちの会社の社風にあってるかな?」 「うちの理念や仕事に価値を感じてるかな?共感してるかな?」 が採用する側としては重大なポイントになります。 当たり前ですよね。 けれど、コンサルティングファームは違います。 採用するとき「やめないで続けてくれるかな?」なんて考えていません。 そもそも面接をしている面接官が、そろそろかなと考えているケースも珍しくありません。 それでは面接で何を見てるかと言ったら、うちで通用するかどうかのみを見ております。 選考のポイントは □能力的判断(活躍できるだけの実力があるかどうか) ⇔相性的な判断定着率はみておりません) □コンサルタントは能力を最重視します。 □キャッチアップ能力 プロジェクトで必要とあらば3日間で関連する 本を30冊読んで「私はプロです」と名乗れる学習力があるか? □論理性 □ケーススタディ コンサルティングファーム独自のものですがこれを クリアするためには日頃の思考のトレーニングが必要です。 —– 素直さもコンサルティングファームの合否ポイント —– 合否ポイントとして素直さも重要です。 今までの仕事でも失敗を失敗と認めた上で学んだことを糧として生かせる方は”できる人”だと言えます。 いくら優秀でも間違いを認める素直さがなければ伸びる人材とは言えません。 入社直後から”できる人”でなくてもどれだけ“できる人”になる素養があるかが大切だと思います。 素直な人には周囲の人間も、ついつい教えてしまいたくなりますが、一方でプライドが高く素直でない人は最終的に孤立し成長していけなくなる傾向があります。 ・面接官の指摘を心から受け入れているか? ・プライドが強く、孤立する要素がないか? 上記のポイントを面接時の参考にしていただければ幸いです。