SEとITコンサルが言う『上流工程』の違いと特色【SEの要件定義はITコンサルの課題・計画設計】

弊社にお越しいただくSEの方からは「より上流に関わりたい」というご相談をよくいただき、その際に「ITコンサル」が候補になるケースが多くあります。

しかし実は、SEとITコンサルが言う『上流工程』には大きな違いがあります。

今回はSEからITコンサルに転職するシーンを中心に、その違いと特色について事例を交えつつお届けします。

【目次】

  1. 『上流工程の違い』SEは要件定義・ITコンサルは課題設定と計画設計
  2. SEとITコンサルそれぞれの『上流工程』で必要なスキルや思考法
  3. SEとITコンサルの各特色を理解した上でキャリアの設計を

『上流工程の違い』SEは要件定義・ITコンサルは課題設定と計画設計

一口に『上流工程』と言っても、『SEが言う上流工程』と『ITコンサルが言う上流工程』では意味合いや内容が大きく異なります。

この点を理解していないと、転職活動中に希望業務への誤解が生じてしまいます。
実際にITコンサルの転職活動中に、 「今までのSE経験はまったく役にたたない」 というショッキングなフィードバックをされることもあるようです。

そこでSEとITコンサルが言う上流工程の違いを端的にまとめると、

——

SEが言う上流工程:企画がある程度固まった段階でのソフトウェアやシステムの要件定義

・ITコンサルが言う上流工程:クライアントがそもそも抱える課題の設定と、その解決手段としてのシステムのあるべき姿の設計

——

というイメージでしょう。

ご存じの通り、要件定義はクライアントが希望するプロダクトの仕様をまとめたものか、作業自体の流れを意味します。SEにとってはこれが『上流工程』に該当する一方、ITコンサルにとってはさらに前の段階における根本的な課題の設定こそが『上流工程』であり、要件定義は含まれないことが多い印象です。

例えば、実際の案件に近しい事例で言うと、 「低迷する保険業界の顧客の解約率という課題」に対するコンサルティングが求められた場合、

——

・SEの担当範囲:「生活に接触するアプリ」の要件定義を行い、アプリを実装する

・ITコンサルの担当範囲:「若年層へのリーチ不足」という隠れた問題を発見し、解決策として「生活に接触するアプリの開発」というシステムの企画を行う

——

などの役割分担が一般的です。

それぞれが言う上流工程の違いを理解していなければ、希望する業務内容が想定していたものと異なり、転職活動の時点でつまずいてしまうリスクがあります。

SEとITコンサルそれぞれの『上流工程』で必要なスキルや思考法

SEとITコンサルの『上流工程』は担当範囲が異なるため、それぞれ必要なスキルや思考法も異なります。

SEの場合、枠組み後のプロダクトに対する、機能の要件定義や実装作業、各種テストまで求められるケースが多く、『網羅的な思考プロセス』が重用されます。

一方、ITコンサルの場合、課題解決の導線や流れを引くグランドデザインから介入するため、『仮説モデルの組立て』が最も重要です。『逆算的な思考プロセス』や『クライアントのあるべき姿から現在の課題と解決策を割り出す視点』が重要視されます。

SEとITコンサルは親和性の高い職業同士ですが、一度岸を変えると筋肉の違いを実感することも多いようです。

実際に弊社にご相談いただいた方のなかではSIerなどの会社からITコンサルへ転職後この思考ギャップに圧倒されたという声も少なくありません。

「これまでの仕事の考え方をリセットするつもりで、コンサルとしての考え方を柔軟に受け入れられる方が活躍している」(大手外資総合コンサルファームの面接官) との声もあり、過去の経験では補いきれないギャップにも、柔軟に対応していく姿勢が成功のカギとなるようです。

打ち合わせ風景

SEとITコンサルの各特色を理解した上でキャリアの設計を

実際にSEからITコンサルにキャリアチェンジした方からは、

—— 「入社前はITから脱却しビジネスサイドへシフトしたいという志向が強かったが、Slerからコンサルとなり視点/視座が変わったこと、自分が携われる業務の範囲が広がったことやクライアントとのコミュニケーションが増えたことによる楽しさと成長を感じながら日々働いている」
「面接時の『成功とはクライアントでさえ気付かないような実現すべきことを達成し、且つプロジェクトメンバーが健康に新しいものを得ること』という言葉に感銘を受けた」
「最先端のテクノロジーを積極的に利用し、クライアントへ価値提供ができる点が魅力的」 ——

などの喜びの声をよく聞きます。

一方で、「一つの分野やソリューションを深掘りしたい」「よりプロダクトの創り手側にいたい」という方も一定数いらっしゃいます。

SE、ITコンサル、どちらの仕事にもそれぞれ特色があることは事実です。ぜひ違いと特色を理解した上で、理想のキャリアを設計してください。

【関連記事】

「コンサルファームのエンジニアは結局社内下請けになってしまうのか?」
https://www.axc.ne.jp/media/change-jobs-knowhow/Engineertoc

「SEがITコンサルタントになる方法とは?」
https://www.axc.ne.jp/ccc-system-engineer

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今回はSEとITコンサルが言う『上流工程』の違いと特色についてお届けしました。 『同じ言葉を使っていても実は内情は異なる』というケースはこれに限りません。

上流工程に関する本は世に出ていても、「ITコンサル、SEでの違い」に関しては分かりにくいところもあります。今一度、-何が同じで何が異なるのか? -自分のスキルのどれが活かせて、どこはキャッチアップが必要なのか? をしっかり整理した上で意思決定できると、入社後のギャップも少ないかと思います。

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