中堅SIerのSEとしてキャリアをスタートした女性の事例。ITベンチャーなど複数社でマネジメントを経験。
その後独立を経て、現在は大手外資系ファームにてシニアマネージャーまで昇格。
それぞれのフェーズで何を意識し、どのようにキャリアを築いてきたのかを伺いました。
ー大学卒業後SEとしてキャリアをスタートされました。当時はどのようなプランを描かれていましたか
学生時代からコンサルタントになりたいと考えていましたが、時流として活気のあるIT業界を知っておくのは良いかもしれないという思いでSIerにSEとして就職しました。
その後、やはりコンサルタントになりたいとの思いが高まり、製造業専門のコンサルティング企業に転職を決めました。
最初は大手でなくても自分のやりたいことができればと考え、業務内容を重視しての意思決定でした。
ーコンサルタントになりたいという思いを持たれたきっかけは何だったのでしょうか。
母が独立して経理財務の仕事を行っており、企業に経営のアドバイスなどをしている姿を見て、幼い頃から漠然と「同じような仕事がしたい」と感じていました。さらに父の実家にあった製造業の機械を見て業界自体に興味を持ち、父の製造業と母のコンサルタントという職を掛け合わせた仕事に就きたいと考えるようになったのがきっかけでした。
ーその後ITベンチャー企業にPMとして転職されます。どのようなことを考えての選択だったのでしたか。
どの会社にも共通する「マネジメント」という枠の中で自分の強みになる軸を見つけたいという思いがありました。
大手や中堅企業よりも小さい会社の方がいろいろな領域を見られるのではないかという期待もあり、ベンチャーへの転職を選択しました。
転職活動時はまだジュニアコンサルタントという立場だったので、「自分自身をうまく使ってもらえる場を探す」ということも念頭に置いていました。
最終的に前職でPMOを見ていたことがうまく働き、マネジメントを担当するコンサルタントとして内定を受けました。
ーITベンチャーに転職してみていかがでしたか。
実は、まさに入社するというタイミングで上場を目指すという話が急遽持ち上がり、それに向けたソフトウェア新規事業立ち上げの任命を受けたんです。
結局入社後は社長直下に配属され、上場に向けての仕事を担当することになりました。
ー突然、新規事業の立ち上げを任され、当初描いていたプランとのギャップに迷いはありませんでしたか。
予想と違うところはありましたが、まず任命された事業を形にすること、そしてそのプロダクトの導入で実績を出せば、キャリアとして次のステップにも繋げられるという気持ちで決心しました。
実際に入ってみると、事業内容の策定から実行までを社長の間近で見たことで上場に必要な条件を明確に把握できるようになり、やりがいのある仕事でした。
ーここまで会社の規模には拘らず転職をされていますが、ベンチャーなどに目を向けるきっかけや意識していたことはありましたか。
ちょうど大学生の時起業ブームだったこともあり、周囲の経営者で楽しそうに生きている人を見て「大手に行くことだけがゴールではないのだな」と感じていました。
また、会社を経営していた両親の姿を見ていたことも理由の一つです。
学生時代から両親の会社で給与計算のアルバイトなどをしていたので、会社に対するバリューやコスト意識、結果重視という考え方が身についていたことは大きいですね。
3社目のベンチャーでも、社長のもとでどのように価値を生み出すかを考えていました。
ーその後フリーランスとして独立されます。どのようなきっかけだったのでしょうか。
知人からの「PMOができる人を探している」という相談に、「私ならできるかもしれない」と話の流れで返答をしたのがきっかけでした。
それならば是非お願いしたいというオファーを受けて、受諾したというのが独立の経緯です。
タイミングとしても、ちょうど転職を視野に入れたところだったこと、またPMOという軸が合致したことでテンポよく決断しました。
ーフリーランス時代はどのような働き方をされていたのでしょうか。
製造業に関わる大きな案件を並行して担当していました。
請負先としては独立のきっかけとなった1社を主に動いており、他からのお声がけをお断りしなければならないこともあるなど、フリーランスとしての活動全体を通して案件は充実していました。
ーフリーランスになって大きな違いを感じることはありましたか。
まず、他の方と協業する必要がある際の人的マネジメントに大きな違いを感じました。
ゼロから人材を探し、チームを作るという作業の難しさは経験したことがないものでした。
また、忙しくなるほど人員の替えが効かないため、定期的に休養が取れないなど、一人にかかる負荷が大きくなったという印象はありました。
ーどのようなタイミングで、フリーランスから企業に戻る決断をされたのでしょうか。
個人でやれる限界を感じ、チーム一丸となってクラアントにこたえられる環境で業務を遂行したいと考え、活動をスタートしました。
また、ライフイベントを見据えたスピード調整が必要だと自覚をしたのもきっかけとなり、エージェントへキャリア相談に行きました。
その際、これまでベンチャーは十分に経験したので、今までやってこなかった大手に行き経験値をさらに上げたいという意識を持っていました。
ーどのように転職活動をスタートされましたか。
アクシス担当の方への相談を経て、「何故その会社にいきたいか」をしっかり考えるようにという言葉に加え、面接後の印象と自分の行きたいと感じる度合いを都度シートに記入するように言われました。
最初は多少手間に感じたこともありましたが、自分自身が今の会社を志望する明確な動機に気がつくきっかけになったので、やっておいて良かったと思っています。
選考自体は、大手ファームを中心に受けていきました。
ありがたいことに希望していた複数の企業から内定をいただいたので、自身の性格との相性と担当の方のアドバイスをもとに入社先を選定しました。
ーその後、大手ファームに約5年間在籍されましたが、思考の変化など振り返ってみていかがですか。
入社して5年間での大きな変化は、「どのように人についてきてもらうか」「どうすればお客様からの評価をもらい案件をいただけるのか」という点についての思考の切り替わりです。
今までの「自分自身の品質が保たれれば良い」という意識だけではなく、「自分が入口になり大手ファームとして認められるにはどうすれば良いか?」という全体から見た自分の立ち回りを考えるようになりました。
ー大手ファームで仕事をする上で苦労された点はありますか。
シニアアソシエイトとして初回の評価会議でマネージャーへの昇進が見えつつあったこともあり、マネジメントへの経験意欲が向上したのですが、その途上では周囲から厳しく見られてしまった経験もありました。
自分では「やるべきことをはっきりと伝えるだけ」という感覚でも、そのコミュニケーション自体にプレッシャーを感じてしまう部下もいて、「チーム作り」が課題となりました。
一人一人を見ながら良いところを伸ばしつつ適性を正しく伝えることの難しさと必要性を日々実感していました。
ーマネージャーへの昇進に向けて、課題克服のためどのようなことを意識されていましたか。
まず自分を売れる人間に成長させ、自身の信頼で案件を取ってこられるかどうかを重要視していました。
そこからチームを編成して育てていけるのかを考え、具体的には指示の仕方や育成にかける時間の確保、そして常に次のプロジェクトを見据え人との関係性を継続しておくことに関して重点的にケアしていきました。
意思伝達の部分でも、相手への気遣いをきちんと表現すること、密にコミュニケーションを取ることの2点を意識して克服していきました。
ー現在、シニアマネージャーへ昇進するタイミングで再度転職を予定されています。こちらの経緯について聞かせてください。
まず前職はどうしても業務上の制約に厳しい部分があり、より軽いフットワークで提案ができる環境に身をおきたいと思ったのが最初の動機です。
もう一つには女性としてのキャリアの見られ方を意識し、ロールモデルを見て行動を変えてみたいという希望があったことです。
それまでの職場に女性の管理職モデルがいなかったことや、私自身を将来の姿として見てくれていた後輩の声などもあり、キャリア見本としての在り方を学ぶことが必要なのかも知れないという考えでした。
そこで、総合ファームであり、さらに女性登用率が高くロールモデルとなる方が多く活躍している企業への転換を決めました。
ー今後のご自身の展望を教えてください。
10年ほど積み上げてきたキャリアを活かし、まずはお客さまのニーズに最適解をきちんと出せる「良い仕事ができるコンサルタント」を育てること、そしてそれに加えて製造業を、ひいては日本を元気にしたいという思いがあります。
私の中で「良い仕事ができるコンサルタント」は基礎という主軸があってこそ個性を生かせると考えているので、マネジメントで人を動かしていくという分野と自分のスキルをうまく融合して人を育てていきたいですね。
そして、これまで常に私のキャリア選択の背景にあった「日本らしい製造業を存続させたい」という思いや、ベンチャーでもいいので「日本に資産が残る形での海外との関わりを模索したい」という思いを具現化できたらと考えています。
ー最後に、転職をお考えの方にメッセージをお願いします。
自分の好きなことや世の中にどう貢献したいかを含めて「自分自身の最終ゴール」を設定することが大切だと考えています。
やりたいことがないという人は、今の環境にやりたいことがないのか、それともそもそもやりたいことがないのかを明確にした方が良いと思います。
その際に近視眼的なものの見方をせずに、例えば直近の年収が下がるとしても軌道を変えて目標に到達するパスを描いてみるなど、逆算すると道は一つではないことがわかると思います。
私の場合は、常に働き方を含めて「自分がどうありたいか」「よく生きるためのゴールは何か」を考えてきました。
手段とゴールのすり替えをせずに、自分にとっての幸せがどこにあるのか?ということに向き合って考えれば、例えばお金を稼ぎたいというようなシンプルな思考であったとしても、最速で目的に到達するためのプランニングが出来るようになるのではないでしょうか。
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