PMOサービスのリーディングカンパニーとして業界を牽引する株式会社マネジメントソリューションズ。 今後はPMOサービスを軸とし、プロジェクトに長く、お客様に深く入り、プロジェクトの中の課題や問題を自分たちで解決する問題解決型のコンサルティング集団を目指します。 今回は常務取締役 北添 裕己様にアクシスコンサルティングの伊藤文隆と梅本昇平がインタビューしました。 文中の情報及びデータ等は2017年2月現在のものです。
プロジェクトマネジメントは、
コンサルタントにとっては基本の「き」
伊藤
まず北添様のご経歴を教えて頂けますか。
北添様
1990年にアンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)へ入社し12年半在籍しました。アンダーセンでは金融機関向けにテクノロジーを中心としたコンサルティングを担当し、銀行の統合案件も責任のある立場で担当しました。その後2002年にヘッドストロング(現在はGenpactへ統合)という別のファームに転職をしました。
ヘッドストロングは元々イギリスの故ジェームスマーチンという博士が創ったコンサルティングファームですが私が入社した時期は資本が変わり、アメリカの会社になっていました。アンダーセンも2002年に改名・リブランディングしましたから同じ時期ですね。
ヘッドストロングでは金融部門の立上げを行いました。以前ヘッドストロングにも金融部門はありましたが、外資金融の日本撤退に伴い部門も事実上解散してしまったのです。金融部門の立上げといいますか立て直しの責任者として、3年くらいかけてプラクティスとして軌道に乗せました。
伊藤
立上げで苦労された点はどんなところですか
北添様
アクセンチュア時代は営業やデリバリーに自信があったのですが、ヘッドストロングへ転職して同じように営業しても最初はプロジェクトが受注出来なかったです。アクセンチュアのブランドで仕事が出来た部分が多かったと思います。大変でしたが自分にとってよい経験になりました。採用もゼロからやり直しをしたのも良い経験ですね。 ヘッドストロングには10年ほど在籍し、2012年に自分の会社キタゾエアンドカンパニーを設立しました。
伊藤
今回マネジメントソリューションズと経営統合された経緯を教えて頂けますか。
北添様
元々社長の高橋とは長年懇意にしていました。独立後に弊社の社外取締役として、さらに、より緊密に事業を進めていくのが双方にとってプラスと考え、自社(キタゾエアンドカンパニー)の社員とも話し合った結果、経営統合し私は常務取締役としてマネジメントソリューションズの経営に参画することになりました。 マネジメントソリューションズはプロジェクトマネジメント(PMO)事業部がコアサービスですがPMO事業部のサポートをしつつも、他のコンサルティングサービスの立ち上げと、将来的にはグループ全体の統括が私のミッションになります。
伊藤
アクセンチュア、ヘッドストロングを経験され、現在も様々なコンサルティングファームの方ともお付き合いがあると思いますが、そのなかでマネジメントソリューションズの魅力とは何でしょうか。
北添様
マネジメントソリューションズはコアサービスがPMOで、プロジェクトマネジメントに関わるコンサルティングサービスです。私の信条でもあるのですが、プロジェクトをマネジメントするということは、コンサルタントにとっては基本の「き」なわけです。これをぶれずにやるのは、実は非常に大事なことだと思っています。例えば戦略サービスにしても、組織変革や業務プロセスを合理化するサービスにしても、プロジェクト化したら、PMOを推進しなければいけないのです。私が代表の高橋と知り合ったときから、PMOサービスというのはある意味コンサルティングの王道だと胸をはって言っていました。私もヘッドストロングに在籍していた時からその考えを応援していました。そういうことを言う人は当時コンサルタントのなかでは実は少なくて、コンサルタントは戦略サービスが花形とか言うじゃないですか。
ただ戦略サービスは1年間通しのプロジェクトはほとんど無いですよ。2~3か月ごとにお客様が変わることが多い。そうすると若手のアナリスト(アソシエイト)は分析やレポート書きだけなど、どうしても分業制になってしまいます。そうすると結果的に若手が育ちにくい傾向にあると感じています。私はそういうスタンスがあまり好みではないのです。
コンサルタント未経験の若手も含めて、しっかりとプロジェクトで活躍し、ステップアップしてキャリアもあがっていく。そうすると自分のお客様を持てるようになって、お客様から個人としてもリスペクトされます。そういう環境があるのが良いファームだと思うのです。 また多くの大手ファームがプロジェクトのスケールを追ってしまうのですが、スケールを追うにしても、コンサルタント個人を大事にするっていうのは、捨てちゃいけないと思っているのです。マネジメントソリューションズはスキル・キャリアアップの面からコンサルタント個人を大切にしていると思います。
伊藤
実際参画された印象はいかがでしょうか。
北添様
PMOはお客様と始めから終わりまでお付き合いする上、期間が長いプロジェクトになりますから覚悟を決めてやらないといけません。マネジメントソリューションズに参画してまず感じたことは、会社全体でPMOサービスをきちんとやろうと取組み、社員もその気概を持っているということですね。素直に頑張る人たちが多い印象があります。 PMOはコンサルタントとしての基本要素が詰まっていますから、コンサルタントならPMOサービスは必ずできなければいけないのです。ですからPMOでビジネスが成り立っているのはとても素晴らしいことで世の中になかなか無い事だと思います。それが一番感銘したことですね。

サービスレベルの要求は
以前と比較しても上がってきている。
伊藤
PMOの魅力とは何でしょうか。
北添様
プロジェクトのマネジメントをサポートするのが簡単にいうとPMOの役割です。 ということはプロジェクトのゴールまでずっとお付き合いするので、実際は色々なことをやらなければいけません。単純にプロジェクトの進捗管理・推進、品質の担保だけではなく、プロジェクトを進めていくと色々な局面にあたります。事業プランの見直しや、プロジェクト計画の再設計、体制を組み直さなければいけないとか・・・。そもそものゴールを変えるといろんな調整ごとが起きます。 プロジェクトを正しく進捗させる、期限を守らせる、期待された品質に届かせるとかというのがQCD(Quality/品質、Cost/費用、Due/期限)ですが、これを果たして当然のことです。
私たちが目指しているのは、その時々の課題を全て解決していきたいと思っているということです。 長期間プロジェクトに関わっていますので色々な事が起きます。戦略だけをやるわけでもないですし、業務改善だけでもない。プロジェクトマネジメントとしてプロジェクトに長く、お客様に深く入り、プロジェクトの中の課題や問題を自分たちで解決する問題解決型のコンサルティング集団でありたいと思っています。
梅本
お客様からのニーズが複雑化・多様化するなかで、以前と現在の御社の役割はどのように変化してきているのでしょうか。お客様から求められているニーズも含めてお聞かせいただければと思います。
北添様
増えてきているのは、グローバルプロジェクトですね。単純に言語ではなく、文化・商習慣・サービス・製品の内容が異なったりします。グローバル化を目指すお客様を支援する際には、それぞれを理解しマネジメントしなければなりません。サービスレベルの要求は以前と比較しても上がってきていますね。そのときに繰り返しになりますが、基本の「き」をわかっていて、そこの部分は絶対にとりこぼさずに、さらに個別のお客様ならではの課題・要望に対して、うまく対応していかなければいけないのです。そこが難しいですが、やりがいがあります。お客様としても他社の前例がある事のコピーは希望されないので、プロジェクトも前例がないケースが増えていますね。
またマルチインダストリー、異業種連携が盛んになっています。流通だとオムニチャネル、金融もデジタルな世界で金融サービスが完結できる時代に変わりつつありますね。全く異なるものが融合して新しいものが創られてきています。そうすると今までの業界知識だけではだめで、色々な業界を理解して連携を支援しなければなりません。今までの方法論を踏襲しても良いサービスにはなりません。市場の変化に対応するのが難しくもあり、やりがいのあるところでもあります。
私も冒頭に金融機関向けのコンサルタントをやっていましたと自己紹介しましたが、金融機関ばかりやっているわけではないですし、金融機関向けのコンサルティングサービスをするときに金融バックグラウンドの人たちばかりで良いかというと、あまり凝り固まっていると時代遅れになってしまいます。金融業界自体が様々な業界と連携しようとしていますから、私たちコンサルタントも様々な経験がある人が混ざり合わなければいけないと思っています。プロジェクトマネジメントという共通なものでつながり、その上に様々な専門家のスペシャリティが融合して新しいサービスが生まれていきます。

様々なキャリアパスがあるからこそ、
最高のサービスが提供できる。
梅本
高い品質のPMOサービスを展開されている御社では、案件のリピート率も高いと伺いました。
北添様
業界水準から見ても高いリピート率だと思います。プロジェクトが完了した際に、お客様に満足してもらえていると、プロジェクトは1つだけではないので、プロジェクトが新たに立ち上がるときに、お声掛けいただけています。そういう意味ではリピート率は高いほうだと思います。 ただリピートも単純に、前と同様のものをお願いというわけではなくて、同じプロジェクトは一つもないので、全く異なる領域も対応していかなければなりません。リピート率が高いということはこういう細かいところにも対応できているからだと思います。
伊藤
北添様の役割についてもう少し詳しく教えていただけますか。
北添様
私はプロジェクトマネジメントサービスについてはかなり経験を積んで、知見もあるほうだと思います。弊社のプロジェクトマネジメント事業部は規模もスケールしていますので、私から細かな指導や指示が無くてもしっかりと機能できています。一方でPMO以外にも様々な顧客のニーズが増えてきました。今後弊社では組織改革、事業企画、事業戦略などPMO以外のサービスも対応できる専門家が必要になってきます。弊社のコンサルタントからこのようなサービスが出来る人を育成・組織化し、よりきめ細やかなクライアントサービスを確立するのが私の役割になります。 例えば、事業立上の計画策定に関してクライアント内では、まだプロジェクトと呼ばないような少人数の関係者が集まって検討するレベルのテーマもあります。まだプロジェクト化されていない段階から支援できるようになれば、クライアントからのあらゆる相談にもきめ細やかにお応えすることができます。
伊藤
PMOのプロジェクトでコンサルタントの基本を習得した後で、企画や戦略よりの案件に携われる可能性が有るという事ですね。御社内でのキャリアパスとしても選択肢があって良いですね。
北添様
PMOの経験を積んだ後で企画・戦略系等のコンサルタントになる人がいても良いですし、そのような専門性を既に持っているコンサルタントに弊社に参画してもらうのも嬉しいですね。クライアントで戦略企画のプロジェクトが立ち上がるときに、直ぐに対応出来る人達を集めていきたいですね。
求められることは、お客様が困っていることを助けるためには
どうしたらよいかを真正面から向き合うこと。
梅本
改めて会社の雰囲気や求める人物像を教えていただけますか。
北添様
入社して感じることは、ほどよく仲良い組織ということですね。組織はどこでもそうですが100%仲良くするというのはまずありえません。毎回プロジェクトごとに集まるメンバーも違いますが、チームとして仕事をしますし、プロジェクトの成功に向けまとまっていますね。プロとして成果を出すためには、ほどよく仲良くというのが良いのかもしれません。 求める人物像に関しては様々なバックグラウンドのコンサルタントがいて良いと思っています。クライアントのニーズが多様化していますから均一的な組織より、多様性を認める個性ある人の集団でありたいですね。社内に尖っている人がいても認めてもらえるような組織がイメージ近いですね。50人規模でしたらPMO特化でも良いのですが、弊社は100名を超え成長フェーズですので、バラエティに富んだ人達に参画して頂くことで組織も成長していくと思っています。
あとはお客様商売であることを心得ているかどうかも重要です。クライアントファーストは確かに第一原則ですが、お客様が言ったことが絶対正しいかというとそうではありません。違っていれば修正が必要です。PMO、戦略企画、業務改善などソリューションはいろいろありますが、結局はお客様が困っていることを助けるためにはどうしたらよいかが根本で、PMO含めたソリューションはそれを解決する手段です。これに真正面に向き合える人ですね。例えばクライアントがシステム化を検討しているときに、それが本当に価値のあることなのか考え、価値のないものであれば止めてもらう。これができるかどうかという事です。

ワークライフバランスとは、勉強、仕事、家庭、
それぞれを一生懸命マネジメントすること。
梅本
先ほど多様性というキーワードがありましたが、女性の働き方含めて、社員の方の働き方はどうでしょうか。
北添様
弊社は働き方、ワークライフバランスについてはとても厳しく指導・管理をしています。土日働いた場合は必ず代休を取得するなど、業界のなかでも特に気をつけている会社だと思います。お子様がいるのであれば17時きっちり退社出来るようにサポートもしています。 働く環境つくりは会社としてもストイックに取り組んでいますね。私が昔コンサルタントとして働いていたときと重ねあわせても、奇跡に近い環境にあると思います(笑)
伊藤
クライアントファーストの観点で行動すると、忙しくなるのではないでしょうか。
北添様
代表の高橋はワークライフバランスに関しては非常にストイックです。弊社のコンサルタントに対して、ハードワークを要求するクライアントはお客様ではないと案件を断ってしまいます(笑)。プロジェクトのフェーズでどうしても頑張らなければいけないというときに、積極的に引き受けてくれる気概のある人がいても良いと思いますが、原則ハードワークの推奨はしていません。 ただワークライフバランスと言っても、単に早く帰宅するというのは少し意味が違うと思います。勉強、仕事、家庭、それぞれを一生懸命マネジメントすれば良いのです。世代によって大事にしている部分があるため、それを自分自身でコントロールしていきましょうという事です。
梅本
ワークライフバランスのお話しも出ましたが、北添様のプライベートについてもお話を伺えればと思います。
北添様
平日の夜は、お客様とのネットワーク維持や、社員とコミュニケーションをとるために飲みにいったりしますので、土日祭日は家族最優先で時間を過ごします。 特に趣味は無いのですが、新しいサービスや、これとこれをかけあわせたら面白いのではないか?というようなビジネスマッチングについて良く考えてしまいます。それに対して勉強も良くしますね。ただ私はスイッチを切り替えるタイプなので。家族の前で仕事の話は一切しません。
梅本
最後に記事をご覧の方々にメッセージをいただければと思います。
北添様
先ほどもお話したように、多様性とワークライフバランスは大事にしたいと思っています。今までのバックグラウンドありきではなく、私たちなりにその方が活躍いただけるフィールドを用意する気概はあります。コンサルタント経験者の方ももちろん歓迎ですが、本当にコンサルタントを目指している方であれば未経験者の方も歓迎しています。コンサルタントの経験があっても無くても、その方のポテンシャルが弊社で開花する、やりたいことが見つけられたなど、その方にとって弊社で過ごした時間が本当によかったと思って頂ければ本当にうれしいことだと思います。