今回は執行役員 プリンシパル プロセス&テクノロジービジネスユニット ITMSセクター長の岩井かおり様に、アクシスコンサルティングの山尾康久と祝佑斗がインタビューしました。 文中の情報及びデータ等は2015年12月現在のものです。
海外進出をITの側面からサポート
山尾
まずはITMSセクターの紹介をお願いします。
岩井様
ITMSセクターは、ITをコアに多様なサービスを提供しています。簡潔に言うとITのフルライフサイクルをサポートすることと、CIOのリアルパートナーとなることを主な業務としています。
『ITのフルライフサイクル』というのは、戦略企画から構築、さらに保守をして、また改善につなげる。改善の中で次の戦略を作っていく。そこまでをお客様に提供していくことを役割としています。
山尾
ITの最上流工程から運用の中で出てくる課題をワンストップで解決するということですね。
岩井様
はい。今およそ580人のメンバーが所属しており、アビームの中でも最大のセクターです。新卒と中途の割合はだいたい半々、新卒が若干少ないかもしれないですね。組織は4つのサービスラインに分けています。まずはIT戦略企画系のITSP(IT Strategic & Planning)。プロジェクト管理やプログラム管理をしているAPM(Advanced Project Management)。アプリケーションの企画開発をするITAP(IT Application Management)。基盤インフラ系のITAC(IT Architecture Management)の4つです。
山尾
最近のITMSセクターではどのような仕事が増えていますか?
岩井様
ITのロードマップや組織の方針をクライアントと一緒に構想する機会が増えてきています。組織に求められるスキルをどう定義し、どう人を育てていくか。かなり具体的なところまで落とし込んで人材育成を考えるプロジェクトも多くなってきています。
またITMSセクターの大きな役割のひとつが、海外進出をITの側面からサポートすることです。弊社は日本から海外に出ていくお客様の支援を重視していますから。我々自身が海外拠点に行くことも多いですね。
祝
トレンドの変化の中で、御社やセクターの方針として打ち出しているものはありますか?
岩井様
大きなトレンドとして、システムを作るだけでなく既存のものをつなげていく機会も多くなってきています。そのため、システム基盤だけ、あるいはアプリケーションだけの専門家ではなく、その両方の知識を持った人材を育成する取り組みをおこなっています。
それぞれのサービスライン内で活動するだけでなく、全体を俯瞰的に捉え、新しい課題に対してどのように取り組むのかを考えないと、お客様に対してベストなソリューションを提供することはできません。サービスラインを跨いでフレキシブルに、かつスピーディに対応できるチームを作ることが求められています。
社内に蓄積されているナレッジを活用することが成長につながる
山尾
他社のコンサルタントの方に話を聞くと、クライアント先への常駐が多く、会社への帰属意識が薄くなってしまうという話も耳にします。その点について、貴社やITMSセクターではどのような取り組みをされていますか?
岩井様
つい先日、いくつかのセクターが集う全体会をおこないました。成果を上げたプロジェクトの表彰や、新しい取り組みの紹介、各サービスラインのリーダーの所信表明などをおこない、その後は懇親会を開き、大変盛り上がりました。セクターでの全体会も年に1度実施しています。
また、私がセクター長になってから強く意識しているのは、会社に蓄積されているナレッジ・ノウハウをより活用してもらうことです。
メンバー個々の成長のためにも会社に帰属し、会社をうまく利用してほしい。週に一度は勉強会を開いています。最先端技術、新しいプロジェクトマネジメント方法論、企画経営再建化プロジェクト事例、失敗事例などを共有しています。
山尾
そのような取り組みは素晴らしいですね。参加率はいかがですか?
岩井様
毎回30人ほど参加しています。若手向けが多いので、参加者も若手が多いですね。語学研修も会社として注力しています。英語力を上げるための語学学校の補助などもありますし、ある程度の語学力を持っているメンバーを対象に、英語でのビジネスネゴシエーションのトレーニングなども講師を呼んでおこなっています。
また海外でのビジネス経験を積むために、若手を対象に「GTA(グローバルトレーニングアサインメント)」というプログラムも全社単位で実施しています。単なる研修ではなく、現地でのビジネス経験を積ませることを目的としています。
今後、2020年までに海外駐在を増やす計画を立てています。
山尾
駐在先としてはアジア圏が多くなりますか?
岩井様
はい。弊社は日本発・アジア発であることを大切にしていますし、日本から東南アジアに進出する企業が増えているという背景もあります。そのような企業に寄り添っていくための増員ですね。
山尾
他社だと、クライアントが海外進出する際には現地の法人にバトンタッチすることが多い印象ですが、御社はあくまで日本のコンサルタントがクライアントに寄り添う形になるということですね。
岩井様
海外拠点のコンサルタントも関わりますが、すべて任せっぱなしということはせずに日本からもコンサルタントを出して進めます。その点は外資系ファームとの違いです。
山尾
ジャパンクオリティーだからこそ頼まれるということもありますね。
求めるのは枠にとらわれず、貪欲に吸収する人
祝
ここまでセクターの方針をお伺いしてきましたが、この方針を推し進めるにあたって、今後どのような方に入社してほしいとお考えですか?
岩井様
枠を決めずに貪欲にやっていただける方です。システム基盤の経験があってもそこにこだわるのではなく、アンテナを張って他の領域も吸収していける方を求めています。
もちろんどこかの領域を経験されている方は即戦力になるので心強いです。しかし、それが弊社のサービスにぴたりとはまっていなくてもいいと考えています。柔軟な姿勢があれば、必ずしも即戦力である必要はありません。
祝
求職者の方からは、「アビーム様はSAPに強い企業様なので、そのスキルが無ければ難しいのでは」との声もよく聞かれますが…。
岩井様
SAPは弊社の強みではありますが、 もともとの始まりは金融系のスクラッチシステムでしたし、SAP以外の仕事も多数あります。SAPに携わりたい方にはSAPをキャッチアップしてもらいますし、今までやってきたことを活かしていきたいということであれば、SAP以外の領域をお願いしています。
将来像を自由に設定し、キャリアを描いていける環境
祝キャリアアップという視点で、メンバーがキャリアの志向や方向性などを相談するタイミングはあるのでしょうか?
岩井様
まず採用面接時の内容をサービスライン配属の参考にしています。そして入社後全員にカウンセラーがつきます。カウンセラーはマネージャー以上の社員が担当します。カウンセリングの中で自分が手がけていきたいことをキャリアデベロップメントプランというドキュメントにまとめます。それを参考にしながらプロジェクトのアサインメントをしています。
キャリアデベロップメントプランの中で、メンバーは自分の中長期のゴールを宣言します。将来像を自由に設定し、そこに向かってキャリアを描いていけます。例えばSAP領域から別の領域に挑戦したい場合も、スキルチェックシートを利用して足りないものを確認しながら進めていきます。
足りないものを学ぶためにサービスラインを移ることもありますし、業務領域も幅広く選択できるようになっています。一つの領域だけではお客様に対峙できませんので、他部署のナレッジも吸収できるよう、柔軟に対応しています。
女性の仕事内容が制限されない環境に惹かれ入社
祝
少し話題を変えて、岩井様ご自身のキャリアについてお伺いできますか?
岩井様
大学卒業後、食品会社で海外営業をしていました。そこでグローバルにモノが動くさまを目にして物流の最適化に興味を持ち、ビジネスプロセスリエンジニアリング(BPR)に関わりたいと考えたことからアビームに入社しました。
当時30歳でしたが、ビジネスプロセスを理解するためにITが必要と考え、そこからITを学びました。それまでの仕事とは違いITはロジックが存在するので、カチッとはまっていく感覚が気持ちよかったですね。
祝
580名ものセクターでトップになるには色々と苦労された点もあったのではないでしょうか?
岩井様
がむしゃらに頑張ってきたというよりは、与えられた仕事を精一杯やってきて、現在に至るという感覚です。前職では女性の仕事内容がある程度限定されていましたが、アビームにはそれがありませんでした。グローバルに活躍したいと考えていたので、制限がないところにも惹かれました。
育児にも理解を示してくれましたし、復職後もしばらくは海外出張に行けないことを理解して、それに合わせた仕事を担当させてもらえました。育児休暇からの復帰後、時短勤務を活用することも他部署で仕事をすることも可能ですし、タイミングに応じてライフ重視の働き方とキャリア重視の働き方を行き来できます。働きやすい環境が整っていると感じています。
山尾
制約のある中でも仕事に対して全力でやり切ってこられた結果、今のポジションにいらっしゃるのでしょうね。お休みの日などはどのように過ごされているのですか。
岩井様
家に高校3年生の女子と小学2年生の男子がいるのですが、上の子とモダンバレエやミュージカルなどの舞台を観に行ったり、下の子とは公園で遊んだりしてリフレッシュしています。特に、ダンス鑑賞は学生時代にジャズダンスやタップダンスをやっていたこともあり大好きです。最近鑑賞したなかでは、有名なバレエダンサーのシルヴィ・ギエムの公演が素晴らしかったですね。あとは毎週ジムにも通っています。
山尾
会社のバックアップ体制が敷かれ、仕事とプライベートを上手く両立されているのですね。最後に御社への入社を希望している求職者の方にメッセージをお願いします。
岩井様
同業他社から転職してきた同僚によると、アビームは非常にチームを大事にするカルチャーのある会社だそうです。チームとして最高の価値を出さないと意味がないという考え方が浸透しており、自然にお互いに手を差し伸べあっています。
成長できる場を必ず提供できる自信がありますし、みなさんが成長していくことが弊社の成長にもつながると考えています。まずは自分の担当領域で成果を出し、そして手がけたいプロジェクトがあれば担当領域外でも積極的に手をあげることで、できる仕事が増え、次のチャンスが巡ってくる環境です。
意欲を示して、実現する努力を続けていけば、男性も女性も関係なく大きな仕事を任せてくれるのがアビームのいいところ。貪欲に吸収していきたいと考えている方はお待ちしておりますので、ぜひご応募ください。