デロイト トーマツ グループの総合力を活かし、グローバルで活躍する企業や組織へのサイバーリスクに関するコンサルティングサービスをおこなっているデロイト トーマツ サイバー合同会社(DTCY)。今回はシニアコンサルタント和井田 裕也様にアクシスコンサルティングの祝 佑斗がインタビューしました。(2017年10月時点)
先端テクノロジーの台頭。
サイバーセキュリティとの闘い
祝
以前貴社白濱様にインタビューをさせて頂き、DTCY全体のことについてお話を頂きました。今回は特にAuto Teamについて、和井田様からお話を伺えればと存じます。どうぞ宜しくお願いいたします。
まずは簡単に、Auto Teamの概要について伺えますか。
和井田様
Auto Teamの中心となるサービスは、自動車関連企業に対するリスクアドバイザリー業務です。特にサイバーセキュリティ領域に強みを持ち、技術的な要素が求められる案件からガバナンスや評価に関する案件まで、テーマは多岐にわたります。
加えて、サイバーセキュリティ領域以外のリスクマネジメント体制の構築やBCP/BCM(事業継続計画/事業継続マネジメント)関連の案件も得意としています。それぞれの領域に高い専門性を持つメンバーがいますので、多様なサービスを展開しており、マネジメントコンサルティングとテクニカルコンサルティングの両面でクライアントをサポートしています。
祝
DTCY全体の強みをベースに、特に自動車領域に特化したチーム、ということですね。
和井田様
その通りです。
自動車産業は大きな変革を迎えています。電気自動車の普及や完全自動運転に向けての開発競争等に伴い、自動車産業の構造は大きく変化しています。IT関連企業や電気メーカー等が参入し、新たな規制等も設けられ始めています。
その中でも自動車のIoT化は最も大きな変化の一つと考えられます。IoT化により自動車に関するサービスは多面的に展開されることが予想されます。例えば、カーシェアリング等の車両を使ったビジネスだけではなく、車内空間を利用したサービスやドライビングデータを利用したビジネス等が展開されていくと考えられます。
一方で、従来のコンピュータ等と同様に、利便性は向上しますが、サイバーリスクと向き合う必要が生じ、対応は今後の大きな課題になります。
祝
クライアントからはどのようなニーズがありますか。
和井田様
例えば以前私が携わった案件は、将来の自動車に関連するサービス展開、それに付随するサイバー脅威と対策の整理がテーマでした。自動車の将来像は定まっていない事柄が多い中、クライアントは我々の成果物を基に今後の検討を進めていくわけですから、サイバー脅威の具体性と対策技術の実現性を論理的に示せるかが課題でした。
自動車に対するサイバー脅威や対策技術等、調査・整理の対象が複数に分かれていたため、メンバーの得意領域ごとに作業担当を分けプロジェクトを進めました。サイバー脅威の洗い出しは、単純にサイバーリスクを想定し、整理するのではなく、何故それが起こり得るのか、技術的な面だけではなく、トレンドや政策動向等も考慮が必要で、我々の知見が求められる領域です。
個人の課題や長所を活かしたアサイン
祝
高い専門性が求められる案件ですね。ちなみに和井田様はその中でどのような役割を担われたのですか。
和井田様
現場は私を含めて7名、そこにマネジャーが入るという体制で、チームのリードを任せられました。私自身あまり経験のない領域かつプロジェクト中盤からのアサインで不安もありましたが、一方でこれまでに前例のないような成果物を求められる案件でしたので、面白さややりがいも感じました。
知見として足りない部分はありましたが、チームをリードして「仕事を進める」面白さを実感できただけではなく、チームとして成果を出す達成感も得られる案件となりました。もちろんマネジャーのサポートを受けながらではありましたが、プロジェクトの成功に繋げられたことは自分の成長を感じたとともに、自信にもなりました。
祝
今までご経験がない領域で、いきなりチームリードを任されたのですね。
和井田様
Auto Teamの特徴として、案件へのアサインには一人一人の成長、スキルアップが最大限に考慮されます。アサインのタイミングもありますが、興味のある領域や将来の目標等からキャリアプランを描いていけます。
また、個人の課題や長所を踏まえてのアサインが行われます。例えば課題の面でいうと、セキュリティ面での知見が足りないのであれば、セキュリティの全体像を見渡す必要がある評価業務や体制構築に関連する案件に関与する等の配慮がされます。
祝
やりたい領域、足りない領域について、個人の意思を尊重しつつ会社として配慮もし、しっかりキャリア形成ができる環境なのですね。
一方で、知見や経験が不足する領域のキャッチアップは、始めは不安が大きいものだとも思いますが…。
和井田様
プロジェクトチームには十分な知見を持ったメンバーが入りますので、しっかりとしたチーム体制になります。また、一度経験して終わりではなく、その知見・経験を確かなものにするために類似の案件にアサインされ、専門性の基礎を築くことも可能です。
祝
チームとしてのバックアップや、1stプロジェクト後のサポートもあるのであれば安心感もありそうですね。他に貴社やAuto Teamの特徴といえる点はありますか。
和井田様
グローバル連携の機会が多いことです。特に日本と同じく自動車産業が大きな米国やドイツとのコラボレーションの機会が多くあります。また、今後はOEMやサプライヤーを持つ他の国との連携を進めていきます。これは国際的なネットワークを持つデロイトの強みの一つです。
DTCY全体に言えることですが、非常に風通しの良い組織です。チーム内は当然ですが、他のチームの異なる専門領域を得意とする方にも気軽に相談できます。以前担当した調査案件では、社内での聞き取りだけではなく、交流のある大学の研究者や専門家を紹介していただいたことで、有益な情報を得ることができ、クライアントからも評価いただけた経験があります。
「デロイト」としてクライアントに対して品質の高いサービスを提供するという意識は皆が持っています。様々な知見や経験を持つ人材がそろっているので、個々のスキルアップにもDTCYの持つカルチャーはメリットが大きいです。
また、職位に関係なく上長者(パートナーやシニアマネジャー)との距離感が近く、業務やキャリアに関する相談も気軽に行えます。
祝
グローバルや各チーム、上長の方との距離感が近い、というのは、コンサルタントとして成長する環境として非常に魅力的ですね!
働く環境、という観点ですと、働き方、働く時間については気にされている転職希望者の方も増えています。
和井田様
働く時間は案件に左右されることが多いです。やはり経験の浅い業務、短期での結果を求められる案件では帰宅が遅くなるときもあります。一方で、一部の職階を除き裁量労働を採用していますので、働く時間の管理は個人に任せられています。
打ち合わせや資料作成等のために他のメンバーに合わせることも必要ですが、予定がある場合などは周りと相談することで調整可能です。私も、案件の進捗具合や打ち合わせのスケジュール等を見て自分のスケジュールを組んでいますので、自分の時間はうまく確保できています。オンとオフを上手く切り替えることで、ワークライフバランスも保てる環境です。
すべてのスキルを持っている必要はない
祝
現在Auto Teamで求めていらっしゃるのは、どんな方でしょうか。
和井田様
セキュリティやITに関する知見、コンサル経験があれば望ましいと思います。また、グローバル案件に対応するためには英語力が必要になります。しかし、全てを揃えている必要はありませんし、ポジションにもよりますが、上にあげたような領域の経験がなくても意欲、行動力があればキャッチアップできます。
ただし、「考えること」と「柔軟性」は欠かせない要素です。必要なスキルは経験と共に得ることができますし、足りない部分はチームのメンバーがサポートします。コンサル業界はもちろん、他業界で培ってきた経験や知識を上手く活かすことで強力な武器にできると思います。
コンサルタントは多様なサービスを展開しますので、アサインされる案件は必ずしもこれまでに経験がある分野とは限りません。常に学び続けることが必要です。これまでに誰も作ったことがないような成果物、世の中に存在しないものを求められますので、与えられた状況にうまく自分をフィットさせ、パフォーマンスを発揮することが必要です。
祝
最後に一言、メッセージを頂けますか?
和井田様
多くのクライアントに対してサービスを提供していますが、一見似たように思えるテーマでも、中身が同じということはありません。案件一つ一つに求められる内容が異なります。企業毎に文化や考え方が異なり、雰囲気や働き方も様々です。コンサルタントの仕事は、そのような異なる企業文化を経験することが出来るのも魅力の一つです。
また、コンサルタントの成果はクライアントとなる企業や業界に大きな影響を与えることができます。そのような環境に飛び込みたい、という方と是非一緒に働きたいと思っています。