「新しい社会の姿を構想し、ともに「情報未来」を築く」 というミッションのもと、様々な分野のコンサルティングや調査研究をおこなっているNTTデータ経営研究所。今回は人事部長の野々山清様にアクシスコンサルティングの山尾康久がインタビューしました。
文中の情報及びデータ等は2016年8月現在のものです。
実はITコンサル系の企業ではありません。 経営コンサルティングを中心としたサービスを提供。
山尾
はじめに、NTTデータ経営研究所の特徴を教えてください。
野々山様
当社は経営コンサルタント目指す方にとって、非常にいい環境だと思っています。当社はNTTデータ経営研究所という名前から誤解されるケースが多いのですが、SI(システムインテグレーション)やアウトソーシングなどは守備範囲としていないのはもちろんのこと、IT系、つまりSIを前提とした前工程としてのコンサルティングも実は少ないです。
この業界は大きくシンクタンク系と戦略系、IT系と3つに分けられます。
当社のミッションは、「新しい社会の姿を構想し、ともに『情報未来』を築く」こと。次の社会をつくるところに貢献をしていきたいと思っており、3分類の中で言うとシンクタンクから戦略系にまたがる領域が主になり、まさに経営コンサルの領域が中心の会社です。
山尾
どうしてもNTTデータ経営研究所という名前から、SIの上流がメインのイメージが浮かびますが、実は真逆なのですね。
野々山様
はい。そのため、SIの上流工程を期待して当社を受けに来られる方にはがっかりされることもありますし、逆にもっと上流をやりたいと期待している方が良くご存知無いがために当社を敬遠するという勿体ないケースもあります。そこの誤解を払拭したいと思っています。
社会が抱えている課題や企業が抱えている課題をいかに解決していくかがプロジェクトの目指すところ。当社はそれに向けてソリューションの縛りなくコンサルティングをおこなう会社です。
経営課題の解決のための施策は情報システムのみではありませんからね。その企業のためになることであれば何でも解決策を提案できる経営コンサルティングファームとご理解いただくと実態に合うと思います。
山尾
本来の、お客様の課題解決に純粋に向き合える環境が御社にはあるということですね。
野々山様
そのとおりです。その結果、社員は経営コンサルティングを中心に経験を積むことができます。
例えばIT系の企業の場合、SIのプロジェクトが多いので、コンサルティングの経験を積む期間が短くなりがちですが、当社にはそれがありません。当社の場合は経営コンサルティングが主体なので、3、4カ月と短めのコンサルティングが多く、さらにひとり2、3本をかけもちでアサインしていますので、一年でおこなえるプロジェクトが多いのです。実際当社には8年間で100本以上を経験する人もいます。
コンサルティングに特化した経験を多数でき、そこで得られた多くの知見が社員の成長やクライアントに価値を提供するための財産にもなると考えています。
どちらがいい悪いではなく、どちらを志向するかという問題です。経営コンサルとしてたくさんの経験を積んでプロになりたいという人にとっては、当社は最適な環境と言えるのではないでしょうか。
NTTデータ関連のビジネスは約30%。 独立した立ち位置で自由にビジネスができる。
山尾
連携してビジネスを完成させていくという意味では、いい意味でNTTデータと協業していくこともあるのですね。
野々山様
これもよく誤解されるポイントの一つです。
NTTデータと強く絡みあった仕事が多いと思われがちですが、実はそうでもないのです。外部の方が想像されるよりずっと独立した立ち位置でビジネスに取り組んでいますので自由な部分が多いと思います。
だからといってNTTデータと関係性が薄いというわけでもありません。NTTデータと協業するような案件もあります。NTTデータのような大きな会社は様々なチャネルも持っていますし、色々な見識を有する人材も豊富なのでNTTデータと一緒に組んで仕事をするメリットも多数あります。
いつでも協業できる関係性にはありますし、NTTデータがクライアントから「こういう経営課題があって」と上流の相談をされたときに声がかかることもあります。ビジネスパートナー的な存在という表現が近いかもしれません。
実際、NTTデータ関連のビジネスが30%くらいで、残りは当社独自の仕事なので、いいバランスだと思っています。
もちろん、NTTデータグループとしてのグローバルITパートナーという方向感は意識していますが、そこに向けてどのようにアプローチし、どうコンサルティングをおこなうかは当社が主体的に決められます。
山尾
真のビジネスパートナーとしていいところを取り入れながら協業しているということですね。
野々山様
そうです。非常にいい立ち位置にいます。かなり自由にやりつつ、必要なときには協力も求められるというところです。もちろん目標とする事業計画上の数字はありますが、ビジネス上の制約がほとんどありません。
山尾
型にはまったやり方ではなく、新しいビジネスや、お客様の経営課題を追及していける環境があって、様々なチャンスを生み出していける自由な会社なのですね。
自由度、裁量が大きく、 若いうちから様々な経験が積める環境。
野々山様
当社は3、4人と、少人数のプロジェクトが多く、一人ひとりの存在感が大きいという特徴もあります。
IT系のコンサルティングやSIプロジェクトでは、何十人何百人というプロジェクトも多くありますが、経営コンサル主体の当社は3、4人。よく他のファームから来た人からは「一人一人の存在感や裁量が大きい」と言います。若いうちから任されることはすごくやりがいになっていると思います。
山尾
コンサルタントとしての成長を目指す方にとって、制約をうけてセグメントされてしまうというよりは、色々なことにチャレンジできる機会も多いわけですね。
野々山様
若いうちから様々なことにチャレンジできる環境は多分にあります。当社はコンサルタントとしての能力を、マーケティングとセールス、プロダクションと大きく3つに分けています。
他社の場合、若いうちはアサインされたプロジェクトをきっちり仕上げる(プロダクション)ことに100%注力していくということがよくあるケースと思いますが、当社は、早いうちからマーケティングやセールスにどんどん参画してもらうという育て方をしているのが特徴です。
例えば早い段階で、セミナー等で講演をしたり、書籍を出す等のマーケティング的な要素に絡んだ経験を積んでいる人もいます。結果として自分の名前で仕事をとれることにも繋がっていくので、それがモチベーションになって早期成長に繋がっていると思います。
会社の「得意技」を発掘し、 自分が中心になって外に打ち出していける。
野々山様
当社は組織の切り方が、細かくありません。他社においてはインダストリーとソリューションでマトリクスに区切られていて、ある特定の領域を繰り返し担当することで深い知見を得る一方で、そこからはみ出すことはやりにくい状況があります。
当社の場合は、例えば事業戦略コンサルティングユニットだと、金融と公共以外全部、という組織なので扱っている領域が広いのです。各組織、各コンサルタントの自由度も大きいと思います。
また当社には、「得意技」と呼んでいるものがあります。与えられたものだけではなく、自分からやりたい意志を示して「得意技」に取り組んでいくのです。
それは若手であってもできますし、上手くいけば、「この領域はあの人だよね」という存在になっていきます。
例えば自分は農業の事業で仕掛けたいと自ら意志を示し、仕事がとれると、その人を中心に進めていくことになります。
山尾
若手でも自分のやりたいことに挑戦できる環境があるのですね。
野々山様
マーケティングには2つ要素があり、ひとつは書籍を出したり講演したりといった情報発信。もうひとつはテーマ発掘、サービス開発です。「私は農業がやりたいです」という企画がうまくいけば、当社の「得意技」として企画を出した人が外に打ち出していけます。
UP or OUTがなく、 中長期的にキャリアが形成できる風土。
野々山様
また、当社は中期的にキャリア形成ができる会社です。
この業界には「UP or OUT」、つまり決められた年数で1つ上のポジションに昇格できなかったら辞めてもらうという制度がありますが、当社はそういう形は取り入れていません。
今のポジションの職責が果たせていないケースは問題ですが、上に行けないから出て行ってもらうということはありません。今の職責が果たせていれば重要な人材ですから、その人の強みを生かして人材を配置していくという考え方の会社です。
山尾
中長期的キャリアの観点で、例えば出産後の女性についての制度はいかがでしょうか。
野々山様
優秀な女性社員のキャリアが途切れるのは当社にとっても損失です。色々な事例があります。育児休暇の後、数年の時短勤務をおこなってからフルタイムに戻すというやり方が多いですが、中には一旦バックオフィスに移り、育児が少し落ち着いてからコンサルタントに復帰したケースもあります。
とはいえまだまだ充分な環境が整っているとは言えない状況ですので、まさに今年度、ワークスタイル変革ワーキングという社内プロジェクトを社長筆頭に全社を挙げておこなっているところです。優秀な人材が長期的にキャリアを形成していくための検討で、出産育児などでキャリアが途切れないこともその中の1テーマに入っています。
山尾
中長期的なキャリアの形成に会社として取り組むことを打ち出しているのですね。
野々山様
はい。また、単年度の評価ばかりにとらわれ過ぎない風土もあります。他のコンルティングファームのなかには、この職階に何年いたら昇格候補というガイドラインがありますよね。それが当社には全くありません。
その職階に長くいたからといって、ガイドラインがないので遅れているという概念がありません。一方、一年でも実力があれば上に上がれます。
実際、シニアコンサルタントで入社し、一年でマネージャーに、一年でシニアマネージャーになるケースもあります。一方でマネージャーに昇格するのに時間が掛かった人でも次のシニアマネージャーへの昇格で逆転することも充分にあり得るので1回の昇格時期が後々まで尾を引かない制度になっています。
一年でどんどん昇格することがある当社のやり方は、ある意味、外資より実力主義と言えるかもしれません。しかし、上に行かなくても、自分の強みを活かし、職責を果たすことができれば貴重な人材という価値観も同時に存在しています。
山尾
何十年そこにいても、そのミッションはこなせているので、会社にとって必要な人材である、というのが会社のカルチャーになっているのですね。
経営コンサルタントのプロとして 成長したい人にチャレンジして欲しい。
山尾
野々山様のプライベートについてもお伺いしたいのですが、ご趣味はございますか?
野々山様
最近はマラソンにはまっています。
もともとはゴルフの体力維持のために、ちょっとジョギングでもやろうかなと始めました。でも今は走ることの方が楽しくなり、ゴルフの回数も減って、マラソン中心です。
山尾
なぜマラソンのほうが楽しくなったのでしょうか?
野々山様
ゴルフは20年以上やっていたので、これ以上スコアが伸びませんし、維持するのがストレスになっていました。
ところが始めたばかりのランニングは一カ月もやっていると「走れるようになってきたな」と変化が見えてきます。
そうするともっとやりたくなって、そのうちにレースに出てみようとフルマラソンに挑戦することに。距離を伸ばしていくとタイムが縮まってくるとか、目に見えて成長があるというのが楽しみで(笑)。
山尾
職場の仲間と走ることもありますか?
野々山様
半年に1回、大井ふ頭中央海浜公園で、NTTデータグループの駅伝大会があります。グループの社員であれば誰でも出られる1200人くらいの大イベントで、楽しいですよ。
また昨年度、公式に会社のサークル活動の制度ができ、会社から活動費も出るようになりました。ランニングに関してはすでに有志でおこなっていましたが、正式にクラブとして発足し、今ではメンバーも拡充して40数名のサークルになりました。
一緒に走る仲間も増え、ここは皇居にも近く環境に恵まれているので、毎月給与支給日には皇居ランをしています。平日の夜や休日も仲間たちと走っています。身体を鍛えたり走力を上げるということだけでなく、組織を越えて楽しみながらコミュニケーションを取れるような良い場ともなっています。
山尾
仲間意識が芽生えそうな環境ですね。最後に読者の方へメッセージをお願いします。
野々山様
コンサルティングファームといっても会社によってかなり業務内容や風土は異なります。
当社の場合は「経営コンサルタントのプロとしての成長」「自由な風土、意志を持って主体的にチャレンジできる環境」「短期的な成果に捉われ過ぎず、中長期的に落ち着いてキャリア形成ができる」という部分が特徴です。志向性のマッチする方はぜひご応募ください。
併せてこちらの記事もご覧ください。「株式会社NTTデータ経営研究所/実力のある人がクライアントの前面に立てるカルチャー」