株式会社リブ・コンサルティング インタビュー

株式会社リブコンサルティング
関 厳 様

「“100年後の世界を良くする会社”を増やす」を経営理念に、中堅中小・ベンチャー企業を中心にコンサルティングを提供するリブ・コンサルティング。今回は代表取締役社長 関 厳 様にアクシスコンサルティングの梅本昇平がインタビューしました。
文中の情報及びデータ等は2016年2月現在のものです。

目次
  1. 入社6年目でトップコンサルタントに。32歳で独立
  2. いい会社を、いい仕事を通して増やしていくには、自分で決められることが大事
  3. コンサルティング業界は変わらなくてはならない
  4. 海外に提供しているのは「日本式経営」
  5. 積極的に教え、学び合う「集合天才」という文化
  6. 自社でたくさん失敗して傷を負うことで成長して欲しい
  7. 株式会社リブ・コンサルティングの求人情報

入社6年目でトップコンサルタントに。32歳で独立。

梅本
まずは、関様の今までのご経歴からお伺いします。

関様
新卒で国内系の大手経営コンサルティング会社に入社しました。10年間在籍する中でコンサルタントの他、買収した企業の運営のサポートにも携わりました。

売上の一部を担当して、営業や営業管理をする仕事です。コンサルティング会社の出身ではありますが、事業会社のような仕事も1年半~2年担当しました。

6年目で、在籍する400人の中でトップのコンサルタントになり、29歳でコンサルティング部門の役員になりました。最終的には専務取締役となりましたが、その後、32歳の時に独立しました。

役職者になった後はコンサルタント業務に加え、統括部門のマネジメントも任され、子会社の事業再構築、人員削減等も含めて担当しました。

「コンサルタントは机上の空論になりがち」といわれることも多いですが、リストラやキャッシュフローなどの財務調整、IR・PRという厳しい仕事を経験することで、経営の様々な面を見ることができたと思います。

優秀な企業と取引させていただく中でトップ賞も受賞しました。成長企業のお手伝いをする機会に恵まれ、スピード感・意思決定の考え方など、勝っていく企業のパターンを見ることもできました。

梅本
コンサルティング業務ではどのようなクライアントを担当されていたのでしょうか?

関様
政府関連の案件やナショナルクライアントをはじめ、様々な案件に携わらせていただきました。また、入社したての頃は、20~30人の家族経営に近いクライアントも担当しました。それぞれに面白さと難しさがあったと思います。

梅本
その中で、特に印象に残っているものはありますか?

関様
地域の優良企業の「横ばいになっている業績を伸ばす」という仕事です。「拠点を2つ閉鎖する」という提案をしたのですが、当初はなかなか受け入れてもらえませんでした。

2週間ほど経営層とじっくりお話しをする中で、一時的には縮小させる方向になり、短期的には規模を縮小させましたが、2~3年後にはもとの2~3倍の規模感になりました。

戦略的・合理的な発想をすると、拠点の閉鎖はすぐに出る結論です。しかし、クライアントの経営層が気にしていたのは、世間体のようなものでした。ビジネスには、そういった感情も常に絡んできます。「合理的に考えたら閉鎖すべきなのに、なぜ社長は納得してくれないのだろう?」と言ってしまうコンサルタントもいると思いますが、そこも含めていかに納得解に進むか、ということが我々の仕事だとその時に気づきました。

いい会社を、いい仕事を通して増やしていくには、自分で決められることが大事。

梅本
コンサルタントとしてご活躍するなかで、独立に至るきっかけは何だったのでしょうか?

関様
中小企業の仕事と並行して、国や大企業との仕事も担当していましたが、国の仕事だと方向性が決まった後の承認プロセスや意思決定に携わる人が多く、時間軸も長くなります。

関係者への説明のための資料作りも必要で、形式的な仕事が多いため「企業や組織・社会を変えるために本当に必要なアプローチなのか?」という疑問を持つようになりました。

会社は稼ぎ頭である私には大きな仕事をやってほしいと思っていたようですが、このような仕事では、背景や長い目で見てどういう機能を果たしていくのかはあまり考えられません。
徐々に、自分がいいと思う企業のいい事業にコンサルティングという形で関わりたいという気持ちが芽生え、会社との間にギャップを感じるようになったのです。そこで「100年後の世界を良くする会社を増やしていこう」と、思い立ったのが独立のきっかけですね。

会社の方針に従うことは当然のことではありますが、それが働く側の希望と合わなくなると難しいと思います。

そのような状況に陥ったら、自分でやっていくのが一番いいと思ったのです。本社の方針も株主の意向もないので。いい会社を、いい仕事を通して増やしていくためには、自分で決められることが大事です。

コンサルティング業界は変わらなくてはならない。

梅本
改めて、御社の全体像を教えてください。

関様
経営コンサルティングとそこに紐づく総合的な人財育成をおこなっています。対象は中堅・ベンチャー・一部の準大手企業です。

日本・韓国・タイとサービスを拡大しており、全体の20%が海外関連です。ITや財務会計の領域でのコンサルティングは一切おこなっていません。経営層と対話しながら会社の方針を決め、実行のサポートをしていくことに集中しています。

クライアントは特定の業界・エリアにおける優良企業が中心で、そこに特化している企業はあまりないということもあり、弊社は伸びているのだと思います。

梅本
特に強いのはどの業界でしょうか?

関様
住宅、自動車、海外では製薬です。それ以外の業界も、徐々に増えてきています。

特に中堅・ベンチャー・準大手では「結果が出るのか」をコンサルタントに求めています。予算があるかないかではなく、結果が出せるか。したがって我々も、マーケティングや営業・ブランディング関係など、売上につながる仕事をする必要があります。

今挙げた業界だと、そういった領域の仕事が多くあるので、「成果が出る」コンサルティングにこだわった結果、自然とその業界が多くなりました。

梅本
創業当時と今とでビジネス環境の変化や御社の役割の変化はありますか?

関様
創業した2012年の7月から、環境自体は大きく変わっていないと考えています。2008年のリーマンショック以降、コンサルタントに対しては「結果を出せるか?」という面が、厳しく見られるようになっています。

報告書を書いて青写真を描くだけでなく、実行のサポートを含めてコミットしていくことが必要です。情報の流通・変化のスピードが上がってきているので、「実行する中で計画に修正をかけていく」ということが求められるようになってきています。

世界でどのようなビジネスがおこなわれているかはコンサルティングファームに聞かなくてもわかる時代です。海外での事例の導入のような、情報格差を利用したベストプラクティスのアプローチが通じにくくなっていますね。こうした2008~2010年頃の変化を踏まえて私は創業しています。

社会の環境がどんどん変化している中でも、コンサルティング会社自体の事業モデルはほとんど変わっていません。「コンサルティング業界が時代にマッチできていない」という思いは強いです。

デジタル化・イノベーションが進んでいる企業のことを真に理解していないのに、それを促そうとする。発言と行動のギャップが大きく、その結果、厳しい局面に差し掛かっているように思います。

「コンサルティングの再定義」と私はよく言うのですが、情報格差がなくなっていくなか、自身のビジネスモデルを変えずに顧客に変革を迫る、という事業が今後10年も20年も続くとは思えません。

中堅・ベンチャー企業のような、今までコンサルティングファームがアプローチしてこなかった企業や、海外の企業へのアプローチも必要です。

関様

海外に提供しているのは「日本式経営」。

梅本
国内でまず基盤を固めて…という考え方もあると思いますが、海外進出を進める狙いはどこにあるのでしょうか?

関様
「国内で固めてから…」という考え方は、海外進出の際に不利になると考えています。国内である程度大きくなってから海外に進出するとなると、海外の売上が微々たるものになりますよね。

その状況だと、海外での事業に本腰を入れることにはならないでしょう。国内である程度大きくなる前に、海外を攻めて行ったほうがいいと思います。

また、せっかく成長しているアジアを攻めても、日系企業ばかりをターゲットにしていたら成長しません。確かに日系企業なら言葉も通じるので、ビジネスはしやすい。ただ、現地企業を相手にするよりも規模が小さくなります。

我々が進出しているタイには日系企業も多数進出していますが、駐在員の数は5~10万人程度です。目の前の取りやすい利益を取るのではなく、あえて海外企業に行くべきです。

梅本
韓国とタイを選んだ理由はありますか?

関様
アジアの中でも経済的に比較的進んでいる地域でないと日本のコンサルティング企業にコンサルティングフィーを払えません。新興国と先進国の間にいる企業、韓国やタイ、マレーシアや中国の一部の企業などですね。

梅本
では、日系企業の海外法人とはほとんど仕事をしていないのですか?

関様
日系企業は韓国で2割、タイで5%程です。時々、現地法人からもお声掛けを頂きます。今の日系企業は、現地マーケットに入る際に苦戦しているところが多いですね。

「現地企業とパートナーシップを組みたい」「現地の商習慣を知りたい」という時に、現地企業と普段から仕事をしている我々に聞いた方が早い、ということだと思います。

現地企業に対して我々がどのような価値を提供しているか、というと、「日本式経営」です。経営学は欧米式の経営をベースにしていますよね。それが、必ずしも日本やアジアの経営に当てはまるわけではありません。

日本は経済面で、アジアで一番進んだ国です。品質管理や経営管理、少子高齢化問題など、成功例も課題も他国に先駆けて経験している。その経験から何を学ぶのか、というのはアジアの企業の関心事でもあります。

ところが、そこにフォーカスしたコンサルティング企業はありません。結果的に、弊社のような若い企業でもそこに入るチャンスがありました。ちなみに、韓国で一番人が集まるセミナーのテーマは「失われた20年」なのです。

韓国でもタイでも、今後5年の間に経済成長が横ばいになる、と言われています。日本での事例が20年遅れで発生しているのです。

人口が増え続けている=経済成長が続いている前提のアメリカ式の経営ではなく、「人口が減っていく中でどのように個々人の生産性を高めていくか」という考え方の日本式経営が参考になります。数年したら、どこの国も3%くらいしか伸びなくなるので、日本式経営が効いてくるのではないでしょうか。

積極的に教え、学び合う「集合天才」という文化。

梅本
国内でもグローバルでも様々なチャンスがある御社ですが、そんな御社が求める人財はどのような方なのでしょうか?

関様
高いレベルでの論理思考力や対人スキルはもちろん必要です。それに加えて顧客は中小・ベンチャーが多いので、「経営層を動かしていく」力がなくてはなりません。その意味では、顧客の成果に向き合っていく熱い心が一番大切です。

私はよく、IQとEQという話をします。知能指数と心の指数。分析屋で終わるのではなく、分析した結果に納得して動いてもらうところまで実行して、初めて正解に近づくことができるということです。

梅本
会社として成長フェーズにあると思いますが、若手・中堅・ベテランの特にどの層が欲しいなどありますか?

関様
どの層も欲しいです。幸いリピートも新しい仕事もあるので、どの層も足りていません。ただ、募集人数ではなく基準を定めているので、なかなか人員が増えない部分があります。若手と中堅層は積極的に増やしていきたいと思っています。

大事なのは会社の教育姿勢。弊社は「集合天才」という育成ポリシーを掲げているので、新しいメンバーにも積極的に教え、学び合うという雰囲気をつくっていますし、育っていったら一流同士で共有する、という風土になっています。

私自身も、一部の勉強会を主催していますし、Web会議で国を越えた会議や情報共有・学び合いもおこなっています。コンサルティングファームは、一匹狼の集まりのようなところがありますが、弊社にはそれがありません。

梅本

自社でたくさん失敗して傷を負うことで成長して欲しい。

梅本
関様のプライベートについても伺ってもよろしいでしょうか? 社長ともなると、多忙でなかなかプライベートの時間も取れないという印象があるのですが。

関様
小さい頃からサッカーをしていて、月に一回は社会人チームの試合にも出ています。日曜はサッカーをしていることが多いですね。自分で時間管理がしっかりできていれば、プライベートの時間も取れますし、長い連休もあるので旅行に行くこともできます。

仕事終わりにみんなで食事に行くことも。昨日も韓国オフィスのメンバーと食事に行きました。

梅本
時間管理次第で自分の時間も確保できるということですね。では、最後に御社で働くメリットについてお聞かせください。

関様
2つあります。ひとつは経営コンサルティングができることです。プレゼンテーションや報告書を書くだけでなく、経営層に対して仕事をすることができます。

コンサルタントという名のつく仕事は増えてきましたが、日常的に経営者と仕事ができる人はほとんどいません。経営者に対して意思決定や実行のサポートをしていきたい方にはいいと思います。

2つ目は、まだ若い会社だということです。ベースにある、「“100年後の世界を良くする会社”を増やす」というところは変わりませんが、その中でのチャンスは多くあります。

弊社はコンサルティング企業でありつつ、ベンチャー企業でもあるので、社員の提案が通りやすいという特徴があります。クライアントのビジネスだけでなく、自社の経営にも主体性を持って関わっている人の割合も高いです。

自分が事業リーダーになるという性質もあるので、外部に対してコンサルタントとして「考える」という面と、自社に対して事業リーダーとして「動く」という面の両方が体感できる。一つで二度美味しいですね。

クライアントに対して新規事業のコンサルティングをしていたメンバーでも、いざ自分がやってみるとなかなか上手く行かない。チームをまとめるのに躓くこともあります。

しかし、失敗から学ぶこともコンサルタントとして大事なことです。コンサルティング力も事業リーダーとしての資質も上がっていきます。

若いうちから、たくさん失敗して傷を負うことで成長して欲しいですね。コンサルティングの仕事でたくさん失敗されても困るので、自分が事業リーダーとして動く中で失敗を経験して欲しいです。

経営者は、目の前のことで困っていても、数年先のことを考えなければなりません。戦略や理念やビジネスモデルなどの高次な話しだけでなく、社員が辞める、事業を真似されたなど、そんな中で経営を進めないといけないのです。

「なぜ経営者が合理的な判断をできないのか」も分かると思いますし、「経営者がいかに複雑な背景の中から判断をしているか」ということも実感できるようになります。

梅本
御社でなら経営者が苦労する点や喜びを感じる部分が経験できるのですね。

関様
コンサルタント自体は、7〜10年あれば一通り仕事を覚えて卒業できます。ただそれは、プロジェクトとして仕事に関わるのであれば、という話です。企業や経営者のことを深く知り、一緒に作品を作っていく仕事はもっと奥が深く終わりが見えないものです。

私はそれが真のコンサルティングだと思います。「いい会社に真のコンサルティングをすることで、社会に価値を提供したい」と考えている方は、ぜひ弊社に来ていただいきたいと思います。

関 厳 様
代表取締役社長関 厳 様

東京大学卒業後、大手経営コンサルティング会社に入社。住宅・不動産、自動車、電機メーカー、卸売など幅広い業界のコンサルティング支援に関わり、担当企業の多くは増収増益を実現。経営再建支援にも取り組み、赤字体質の企業に対して1年で黒字化を実現するなどの実績も持つ。入社6年目時に全社400名中トップ賞を獲得。翌期には12名のメンバーをマネジメントし、全社50チームの中でトップマネージャー賞を受賞。その後、同社史上最年少で取締役、その後専務取締役に就任し、コンサルティング部門の責任者として活躍。リーマンショック後の逆風の中、自身の統括部門を3期連続の増収・増益に導く。2012年、同社を退職し、株式会社リブ・コンサルティングを設立。「“100年後の世界を良くする会社”を増やす」を理念に掲げ、トップコンサルタントとして幅広い業界のコンサルティング支援に携わる。コンサルティング活動以外にも多くの業界団体向け講演活動も行っており、年間約5,000名を動員。著書「紹介営業が面白いほどできる本」はamazonマーケティング&セールス部門1位を記録するなどロングセラーとなっている。

株式会社リブ・コンサルティング

株式会社リブ・コンサルティング

「“100年後の世界を良くする会社”を増やす」を経営理念に、中堅中小・ベンチャー企業を中心にコンサルティングを提供。数多くのコンサルティング経験に基づく、確かな経営課題解決ノウハウをもとに、中堅中小・ベンチャー企業の経営戦略策定から組織づくり、マーケティング改善、営業力強化、人材育成まで、経営課題解決策をワンストップで提供し、顧客企業が大きく飛躍するためのコンサルティングを実施している。

アクシスコンサルティング

アクシスコンサルティング

3000名のコンサルタントの転職支援をしてきた人材紹介会社(転職エージェント)。コンサルタントになる。コンサルタントとしてリポジションする。コンサルタントからEXITする。そのすべてに精通した生涯のキャリアパートナー。

株式会社リブ・コンサルティングの求人情報

募集職種  経営コンサルタント(コンサル未経験者)
職務内容
成長著しいベンチャー企業や中堅企業に対して、経営コンサルティングを行って頂きます。 急成長中のベンチャー企業、中堅企業を中心に「戦略立案」から「実行&検証」まで全てのフェーズにおけるコンサルティングを実施することで、クライアントに「成果」をもたらしています。 パッケージサービスの提案ではなく、個々のクライアント様それぞれの課題抽出・解決・成長のため経営全般多岐にわたるコンサルティングを行います。
応募要件
  • 大卒以上

  • 社会人・営業経験3年以上

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  • コミュニケーション能力の高い方

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