「“100年後の世界を良くする会社”を増やす」を経営理念に、中堅中小・ベンチャー企業を中心にコンサルティングを提供するリブ・コンサルティング。今回は、取締役 新規事業担当役員 権田和士様に、アクシスコンサルティングの梅本昇平がインタビューしました。
文中の情報及びデータ等は2016年2月現在のものです。
3年間の留学を経て、「やっぱりコンサルティングがいい」と思った。
梅本
まずは権田様のこれまでのご経歴からお願いいたします。
権田様
新卒で国内系大手経営コンサルティング会社に入社しました。会社の再建プロジェクトを多く担当し、一時期は再建できるまで会社に戻らないというスタイルで仕事をしていました。
私が特に多く担当したのは住宅業界でした。当時の住宅業界は、バブル期の塩漬けの分譲地が全国に余っているという状況で、簿価会計から時価会計に移行し、正確な資産価値を出したとたん存続が厳しくなる会社が全国に多くありました。当時、日本で売れ残り分譲地の販売プロジェクトを一番やっていたのは私かもしれません。
最初の数年間、現場で業績成果を上げることにこだわり、事業再建系で結果を出せたため、早めに役員を任されることになりました。
役員になり、社内で「いかにクライアントに業績成果をもたらすか」という課題に向き合いましたが、そのなかで自分自身に限界を感じるところがありました。
そこで、次のフェーズとして、アメリカのミシガン大学に留学をしてMBAを取ることを決意しました。それまで、経験値ベースでコンサルティングを少し齧っている程度でしたが、MBA取得を通じて、知識と経験値を総合的に融合できたと思います。
その後、リブ・コンサルティングに入社し、新規事業、特に準大手企業のコンサルティングを任されています。
梅本
留学を経て、リブ・コンサルティングに入社したのはなぜですか?
権田様
アメリカにいた3年間は「30代の自分探し」のような期間でもあり、あらためて自分は何がしたいのか考えました。
その結果、「やっぱりコンサルティングがいい」となりました。ただ、夢や目標を追いかけられるコンサルティングがよかったのです。
一般的にコンサルティング会社は、下請けとしてクライアントと関わり、成果は出しても、クライアントが喜んでいるのを舞台の袖から見つめるものですが、それは自分には合わないと感じていました。
クライアントが世のなかに影響を与えていく事業を下請けではなく深くお手伝いできること、入社する会社自体も世のなかに影響を与えることができる存在であることの2点を重視したときに、一番ヒットしたのがリブ・コンサルティングでした。
梅本
そのときに社長の関様と出会って、自分のやりたいこととマッチした、ということでしょうか?
権田様
実は、関とは前職でほんとうに厳しい時に同じ釜の飯を食べていた間柄です。アメリカに行って色々考え、多くの選択肢を並べてみたときに、一番自分のコンサルティングのあり方に近かったのが関でした。
大手にはクラシックなコンサルティングが通用しなくなってきている。
梅本
準大手のコンサルティングを担当されているということですが、中堅規模のお客様と準大手との違いについて伺えますか?
権田様
中堅中小企業は「始めから全部お願い」となります。中堅中小は大手と比べて人やお金といった資源が少なく、穴だらけで、穴を埋めたら次の穴が空いているという状態です。
一方、準大手はある程度資源が充実しているので、空いているスペースも少なく、「空いているスペースのみお願い」という依頼が従来は多かったと思います。
しかし、現在は中期経営計画を作る間に事業環境が変わるので、クラシックなコンサルティング自体が通用しなくなってきており、準大手からも、一緒に事業を作る、現場と経営幹部を何往復もしてつなぐ役割を求められます。
大手を支援しているコンサルティング会社はそのような支援は、そこまで行ってきていなかったと思います。私たちは逆にそのようなことばかりしていた集団で、経験や知識もあるので、それなりの規模の企業から依頼を受ける機会が増えています。
梅本
準大手のクライアントはどのくらいの規模の企業でしょうか?
権田様
最近増えているのが社員数500~3000人の層です。グローバル企業の一歩手前くらいですね。グローバル展開している企業もありますが、日本の利益比率が高く、ここ20年のグローバル化やデジタル化に乗り遅れてしまった企業が多いと思います。
なぜそのような企業と弊社がマッチするかというと、中堅中小企業で支援してきたことと求められている要件は変わらないからです。
大きな違いは、準大手クライアントではオペレーションの改善のみでなく、その次の成長戦略・次の収益の柱を見つけていかないと会社が伸びなくなっていくという部分だと思います。
梅本
ターゲットとしての業界はどちらになりますか?
権田様
業界問わずですが、今増えているのはBtoC寄りの企業です。店舗展開をしていくなかで店舗ごとにマネージメントをする店舗系ビジネスの会社が多いですね。卸・小売などサービス全般、製造が多く、特に住宅・自動車に強いです。
それぞれのスペシャリティを生かし、成果にコミットする。
梅本
では、権田様が率いる新規事業担当チームの雰囲気について教えてください。
権田様
それぞれスペシャリティの異なるプロフェッショナルチームです。外資系コンサルティングファーム出身者もいれば、大学院でロボットを作っていたメンバーもいますし、私のように企業再建をやってきたメンバーもいます。
各分野で頑張ってきたメンバーがそれぞれのスペシャリティを生かしながらひとつのクライアントにあたっています。
梅本
何人くらいのチームですか?
権田様
5人です。顧問や外部ネットワークもあります。
梅本
準大手のクライアントに対してコンサルティングを提供するとなると、それなりの経験、コンサルティングスキルも必要になると思いますが。
権田様
入口はコンサルティング会社出身のメンバーが担当することが多いですが、実際の支援が始まると現場でしっかり成果を出していくメンバーが入っていくという役割分担になっていますね。
弊社の強みは、戦略家とオペレーションの両方がいること。また、その間をつなぐ人間がいることです。私がそのつなぐ役割をしています。
戦略系のメンバーと現場のオペレーションを改善するメンバーとで一体となって支援することが一番バランスがいいと感じています。
大事なのはコンサルタントとして確固たる価値観を持っていること。
梅本
チームのなかで今後求められるスキルはどのようなものでしょうか?
権田様
心技体ですね。与えられた要件をこなすことは必須ですが、そのあり方やコンサルタントとしての価値観をしっかり持った人が、クライアントにも歓迎されます。
弊社は社員数100人強の会社です。今いるメンバーやこれから入社する方はコアメンバーになるわけですから、確固たる価値観を持っている方がいいと思います。
「100年後の世界をよくする会社を増やす」というのが弊社の企業理念ですが、弊社のコンサルタントがあるべき姿でなかったら、導いていく世界にも希望が持てなくなりますよね。
結局クライアントと一緒にいい会社を作っていくときに「あなた自身がどのような価値観か?」ということがすごく大事になります。
梅本
コンサルタントとしての価値観やあり方ということになると、コンサル経験者のほうがマッチするように思いますが。
権田様
両方ですね。コンサル経験者のなかでも特に外資で働いていた人は、スポットで与えられた与件に対してしっかり納めるという仕事をしている人たちが多いと思います。
私たちは基本的にクライアントと3年以上のお付き合いになることが多いので、スポットの支援はありません。コンサルタントとして企業側とパートナーシップを組んで長いお付き合いをして、いい会社を作っていくことが前提としてあり、そこに必要なスキルがついてくるという感じですね。
もちろん問題解決スキルが身についたコンサル出身者が望ましいですが、職人的なコンサルタントはもうやりたくないという人が一番フィットすると思います。
梅本
準大手の企業向けにサービスを提供すると、他のコンサルティングファームと競合することもありますか?
権田様
それほど競合していないです。今よりもう少し上の企業をやる場合はコンペであたるのかなと。かなりの規模の会社になってくると、コンサルティング会社を併用しています。部門毎にひとつのコンサル会社が担当する感じですね。
コンサルティング業界を変えるフロントランナーになる。
梅本
御社で仕事をするなかでやりがいを感じるのはどのような部分でしょうか?
権田様
新しい挑戦をしている感覚があるところです。弊社は、中期経営計画を作るというプロジェクトではなく、現場と戦略を行き来して一緒に会社を作っていきます。
コンサルティング業界に求められることが変化するなかで、我々自身も先頭に立って一緒に変わっていこうとしています。なぜそれができるかというと、私たちが会社として若いからです。どんどん新しいことにチャレンジしています。
今コンサルティング業界は変わらなければならない状況にきていますが、売上1兆円を超えるような日本のエスタブリッシュメントを支援してきた旧来型のコンサルティング会社が変われるかというと難しいのではないでしょうか。それには2つ理由があり、ひとつは組織として成熟しすぎていること。もうひとつは本社がアメリカにあり、支社で戦略を立てる必要はなく、コンサルティングを続けていればいいからです。
毎年「働きがいのある会社」のアンケートがありますが、弊社は2年連続で上位にランクインしています。2016年も12位をいただきました。そういう意味では新しいことに色々挑戦していて、世の中的にも面白がってもらっていると思います。
GDP比較でいうと日本の経営コンサルティングのマーケットはドイツやアメリカの1/4。コンサルティングの広まる余地はまだまだあります。
しかしなぜ広まらないかというと、ひとつはクライアント側が自前主義の組織なので、コンサルタントを使う習慣がないためです。もうひとつの問題がコンサルティング会社自体にあると思っています。
コンサルティング業界はこのままでは駄目だと思っている人は多いのではないでしょうか。コンサルティング会社が変わらないといけませんが、変わろうとしていない。そこで、私たちがフロントランナーになっていこうとしています。
梅本
今後がますます楽しみですね。権田様のプライベートの話もお伺いできますか。
権田様
やることをやっていれば自由に時間を使えます。日曜日働いて代休をとるのも自由ですし、長めに休みをとることもできます。オンとオフをしっかりつけましょうという会社です。
私はプライベートでは、子育て奮闘中です。下の子が産まれたばかりなので。
会社全体でいうと和気藹々。飲みに行ったり、夜フットサルをしたりすることもあります。また、年1回全員参加の駅伝大会があり、皇居の周りを本気で走っています。有志のゴルフクラブもあります。参加は妻に許可をとってからですが(笑)。
梅本
最後に読者の方にメッセージをお願いします。
権田様
コンサルティングファームは、個人の集合体の組織が多いと思いますが、弊社は社員全体がチームに近いです。一人ひとりが組織として提供できる価値を最大化していこうという意識が強く、チームワークもいいですし、情報共有も盛んです。
一匹狼ではなく、チームとして大きなことを成し遂げたいという人にはすごく向いていると思います。「100年後の世界をよくする会社を増やす」という理念のもと、コンサルティング業界を一緒に変えていきたいという方はぜひご応募ください。