フロンティア・ターンアラウンド インタビュー

フロンティア・ターンアラウンド
西田様

複雑化・高度化する経営課題を抱える企業に対し、現在まで培ったターンアラウンド(経営改革)のノウハウを駆使しながら、クライアント企業の経営改革に直截的に参画することで、課題解決を図る「ターンアラウンドのプロフェッショナル集団」フロンティア・ターンアラウンド。今回は代表取締役社長 西田明徳様にアクシスコンサルティングの伊藤文隆がインタビューしました。
文中の情報及びデータ等は2016年10月現在のものです。

目次
  1. 実践型のビジネスプロデューサーを派遣。常駐や経営参画を専門的におこなうチーム。
  2. コンサルタントをどのように使うか。プロデューサーとしてのスタンス。
  3. ビジネスプロデューサーを任せられる人とは。求める人物像。
  4. 若い人材を鍛え、早くひとり立ちさせて羽ばたかせることが重要。
  5. およそ6年で経営者人材に。経営者になりたい人に門を叩いてほしい。

実践型のビジネスプロデューサーを派遣。 常駐や経営参画を専門的におこなうチーム。

伊藤
フロンティア・ターンアラウンド設立の経緯からお伺いします。

西田様
弊社は、フロンティア・マネジメントより実行力を高めた部隊として独立した企業です。クライアント企業の経営に参画し、課題解決を専門的におこないます。

一般的に戦略コンサルティングは、以前はストラテジーが8割、実行支援が2割でしたが、近年は実行フェーズまで支援することを求められるケースが多くなってきました。このニーズの変化が弊社設立の理由の一つです。

伊藤
基本的には直接現場に出向いてプロジェクトを進めていくということですね。

西田様
我々の強みは、実践型のビジネスプロデューサーを派遣できるところにあります。20代後半から40代半ばの、いわゆる働き盛りで、現場で即戦力として機能するプロフェッショナルを派遣し、経営課題の解決に様々な形でアプローチしていきます。

このメンバーを軸にして、必要に応じて外部の専門家やフロンティア・マネジメントグループの様々なナレッジ・人的リソースを駆使してご支援していくスタイルです。クライアントの業績向上のためであれば、他のコンサルティング会社を使うケースもございます。

伊藤
主に経営企画等へのコンサルティングが多いのでしょうか。

西田様
幅広く、上場と非上場が半々くらいで、中堅企業がメインです。

クライアントの構成は設立当初と大きく変わっています。フロンティア・マネジメントは金融機関のチャネルが充実しているため、当時は弊社も金融機関の案件が主でした。しかし今は5割ほどになっています。

最近はプライベート・エクイティ・ファンド(未公開株式を取得し、企業価値を高めた後に売却する)とのチャネルが強くなってきています。もともとこの流れは既定路線として考えておりまして、リスクマネー(株式や企業買収など高いリスクを伴うが、大きな収益が見込まれる投資へ投入される資金)に対応できる人材をここ2、3年で育成してきました。

伊藤
プロジェクトがより幅広くなっているということですね。

西田様
そうですね。以前は事業計画の策定やデューデリジェンス(企業の資産価値調査)などがメインでしたが、今は投資後のプランまでを担当するケースも増えています。ファンドも今は案件を多数抱えていますので、そこで足りない部分を我々が補完したり、共有したりすることにビジネスチャンスがあると考えています。

フロンティア・マネジメントは既存の金融機関のチャネルを深堀りしていくケースが多いので比較的従来型の延長とも言えますが、弊社はリスクマネーの領域に少しずつ軸足を移しています。

また、競合他社との差別化という意味では、成功報酬型も取り入れています。我々の提供価値をよりわかりやすくしようという試みです。弊社は結果にコミットすることに一番重きを置いていますが、結果とはクライアントの業績向上に寄与することです。成功報酬型というのは弊社にとってもクライアントにとっても合理的なのです。それを実現するためのビジネスモデルとビジネスインフラは整えてあり、業績も軌道に乗っています。

今もすでに成功報酬型のプロジェクトがいくつも走っています。ファンド投資先のEXITプライスに連動した形で報酬をいただくケース、営業利益やEBITDAの目標水準を越えた部分に対して報酬をいただくケース、顧客単価など特定の指標について目標水準を設定し、その水準に到達した場合に一定の報酬をいただくケースなどが主なパターンです。成功報酬の形態はクライアントの状況によって協議の上、選定しています。なお、我々としては成功報酬型が必須というわけではなく、複数ある報酬形態の中のひとつです。オーソドックスに固定フィーでビジネスプランもつくりますし、リテイナー契約(定額の顧問料)での常駐支援も行っています。

コンサルタントをどのように使うか。 プロデューサーとしてのスタンス。

伊藤
競合はどのような企業になるのでしょうか。

西田様
ハンズオン型のコンサルティングファームやプロフェッショナル経営者ですね。

伊藤
御社の場合はコンサルタントを送り込むというよりは経営者として参画するという立ち位置で、より上位概念からアプローチをしているという印象があります。

西田様
事例の一つとして、プロデューサーとしてクライアント企業の立場で他のコンサルティングファームを活用する事もあります。コンサルタントをどううまく使うのか。従来のコンサルティングとの差別化でもありますが、コンサルタントを使える経営者になろうとメンバーに伝えています。

伊藤
コンサルタント活用の具体例を教えて頂けますか。

西田様
はい。例えば、外部のクリエイティブディレクターをアサインして、一緒にブランディングを進めていくケースがあります。また人事制度の構築を人事コンサルタントと一緒に決めていくケースもあります。適材適所で最適な配置を考えることもビジネスプロデューサーとして大事な能力です。

西田様

ビジネスプロデューサーを任せられる人とは。 求める人物像。

伊藤
より実践的かつ経営的な人材が必要ということですね。

西田様
以前は金融機関に対応するという観点から会計バックグラウンドのメンバーが多かったのですが、我々がもう一段違うステージで仕事をしていくためには、より多様な専門性を持った人材が必要と考えています。

従来のフロンティアのカラーに、プラスアルファとして面白味や柔軟性があるような人材を採用していかないと次のステージには行けません。

伊藤
具体的にはどのような経験をされている方を想定されていますか。

西田様
シニアクラスの場合は、マネジメント経験のある方が理想です。ファンド投資先での勤務経験がある方が良いですが、その経験がなくても事業会社や商社でのマネジメント経験や、子会社の経営を経験している方。かつコンサルタントのバックグラウンドを経ているハイブリッド型の方がいいですね。

ジュニアの方は「ここは負けない」というものを持っている方で計数感覚をお持ちの方であればベター。例えば広告代理店でプロジェクトを担当し、売上を伸ばしてきたというようなこともひとつですね。弊社にはまだいませんが、今後はそういう人材の存在が差別化につながっていくと思います。

伊藤
能力としてはどのようなものを持った人材を想定されていますか。

西田様
しっかりとしたビジネスのベースがある方です。また、海外にチャレンジする領域に入っていきますので、語学力もあるといいですね。

伊藤
海外ということは、クロスボーダーの案件も増えていますか。

西田様
徐々に増えてきています。例えばすでに海外に進出している企業で、現地での投資先があり、そこをバリューアップしていくといったものです。ポートフォリオを描いて一部はクローズし、一部は伸ばしていくということが昨年から増えています。

女性社員で半年タイに常駐している者もいます。女性にもどんどん門を叩いてもらいたいです。

若い人材を鍛え、 早くひとり立ちさせて羽ばたかせることが重要。

伊藤
市況の変化は激しいと思いますが、その中での御社の立ち位置についてはどのようにお考えですか。

西田様
我々のビジネスが減ることはないと思っています。こういった実践型のビジネスプロデューサーというのは、これから労働力が減る時代において、一番肝になってくるのではないでしょうか。

海外のリソースも含めて多様化していく中で、どのようにマネジメント、プロデュースするかが重要だと思っています。

伊藤
確かに労働人口の問題は大きいですね。

西田様
論理性があっても固い人だとなかなか相手を動かせないので、柔軟性のある方にも入ってもらい、固さと柔らかさをうまくミックスしていきたいと思っています。

伊藤
オーナー企業から大企業まで、様々な企業の経営者と仕事をしていくので、ロジックのみでなく、泥臭い部分も必要という事ですね。

西田様
そういう人材を鍛えていく環境が、今の日本にどのくらいあるでしょうか。これまでは商社がそれを担ってきたと思いますが、ビジネスモデルも替りつつあり、人材輩出から軸足が変わってきています。

国内は中堅企業が多いため、そこに貢献することがビジネスチャンスを掴むために必要です。我々としては若くてバイタリティがある人材を現場に派遣して鍛え、彼らを早くひとり立ちさせて羽ばたかせることが重要だと考えています。

人材輩出企業でありたいと思っていますので、若い世代に入ってきていただいて、経験を積んだ後は事業会社や自分の夢に向かって卒業していく事は大歓迎です。

そして夢が一段落したところで、機会があったら戻ってきてねという会社でありたいのです。ドライに映るかもしれませんが、私はそういう会社であるべきだと思っています。

およそ6年で経営者人材に。 経営者になりたい人に門を叩いてほしい。

伊藤
御社で働きたい方へのメッセージをお願いします。

西田様
経営者になりたい方はぜひ門を叩いてください。そのプロセスと環境は整っています。

実際にフロンティア・マネジメントで5、6年働いた人が、事業会社の社長になっていますし、弊社もそういう会社に少しずつなってきたと思います。設立して4年ほどですが、経営者になる人材を輩出していることに期待を持って後に続いてほしいです。

伊藤
経営者になりたい方は、何年くらいで一通りのことを経験できるのでしょうか。

西田様
ケーズバイケースですが、元コンサルの方などある程度問題解決の素地ができている方の場合、6年くらいです。2年をひとつの節目として、3ステップ×各ステップ2年で育成期間をとらえています。まず、第一ステップでは、金融機関が関連するデット側の案件で経験を積んでいただきます。このステップは、早い人は1年ほどで終わります。

次にエクイティ側に軸を置き、プライベートエクイティや商社などが関連する案件で、対象企業の企業価値向上に取り組んでもらいます。

最後に、トップマネジメントとして、実際に経営のかじ取りをする機会を持ってもらい、ここを2年程度経験すれば弊社での一連の経験を経たと考えています。

伊藤
2年+2年経験を積み、その後トップマネジメントで派遣ということですね。

西田様
それで十分だと思います。案件がたくさんあるので、成長できる機会も多いです。

デットからエクイティまでを経験していきますが、要求レベルも緊張感も違います。この両面を経験していくことが大切だと思っています。

弊社は設立から4年で平均して常に15人ほどのチームです。もちろん規模は拡大していきたいですが、規模より質を重視しています。

組織・ビジネスともにこれから創ることがたくさんある面白いフェーズだと思います。若い人に入っていただき、経営者人材を輩出できる企業を彼ら自身での手で創っていってもらいたいですね。

西田様
代表取締役社長西田明徳様

会計事務所勤務を経て、2003年に国内系事業再生ファンドが出資する(株)スイートガーデンの企業再生に参画。経営企画部長を経て、2005年に執行役員管理本部長に就任。2007年にフロンティア・マネジメント(株)に入社し、2010年にマネージング・ディレクターに就任。2012年のフロンティア・ターンアラウンド(株)(100%子会社)設立時に代表取締役専務、2016年に代表取締役社長に就任。

フロンティア・ターンアラウンド

フロンティア・ターンアラウンド

フロンティア・ターンアラウンド(FTI)とは、フロンティア・マネジメントグループの中でも、より経営参画(常駐支援)に重きを置いたビジネスソリューションを提供するプロフェッショナル集団です。 日本の経済は、高度経済成長時に理想とされた年功序列でのキャリアパスが常識であった時代は既に終焉し、企業変革のための改革者の必要性が増大しております。また、少子高齢化、長期のデフレ、為替の問題、企業の統廃合などの企業経営を取り巻く環境は、あらゆる企業において、複雑化・高度化した経営課題を招来しています。このような企業の本質的な経営課題を解決するため、クライアント企業に常駐した上で、その歯車或いはブレーンとなり、直截的に経営改革を実践することで、クライアント企業の企業価値向上をサポートしています。

アクシスコンサルティング

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