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業界の救世主誕生
1990年代前半、バブル崩壊後、コンサルティング業界も不況の中で苦しんでいました。その中で1992年7月、独SAPが「SAP R/3」を発表します。R/3とは既にSAPから出荷されていた汎用機向けソフトウェアR/2のクライアントサーバーシステムに対応したバージョンのERPパッケージ。
SAPを中心としてPeopleSoftの「PeopleSoft」,米J.D.Edwardsの「OneWorld」,米Oracleの「Oracle Applications」,オランダBaanの「BaanERP」といった各ERPパッケージが1990年代の第一次ERPパッケージ導入ラッシュを起こしました。
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ERPパッケージが浸透した背景
1970年代、80年代の情報システム導入は、会計、販売、購買、生産、人事など各業務別にシステム構築する”部門最適”が一般的でした。しかし90年代に入り、企業間競争の激化を背景に、”部門最適”の業務スタイルから脱却し、全社レベルの”全体最適”により生産性を向上させる必要性に迫られました。
ERPパッケージは会計、在庫、販売、生産、人事といった基幹業務を統合したシステムを提供し、企業における全体最適の推進を支えました。
また、90年代後半になると、世の中のITはメインフレームからオープンシステムへの移行が加速することとなりました。当時のシステム開発は複雑さを増してきており、新規でゼロベースからシステムを開発するよりも、ERPパッケージに業務を合わせることを選択する企業が増加しました。
また、当時は「2000年問題」が社会問題として取り上げられました。古くからのシステムの誤作動が心配され、新システム導入とあわせて、企業情報システムの刷新のニーズも合わせて高まったことが大きな追い風となりました。
一連のERPパッケージ導入ラッシュが不況にあったコンサルティング業界を浮上させたのです。
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