現代の大手ファームが誕生した80年代

  • 80年代半ばに成長を始めた業界

    日本におけるコンサルティング業界は、ボストンコンサルティンググループが1966年、マッキンゼーが1971年に日本進出しました。その頃、日本国内において企業内の経営戦略立案業務を外部に委託する考え方はなく、また認知度もなく、初期の顧客獲得には大変苦労していました。

    そんな中、1975年に大前研一が出版した「企業参謀」、1980年にマイケル・ポーターが出版した「競争の戦略」などの影響もあり、経営トップが業界の認知をし始めました。80年代半ばに入ると日本は円高不況を克服し、バブル景気に突入。日本のコンサルティング業界は成長期に入ります。

  • 会計事務所系ファームの産声

    アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)、トーマツトウシュロスコンサルティング(現アビームコンサルティング)など会計事務所に流れを汲む会計事務所系ファームが誕生し始めたのも70年代後半から80年代半ばにかけてです。

    彼らは、海外での実績やメソドロジー(方法論)を日本に持ち込み、経営コンサルティングからシステム導入まで一気通貫で総合的に支援を企業に行ないました。当時国内におけるシステム開発会社は業務の電算化(システム化)のみが範囲であり、それと比べると一歩進んだ考え方でした。例えば、リース会計のシステム化のノウハウを米国から持ち込み、日本企業に導入するコンサルティングなどは最たる例。

    88年には、野村総合研究所が野村コンピュータシステムと合併。89年に、日本総合研究所、大和総研などが設立され、現在の形のシンクタンクが出そろいました。

    戦略領域のみならず、システム導入までがコンサルティングの領域である認知が、この当時に出来上がりました。

    当時新卒の就職先としての認知度はまだ低いものでした。入社してくる学生のレベルは高いのですが、自分なりのこだわりを持った人が多かったようです。


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