成長停滞とコンサルティング業界が繁栄する土壌ができた90年代前半

  • バブル崩壊から成長伸び悩む

    90年代前半はバブル崩壊を受け、プロジェクトの新規受注に苦労し、戦略系ファーム、会計事務所系ファームともに縮小もしくは規模の拡大が出来ない時期が続きました。一部コンサルティングファームなどは、新卒採用した若手コンサルタントをプロジェクトにアサイン出来ずに、多くの人間を研修に出して基礎体力の蓄えることに切り替えるような厳しい選択を迫られた時期でした。

    歴史は繰り返すといいますが、2008年9月のリーマンショック以降、コンサルティング案件は減る方向にあります。各コンサルティング会社も90年代前半のように、プロジェクトにアサイン出来ないメンバーには研修などで、知識の習得などに充てる動きも出始めています。

  • BPRとSI

    不況も手伝いキーワードの一つとして挙げられた言葉として、 「ビジネスプロセス・リエンジニアリング(BPR)」があげられます。企業活動や業務の流れを分析して、最適化することです。現状の業務プロセスを洗い出し、組織、業務フロー、情報システムなどを再設計して、新たな価値を生み出そうとする活動によって、コンサルティング会社は新たな付加価値を作り出していきました。

    また同じ頃「システムインテグレータ(SI)」という言葉も世の中で出始めます。SIとは、顧客の業務内容を分析し、課題に合わせ、システム企画・設計、構築、運用などを一括して請け負う業者のことです。90年代前半以前は企業内における情報システム部門が自らシステム開発を行っていましたが、情報技術の高度化と大規模化も始まりつつあり、企業からシステム導入をSIが一括請負する流れが出来上がりました。

    停滞していた90年代前半ではありますが、業務改革とシステム導入を外部委託する動きが出来たという意味ではその後の業界の繁栄には欠かせない期間となりました。


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