KPMGのメンバーファームの一つ、KPMGコンサルティング。今回はリスクコンサルティング部門を率いる原田克樹様にアクシスコンサルティングの山尾康久がインタビューしました。 文中の情報及びデータ等は2015年10月現在のものです。
KPMGとしてできることが広がってきている
山尾
まずは原田様のご経歴をお伺いします。
原田様
大学卒業後、大手銀行に入行し、約2年間は営業店のほうにいました。はじめの半年は事務やテラーの仕事を担当し、その後、渉外を約2年経験しました。
その後システム開発部に異動して、集めた資金を運用する市場系のシステム担当として約4年。銀行に合計7年ほど勤務しました。
その後、当時の朝日監査法人に移り、約4年間システム監査コンサルティングの仕事をしていました。
ブランドがKPMGに変わり、KPMGビジネスアシュアランス、あずさ監査法人、KPMGビジネスアドバイザリーなど色々な変遷があって今のKPMGコンサルティングになりました。
会社の名前は何回か変わりましたが、私の業務は朝日監査法人に入所してからそれほど変わっていません。金融機関を中心としたシステムのコンサルティング・監査の仕事を15年近く担当しています。
山尾
御社は昨年の7月に合併されましたが、合併されてからの動きや構造的な変化をお伺いできますか?
原田様
私がいるのはリスクコンサルティング(RC)という部門ですが、そことマネジメントコンサルティング(MC)は以前からあり、昨年新しくテクノロジーコンサルティング(TC)ができました。
以前に比べてMCやTCのメンバーと一緒に仕事をする機会が増えてきています。
RC・MCといった区分は内部のことなので、お客様には関係ないかもしれませんが、お客様から見ると弊社のできることの幅が広がったということが言えると思います。環境の変化は感じていますね。
専門性の高い仕事でメガバンクをサポート
山尾
それぞれの部門の特徴はありますか?
原田様
リスクコンサルティングは特に金融機関の場合だと規制対応が中心です。守りの色が強いので、真面目な人間が多い印象です。
一方、マネジメントコンサルティングやテクノロジーコンサルティングは普通のITコンサルティングという領域に近いので、リスクコンサルティングほど守りの色が強くない。自由度が高いと思います。
コンサルタント自体もどちらかと言うと攻めのコンサルティングなので、人の気質や営業の仕方などが違いますね。
山尾
ご担当のチームについてお伺いできますか?
原田様
某大手メガバンクを主に担当しています。メンバーは12、3名ぐらいで、大手メガバンクの銀行や証券会社に常駐というケースが多いです。
山尾
主にどのようなソリューションが多いのでしょうか?
原田様
銀行や証券会社にリスク管理部門がありますが、その部門の社内リソースが足りない部分を補っているという形になります。主に管理部門の専門性の補完ですね。
メンバー12、3名のうち9割ぐらいが常駐型で、残りの1割ほどが外部評価や監査を担当しています。
山尾
メンバーの年齢層や構成はどのようになっていますか?
原田様
年齢はバラバラです。マネージャー職は入社年次でいくと10年目ぐらいのベテランから1年目の人も。シニアコンサルタントは2、3年の人が多い。ほとんどが3年未満です。
マネージャー、シニアコンサルタントそれぞれ6名ぐらいのチームです。チームの組み合わせの中でOJTで教えつつ、キャリアを向上させていくというスタンスです。
面接段階で、コミュニケーション能力・ロジカルシンキング・クリティカルシンキングなどは見て、成長の余地がある方に入っていただいています。入社後には、未経験者向けのベーシック研修を受講してもらい、実務でつかんでもらう。後はOJTです。
マーケットが膨らみ、ビジネスチャンスは多数
山尾
今の市場環境の中で変化してきた役割はありますか?
原田様
特に金融機関のリスクコンサルティングの仕事量は増加してきています。割合としては常駐型が増えていますが、外部監査の量はあまり変わっていません。
もともと金融機関はシステムへの依存度が高いですが、4年前の某銀行の障害や年金機構等でシステムトラブルがありましたよね。システムリスクに対して世間もセンシティブになっていますし、金融庁も厳しくなっています。
このことで、金融機関全体がシステム整備にリソースを投入せざるを得なくなりました。内部での人材調達が難しいので、我々の仕事が増えてきている。
あとは銀行の基幹システムの更改が増えているということも要因です。そこに我々のビジネスチャンスがあるのですが、今は人が足りないという状況です。
求めるのは、変化を恐れない人
山尾
求めている人材はどのような方ですか?
原田様
求めているのは変化を恐れない方です。我々自身が変化をビジネスにしているので、変化に対してストレスを感じずに、色々チャレンジして欲しいと思っています。常に新しいことにチャレンジし、そこに喜びを感じる人がいいです。
何かが変わったときに人よりも先に知ることが大事。変化がビジネスの根源にありますので、そこを恐れずに、変化をビジネスに変えていける人。面接では変化を好むか安定を好むタイプかを見ています。
山尾
御社で働くメリット・やりがいはどこにあるとお考えですか?
原田様
銀行から転職して一番感じた違いは、色々なお客様に出会えることです。銀行の場合は同じ人と仕事をしますのでいつも同じ風景。コンサルタントは、毎年仕事を依頼していただくお客様でも、個人単位で見ると違う方です。
一番のメリットは、いろんなお客様の現状を見られることや、さまざまなお客様の環境に出会うことができること。いつも新鮮で飽きないことですね。
山尾
プライベートのことや趣味についてお伺いできますか?
原田様
KPMGに入って15年ほど経ちますが、前半の7、8年は仕事ばかりでした。子どもが生まれてからは、子どもの相手を休日にしていたくらいです。子どもとデパートのおもちゃ売り場に行って絵を描いているのを見たり、屋上で遊んだり、いいパパだったと思います(笑)。
最近は子育てもひと段落したので、夜中にウォーキングをしています。主に土日ですが、月2、3回くらい12~15㎞歩きます。
山尾
ストレス解消や健康のためにもいいですね。
原田様
あとここ5、6年意識的にやっているのは、英語の勉強です。朝、通勤時に英語を聞いています。海外出張のときに役立つので。
成長できることにワクワクして欲しい
山尾
ワークライフバランスやオン・オフの切り替えについてはいかがですか?
原田様
もちろん個人差はありますが、開発を行うようなコンサルタントではないので、比較的ワークライフバランスの保てるケースが多いと思います。女性でも産休・育休を経て復職することは普通のことであり、今年になって2人のシニアマネジャーが育休から復職しています。
ただ、だからといって楽な仕事ではありません。コンサルタントとして中長期的にご活躍いただくには、それなりの覚悟を持って入っていただきたいと考えています。入社当時、私は人よりも働いて早く一人前になりたかったですし、入っていただく皆さんにも人よりも成長できることにワクワクして欲しいですね。
お客様には自分たちにないところを求めて買っていただいているので、お客様と同じ仕事をしても意味がありません。一定レベルに上がるまでは頑張ってもらう必要があります。やっぱりこの業界で働くなら向上心が高いことが何より大切。変化を恐れず、新しいことにチャレンジしたい方、人よりも早く成長したい方はぜひ応募してください。