「究極なる価値と喜びを創造する」。お客様・ビジネスパートナーとコラボレーションで、新しい価値創出に取り組み続けるシグマクシス。
今回はデジタルフォース グループのマネージングディレクター松岡竜大様に、アクシスコンサルティングの荒木田誠と三石真司がインタビューしました。
文中の情報及びデータ等は2015年11月現在のものです。
新しいコンサルティングの形、そのビジョンに惹かれて
三石
松岡様のキャリアについてお聞かせ頂けますでしょうか?
松岡様
新卒でソフトウェアハウスに就職しました。
大学では化学を専攻し、分子の構造をシミュレーションするために、アメリカのソフトウェアを使ってMacのパソコンでプログラミングをしていたところ、いつの間にかプログラミングの方が楽しくなってきまして(笑)。所属していた研究室では、製薬会社や化学メーカーに行くのが王道でしたが、自分はプログラミングで生きていきたいと考えソフトウェアハウスに身を投じました。
三石
出発点はプログラマーだったのですね。
松岡様
防衛と宇宙を専門にしている電機メーカーのグループ会社でした。最先端な分野に携われそう、という単純な動機でしたが、そこで3年ほど過ごし、ロケットや人工衛星、防衛関連の施設など、先端のもの作りに携わることができました。
ただ、1点想定外だったことは、使っているテクノロジーは最新ではなかったことです。考えてみれば当たり前の話で、先端のものこそ信頼性のあるテクノロジーで作らなければいけないわけですから。
三石
コンサルタントに転じられた転機は何だったのでしょうか?
松岡様
プログラマーの仕事はとても楽しかったのですが、経験を積んで行くうちに、「こんな酷い仕様にしたのは一体誰だよ!」と思うことがあり、より上流から携わりたい、と考えるようになりました。
よくある話ですが(笑)。それでコンサルタントを志向し、当時の朝日アーサーアンダーセンに移ることになりました。
三石
コンサルタントに転じられて、立ち上がりはいかがでしたでしょうか?
松岡様
eビジネス系のストラテジーグループに配属となり、ECサイトや電子調達の仕組みの構築に参画しました。
新しいもの好きの性格が功を奏して、その後もシステム周りのコンサルティングを中心に、最新の領域と言われるものに積極的に携わって行きました。
三石
松岡様の中で、特に思い出に残っているお仕事はございますか?
松岡様
自分のキャリアを考える転機になったプロジェクトがあります。プロジェクトマネージャーとして中期経営計画に携わった企業の業績が悪化し、途中でターンオーバーのプロジェクトに切り替わったことがありました。メインの施策は会社のスリム化で、変革を推進するクライアントにとっても、厳しい日々の連続でした。
その時に、ふと自分のキャリアを振り返ることがありました。システムを入れて効率化したり、コストダウンをしたり、いずれも大変重要なテーマでしたが、「もっとクライアントのために何かを生み出すようなサービスを提供できないだろうか?」と、そんな風に漫然と考えるようになりました。
これからどうしようかと考えていた時に、新しく設立されるコンサルティングファームのビジョンに強く惹かれました。「ビジネスを創る」「新しいコンサルティングの形を追求する」それがシグマクシスでした。自分が求めていた答えがここにあるかもしれない。そう考えて、参画を決めたのです。
転機となったという意味でも大変思い出深いプロジェクトですね。
お客様が出世して、要求もITから経営寄りに
三石
松岡様はシグマクシスにシニアマネージャーとしてご入社され、パートナーに昇進しておられますが、どのような部分が評価されてきたと思われますか?
松岡様
やはりお客様から継続的に仕事を頂けていたことが大きいと思います。
自身の肩書きが変わり、名刺が変わっても、私個人を買って頂き、指名して頂ける状態が続きました。当然要求レベルも上がっていきましたが、その要求と期待に愚直に応え続けている間に自分のポジションも上がっていきました。
例えば、先ほど企業の中期経営計画に携わった話をしましたが、お客様と初めてお付き合いした時は、私は27歳のITコンサルタント、お客様は、情報システム部で部門長になる前でした。
その後、お客様はどんどん出世して、私に対する要求もITから経営寄りになっていきました。それに愚直に応えているうちに、自然に私自身の視点も上がり、お客様と一緒に成長していることを実感することができました。
このような長期的な信頼関係で結ばれたお客様が複数いると強いです。頂けるフィーが増えることは勿論ですが、何よりも自分の領域を広げることに繋がり好循環を産むからです。
荒木田
お客様と共に成長していけるというのは素晴らしいですね。
松岡様
私は幸運にもクライアントに恵まれて良い関係が築けたと思いますが、自分の専門外だからと避けずに、とにかく向き合う事が大切だと考えています。いざという時には周囲が助けてくれるものです。
アライアンス戦略とベンチャーへの事業投資
三石
続いて、松岡様が率いるデジタルフォースグループについてお聞かせください。他のファームもデジタルというキーワードを打ち出していますが、御社の強みはどこにあるのでしょうか?
松岡様
アライアンス戦略をとっているところが強みであり特徴です。
多くのデジタルテクノロジー。例えばロボット、AI、IoT。あるいは私の専門であるアドテクノロジーなど、どれも魔法の箱ではありませんから、導入するだけで経営課題が解決するわけではありません。お客様のビジネスや人の動きに合わせて最適化することが重要です。
この最適化、アグリゲーションやコラボレーションと言い換えてもよいと思いますが、ここに我々のコンサルティングノウハウが活かせると考えています。
例えば、顧客視点で発想して、必要なテクノロジーがあれば社外のリソースから最適なテクノロジーを持っているところと協業する。アライアンスを組むこともあれば、ベンチャーに投資して、その商品・サービスをクライアントのビジネスに組み込んで行くこともある。様々なスキーム作りが我々の役目になります。
三石
自前主義にこだわらず外部と柔軟に連携することで、ビジネスの選択肢は増え、スピードも加速しそうですね。そう言えば、最近、御社とIBM Watson(人と同じように情報から学び、経験から学習するコグニティブ・テクノロジー)とのパートナーシップ発表がございましたね。
松岡様
はい。それもアライアンスの一例です。あくまで顧客視点で、Watsonをどの領域に使えば最もROIが高くなるのかをクライアントと一緒に検討していきます。
三石
先ほど話に出たベンチャー投資についても、もう少しお聞かせ頂けますでしょうか? これはジョイントベンチャーを設立して一緒にやっていく、というのとは、また違うスキームでしょうか?
松岡様
そうですね。スキームは様々ですが、例えば事業投資という形で資本参加して、商材を活用させて頂いたり、あるいはコンサルティングを提供してベンチャー企業の価値向上を支援します。
実はベンチャー企業におけるコンサルティングニーズは高いのです。例えば、技術者のファウンダーと、外部から来た経験豊富な経営者という組み合わせはベンチャーには多くありますが、すると財務面や営業戦略などが手薄になるので、コンサルティングに入り、一緒に売るというところまで支援することで成長を後押しできます。
ベンチャー企業への支援で面白いところは、通常のコンサルフィーではなく、企業価値を向上させた後にキャピタルゲインで頂くということです。
三石
企業価値が向上しなければ、当然キャピタルゲインは得られないわけですから、すなわち成功報酬型のコンサルティングということですね。ところで、柴沼様が率いるヒューリスティックグループとはどのような役割分担になっているのでしょうか?
松岡様
案件ごとに柴沼とスキームを相談し柔軟に連携と分担をしています。ジョイントベンチャーという方向性になりそうならヒューリスティックグループが、そうでなければうちが担当するという形です。
最新のテクノロジーと海外視察、自分で製品を作って売ってしまうくらいの自由さ
三石
チームの育成方針についてお聞かせ頂けますでしょうか?
松岡様
デジタルフォースグループが扱うのは最新のテクノロジーですから、確立した方法論があるわけではありません。だから業務の合間を使って、できる限りテクノロジーに触れるようにメンバーに伝えています。
さらに、あるテクノロジーを研究したいという社内の自主組織に対して、私が面白いと思ったものについては、お金を出して実際にモノを作ってもらっていますし、最新のテクノロジーに触れるために、海外視察に行かせたりもしています。
我々はテクノロジーを目利きする立場ですから常に最新のテクノロジーを体感しておく必要があるのです。
三石
やはりデジタルの専門性も必須になりますでしょうか?
松岡様
いいえ。この領域についての専門家はまだそれほど多くありません。だからデジタルの専門性は尚可条件です。ただし、テクノロジーが大好きであることは絶対条件です。これ無くして続けることはできません。
加えて英語力は必要ですね。海外の企業と提携することも多く、さらに最新のテクノロジーは総じて英語の文献なので、それを斜め読みして内容を理解する必要があります。今年の新卒採用についても英語力は重視しました。
マインド面では、他のチームと連携する機会が多いため、オープンである事がとても重要なポイントです。コンサルタントながら、自分で製品を作って売ってしまうくらいの自由さのある人に来て頂けると嬉しいですね。
三石
御社の”リアルビジネス”という思想に通じる部分ですね。松岡様のチームでは、コンサル出身と非コンサル出身の割合はいかがでしょうか?
松岡様
新卒入社組が約2割、残りが中途入社組ですが、コンサル出身が6割、非コンサル出身が2割くらいでしょうか。
さらにコンサル出身者の内訳は、戦略:プロセス:テクノロジーで2:4:4くらいの割合で、非コンサル出身者は、ソニーやNECなどのテクノロジー企業の出が多いですね。エンジニアのバックグラウンドが多いのですが、大規模システム開発をしていたというよりは、プロダクト開発の経験者です。
コンサルティング会社と事業会社を行き来できる環境
三石
松岡様から見て、シグマクシスで働く魅力はどこにあると思いますか?
松岡様
積める経験が多様であり、キャリアとしてのバランスがいいところです。これは比較的最近の話になりますが、子会社設立、ジョイントベンチャーやベンチャー投資等の様々なスキームによって、シグマクシスから事業会社側に人を出せるようになりました。
私自身もそうでしたが、コンサルタントはこの仕事だけを続けていいのか、と悩む時期が必ずあります。このような時には自分のキャリアを一度リセットして、事業会社への転職を選ぶことが一般的です。
しかしシグマクシスでは、リセットせずにコンサルティング会社と事業会社を行き来できる環境が整いつつあります。事業会社でマネジメントに関わることで、俯瞰的に事業を見ることが出来るようになり、それがまた自分のコンサルティングに生きてくる。CxOに繋がるスキルであり、このような経験を積むことで経営人材が早く育つと我々は考えています。
これはコンサルタントにとってとても魅力的だと思います。
三石
いずれは自らが経営側に回りたい、と考えている方には大変魅力あるキャリアパスですね。松岡様は長くコンサルティング業界にいらっしゃいますが、近年のコンサルティング業界の変化について何か感じることはございますか?
松岡様
ずいぶん前から言われていることですが、知識の差をベースとしたコンサルティングの時代は完全に終りました。知りたいことがあれば、コンサルタントに聞くよりもGoogleに聞いた方が早い。
ではコンサルタントには何が求められているのか?それはクライアントの事業を成功に導くために一緒に汗をかく事と、必要なケイパビリティを持っている事です。これまで”汗をかく”というのは、アウトソースであることが多かった。でも、我々は一緒にビジネスを創るという部分でお客様とお付き合いをしていきたいと考えています。
仕事のリターンは楽しむほど多くなる
荒木田
松岡様のプライベートについてお聞かせ頂けますでしょうか?
松岡様
大学時代はアイスホッケーをやっていまして、体を動かすことが好きですね。登山、フットサル、ゴルフなど。それぞれに仲間がいて毎週末どこかに出かけています。また、今は子どもも大きくなってしまったのですが、小さい頃はコーチの資格を取ってサッカーを教えていました。
荒木田
週末もアクティブに動き回っておられるのですね。
松岡様
というよりも、誰かに誘われたら基本的には断りません(笑)。誘ってもらえるうちが華だと思っていますので。ただ月に2日は必ず休もうと決めています。
荒木田
若い頃と比べて、コンサルタントとしての生活は変わったと感じますか?
松岡様
週末一緒に出かける仲間は、お客様や会社のメンバーも多いですが、若い頃ほど週末は仕事をしなくなりましたね。
それと、パートナーになってからは、朝の時間の使い方から、全体の組み立て方まで変わりました。若い頃は金曜日になれば後先考えずに飲んで週末は有効に使えていませんでしたので、大変な進歩だと思います(笑)。
三石
最後に読者にメッセージを頂けますでしょうか?
松岡様
仕事のリターンは気持ちの持ち方ひとつで変わります。楽しめば楽しむほど得られるものが多くなる。今の自分の能力で手に余る仕事にぶつかった時に楽しいと思えるかどうか? それがとても重要だと思います。
仕事を楽しめる人はぜひシグマクシスに来てください。皆さんが活躍できる会社にすることをお約束しますから。