先新のテクノロジーと世界各国で蓄積された知見を駆使し、クライアントを支援し続ける日本IBM。
今回はセキュリティー事業本部長、執行役員の志済聡子様にアクシスコンサルティングの荒木田誠と洲脇豪人がインタビューしました。
文中の情報及びデータ等は2015年12月現在のものです。
入社以来営業一筋
洲脇
まずは志済様のご経歴からお伺いします。
志済様
新卒で札幌営業所に配属されてから現在まで長く営業を担当しています。入社当時はSEが大幅に不足していました。1800名ぐらいは採用しており、弊社は女性に間口が広かったこともあり入社しました。
SEでの入社でしたが、実際は営業としてスタートしました。入社した頃はメインフレーム(大量または機密性の高い処理に利用する大型コンピューター)の全盛期でしたので、ハードウエアの営業をしていました。
その後5年間はソフトウエアグループで、導入から検証試験まで年間で一つのブランド、製品を担当しました。その後、6年間公共事業の担当役員を経験した後、セキュリティー事業部に移りました。
ソフトウエアグループでの業務は、私自身にとって新しいチャレンジでした。ソフトウエアを軸にして、グローバルにトランスフォーメーションするという仕事でしたので、新しいチームに生まれ変わっていくような経験をさせてもらえました。
2008年には1年間アメリカにいて、ウェブアプリケーションソフトウエアの全世界の販売戦略を担当していました。この経験は今のセキュリティーの分野に移っても生かせる知見だと思っています。
ソフトウエアに移ってから多様な考え方の人と仕事をするようになったと感じていますが、そういった文化をとても気に入っています。セキュリティーに移ってからも様々なバックグラウンドや考えを持った人と一緒に働く機会が更に増えています。
入口から運用まで一気通貫でサポート
洲脇
では、セキュリティー事業部のご紹介をお願いします。
志済様
これまではセキュリティーを担当するのが、オペレーションセンターのサービス部隊とソフトウエアのグループの一つのセグメントなどバラバラでしたので、まとめることになり、今年の10月にセキュリティー事業本部が発足しました。
昨今のサイバー攻撃などで、大手リーディングカンパニーではセキュリティーの優先順位も上がりました。
弊社に求められているのは一部分だけではなく、入口から運用まで一気通貫でサポートすることです。
製品のことは製品に、サービスのことはサービスにではなく、事業本部としてシナジーをもって一つの組織として取り組もうとしています。
会社の大きなトランスフォーメーションの中で、従来のポートフォリオを大きく変えていく新分野CAMSS(クラウド、アナリティクス、モバイル、ソーシャル、セキュリティー)の一つとして会社としても投資していますので、顧客・IBMの2つから成長を期待されています。
荒木田
CAMSSのすべてにセキュリティーは関わりますよね。
志済様
どんな製品にもセキュリティーは必要です。IoTの観点で、全てのデバイスが繋がる時代ですので、セキュリティーは必須ですよね。今まではサイバー攻撃=企業の財産に対する攻撃が主でしたが、将来的には人命や健康にまでリスクが発生していきます。
セキュリティーが最大の強みになる
荒木田
公共事業を担当していらっしゃいましたが、セキュリティーに関して国として動きはありましたか?
志済様
課題意識はありましたが、すぐに熱が冷めてしまう印象でした。ただ、年金機構の事件からはそれが許されなくなりました。特にこの1年間はホットな話題が続いたので、官庁も投資していますし、民間への規制指導も増えています。
荒木田
市場で最もセキュリティーに関心が高かったのは金融でしょうか?
志済様
確かに従来の官庁・通信に加えて金融の関心も高かったですね。知財の観点で設計図や製造ノウハウへの脅威を感じている製造業も力を入れています。実際に知財のブラックマーケットが形成され、金銭が動くというところまで来ていますので。
荒木田
セキュリティーの役割が以前より大きくなってきているのでしょうか?
志済様
「防ぎきれない」を前提にしなければならなくなっています。侵入後の対応・検知をいかに早くするかに回っているのが現状です。しかし、そこにまたビジネスポテンシャルがあるのではと考えています。
日本企業のお客様がどんどんグローバルリーチしていく中で、どうセキュリティーを確保していくかはどの企業にとっても重要な課題です。そのため、セキュリティーが確保できれば最大の強みになります。
求めるのはスピード感と躍動感。「ウェルカム! すぐ仕事」
洲脇
御社で働くメリットはどこにあるとお考えでしょうか?
志済様
グローバルに活躍できることです。スキルを特定の分野だけでなく広げられます。コンサルティングでも実装でも様々な役割をチョイスすることができるのは魅力だと思います。
あとは、業界トップクラスの顧客の取り組みに関われることです。
洲脇
チームの雰囲気と求める人材についてお伺いできますか?
志済様
クラシックなビジネスマン像は求めません。自由な発想がある方を歓迎します。メンバーとラウンドテーブルをすると、言いたいことを言う人が多いですね。
洲脇
それは他の事業部から移ってきて感じているところですか?
志済様
はい。何年入社ということは関係ない雰囲気です。村社会的な雰囲気とは全く違います。営業の頃は10年やって一人前、という文化もありましたが、セキュリティーの場合は全ての回転が速いです。
入社される方にもスピード感と躍動感を求めたいですね。「ウェルカム! すぐ仕事」という感じ。ベテランでも1年目でも関係ありません。出身も気にしませんし、若い組織ですね。
全世界に数千名のスタッフがいるので、彼らと協力しながら仕事を進めていけるということも大切です。
成果を出せば、どこで仕事をしてもいい会社
荒木田
お忙しいと思いますが、オフタイムの使い方は意識していらっしゃいますか?
志済様
モバイルオフィスやフレキシビリティを導入していて、どこで仕事をしても成果を出せばいいという会社なので、私自身も子育てをしながら仕事を続けてくることができました。
荒木田
新聞などで御社がモバイルオフィスなどの新制度を導入するというのはよく拝見しますが、実際に活用できているのでしょうか?
志済様
できています。オフィスでの拘束時間がないので、非常に働きやすいです。結果責任は問われますが、自由に働ける環境だと感じています。
子育てとの両立ということで言えば、私はニューヨークへの転勤がありましたが、娘が丁度高校生でしたので、娘もニューヨークに呼びました。
とはいってもべったり面倒は見られないので、ボーディングスクールに入れました。娘にとってもすごくいい経験になったようです。多感な時期に海外でサバイバルできたので。
荒木田
仕事を通じて家族にそういった経験をさせてあげられるのはいいですよね。働くうえで女性としての壁を感じたことはありますか?
志済様
子供が小さい頃は時間の制約はありますが、時間の使い方で改善される面も多いと思います。
若い人はオンオフをしっかり分けたい人も多いですし、それも尊重しています。あと、クラブ活動のようなものも検討しているので、お互いに面識がない人同士のコミュニティを作っていければと思っています。
荒木田
最後に読者へのメッセージをお願いします。
志済様
IBMは日本で75年以上仕事をしてきており、日本に根付きながらもどんどん変革を続けていく会社です。手を挙げた人にはチャレンジを与えてくれるところがいいところだと感じています。
仕事での評価が徹底しており、業績ベースでの評価になりますので、国内系と外資系のいい所を併せ持っているのではないでしょうか。人を育てることにも力を入れている会社なので、成長したい方はぜひご応募ください。