コンサルファームに入社後のキャリアステップとしては、アナリストから2年でコンサルタント、3年でシニアコンサルタント、3年でマネージャーになるのが最もスムーズなケースでしょうか。上記の場合、目安として30歳前後でマネージャーに昇格する計算となります。
一方、30代半ばになるシニアコンサルタントの方から「マネージャーに上がれない」「評価されない」「この先のキャリアはどうすればいいのか?」という相談をいただくことがあります。
そこで今回は、30代半ばのシニアコンサルタントからのキャリアパスについてお伝えします。
【目次】
「ファームが合わないから」と事業会社に飛びつくのは危険
多くのシニアコンサルタントの方がキャリアの方向性としてまず検討されるのは、事業会社への転職でしょうか。
ただこの場合、ファームでキャリアアップできなかったからというネガティブな理由で転職活動に挑むこととなり、志向や定まっていないまま選考に臨み予想外に苦戦するシーンをよく見かけます。
「ファームが合わないから安易に事業会社だ」と飛びつくのは非常に危険です。一度選考に落ちてしまうと一定期間再受験することができなくなってしまいます。
まずは志向性を整理し、どの企業を受けるかを冷静に検討いただくことをおすすめいたします。
他のファームへ転職するという選択肢(コンサルファームごとに評価されるポイントは大きく異なる)
現在勤めているコンサルファームから評価されていないゆえに、「コンサルタントとしての適性がない」「どのコンサルファームに行っても同じようにキャリアアップできないのではないか」と考えられる方も多くいらっしゃいます。
しかし、実際はコンサルティングファームごとに評価されるポイントが大きく異なるようです。
ファーム毎に得意とするソリューションやインダストリー、また同じタイトルでも求められるスキルが異なるゆえに、当然のことながら評価基準も違ってきます。
たとえばERPの導入などITソリューションを得意とするコンサルファームでは、ITの分野においてプレゼンスの高い人材が評価されます。当然ながら、同じスキルを持つコンサルタントが戦略ファームにいた場合、評価は相対的に低くなるのです。つまり、コンサルファームが得意とするソリューションや、メインストリームに沿ったスキルセットを持った人物でないと評価されない傾向にあります。
まったく同じスキルを持った人材でも、働くコンサルファームを変えただけで肩書、年収が大きく変わるケースや事例は弊社でも数多くあります
・30代半ば「シニアコンサルタント・年収900万円」から他ファームの「マネージャー・年収も1,200万円」で転職 など
さらに、同じタイトルでも求められるスキルやロールはコンサルファームごとに異なる場合が多いです。例えばマネージャーと言えども、セリング責任はそこまで重くなくデリバリーに注力することができるコンサルファームもあれば、デリバリーよりもセリングを求めるコンサルファームもあります。
※参考コラム「コンサルファームにおけるマネージャーのロールや求められる能力の違い」
https://www.axc.ne.jp/column/careertips/firmmanagerdifference
このように、安易にコンサルファームや求められるスキルを一括りにするのではなく、評価してくれるコンサルファームを探し出すことはキャリアップの面で良い戦略だと言えるでしょう。
フリーランスのコンサルタントになるという選択肢も
シニアコンサルタントからフリーランスのコンサルタントになるという選択肢もあります。
フリーランスはマネージャーとして成果を残せる人物でないとスキルセットが揃わないと考える方も多いです。
しかし、フリーランスでコンサルタントとして働くためのスキルセットは、シニアコンサルタントとして働く際のスキルで実は揃っていることが多いです。
弊社のフリーコンサルタント向け求人の人材要件を抜粋すると、
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・SAPプロジェクトのPMO経験
・戦略コンサルファームでの資料制作経験
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などシニアコンサルタントで数年経験している方であれば、十分に要件を満たすケースが多いです。
さらに、フリーランスとして働く上で、自分で自分を提案することになり、セリング能力やリレーションなど、マネージャーまたは、それ以上のタイトルのスキルが必然的に身につきます。
実際、シニアコンサルタントからフリーランスを数年経験し、マネージャーとしてファームに復帰するケースもあります。
インターネット上の情報だけでなく、内部情報の収集を
例えば、自分のスキルや経験が評価されるコンサルファームを探すためには、他ファームでどのような人材を求めているのか知る必要があります。しかし、他ファームの内情をご自身でネットのみで調べ出すことは非常に難易度が高いかと思います。
インターネット上で「戦略~実行フェーズまでオールインワンで経験できる」と謳っていたとしても、実際にコンサルタントがどのフェーズのどのような案件に関わるのか、その実情は外部からではつかみにくいものです。
また、コンサルファームという会社の特徴でもありますが、組織の状況、案件の状況など生の情報が表に出ることはほとんどありません。
知り合いやエージェントなどを通じて、それぞれのコンサルファームを比較したフラットな企業情報を収集することをおすすめいたします。
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今回は、30代半ばのシニアコンサルタントからのキャリアパスについて解説しました。
次のキャリアを模索・検討されている方はぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。
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各ファームのパートナー、事業会社のCxOに定期的にご来社いただき、新組織立ち上げ等の情報交換を行なっています。中長期でのキャリアを含め、ぜひご相談ください。