一般社会において男女差の解消やジェンダーレスなどが叫ばれる中、最近ではLGBTへの取り組みを積極的に推進している企業が増えてきました。
今回は外資系コンサルティングファーム各社のLGBTに関する取り組み事例や、積極的な活動が推進されている経緯についてご紹介します。
【目次】
日本全体としては、LGBTに取り組む会社は4%ほど
日本労働組合総連合会が全国の20歳〜59歳の働く男女1000人を対象に実施した調査によると、LGBT当事者は全体の8%、およそ13人に1人の割合であるとされています。
https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20160825.pdf
https://www.hakuhodo.co.jp/uploads/2016/05/HDYnews0601.pdf
単純計算すると100人の企業では7~8人、1,000人の会社では70~80人は在籍していることになります。
一方で、LGBTの「言葉の意味」について知っている人の割合は半数程度で、LGBTに取り組む企業は日本全体で4%ほどのようです。
該当する企業の中には、現在下記の記事ように男女共用のトイレを設置するなどLGBTへの取り組みを推進するところも増えてきています。
「LGBTの人が気兼ねなく使えるトイレ」
https://jp.toto.com/ud/style/plus/47.htm
「LGBTの現状と課題」
http://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2017pdf/20171109003.pdf
外資系を中心にグローバルでのLGBTに関する取り組みが日本に浸透
「当時は社内にLGBT関連の明確な制度や指針が一切なかった」など、大手のコンサルティングファームにおいても、2年前までは社内の制度が整っていない状態だったという声もございます。
しかしながら、グローバルファームでは多種多様な課題に取り組むために、国籍や文化、性別を超えて様々なスキルを持つ人材を受け入れるカルチャーがもともと備わっています。
また、グローバルでは下記の例のようにLGBTを公表しているパートナーや役員もおり、他業種と比べて日本でも風土的に公表しやすい環境であると言えるでしょう。
(例)EYグローバル副社長ベス・ブルックはLGBTの活動家としても有名
グローバルで生まれたLGBT支援の社内組織がすでに存在している場合には、母体として日本にも同様の組織が設立されやすいようです。
(例)EYでは、アメリカを主体としてLGBTAネットワークUnityを設立
※LGBTと、LGBTを理解し支援する人(アライ)の構成員によって成り立つ
日本でもその後、Unity Japanが設立され、セーフティネットとして機能、またLGBT相談の窓口になっています。
参考:https://www.eyjapan.jp/about-us/diversity-and-inclusiveness/lgbt/unity-message/index.html
各コンサルティングファームでのLGBTへの取り組み事例
現在では、BIG4などグローバルファームの多くが性的マイノリティに対する企業の取り組みを評価する「PRIDE指標」で最高評価のGOLDに認定されています。
KPMGコンサルティング:https://home.kpmg.com/jp/ja/home/media/press-releases/2018/10/pride-index2018.html
デロイトトーマツコンサルティング:https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/group-diversity/dilgbt.html
取り組み事例としては、人事制度や同性パートナーの配偶者定義、性別欄に「その他」を設けたエントリーシートなどがあり、多岐にわたる制度の策定にあたっているようです。
アクセンチュア:チャットボットによる人事制度の問い合わせシステム(「PRIDE指標」のベストプラクティス賞を獲得):https://www.accenture.com/jp-ja/award
EY Japan:社員・職員の同性パートナーを配偶者と同等と認め、休暇・休職、家族の看護・介護、慶弔金など各種社内規定の適用対象:https://www.eyjapan.jp/about-us/diversity-and-inclusiveness/lgbt/index.html
PwC:役員向けにLGBTの理解浸透を目的とした役員向け説明会の実施:https://www.pwc.com/jp/ja/about-us/diversity-and-inclusion/lgbt.html
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今回はLGBTに焦点を当てましたが、それに限らず、今後はますます多種多様な価値観を吸収する土壌が会社に求められるでしょう。コンサルティング業界の先進的な姿勢が、日本企業に良い影響を与えるかもしれません。
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