コンサルティングファームから事業会社に転職した際、多くの方から「コンサルファームと事業会社では求められる思考法やスキルが異なる」という声を聞きます。
では、事業会社ではどのような思考法やスキルが求められるのでしょうか。
今回はコンサルティングファームと事業会社で求められる思考法・スキルの違いを、実際にコンサルと事業会社の両方のキャリアを経験した方の声も交えてお伝えします。
また実は、ポストコンサルの苦労と、スタートアップの経営者たちが抱えている苦労には共通する部分があります。そこで、いかにして事業会社でのキャリアパスを成功させるのか、そのヒントや対策もご紹介します。
【目次】
コンサルティングファームと事業会社の思考法の違い
実際に外資コンサルファームから大手ITベンチャーへ転職した方の言葉を借りると、
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「例えば優秀なコンサル10人に同じお題を渡したら、10人がほぼ同じ解にたどり着く。いかに無駄なく、早く、抜け漏れなく解へたどり着くかが求められる。いわゆるシステム思考が求められる」
「一方で、同じことを事業会社でやると、新規性がないと一蹴されてしまう。事業会社ではファームと同じ思考法が通用しない」
「野球に例えると、コンサルファームではヒット量産型の思考が求められますが。事業会社でビジネスを当てるために、ホームランを打つ思考が求められている」
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このようにコンサルと事業会社の思考法の違いについて言及しています。特にベンチャーなどでは、いわゆるデザイン思考を求める経営者も多いようです。そうなるとコンサルファームと同じようにロジカルにビジネス案を提案しても「それって面白くない」「自分たちがやる必要はないのでは」と一蹴されてしまうようです。もちろん、コンサルファームでの思考法や経験がすべて生かされないというわけではありません。経営企画などにおいて、経営者の抽象的な提案・アイディアを戦略に落とし込む際にそのスキルなどは役立つシーンが多いようです。
実はコンサルと事業会社の違いによる苦労はスタートアップ経営者の苦労に似ている
実はコンサルファームから事業会社へ転職したコンサルタントの苦労と、スタートアップの経営者たちがビジネスで成功を収めるための苦労には共通する部分があります。
ロジックや計画ばかりにとらわれていると、想定外の事態に対処しきれなくなる他、競合との差別化に失敗して事業がとん挫する可能性があるためです。
別の言い方をすると、事業会社で苦労している元コンサルは、スタートアップ経営者の苦労と解決策を知ることで、キャリアの成功を目指せます。
そこでおすすめなのが、「逆説のスタートアップ思考」というスライド資料です。
スタートアップ界隈で一時話題になったスライドで、書籍化もされています。
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急成長を求められるスタートアップでは、「スタートアップには不合理な良いアイデアが必要」とされています。その理由を抜粋すると、
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合理的な良いアイデアは当然他社も同じことを考える
⇒近いうちに競合過多になる
⇒競合とのリソースと実⾏⼒の勝負になる
⇒リソースの多い⼤企業が有利
⇒スタートアップは圧倒的にリソースがない
⇒スタートアップは急成⻑できない
⇒最終的にビジネスで負けてしまう
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このあたりが、事業会社でロジカルな思考以外および差別化が求められる理由でしょうか。
合理的な解は時間をかければ誰もが思いつくものなので、競合が増え、結局は淘汰されるということです。スタートアップがビジネスで成功するためには、逆説的に不合理なアイデアのほうが合理的ということです。
最初の実例で紹介したように、同じような思考法はスタートアップだけでなく大手のベンチャー会社でも求められており、新しいサービスが現れては消える現代社会ではあらゆる事業会社に求められている思考法だとも言えます。
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>ポストコンサルを目指す人材にミスマッチ解消のために役立ててほしい記事
コンサル転職後に驚いたこと・事業会社出身者の声
https://www.axc.ne.jp/ccc-surprised-and-hard
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今回の記事では、コンサルと事業会社の思考法の違いを踏まえ、ポストコンサルのキャリアを成功させるためのポイントをご紹介しました。
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