2020年2月現在のマーケットのトレンドや状況を踏まえ、各ファームのおすすめのポジションについてご紹介いたします。今回はBig4「戦略ポジション」です。
Big4の戦略チームでは、デリバリーの領域を少しずつ拡張し、現在は従来の戦略策定に加えて「戦略×業務」「戦略×テクノロジー」など専門性を掛け合わせたサービスを手掛ける動きが加速しています。
同時に、SIerのエンジニアやデータサイエンティスト、総合系ファームのIT・業務コンサル経験者にも広いオポチュニティがある等、採用ニーズにも数年前とは大きな変化が訪れています。
そこで今回は、Big4の中でも同社の特徴が強く出ている、または他ファームにはない独自のサービスを提供している「戦略ポジション」の成り立ちや年収、キャリアパスなどについて、同チームパートナーや採用担当への独自取材や、転職者の生の声などを交えてまとめました。
独自の内部情報や、新組織の情報等もございますので、採用マーケットのトレンド情報としてご参考にしていただければ幸いです。
【目次】
- デロイトトーマツコンサルティング/モニターデロイト
- PwCコンサルティング/Strategy&
- KPMGコンサルティング/Strategic Transformation
- EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング/Strategic Impact
デロイトトーマツコンサルティング/モニターデロイト
「モニター・グループ」が母体となったデロイトの戦略コンサルティング部隊モニターデロイト。同チームのパートナーにお聞きしたところ、「デロイトデジタルの戦略チームと組み合わさった」ため、戦略にデジタルを絡めたコンサルティングが特徴のようです。
実際に、「DX推進室やCDOを相手に、データドリブンでの先進テクノロジー領域の戦略策定」「Tech系JVのCEOとして派遣される」「クライアントと一緒にテクノロジー事業を立ち上げる」など、テクノロジーベースの経営戦略から、一歩踏み込んだ実行面にまで関われる点がメリットでしょうか。
DX時代においてニーズの高いデジタルを絡めた戦略スキルを身に付けたい方の志向にマッチしているようです。
また、サービス内容に伴い、同社では
- シリコンバレーのベンチャー企業にて、オープンイノベーション推進室のリーダーを担っていた方
- 大手SIerにてAIを利用したマーケティングサービスの新規企画を手掛けた方
など、デジタル・ITの領域で突出したケイパビリティがある方も求めています。
最近の弊社からの年収事例としては、
- 20代後半 男性、年収600万(大手メーカーのTech系新規事業チーム)
⇒コンサルタント、年収750万 - 30代半ば 男性、年収1,100万(大手IT系コンサルティングファームにてデジタルビジネスの戦略立案)
⇒マネージャー、年収1,200万
※タイトル毎の詳細な年収レンジは非公開のため、お問い合わせください
テクノロジーを起点とした戦略策定経験~実行面まで一貫したコンサルティング経験が積めるため、DX推進室やCIO直下ポジションなど事業会社でも上流×テクノロジーポジションに繋がりやすいのが特徴です。
- Tech系ベンチャーの経営企画室
- イノベーション事業推進室
上記のテクノロジー×戦略策定のケイパビリティを生かせる事業会社ポジションに繋がるスキルを得られるようです。
参考:戦略コンサルティング自体のイノベーションが求められている/モニターデロイト ジャパンリーダー 執行役員 藤井 剛様インタビュー
https://www.axc.ne.jp/interview/monitor-deloitte/2018/0725/12910.html
PwCコンサルティング/Strategy&
2014年PwCグループに統合された戦略コンサルのStrategy&。同チームのパートナーにお聞きしたところ、総合系ファームのリソースを活かし「戦略からIT」「戦略から財務」など事業戦略からオペレーション改善までの一貫したコンサルティングが特徴のようです。
業界は多岐に渡りますが、実際にメーカーにおける低炭素技術の輸出戦略案件では、競争優位性など上流の調査・戦略策定だけでなく、どの国にどの技術を提供するかなど実行面までサポートする案件が増えています。
特にPwCではグループ間の障壁が低いことから現場業務の改善支援といった実行フェーズでも戦略チームが案件に入るというケースもあり、戦略だけでなく事業サイドのビジネス感も身に付けたい方には最適でしょうか。
また、同社ではオーディットなどグループ間の多部署とコラボレーションした案件が多いため、求める人物像も「単に戦略を思いつくだけでなく、周囲をまとめて動かす力も採用では見ている」ようです。実際に、海外子会社に赴任し、現地法人の新規開拓を行っていた方なども採用されています。
最近の弊社からの年収事例としては、
- 30代前半 男性、年収700万(大手ベンチャーの新規事業企画)
⇒シニアコンサルタント、年収900万
※タイトル毎の詳細な年収レンジは非公開のため、お問い合わせください
などがあります。戦略~オペレーション両方への理解が深いため、営業やマーケティング戦略など現場感が必要とされるポジションへのキャリアにも繋がりやすいのが特徴です。
キャリアパスとしては、
- 外資系メーカーの営業戦略チームマネージャー
- 大手事業会社におけるDX推進室長
などのポジションへ歩まれる方もいるようです。
KPMGコンサルティング/Strategic Transformation
KPMG GlobalのStrategyチームであるStrategic Transformation。同チームのパートナー曰く、日本企業の海外進出を成功させるための業務変革をミッションとしているようです。
グローバルへの活路を見出すインフラ業界の案件が多い点が特徴でしょうか。実際に「製造業におけるアジア市場の参入余地の調査・現地法人のIT管理体制構築」など製造・金融・エネルギー業界かつ、プロダクトやサービスなど部門レベルの事業戦略を策定するケースも多く、実行面まで関われる案件が多いのが特徴でしょうか。
また、事業部に紐づいた案件を手掛けるケースが多いため、採用ターゲットとして業務コンサルやティングやITコンサル、その他全国トップの数字を成績を残した営業など、現場感のある方を積極採用するケースもございます。
- 20代後半 男性、年収800万(大手ITファームにおけるシステム導入コンサル、輸出業務プロセスのシステム化など)
⇒シニアコンサルタント、年収850万
※タイトル毎の詳細な年収レンジは非公開のため、お問い合わせください
キャリアパスとしては、
- 大手ベンチャー企業のIT戦略室
- 大手外資系メーカーのCEO直下ポジション
など事業部付きの戦略チームや、社内コンサルなど業務改革系の事業会社ポジションにも繋がりやすいのも特徴的です。
(参考)経営戦略 – KPMGジャパン – KPMG International
EYトランザクション・アドバイザリー・サービス/EYパルテノン
ピュア戦略ファームであるパルテノン・グループが母体となり、2018年にEYトランザクション・アドバイザリー・サービスに統合されたEYパルテノン。同チームパートナー曰く、トランザクション・アドバイザリー・サービスのリソースを生かしたデューデリジェンスやPMIなどディール領域の案件に強みがあるようです。
商社のアジア企業買収におけるデューディリジェンス、海外子会社の買収後におけるPMIのプロジェクトマネージャーなどディール関連の案件が多い一方で、直近ではIT戦略立案~システム導入における進捗管理など、ディールに捉われず総合系ファームのリソースを生かした案件も増え始めているようです。
2018年立ち上げと、まだ日本にブランドを確立するフェーズであり「戦略案件を自分で持ってきてスケールさせていく」という気概がある方には格好のフィールドでしょうか。
ディールやピュア戦略系の案件比率が多いため、採用においてはM&A領域のコンサルティング経験や、証券会社におけるトレジャリーマネジメント経験者など、財務領域のケイパビリティを持つ方のニーズが高いようです。
- 20代後半男性、年収700万(総合系ファームにおける、新規事業立案、アライアンスに係る交渉・出資等の業務推進など)
⇒シニアコンサルタント、年収800万
※タイトル毎の詳細な年収レンジは非公開のため、お問い合わせください
キャリアパスとしては、財務×戦略のスキルが得られるため
- 事業会社における社長室(中期計画の策定、M&AにおけるDDなど)
また、外資系メーカーにおいてCSOなどで活躍される方もいるようです。
Strategic Impactは政策提言の第一人者である國分俊史様が2019年8月に立ち上げた戦略ユニットです。リードパートナー曰く、政策提言、特に安全保障領域は国への介入が難しいらしく、EYでしか関われない機密性の高い政策系案件に関われるのが特徴でしょうか。
実際に、米中冷戦に伴う日本政府への政策提言、また政策提言を活かした防衛産業向けの輸出促進やグローバル化支援といった政策絡みの案件が多いようです。
今後政策系という希少性の高い戦略コンサルのキャリアを歩みたい、戦略スキルを通して国の発展そのものに貢献したいといった志向の方には最適なポジションでしょうか。
採用においては、政策系を中心とした戦略案件を手掛けるため、中央省庁向けコンサルティング経験者や、国家公務員など政策関連の業務経験者も採用候補として見ているようです。
また、マインド面では、カウンターパートが政府関係者であり、ルール形成において「思考の柔軟性」が問われるとのことで、素直なお人柄かどうかもポイントになるようです。
キャリアパスとしては、手掛ける分野から将来的に官公庁の補佐職など政府・国連関係機関や、他ファーム公共チームなどに繋がりやすいのが特徴でしょうか。
(参考)EY、新サービスの提供開始にともないStrategic Impact Unitを創設
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今回の記事では、Big4の中でも同社の特徴が強く出ている、または他ファームにはない独自のサービスを提供している戦略ポジションの成り立ち、年収、キャリアパスなどについてご紹介しました。
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