国内の注目「バイオ」ベンチャー・スタートアップ企業一覧【厳選20社】

ゲノム情報の集積・分析や生体機能の改変等に関する技術の急速な進歩により、バイオテクノロジーの分野が大きな転機を迎えています。経済産業省生物化学産業課がまとめた『バイオテクノロジーが生み出す新たな潮流』によると、OECDは2030年のバイオ市場はGDPの2.7%、200兆円市場にもなると予測しています。

バイオテクノロジーは医療分野だけでなく農業や工業など様々な分野で活かせる可能性を秘めており、今後もその重要性は増していくと見込まれます。そこで今回は、国内のバイオベンチャー・スタートアップ企業を20社に厳選してご紹介します。

【目次】

  1. iHeart Japan株式会社
  2. タカラバイオ株式会社
  3. エディットフォース株式会社
  4. 株式会社ツーセル
  5. DAIZ株式会社
  6. クオリプス株式会社
  7. 株式会社Revorf
  8. 株式会社イムノセンス
  9. 株式会社komham
  10. メタジェンセラピューティクス株式会社
  11. 株式会社chromocenter(株式会社住化分析センターに吸収合併済み)
  12. 株式会社Epigeneron
  13. 株式会社digzyme
  14. 株式会社メタジェン
  15. 株式会社Epsilon Molecular Engineering
  16. アメリエフ株式会社
  17. Genomedia株式会社
  18. メドリッジ株式会社
  19. Craif株式会社
  20. 株式会社アグロデザイン・スタジオ

iHeart Japan株式会社

「細胞医薬を普及させ、「特別な治療」から「当たり前の治療」に変える」との長期ビジョンを持ち、細胞医薬の実現による心臓移植のいらない社会を目指すバイオベンチャー企業です。バイオテクノロジーを専門分野とするベンチャーキャピタル投資に従事した経歴を持つ角田健治氏が、2013年に設立しました。

京都大学iPS細胞研究所の研究成果である「iPS細胞から心血管系細胞をつくり出す技術」を応用した、再生医療製品とリサーチ・ツールの開発を行っています。
同社の基盤技術は京都大学iPS細胞研究所の発明ですが、特許出願中の段階で同社に譲渡され、既に取得済みです。一般的な大学初のベンチャー企業とは違い、特許を大学ではなく企業自身が取得している点は特筆すべき点でしょう。

また、同社の特徴的な取り組みとしては心筋細胞と血管系の細胞をブレンドしたシートを開発が挙げられます。これはシートを張り付けることで血管が生成され血液循環が始まるため、通常の心筋細胞シートよりも高い効果が期待できます。

2024年には、シンガポール国立大学の企業支援部門・NUS Enterprise運営による「BLOCK71 Singapore」で、現地の投資家に向けたピッチ・イベントに参加しました。現地の投資家とも連携することで、世界の先進的なスタートアップ・エコシステムとの関係構築を目指し、前進しています。

タカラバイオ株式会社

研究用試薬・理化学機器事業とCDMO事業を通じたバイオ創薬基盤技術開発を進め、「新たな治療法を継続的に創出する創薬企業」を目指すバイオベンチャー企業です。寶酒造株式が持株会社制へ移行した2002年に、現取締役会長の大宮久氏や現取締役社長の仲尾功一氏を中心として創業されました。

バイオ産業支援事業では、大学や企業におけるライフサイエンス分野の研究用7試薬や理化学機器、受託サービスの提供を行っています。3つの独自ブランドを持ち、世界のライフサイエンス研究を基礎分野・先端分野問わず支えています。

また、新規臨床開発プロジェクトの早期臨床試験開始にも注力しており、体外遺伝子治療プロジェクトでは既存のCAR・TCRの技術課題克服を目指した基盤技術開発を行なっています。

遺伝子治療を進める独自技術「レトロネクチン法」を開発し、TCRやCARなどの遺伝子改変T細胞療法において広く利用されるなど、遺伝子治療の分野で目覚ましい活動をする企業です。

エディットフォース株式会社

「New Tools Lead to a New World」をビジョンに掲げ、遺伝子編集技術の開発や技術供与、試薬・創薬・種苗・物資生産の研究などを行うバイオベンチャー企業です。日本発のゲノム編集技術を事業化するため、小野高氏が九州大学の中村崇裕准教授が発明したPPR技術をコア技術として2015年に設立しました。

同社の技術はDNAのみならずRNAの編集も行える点で他者と大きく異なっています。近年では医薬品開発領域において活発な活動をしており、PPRタンパク質の医薬品への応用に向けた研究開発を続けています。

2021年にはニュートンバイオキャピタルをリード投資家とした第三者割当増資を行い、8億円の資金調達を実施しています。今後は出資企業の専門知識やコネクションを最大限利用し、パイプラインの推進・強化や基盤技術の充実に邁進するようです。

株式会社ツーセル

骨・軟骨と心筋・血管、そして神経・脳を重点領域として、MSCの研究・開発から発売までを一元的に捉える、「R・D・M 一貫体制を持つ価値創造会社」を目指す再生医療ベンチャー企業です。中外製薬で開発研究所実験動物センター長やメディカル事業部部長などを歴任した経歴を持つ辻紘一郎氏を代表取締役とし、2003年に創業されました。

再生医療等製品や再生医療関連製品の研究開発・製造・販売に関する事業を展開しており、主に間葉系幹細胞(MSC)を用いた再生医療をターゲットにしています。現在ではMSCの分化能を維持しつつ増殖性を飛躍的に向上させる培養方法を開発済みであり、今後もMSCを用いた再生医療の普及を目指します。

2020年9月には第三者割当による募集株式発行を行い、総額8億3,000万円の資金調達を実施しました。今後の研究・開発にも注目が集まるバイオベンチャーです。

DAIZ株式会社

大豆が持つ可能性に着目し、植物肉(ミラクルミート)の開発や創薬への挑戦などを目標として掲げる、バイオベンチャー企業です。遺伝子破壊マウスの会社である株式会社トランスジェニックを設立した経験などを持つ井出剛氏が、2017年に立ち上げました。

「落合式プレッシャー法」と呼ばれる独自の栽培法をコア技術とし、植物肉の開発を行っています。落合式プレッシャー法は発芽直後の大豆が持つ代謝に注目した栽培法であり、通常の発芽では考えられないさらなる代謝を活性化させることで、遊離アミノ酸量を増加させる技術です。

こうして生み出された植物肉をハンバーグやから揚げなど様々な加工食品向けに普及させることが、同社の目標だと言えます。植物肉に含まれるうまみ成分は通常の牛肉よりも高く、高オレイン酸大豆の使用によって異風味も感じさせません。

2021年6月10日からは、植物肉を使った餃子がラーメンチェーン店の「味千拉麺」の熊本県内10店舗にて販売開始されています。

クオリプス株式会社

世界初のiPS細胞を使った心筋細胞シートや、各種細胞製品の製造・実用化を目指して活動する、大阪大学発のバイオスタートアップ企業です。再生医療ベンチャーのテラで専務を務めた経歴を持つ飯野直子氏が、2017年に創業しました。

ヒトiPS細胞から作製した心筋細胞(iPS心筋)を主成分とした他家細胞治療薬である「同種由来iPS細胞由来心筋シート」の開発・事業化が大きな目標の1つです。シート状の薬を心臓に移植することで治療が可能であり、心臓移植や人工心臓装着以外に有効な治療法がない重症心不全の患者に大きな効果が期待できます。

2021年3月にはJICベンチャー・グロース・インベストメンツなどを引受先とする、総額16億円の第三者割当増資契約を締結しました。同社はこの資金調達により、同種由来iPS細胞由来心筋シートの実用化に向けた活動を加速させる方針です。

株式会社Revorf

ベンチャー企業のCEOとして活躍した末田伸一氏とキリンビール等で創薬研究に従事した西川光郎氏、そしてドイツでゲノム研究に従事した村川泰裕氏の共同で、2019年に創業された企業です。遺伝子化学や医学などの知見を組み合わせ、画期的診断法の提供と創薬を行っています。

遺伝子診断の分野では、RNAトランスクリプト検出解析技術によって、外部の遺伝子診断関連企業の最先端バイオマーカー開発等を支援しています。また、創薬支援においてはゲノム検出解析技術と集積した非公開の疾患サンプルデータの活用により、外部製薬企業の創薬支援を行っています。

2021年3月には日本ベンチャーキャピタルなどを引受先として総額およそ3億円の資金調達を実施しました。この資金により、これまで以上に創薬・医療技術基盤手法のイノベーションを推進していく予定です。

株式会社イムノセンス

「イムノセンスからいつでも・だれでも・どこでも医療グレードの迅速検査を」という考えのもと、免疫クロマトの簡便性と大型検査機の高感度を備えた新規POCT製品の実用化を目指す企業です。自己測定血糖計(SMBG)の研究開発などを行ってきた杉原宏和氏が、2018年に創業しました。

独自の免疫測定法であるコア技術の「GLEIA法」は、免疫反応と電気化学反応を組み合わせた免疫測定技術です。サンドイッチ免疫測定法において、簡便なシステム構成で高い検出感度を実現します。大阪大学産業科学研究所の特任教授である、民谷栄一氏によって開発されました。

2023年7月には、株式会社島津製作所のCVCファンド「Shimadzu Future Innovation Fund」から、シリーズB-2追加ラウンドでの資金調達を実施しています。島津製作所と親和性の高い技術・知見のあるスタートアップに投資し、同社の製品・サービスの成長、事業創出を目指す方針です。

株式会社komham

PR会社で企業ブランディングを手掛けた経歴を持つ西山すの氏が2020年に立ち上げた、有機性廃棄物を高速分解する「komham菌」の研究や活用を行うバイオベンチャー企業です。

komham菌は、同社が開発した牧草をもとに作られた微生物群であり、有機性廃棄物である生ごみや家畜の排泄物など高速で分解します。菌床を一度立ち上げれば、komham菌を3ヶ月に1度、初回導入量の1割ずつ追加することで使い続けることが可能です。komham菌を使った堆肥の生産は必要な分だけの実施が可能であり、無駄がありません。また、komhamのバイオマス処理には電力や大型プラントも不要であるため、安価に堆肥が生産できます。

同社は、2021年3月に立命館ソーシャルインパクトファンドより、5,000万円の資金調達を実施しました。今後は研究体制のさらなる強化や、安全性と安定性を増した製造体制、技術提供体制の構築を進めていくとみられています。

メタジェンセラピューティクス株式会社

最先端のマイクロバイオームサイエンスによって、革新的な医療と医薬品の提供を実現すべく活動する、バイオスタートアップです。アメリカのスタートアップにて創業メンバーとして活躍した経歴を持つ中原拓氏が、2020年に立ち上げました。

同社は腸内細菌叢や代謝物質、免疫機能の情報を応用することで疾患予防などに役立つ研究を行うメタジェン社の子会社です。メタジェン社との連携により、腸内細菌創薬のプラットフォーマーを目指します。日本やアジア諸国の食生活環境下における人々の腸内環境データを活用することで、腸内細菌創薬事業を進めます。

同社は2021年3月に、ファストトラックイニシアチブ社と株式会社慶應イノベーション・イニシアティブが運営するファンドから総額9,000万円の資金調達を実施しました。今後の創薬活動等の加速化が期待されます。

株式会社chromocenter(株式会社住化分析センターに吸収合併済み)

基盤技術である人工染色体ベクターなどの技術をもとに、松岡隆之氏が2005年に創業した鳥取県発のバイオベンチャーです。タンパク質高生産系の開発や、染色体解析サービスなどを行っています。2005年の創業直後には鳥取大学医学部と共同研究契約を締結し、現在まで継続しています。

人工染色体ベクターは、鳥取大学医学系押村光雄氏らのグループによって開発されました。宿主細胞株内で宿主染色体への挿入はされず独立して保持されることから、内在遺伝子の破壊を未然に防ぐことが可能です。安定遺伝子発現細胞株の構築や遺伝子組換え動物の作製、タンパク質高生産細胞の構築など、多様な活用方法が期待されます。

同社は2021年3月に、信金キャピタルを引受先とした第三者割当増資を行いました。この資金調達により設備投資を実施し、細胞事業の発展などによる企業価値のさらなる向上につなげる見込みです。

※2023年10月、同社は株式会社住化分析センターに吸収合併され、一部署「クロモセンター」として染色体解析サービスを提供し続けています。

株式会社Epigeneron

難治疾患の治療法開発を目指し、新規エピジェネティック創薬やその受託サービス等の提供を行うバイオベンチャー企業です。2015年に合同会社として立ち上げられ、2017年に株式会社へ組織変更されています。現在の代表取締役社長は、大阪大学や弘前大学で研究の経歴がある藤井穂高氏です。創薬及び創薬支援業務の実施と創薬関連情報の販売、研究用試薬・診断薬や化学工業薬品の製造・販売・輸出入を行っています。

「遺伝子座特異的クロマチン免疫沈降法」と「ORNi-PCR法」という2つの独自プラットフォーム技術により、エピジェネティック創薬・創薬支援や遺伝子変異等の検出サービスを行っています。現在は「ORNi-PCR法」を活用した新型コロナウィルスの変位ウィルス検出を目的とした試薬も発売されています。

同社は2021年3月に、東北大学ベンチャーパートナーズを引受先として総額4,800万円の資金調達を実施しました。

株式会社digzyme

「バイオインフォマティクスで物質生産プロセスに変革を起こし、環境と経済を両立する。」をミッションとして、「計算機科学による酵素遺伝子配列探索」や「化合物生産のための酵素反応経路設計」などを中心として行っている企業です。東京工業大学生命理工学院博士である渡会直生氏が、2019年に創業しました。

同社の研究開発プラットフォーム「digzyme Moonlight」は、バイオインフォマティクスによって新たな酵素触媒反応を創出、発見、評価することが可能です。

同社は2020年5月に、ANRIや株式会社ReBoostらを引受先とする第三者割当増資を実施しました。この資金調達により、総額約3,000万円の資金を得たとされています。

2024年4月には7.3億円の資金調達を、シリーズAラウンドで実施し、酵素ライブラリ”digzyme Designed Library”構築に向け、順調に活動しています。今後も、自社開発やパートナーとの共同開発などによって、さらなるプロダクトの開発を進めていく方針です。

株式会社メタジェン

メタジェンは「便から生み出す健康社会」をミッションとして、独自の最先端技術「メタボロゲノミクス」により疾患予防や健康維持に役立つ研究を行っているバイオベンチャーです。慶應義塾大学の先端生命科学研究所特任教授であり、化学研究所基礎科学特別研究員などを務めた経歴を持つ福田真嗣氏が、2015年に設立しました。

「メタボロゲノミクス」とは、腸内環境のコントロールまでを考慮した腸内環境評価手法です。メタボロゲノミクスにより腸内細菌叢やそれと複雑な関係を持つ代謝物質の解説を行い、個人の腸内環境タイプに合わせたヘルスケアである「腸内デザイン」に役立てます。

同社は医療・ヘルスケア業界の変革に挑戦する「腸内デザイン共創プロジェクト」を推進し、アサヒ飲料株式会社や株式会社オレンジページなど様々なパートナー企業との連携を進めています。

株式会社Epsilon Molecular Engineering

未来のバイオ分子を創造することをミッションとし、個別化が進む医療領域において次世代のモダリティ医薬を想像すべく活動する、埼玉大学発の革新的バイオ創薬企業です。現代表取締役社長を務める埼玉大学の根本直人教授らにより、2016年に立ち上げられました。

同社は自動化に成功した進化分子工学技術「遺伝子型/表現型分子対応付け技術」により、数百兆もの多様性を持つ均質なcDNAディスプレイライブラリの自動調製を可能としています。

また、RePHAGEN社との技術提携によるナイーブVHH遺伝子ライブラリや、自社では品質の高いペプチド遺伝子ライブラリを所有しています。

2020年12月には三菱UFJキャピタルやぐんま医工連携活性化投資事業有限責任組合などを引受先として合計5億7,000万円の資金調達を実施しました。これにより、シングルドメイン抗体を中心として新世代中分子バイオ創薬の研究開発をさらに加速させる方針です。

アメリエフ株式会社

創薬ベンチャー企業で活躍した経歴を持つ山口昌雄氏が2009年に設立した、最先端の研究技術とリアルバイオデータを融合させることで、新たな価値の創造を目指す企業です。同社の強みであるバイオインフォマンティクス技術とは、生物のデータを情報科学の手法におよって解析する技法を指します。バイオインフォマティクス技術の特徴は、主に3つです。

まず挙げられるのが、研究目的達成のためのソリューションとなることです。2つ目としては、バイオデータの解析・活用にチームで取り組んでいることが挙げられます。そして最後に挙げられるのが、あらゆる業界や実験・測定機器データから得られるオミックスデータやデータベースを取り扱っていることです。

山口昌雄氏は今後、デジタルマーケティング活動としての情報発信や技術的なレベルアップに、会社全体で取り組んでいくとしています。

Genomedia株式会社

「ゲノム情報を活用して、豊かな生活、より良い地球環境の実現に貢献する」とのミッションを掲げ活動する、東京大学発のバイオベンチャーです。東京大学大学院新領域創成科学研究科の科学博士である山田智之氏らにより、2013年に立ち上げられました。

同社は2015年撚り、国立がん研究センターをはじめとして様々な医療機関や研究機関などに、ゲノム情報と臨床情報の統合システム「Genomedia Front」を提供しています。さらに2019年にはゲノム情報統合クラウドサービス「Genomedia Front Cloud Service」の提供を開始しました。これはこれまでの統合システムが持っていた機能をクラウド上で提供するだけでなく、血液を用いた遺伝子解析に対応した時系列解析機能も追加されています。

今後は臨床現場への統合がんゲノムレポート提供実績の蓄積を通し、精密医療時代における標準プラットフォームの構築を目指します。

メドリッジ株式会社

独自の技術プラットフォームから派生したシーズ技術を具現化することで、医療・医薬研究等のメディカル業界の橋渡しとなる事業を展開する企業です。エンジニアリングの技術者である益田泰輔氏が2019年に創業し、医薬研究用機器や医療関連機器の企画・開発・設計・製造・販売・輸出入などを中心に事業展開をしています。

「細胞分離・分取システム事業」では、体液から不要な細胞を連続的に排除しCTC等の特定細胞を分離する技術を確立しました。そしてさらに分離した細胞を単一細胞レベルで分取する技術の確立や、そしてこれらを組み合わせた「レアセルソーター」などの技術を提供しています。

また「生体模擬手術トレーニングシステム事業」では、脳外科医の手術トレーニングシステムとして、人の頭部を再現したバイオニック・ブレインシリーズを製造・販売しています。これは人の頭部の解剖学的構造や物理特性を忠実に再現し、センサ機能によって実際に「縫う」「削る」等の技術トレーニングに活用できる装置です。

Craif株式会社

尿検査によるガンの早期発見を目指し、2018年より活動をスタートさせている名古屋大学発のバイオベンチャーです。三菱商事で活躍した経歴を持つ小野瀬隆一氏によって創業されました。

同社は、血液や尿などほぼ全ての種類の細胞が分泌する小型の膜小胞であるエクソソームの回収技術におけるパイオニアです。がん細胞が持つエクソソームには血管新生や移転、免疫逃避に関する分子が含まれることが示されており、ガンの進展に適した環境構築に重要な役割を担うと考えられています。同社は尿中エクソソームを活用するための、簡便で痛みや身体的負担の無い尿検査の開発を進めています。

同社は2020年6月にANRIや大和企業投資株式会社などから資金調達を実施し、独自デバイスのさらなる開発や臨床研究の推進に役立てています。また2021年4月には日清食品株式会社と、尿中microRNA解析による生活習慣病の早期発見に関する共同研究を開始しました。

株式会社アグロデザイン・スタジオ

「農薬にイノベーションを」との考えのもと、バイオサイエンスを基盤とした農薬開発や農業バイオ技術による持続的農業への貢献を目指す、国内初の創薬型農薬スタートアップです。東京大学の生命科学博士である西ヶ谷有輝氏が、2018年に創業しました。

同社は人が持っていないたんぱく質を薬剤標的とし、構造ベースで専用薬をデザインする分子標的農薬の開発を行っています。「SDGs」という言葉が一般にも浸透してきている現状では、農業においてもサスティナビリティの重要性が脚光を浴びています。その中で同社は農薬の安全性に着目し、農薬の製法・販売を根本から変革することを目指しているのです。

同社は2020年9月に「⼤学発ベンチャー表彰2020〜Award for Academic Startups〜」において「アーリーエッジ賞」 を東京大学・産学協創推進本部と共同受賞しました。今後もその活動に注目が集まっていくものと想定されます。

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国内の注目「民間宇宙開発」ベンチャー企業一覧【厳選20社】
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今回は、国内のバイオベンチャー・スタートアップ企業を20社に厳選してご紹介しました。バイオベンチャーへの転職をご希望の方は、ぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。


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