業務コンサルタントに必要なスキル・資格とは何か?

業務コンサルタントとは、クライアントの業務プロセス改善に関するサービス、具体的には業務フローの策定や業務改善戦略の立案などのコンサルテーションを提供する職業です。業務コンサルタントはクライアントの業務プロセスを理解している前提で、業務改革、業務改善を進めていく必要があります。そのため、ロジカルシンキングやコミュニケーションスキルのベーススキルに加え、様々な業務知識、IT知識が必要な職業です。

今回の記事では、実際に現役の業務コンサルタントとして活躍されている方々からお聞きした、同職種において必要なスキル・資格をご紹介します。

【目次】

  1. 業務コンサルタントに必要なスキル①クライアントの懐に入り込む高い「コミュニケーション能力」
  2. 業務コンサルタントに必要なスキル②経理から生産管理、人事まで専門的な部署と対等に仕事をするための深い「業務/ITの知識・スキル」
  3. 業務コンサルタントに必要なスキル③問題を構造的に捉えるための「ロジカルシンキング」
  4. 業務コンサルタントに必要な資格:公認会計士、中小企業診断士、税理士、簿記はもちろん、IT関連の資格も役に立つ機会が増えている
  5. (参考1)業務コンサルタントとは?※仕事内容など
  6. (参考2)業務コンサルタントと経営/ITコンサルタントの違い

業務コンサルタントに必要なスキル①クライアントの懐に入り込む高いコミュニケーション能力

業務コンサルタントに強く求められるスキルとして欠くことができないものとなるのが、「クライアントやトップ層の懐に入り込むコミュニケーションスキル」です。

業務コンサルタントは常にクライアントとコミュニケーションを取る必要があります。そのため、自分で勝手に発想するのではなく、あくまでもクライアントが置かれた状況を正確に理解、分析し、改革の方向性を導き出さなくてはなりません。そしてクライアントの内部の多くの人たちの懐に入り、円滑にコミュニケーションを行い、必要な情報や状況を的確に抽出してくる力が求められます。このような業務を遂行していくためには、言うまでもなく高いコミュニケーションスキルが必要です。また提案を行い、成果物を提出して説明する場合にも、いかに内容について相手に理解させるか、相手が腹落ち感を持てるかという点でコミュニケーションスキルが重視されます。

またCxOクラスの経営層ともコミュニケーションする機会が多々あります。経営トップとも的確なコミュニケーションがとれ、意思の疎通をはかることは非常に大切なスキルになります。

こうしたコミュニケーションスキルを高めるためには日常的に意識して、どのようなストーリーで物事を伝えればよいのか、どのような観点で話を聞きだすことが効果的なのかを常に考えてコミュニケーションを取る必要があります。人は実に多種多様、十人十色ですから、この領域ではとにかく実践で自ら力をつけていくという不断の努力を行うことが重要になります。

安心して仕事を任せられる業務コンサルタントらしさというものは実はなによりも大切であり、人に好かれるということも実は業務コンサルタントとして成功を収めるための大事な要素となっていることを忘れてはなりません。

業務コンサルタントに必要なスキル②経理から生産管理、人事まで専門的な部署と対等に仕事をするための深い「業務/ITの知識・スキル」

業務コンサルタントに必要なスキルの2つ目は、「業務/IT知識・スキル」です。

業務知識がなぜ必要かといいますと、業務コンサルタントは業務改革や業務改善を目的としてアサインされますので、経理、購買、販売、生産管理、人事、総務など専門的な業務経験を持ったユーザー部門とコミュニケーションを取ってプロジェクトを遂行するからです。そのため、専門的な業務の用語の意味などを理解していないと、クライアントのユーザー部門と認識齟齬が発生し、結果的にプロジェクトは失敗になる可能性もあるからです。

例えば、経理業務の領域であれば、簿記の知識や財務諸表の知識、債権/債務、固定資産、減価償却など一般的な会計知識があると良いでしょう。

また業務コンサルタントにもITに関する知識は必要です。ITコンサルタントのように詳しい知識を身に着ける必要はありませんが、昨今の業務改革や業務改善には、ITが必須です。IT無しでは、改革や改善はあり得ないと言っても過言ではないでしょう。

そのため、システム刷新案件、例えば、ERPパッケージの導入に携わった経験などがあると、クライアント側の業務責任者と協働して、新しい業務モデルや業務フローを検討しながら、同時にシステム要件も検討できます。効率的かつプロジェクト自体の成功確率も上がるため、業務とITの両輪を意識することはとても重要です。

業務コンサルタントに必要なスキル③問題を構造的に捉えるための「ロジカルシンキング」

業務コンサルタントに限らず、コンサルタントとしては基本中の基本のスキルではありますが、「ロジカルシンキング」も重要な要素となります。

現状分析の整理や、改革の方向性を提起していく際に、物事を合理的に理解したうえで事象を正確に分析して方向性を見つけ出すことが必要だからです。思い込みや、想像でコンサルティングをするのではなく、ロジカルシンキングで事実を正確に把握することが重要です。また物事を正確に把握するだけでなく、俯瞰したうえで、構造的に捉えることも求められます。こちらも「ロジカルシンキング」の一つです。

例えば、各業務部門にヒアリングをした際に、部門毎にヒアリング結果を整理するかと思います。部門毎のヒアリング結果を整理して、改革の方向性を提起したとしても、部分最適になる恐れがあります。業務コンサルタントとしては、全体最適を見据えた提案が必要ですので、部門毎のヒアリング結果を俯瞰して、構造的に捉えて改革の方向性を提起することが重要となってきます。

業務コンサルタントに必要な資格:公認会計士、中小企業診断士、税理士、簿記はもちろん、IT関連の資格も役に立つ機会が増えている

業務コンサルタントに必要な資格として挙げられるのは、公認会計士、中小企業診断士、税理士、簿記の資格などです。とくに公認会計士や税理士、簿記の会計関連の資格は、経理業務の領域で大いに役に立ちます。

経理部門の方々は、常日頃から会計用語や、仕訳などに触れていますので、このような資格があれば、第一印象も良いでしょうし、コミュニケーションも取りやすくなります。経理業務は他の業務領域に比べてより専門性が増しますので、会計関連の資格があると重宝します。

また中小企業診断士の資格であれば、会計以外の経営学や、購買、販売、生産管理などの知識も含まれますので、経理部門以外の方々とのコミュニケーションにも大いに役に立ちます。

今までは業務知識関連の資格でしたが、IT関連の資格も取得しておくと、さらにプロジェクトを円滑に進めることができます。例えば、ERPパッケージ認定コンサルタントや、経済産業省の政策実施機関であるIPAが認定する国家資格で、ITストラテジストやプロジェクトマネージャー、応用情報技術者などが挙げられます。これらの資格があれば、業務要件と並行して、IT要件を検討していく際に活用することができます。付加価値になりますので、ぜひ、資格取得の検討もしてみてください。

(参考1)業務コンサルタントとは?※仕事内容など

業務コンサルタントとは、顧客の業務プロセス改革・改善に関わるコンサルティングサービスを提供する職業です。

企業活動は、販売、購買、経理、生産管理、人事、総務など、さまざまな業務機能・プロセスが繋がって成り立っております。いわゆるバリューチェーンです。企業活動をより迅速かつ効率的に、品質を上げて経営していくためには、これらの業務機能・プロセスがムリ・ムダなく、効率よく回っている必要があります。そのため、業務コンサルタントは、実際の業務モデル、業務フローを分析し、重複や無駄など業務プロセス上の問題点を洗い出し、課題を提起しと解決に必要な改革を提案し、企業経営に貢献する職種です。

具体的には、クライアント企業にとっての業務改革による経営資源の有効活用、コスト削減、事業構造変革などの目標・ゴールを達成するために、構想企画を行っていきます。その際に、現状分析を行い従来の業務モデルや業務フローなど見える化し、問題・課題分析を行ったうえで、改革の方向性を合意していきます。合意した改革の方向性をもとに、新しい業務モデル、業務フローを作成、提案していき、導入まで支援します。

業務コンサルティングの主なサービスとしては、BPR、BPM、ERP導入等があります。

(参考2)業務コンサルタントと経営/ITコンサルタントの違い

業務コンサルタントの仕事について理解を深めていただくために、よくご質問いただく「業務コンサルタントと経営コンサルタント、ITコンサルタントの違い」をご紹介します。

経営コンサルタントとは、市場環境が激しい企業競争の中で勝ち残っていくための唯一無二の戦略や方針・計画について具現化していくコンサルティングサービスを提供します。具体的には中長期経営計画から、事業ごとの戦略立案などをテーマとする場合が多いです。立案だけでなく、実行フェーズまで支援する場合もあります。そのため企業経営に関連する幅広い知識・知見が求められることに加え、顧客企業の業界や社会的なトレンド等の知識も必要となります。

ITコンサルタントとは、ITを活用して企業の経営やビジネスの戦略を立て、課題の解決や業務改善、業務改革をはかる仕事を行います。また、IT資産評価やリスク調査を行い、企業買収時の評価額に反映させるITデューデリジェンスなどを行う場合もあります。

ITコンサルタントの場合、ERP導入のパッケージ導入の場合、一部業務コンサルタントとの仕事の範囲も担う場合がありますが、経営コンサルタントは業務コンサルタントとは違い、経営層とのコミュニケーションになるため、階層分けした場合、上位に位置づけられます。

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今回の記事では、実際に現役の業務コンサルタントとして活躍されている方々からお聞きした、同職種において必要なスキル・資格をご紹介しました。

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