今回は2021年、未だに新型コロナウイルスが収まらない中、現在コンサルティングニーズが高い分野や求められる人材についてご紹介します。
コンサルへの転職を検討しているものの、コロナの影響が気になる方はぜひご参考になさってください。
【目次】
コンサル転職を目指すなら実は「今はチャンス」
「コロナ下のいま、コンサル転職に向けて動くべきか、それともしばらく様子をみるべきか」というご質問をよくいただきますが、結論として、コンサルへの転職を希望される場合、いま動くべきと言えます。特に、2021年春以降、コンサルファーム各社の採用ニーズは拡大しており、転職希望者にとっては大きなチャンスが訪れているからです。
コンサル業界ももちろんコロナの影響とは無縁ではなく、2020年には採用が縮小された時期もありました。先行きの不透明感が増す中、クライアント企業の投資抑制により案件の中止や、新規獲得の停滞が起こっていたためです。
一方で、2021年からは状況が一転し、現在では大手コンサルティングファームから中小系ファームまで売り手市場になっています。
例えば大手IT系ファームでは、金融機関の営業職から入社されるケースもみられます。学歴や社格などの経歴が一定の水準を満たせば、未経験でもポテンシャル採用で大手ファームに転職できるチャンスがあります。
活況を呈するコンサルティング業界、入社後のアサインも希望が通りやすい状況
採用ニーズ拡大の背景にあるのは、コンサルティングビジネスの活況です。特にDX(デジタルトランスフォーメーション)やM&A、アフターコロナの戦略再構築などのテーマでコンサルニーズが増えていることが大きいです。ファームによっては、案件は取れるものの対応できる人が足りておらず、受注を抑制せざるを得ない状況も起こっています。
このような背景から、ポテンシャル採用も含めた積極採用が展開されています。
一方でコンサルに限らず、採用ニーズは景気の影響を大きく受けます。そのため、もし今後景気が後退したり、案件獲得の伸びが一巡した後は、採用要件の引き上げなど門戸が狭まる可能性もあります。
つまり未経験からのチャレンジならば特に、旺盛な採用ニーズがあるいまこそ転職に向けて動くべき時期といえます。
また、案件の受注が好調ということは、転職者にとっては入社後のメリットも大きく、プロジェクトへのアサインを獲得しやすい状況です。入社後早い段階からデジタル技術を活用した企業変革など、魅力的なテーマで多くの経験を積むことができるでしょう。
なお、コロナの感染状況を受け、コンサル業界では採用面接もリモートが主流となっています。平日は現職の仕事で忙しい方であっても、オフィスまで出向かなくてよい分、選考を受けやすい状況となっています。
ニーズが特に高まっている領域・分野
続いて、コンサルティングニーズが高まっている分野についてご紹介します。
特に活況なのが、DXやM&Aに関連する案件です。他にも、アフターコロナを見据えた事業戦略の再構築、リスクコンサルティング、グローバル案件などでニーズが高まっています。
DX推進
現在、コンサルティングへの需要を牽引しているのは、DX関連の案件です。
DXとは、RPAやAI、クラウド、5G、サイバーセキュリティなどのデジタルテクノロジーを事業に組み込み、組織の運営効率や売上拡大につなげる取り組みです。
以前から日本ではレガシーシステムの老朽化などの問題から、DXは経営課題となっていました。ここ最近では2021年9月にデジタル庁が発足し、国全体としてもDX推進が大きなトレンドとなっています。
そのDX推進の担い手として、デジタルテクノロジーへの豊富な知見を背景に事業課題を解決に導く力を持った、コンサルティングファームが注目されているのです。
例えば、あるコンサルティングファームのとあるインダストリーからは、「ビジネス状況は順調。コロナの影響で投資抑制していたが、ここにきてDXの相談が増加傾向。」という声が聞かれ、具体的には以下のような案件が増えているといいます。
―自由化/分散化/仮想化による業界再編の可能性
―デジタル化推進による収益性改善、新規事業創出
―業界横断のデータ利活用、提携支援など
―スマートシティ等(地域特性を踏まえた独自性追求)
―コロナ影響による企業/事業再生
―事業ポートフォリオ改革による成長シナリオ構築
―コロナ後における新しい成長シナリオ伴走
―スタートアップ/VC/Digital企業連携による新事業モデル検討
その他、行政のDX化も進んでおり、つぎのような案件が増加中です。
―デジタル活用による効率化
―行政サービスでのデータ連携、NIST対応
M&A
M&Aに関連するコンサルティング案件も急増しています。
2020年3月から5月はコロナの影響でM&A件数は急減しましたが、それ以降は事業再編や中期経営計画の策定においてメジャーな戦略となっていることから、案件の急増につながっているのです。
その背景として、ファンドや事業会社にまだ投資に回していない待機資金が多いという状況があります。
買い手:早く投資したいというファンド。グローバルディールも歓迎
売り手:早くノンコア事業を売却したい事業会社。新しい事業領域に再投資したい
このように買い手と売り手のニーズがマッチし、M&Aのトレンドが”せっかち化”、そして”グローバル化”しているのが現在の状況です。
事業戦略全体の再構築
事業戦略全体の再構築を支援する案件も増加しています。
例えば、SCM(サプライチェーン・マネジメント)系のチームでは、コロナの影響により個別領域の改善ではなく、バリューチェーン全体の最適化・戦略策定を支援するといった上流案件が増加傾向にあります。
また、コロナや米中貿易摩擦の影響により、グローバル規模でのサプライチェーン見直しの機運がクライアントとしても高まっています(特にドイツ、シンガポール、アメリカ等の拠点にて)。
リスクコンサルティング
Withコロナに対応するための事業再編や構造改革、アフターコロナを見据えた中長期的な戦略立案などのテーマが増加しているのに合わせて、リスク領域に関する案件も増えています。
例えば、以下のような案件が挙げられます。
―新型コロナウイルス感染症拡大後の事業継続計画(BCP)
―地政学リスクやディスラプターの脅威などのシナリオプランニング
グローバル
グローバル案件の数は2019年の水準に戻っているファームが多いです。コロナの影響により直接グローバルへ出向く案件は減少しており、原則リモートで対応しています。例としては、クロスボーダーのM&A実行支援、グローバルの各拠点へのSAP導入といった案件が挙げられます。
なお、コンサルの仕事は人とPCがあれば成り立つという職業柄、リモートワークと相性がよいです。金融機関などセキュリティ規制が厳しいクライアントの案件では依然として常駐のケースもありますが、多くのプロジェクトはリモートベースで問題なく回っています。
以上、コンサルファームへのニーズが特に高まっている分野をみてきました。
総じて、コンサルティングファームでは数年先を見据えたプロジェクトを手掛けます。そのため、アフターコロナの再スタートに向けて案件がコロナ前に比べむしろ増えている印象があります。
ニーズの高まっている人材とは?
続いて、コンサルティングファームからのニーズが特に高まっている人材についていくつか例をご紹介します。
DX~IT関連人材
まず挙げられるのは、DX推進案件で価値を出せる人材です。
例えば、ITや通信等の業界で以下のようなデジタル系技術を活用した経験がある方には、大きなチャンスがあります。
・RPAなどの自動化ソリューション
・AIやビッグデータ分析(データアナリスト、データサイエンティスト)
・5G、IoTなどネットワーク関連技術
・サイバーセキュリティ
・ブロックチェーン
ただし、コンサルはエンジニアではないため、技術力さえあればよいというわけではありません。
あくまでクライアントの事業課題を整理した上で、ソリューションの一つとしてデジタルを活用できる力が必要です。そして、提言をもとにクライアントを動かすコミュニケーション力やリーダーシップも求められます。
そのため、デジタル技術を手段として自社や顧客の課題解決をリードした経験があれば、尚可となります。
M&A関連業務経験者
DXに次いでM&A案件も増えているため、M&A関連業務の経験者へのニーズも高いです。
コンサルが扱うM&A案件の内容は、M&A戦略の策定(企業戦略を踏まえた買収、売却先候補の選定)からビジネス・デューデリジェンス(事業状況の精査、分析)、取引執行のサポート、PMI(M&A実施後の組織統合)など多岐にわたります。
M&A関連の経験をもとに、このような案件で活躍できる人材が求められているのです。
M&Aの直接の経験者であればベストですが、類似する経験として、金融機関でのファイナンス関連業務や事業会社での経営企画業務、総合商社での事業投資などの経験をお持ちの方であれば、チャンスがあります。
グローバルビジネス経験者
グローバル案件の数も以前の水準に戻っていることをご紹介しました。
例えば、クロスボーダーのM&A案件や、SAPのグローバル展開などの案件が増えています。
このような案件では、当然ながら会議や資料作成も英語がメインとなるため、ビジネスレベルの英語力がマストとなります。その意味で、帰国子女や留学経験者、また現職でのグローバルビジネスの経験者は有利となります。
英語でビジネスができ、それに加えてM&Aやファイナンス、SAPなど何か専門性を持っていれば、非常に欲しがられる人材といえるでしょう。
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今回は、コロナ下のいまコンサル業界への転職がチャンスとなっている理由、特にニーズの高い分野や人材についてご紹介しました。
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