コンサルタントは、顧客が抱える課題に取り組み、解決し、インパクトを創出していく仕事をするとても難易度が高い職種の1つです。
プロジェクトに取り組む際、主にチームはマネージャークラスとメンバークラスの大きく2種類のコンサルタントで構成されます。その中でも、やはりマネージャークラスのコンサルタントがプロジェクトに与える影響はとても大きく、重要な役割を担っています。
その役割を全うし成果を挙げるために、コンサルマネージャーに求められる資質とは何なのでしょうか。
今回の記事では、コンサルマネージャーに必要な主な資質について、実際にマネージャークラスで活躍されている方々の生の声なども参考に解説します。
【目次】
プロジェクトマネジメントスキル
マネージャーに求められるものとして、まず挙げられるのはプロジェクトマネジメントスキルです。これまでのメンバークラス時の働き方から大きくシフトする部分です。目の前にある自分のタスクを一生懸命こなして価値を作ることから、チームとして顧客に大きな価値を提供する役割へと変わります。求められる能力も変わってくることから、マネージャーに昇格後、ここでつまずく人も一定数存在します。
活躍を続けるために必要なプロジェクトマネジメントスキルは、いくつかの要素に分けられますので、代表例をご紹介します。
プロジェクト設計
まず求められるのが、実現可能なプロジェクトを設計するスキルです。プロジェクトの目的/ゴールを何とするか、その達成に向けて必要な成果物は何とするか、それらを作るスケジュールはどうするか等を顧客と綿密にすり合わせる必要があります。
プロジェクト提案/開始時に顧客から説明があるかもしれませんが、そのまま受け止めるのではなく、ゴールの理想像を具体化しながら両者が鮮明なイメージを共有できるまで議論することが大切です。
そのためには、こちらがうまく議論をファシリテーションし、顧客をコントロールする必要があります。チームメンバーに無理がかからない課題にすることも忘れてはなりません。
プロジェクト設計という観点において頭を働かせ、事前に考えを持った上で顧客とのすり合わせを行うことがとても大切な仕事です。
顧客の期待値コントロール
プロジェクト設計~デリバリーを含め、顧客がプロジェクトに対してどのような期待を持っているのか、その中でコンサルタントには何をしてほしいと思っているのか等を明確に把握する必要があります。
1つ大切なポイントとしては、顧客の期待に応えようと、何でも「できます、やります」と答えてはいけないということです。多少、保守的に見積りつつ、現実的なラインで調整する方がベター。そのラインから+αの成果を目指していくことが、リスクヘッジをしながらも最終的には大きな信頼を勝ち得ることに繋がります。
また、期待値をうまくコントロールするために、顧客が会議の場で発している言葉がすべて本当ではないことも理解すべきです。その場では、発言しにくいことがあるケースや、言語化がそもそもうまくできていないケースがあります。
会議後の雑談、休憩時、会食などを通じて距離を縮め、本音を把握することで、より深い関係性を構築でき、期待値の適切な把握とコントロールにつながるでしょう。
これらがうまくできるマネージャーのプロジェクトは燃えることが少なく、非常に仕事がしやすくなります。プロジェクトメンバーのためにも期待値コントロールは欠かせないものです。
タスクマネジメント
ここまでは顧客を中心とした内容について解説しましたが、次はチーム内についてです。各チームメンバーに適切なタスクを割振りできているか、各々が無理なくタスクを実行できているか、品質に問題はないか等も一貫して管理する必要があります。
上記いずれかに問題が生じれば、プロジェクトが炎上してしまう可能性が高まってしまいます。
仕事の量・質、メンバーの量(工数)・質をしっかり意識し、深く考えて差配することはメンバークラス時には必要性が低かったスキルであるため、マネージャーとなってより一層、大切さに気付くポイントでもあります。
相手目線に立ち、自分が担当するタスクでなくとも、作業イメージ・アウトプットイメージを具体化し、相手にわかってもらい完遂できるようにすることが必要です。
メンバーのモチベーション管理
タスクマネジメントの一環であるのかもしれませんが、仕事を進める上で、メンバーのモチベーションが常に高い状態であることはとても大切です。
よくありがちなミスとしては、正しいことを言っている/やっているとしても、メンバーに対して高圧的/冷徹になってしまい、メンバーがうまくパフォーマンスできない事態を招いてしまうこと。いくら正しい主張とはいえ、マネージャーが高圧的になっては、メンバーは人間としての感情が働くため反抗心を抱くものです。感情がポジティブでなければ、行動も能動的になってはくれません。
仕事に対してポジティブになれる環境を構築することもマネージャーの大切な仕事なのです。
提案・営業のスキル
マネージャーはプロジェクトマネジメントのみでなく、新たにプロジェクトを受注することもミッションとして設定されていることが多いです。年間の数字責任を明確に設定されるケースもあります。そのため、提案力・営業力についても磨くことが大切です。
マネージャーが行う提案・営業は大きく分けて2種類あります。
新規営業
1つは新規営業です。これまでに培った人脈等を活かして、アポを取得し、相手と議論し課題を見つけてプロジェクト化していきます。
ここでキーとなるのが人脈です。前職や過去のプロジェクトで関わった方々を中心にコミュニケーションを取ることが多くあります。
そのため、1つ1つの出会い・プロジェクトを大切に、自分を売り込んでいく必要があります。その時の信頼が後々にも大きく影響するため、プロジェクト終盤にもうすぐ現場から去ることがわかっていたとしても、信頼関係をないがしろにしてはいけません。ないがしろにしても、その場はストレスなく過ぎるかもしれませんが、それから先は何もつながりがなくなってしまいます。
マネージャー以前に、そもそもコンサルタントは自分自身が商品です。コンサルティング会社の看板を背負っているかもしれませんが、やはり個としての勝負が大きい点に特徴があります。「またあなたに依頼したい」と思ってもらえるようなプロジェクトデリバリーが仕事の受注につながります。新規営業であるため、行動力やコミュニケーション力が必要なことはもちろんですが、やはり日々のプロジェクトを大切にすることも非常に重要です。
現場拡大
もう1つは現場拡大です。現在進行中のプロジェクトの中で新たな課題を発見したり、新たなメンバーを追加したりしながら、売上拡大を目指します。日々のプロジェクトデリバリーの中で、現場を理解し、鋭い視点で課題分析・仮説構築を行い、提案していきます。
既に現場に入り込んでいることから新規営業よりも拡大しやすい傾向があります。
また、同じプロジェクトの顧客から別部署を紹介していただき、そちらへ現在のプロジェクトの実績等を説明して、広げていくこともあります。紹介という1つのプロセスが増えるために、1段ハードルは高まりますが、こちらも是非狙っていただきたいところです。
ここで求められるのも、新規営業同様にコンサルタントとしての信頼です。こちらでは、「あなたが新たなプロジェクトにも関与しマネジメントしてくれるのであれば是非お願いしたい」と、顧客から言われる状態を目指します。そのためにも日々のアウトプットで信頼を勝ち取っていく必要があります。
メンバー育成スキル
顧客やチームメンバーからの期待に応えることはもちろんですが、マネージャーは自社からの期待にも応えなければなりません。その1つは、プロジェクトをデリバリーする中でプロジェクトメンバーを育成することです。では、育成する際には何が大切になってくるのでしょうか。主なものをご紹介します。
目的・目標の設定
このプロジェクトを通して、何を得るか、そのために何を達成するかをプロジェクト開始時にメンバーと話し合い、すり合わせることをおすすめします。そうすることで、メンバーが頑張るモチベーションの源が具体化されるため、能動的になってくれることが多いです。このプロセスがないと、メンバーが自分自身で上記を行わないといけませんが、これは誰もができることではありません。また、共通認識を作ることによってメンバーにも安心感が生まれます。マネージャーが自ら最初にこの機会を作り、導いていくことをおすすめします。
先回り
前述のタスクマネジメントしかり、メンバーよりも1歩先を見て、プロジェクト全体をコントロールしていくことが求められます。目の前の課題に向き合い、頑張るメンバーに対して、その場しのぎの議論・レビューをしていると一貫性が生まれないことが多く、メンバーからも先行きやマネージャーのスキルを不安視されるようになってしまいます。
常に自らがプロジェクトの舵取りを担い、顧客・メンバーを共にコントロールしていくのだという姿勢が大切です。
適切なフィードバック
予め設定した目的・目標に照らして、現状の達成度合はどの程度か、軌道修正は必要か等を定期的にメンバーと確認します。頻度は人それぞれですが、月1回程度が適切であることが多いです。そうすることで、メンバーは自分のことを気にかけてくれているという安心感に加え、現状に合った目的・目標設定ができるため、モチベーションを維持し続けやすくなります。
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何が違う?コンサルで「マネージャー昇格後」も「継続的に活躍する人」の共通点
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/consul_difference
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マネージャーは、メンバー時代に比べて担う役割が増えると同時に、難易度もグンと上がります。ただ、それだけ周りに与える影響が大きくなるため、自分自身の振る舞い次第で成果は大きく変わってきます。必要な資質を理解し、身に着け、マネージャーとして活躍するにあたり、今回の記事が参考になりましたら幸いです。
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