マネジャー以上のコンサルが、フリーランスに「転身した際」に身につけるべきこと

副業や起業など多様な働き方が注目される昨今、コンサルティングファームでマネジャー以上として活躍されたのち、手腕を生かしてさらなる収入アップに向けてフリーランスのキャリアを選ばれる方もいらっしゃいます。

いきなり営業活動をするのは難しいかもしれませんが、ファーム時代の人脈を活かして依頼を受けるなどの工夫で、切れ目なく稼働することは可能です。またフリーランスコンサルタントを経て法人を設立された方は、「フリーランスはいきなり案件を獲得するにはハードルが高いが、エージェントを通して案件獲得できる」とおっしゃっています。

人脈やエージェントを活用しながら、マネジャーとしての経験やスキルを強みにすれば、フリーランスとして活躍することは可能なのです。一方で、ファームに属する社員の頃とは働き方が大きく異なる以上、転職後にキャッチアップが必要なことがあるのも事実です。

そこで今回は、実際にコンサルティングファームで活躍後、フリーランスに転身された方の声も参考に、マネジャー以上のコンサルタントがフリーランスに「転身した際」に身につけるべきことを紹介します。

【目次】

  1. 身につけるべきこと①案件ごとに異なる強みを発揮するスキル
  2. 身につけるべきこと②自分の単価の明示による業務効率化スキル
  3. コンサルからフリーランスへの転身に関するインタビュー

身につけるべきこと①案件ごとに異なる強みを発揮するスキル

フリーランスに転身した場合、それぞれ異なる特徴を持つクライアントの案件に関わることになります。一口に「マネジャー経験者」と言っても、任される業務が契約ごとに異なるのです。

マネジメント力・デリバリー力・営業力など、クライアント・案件によって重視されるスキルが変わってくるため、その都度異なる強みを発揮しなければなりません。プロジェクトへの関わり方1つ取っても、マネジャークラスの人材が一から計画書を作る場合もあれば、スタッフクラスの人が資料を作成してレビューと統括に徹する場合もあります。

マネジャー以上の人材の場合、具体的な案件内容としては、IT系の大きなプロジェクトの統括があるでしょうか。プロジェクトマネジャー(PM)としてプロジェクト全体をマネジメントし、納期に間に合うようスケジュールを管理し、各関係者との交渉・調整も担うことになります。

他にも、クライアントの課題解決に向けた、特定分野における戦略立案、業務改善に向けたアドバイスを担うケースもあるでしょう。マネジャーとしての高い戦略立案能力や提案力、場合によっては実行まで担うスキルを期待され、経営層とともに事業推進に参画するような案件です。

このように、フリーランスのコンサルタントとしてさまざまなクライアントに関わる場合、可能な限り幅広いスキルを身につけておくことはもちろん、転身後も常にスキルを磨き続けて、案件ごとに求められるスキルを的確に発揮することが重要です。クライアントからの評価が良く、趣向の異なるプロジェクトへのアサインを提案され時に、次の案件を獲得するためにもできる限りファーム在籍時に多様な案件や、多様な立場でプロジェクトを経験しておくことがおすすめです。

ただ、ご自身にとって得意・不得意な分野があることは否めないと思います。対策としては、ファーム在籍時に強みを明確にして力を最大限発揮できる案件を見定めることが必要でしょうか。一度強みを明確にするだけではなく、フリーランスに転身後もキャッチアップを続け、定期的に現在の強みを明確化します。こうして継続的にキャリアの志向性を棚卸しすることで、スキルに合わない案件を受注し、失敗して信頼を失うという事態を避けられるでしょう。

身につけるべきこと②自分の単価の明示による業務効率化スキル

ご自身にふさわしい単価を根拠とともに明示できるようにしましょう。「このスキル・業務において、自分の単価は〇〇円」と早期に示すことで、結果的に業務効率化につながります。

クライアントから「何をいくらで」とあらかじめ指定されるケースもあるものの、クライアントで決めかねているケースも存在します。この場合、初回の商談で条件を決めていく方もいらっしゃるかもしれませんが、商談前に「自分にはこれができる。週〇時間の稼働で、単価は〇〇円で請け負っている」と示しておくのがおすすめです。

「基本的にこの単価ですが、調整は可能です」という態度よりも、複数のパターンを用意して「この中であれば、いずれを希望されますか」と選択権を委ねることで、スムーズに双方の合意につながるようです。選択肢を絞って、そこから選んでもらうという「自分自身のメニュー化」によって、ご自身の希望が楽に伝達できるとともに、相手も簡単に選択しやすいと言えます。

そもそもご自身にふさわしい単価を決めかねているという方もいらっしゃるかもしれません。その場合はアルムナイを活用し、独立後に成果を出している先輩などから、相場を聞いてみるのがいいでしょう。ご自身のスキル・経験に近いフリーランスコンサルタントの単価を把握すれば、適正な価格を提示できるだけでなく、今後のキャリアアップに向けて現在の市場価値を確認できます。現時点で適正な価格を初回面談に先んじて提示できれば、スムーズな契約締結と稼働開始につながり、業務効率化を実現できるでしょう。

注意点としては、ファーム在籍時のチャージ額と、フリーランスとして直接アサインした場合の単価は異なることです。ファーム在籍時と同様の水準で計算すると、ご自身の価値を低く見積もりすぎる可能性もあるため、対応可能な業務範囲とスキルを掛け合わせて、適正な価格を算出してみてください。

ただし、最初から単価を釣り上げすぎないことも大切です。最初に高額な見積もりをしてしまうと、現在のスキル・経験以上の業務を任されて、期待値以上の価値を出せず、クライアントに不満を抱かれてしまうかもしれません。もし最初の評価が低かった場合、契約更新を打ち切られるリスクがあります。

長期的に継続してもらう前提であれば、初回はむしろ相場より低い単価を提示して、求められているもの以上のパフォーマンスを発揮し、クライアントの期待を上回ることが有効という場合もあるでしょう。その後、更新の希望が入った場合は、初回より高い金額を提示して、徐々に単価を上げていくのが、長期契約のコツかもしれません。

なおマネジャー経験者の場合、メンバーの管理やプロジェクト全体の統括を求められる案件が多く、単価は最初から高めに設定される可能性があります。
たとえば、新規事業構築のための体制整備支援案件(https://www.free-consul.biz/news/600010)では、マネジャー以上のポジションで月単価180万円。提案活動を含むプロジェクトマネジメント支援案件(https://www.free-consul.biz/news/549305)では、月単価200~250万円であり、たとえ稼働率が半分程度でもファーム在籍時と同じくらいの報酬を受け取れるケースもあるでしょう。フリーランスになるとつい単価を気にしてしまいやすいですが、マネジャー以上の方であれば目先の単価を気にするよりも、いかに短い時間で高いパフォーマンスを発揮し、長期契約に結びつけるかを意識する方が大切だとも言えそうです。

コンサルからフリーランスへの転身に関するインタビュー

【転職・独立事例】大手コンサルティングファームからスタートアップに参画後、兼業でフリーランスコンサルタント、そして独立のうえ法人設立へ。
これまでのキャリアチェンジの背景や意思決定のリアルに迫る
https://www.axc.ne.jp/media/career-change-case/lanceconsulting

大手日系ファームの執行役員プリンシパルから独立、ベンチャーファームを設立へ。独立に至った心境の変化や、起業準備の裏側に迫る【キャリアインタビュー】
https://www.axc.ne.jp/media/career-change-case/executivetoestablish

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冒頭で紹介したフリーランスコンサルタントを経て法人を設立された方は、フリーランスの魅力について「選択権があること」とおっしゃっています。

「選択権があることは大きいと思います。フリーランスコンサルタントの場合、案件の内容や業務量などは一定程度、自分の意思で選べます。また、自分のパフォーマンスに応じて収入を上げられるので、それがモチベーションにもなりますね。
業務では、コンサルティングファームにいるよりも生々しい経験ができるところが魅力だと思います。実際に事業会社の一員となってクライアント企業と交渉したり、時には社内政治を調整したりもします。これはコンサルティングファームの社員としてではなく、フリーランスコンサルタントとして企業の中に入り業務に従事することで得られる特権の1つだと思いますね」

案件の内容や業務量を、ある程度の規定はあるにせよ、多くの部分においてご自身の意思で選ぶことが可能です。高いパフォーマンスを発揮すれば、その分、収入を上げることもできる働き方と言えます。

フリーランスコンサルタントは、マネジャー経験者にとって、ご自身の高い実力を活かしクライアント事業の深みにまで入り込み、高い報酬を期待できる魅力的な働き方です。

今回の記事では、コンサルタントのマネジャー以上がフリーランスに転身後に身につけるべきスキルについてお伝えしました。キャリアでお悩みの方は、ぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。

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