マネージャー以上のコンサルが、ITベンダーへ転職するために身につけるべきこと

コンサルティング業界でマネージャー以上までプロモーション後、
「IT関連プロジェクトでクライアント支援や提案活動を続けている。このままコンサルファームでプロモーションしていくために、デリバリーとの両立を図りながらSalesの高いレベルのKPIが求められるのであれば、コンサルファームでの経験を直接的なビジネス成果につなげたい。そのために、外資系ITベンダーのアカウントエグゼクティブ(以降AE)のような営業職へチャレンジしてみたい」という方が一定数いらっしゃいます。

その中で「以下のような悩みがある」とご相談いただくケースがあります。

・AEとしての実務経験はないが、コンサルティング業界においてクライアントへの提案活動は実施して一定の実績を積んできており、AEとしてもやっていける自信はある。コンサルティング会社における営業経験だけで採用される可能性はあるのか。
・IT業界(ソフトウェアやハードウェア)における営業経験は必須ではないのか。
・営業経験と一口にいっても様々な営業スタイルがあると思うが、コンサルティングファームで培ったスキルや経験・経歴の中で、外資系ITベンダーで求められているものと合致するものはあるのか。
・コンサルティングファーム時代での営業実績はどの程度あることが望ましいのか、求められるのか。

今回の記事では、上記のようなコンサルティング業界(特にマネージャー以上)から外資系ITベンダーへ転職を検討されている方に向けて、転職するために必要となるスキル・経歴について紹介・解説していきます。

【目次】

  1. 身につけるべきこと①コンサルティング営業経験
  2. 身につけるべきこと②クライアントリレーション構築スキル
  3. 身につけるべきこと③リーダーシップとマネジメントスキル
  4. 身につけるべきこと④日常レベルの英会話スキル
  5. 身につけるべきこと⑤業界知見
  6. 身につけるべきこと⑥テクノロジーへの理解(自社/競合製品・ソリューション知識・経験)

身につけるべきこと①コンサルティング営業経験

AE職となるため当然ですがセールス経験は必須となります。本来IT業界でのセールス経験が必須となるケースが多いですが、コンサルティングファームにおけるセールス経験とスキルがあれば、代替可能となるケースもあるようです。
コンサルティングファームでは、マネージャー以上になると評価基準にセールスが大きく影響します。そこで培ったコンサルティング営業経験、具体的には自チームが持つコンサルティングのオファリングや、あまり多くはないかもしれませんが、自社のデジタルプロダクト・ソリューションのセールスに関し、クロスセル、アップセルの機会を見出し、受注に導いた経験はAE職でも大きく役立つ経験・スキルであると同時に、必須で求められるものとなるでしょう。明確に営業の実績として数字を持っておられる場合も、数億程度の実績は必要となってくるでしょうか。

身につけるべきこと②クライアントリレーション構築スキル

コンサルティングファームのマネージャー以上の方なら多くは強固なクライアントリレーションを構築していると思いますが、転職の際にクライアントとのリレーションシップ構築スキルは必ずといっても良いほど求められると言えるのではないでしょうか。転職後、コンサルティングファーム時代のリレーションを活かして旧知のクライアント担当者を訪問することができれば、即戦力としてセールスの実績を上げていくことができると期待されるためです。

転職先を選定する際には、上記観点も踏まえて、リレーションの深いクライアントへ提案しやすいITソリューションを扱っているITベンダーかどうか考慮すると、転職後スムーズに業務を行うことができるようになるのではないでしょうか。例えば、当該クライアントのITインフラにはGoogle Cloudがメインで採用されているのにもかかわらず、AWSに転職してしまうと中々セールスとして参入しづらい等一定のやりづらさも発生しえます。ただし、視点を変えれば逆に大きい成果をあげるチャンスになる可能性があると捉えることもできますので、フィージビリティ等も踏まえて十分に検討することが必要となるでしょう。

身につけるべきこと③リーダーシップとマネジメントスキル

コンサルティングファームのマネージャー以上においては自社メンバーだけでなく、クライアントのマネジメント層を巻き込んでプロジェクトを推進していく強いリーダーシップとチームマネジメント能力が求められます。ITベンダーのAEにおいても同様に、CxOレベルでの視座を持ち、ビジネス上の戦略やソリューションの立案・提案を行い、目標達成のためにジュニアスタッフやチームをリードしていくスキルも非常に重要となってくるため、必須となるスキルの1つと言えるでしょう。

なおカントリーマネージャーまで目指すのであれば、コンサルマネージャー時代には意識しなかったかもしれない「高いポジションの目線」も必要です。極端に言えば、「企業の経営やマネジメントに関するあらゆることを担当する」のがカントリーマネージャーですので、経営者に近い目線を持ち、自分ごととして人事・マーケティングなどの知識を習得することは、アカウントエグゼクティブ時代に行っておくとよいでしょうか。まとめると、CxOレベルへのアプローチの経験はもちろん、自身がCxOに近い視座を持つことが大切と言えます。

参考記事:【経験者に訊く】カントリーマネージャーへのキャリアに関する「よくある質問」と回答例

https://www.axc.ne.jp/media/careertips/countrymanager

身につけるべきこと④日常レベルの英会話スキル

クライアントのカウンターパートが外国人で英語でのコミュニケーションが必須で求められるというケースはあまりなく、対クライアントという観点においては日本語でのコミュニケーションができれば問題ない可能性が高いです。一方で、外資系ITベンダーのAEとして仕事を行う場合、クライアントの要件に対応するため、社内のグローバルサポートチームやプロフェッショナルサービスのメンバーと議論を行う場に参加するケースがあったり、職位が上がるほど英語でのコミュニケーションをスタンダードとする上司を持ったりする可能性が非常に高くなります。そのためビジネスレベルまでとはいかずとも、日常会話レベルでの英語スキルは必須で求められるでしょう。

身につけるべきこと⑤業界知見

コンサルティングファームでの業界に特化したプロジェクトのリード経験があるとなお良いと言えるでしょう。例えば、金融、製造業ではそれぞれ以下のような独自のビジネスプロセス、規制環境、課題等を持っており、業界に関する深い知識は、クライアントの特定の課題を理解して、最適なソリューションを提案できるようにするために不可欠となるためです。また、クライアントとのリレーション構築にも大きく寄与すると言えるのではないでしょうか。

<具体例>
金融業界:最も厳しく規制されている業界の1つであり、法規制やコンプライアンス、セキュリティの課題を理解することが重要となります。また、DXやリスク管理、カスタマーエクスペリエンスの向上等、金融業界固有の課題に関する理解が求められるでしょう。

製造業界:グローバルサプライチェーンの管理が必要となることが多く、効率化やコスト削減が大きな課題となっています。また、環境への影響を考慮した製造プロセスや生産プロセスを最適化するスマートファクトリーの導入など、プロセスのDXに貢献できるソリューションの知識も重要となってくるでしょう。

身につけるべきこと⑥テクノロジーへの理解(自社/競合製品・ソリューション知識・経験)

入社時点では必須とは言いませんが、即戦力として活躍するために持っていた方がいいスキルとしては自社/競合製品・ソリューション知識が挙げられるでしょう。コンサルティングファームでは、クライアントサイドに立ち、RFP(提案依頼書)を作成し、ITベンダーやソリューションを選定する支援をする機会もあり、一定のレベルでは必要だったかと思います。AEとして成功していくには、他社との差別化ポイント等も含めて、顧客のニーズに対する適切なソリューションを提案し、製品の価値を正確に伝えるための深い知識が必要となっていきます。

そのため、ゆくゆくは必須となっていくスキルの一つと言えるでしょう。また、クライアントサイドおよび提案サイド両方の立場を経験した上で提案することができる点は大きなアドバンテージになると思いますので、もし入社時点で製品知識が乏しい場合は早急にキャッチアップしていく必要があるでしょう。

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>ITベンダーへのキャリアに関する記事

ITベンダーに転職するコンサルタントのマネージャーやシニアマネージャーが増えている理由と、 転職で有利に働くスキル
https://www.axc.ne.jp/column/itvendormsm

外資系ITベンダーへの転職時に押さえておきたい7つのこと
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/foreignitvendor_sevenpoints

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外資系ITベンダーのAE職は、セールスの実績やマネジメント経験が必須で求められることがお分かりいただけたかと思います。

キャリアチェンジとなる転職には、多くの新しい挑戦を伴いますが、これまで培ったハイレベルなスキル・知見を活かし、新しい役割で大きな成功を収めるチャンスとも言えます。クライアントとのリレーションやスキルも活かしつつ、クライアントのビジネス成長をAEとして支援していくことは大変やりがいがあり、面白い仕事だと思いませんか?  この記事をきっかけにAEという職種にも興味をもっていただければ幸いです。

今回の記事では、マネージャー以上のコンサルが、ITベンダーへ転職するために身につけるべきスキルについてお伝えしました。キャリアでお悩みの方は、ぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。


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