【マネージャー以上向け】ポストコンサル「転職前」に身につけるスキル・経験<まとめ>

「30歳になる節目の年に事業会社へ転職したい」「マネジャー以上になって以来、キャリアが頭打ちになったように感じる」などの理由で、ポストコンサルへのキャリアを考えるコンサルタントの方は多くいらっしゃいます。
そういった背景から、「ポストコンサル転職前に身につけるべきこと」について複数回お伝えしてきました。

マネジャー以上のコンサルが、経営企画への「転職前」に身につけておくべきこと
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/consul_manager_corpolateplanning_before

マネジャー以上のコンサルが、ベンチャー・スタートアップに「転職前」に身につけておくべきこと
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/consul_manager_startup

コンサルマネジャーからスタートアップ・ベンチャーへの転職で活かせるスキル<創業期、成長期、安定期、メガベンチャー>
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/consul_manager_startup_phase

マネジャー以上のコンサルが、DX推進部門に「転職前」に身につけておくべきこと
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/consultant_manager_dx_before

そこで今回は、実際にコンサルティングファームのマネジャーから、事業会社に転職された方の声なども参考に、事業会社でどのような部門に就いても共通する「ポストコンサル転職前に身につけるべきスキル・経験」についてご紹介します。

【目次】

  1. 身につけるべきこと①経営リテラシーを武器に「実際に成果を出す」スキル
  2. 身につけるべきこと②利益を意識してROIを共通言語としながら行動するスキル
  3. 身につけるべきこと③中長期的な視野での人材育成や制度の立ち上げ経験
  4. ポストコンサル転職に成功された方々のキャリアに関するインタビュー

身につけるべきこと①経営リテラシーを武器に「実際に成果を出す」スキル

事業会社では、単にプロジェクトの遂行をサポートするだけにとどまらず、経営層と目線を合わせて動くため、経営リテラシーを持つことが重要です。コンサルタントの方々は、クライアントの経営課題を解決するため、営業活動・組織マネジメント・マーケティングなど、さまざまな知見を身につけてこられたかと思います。特にマネジャー以上のご人材であれば、経営層との折衝経験が多く、すでに高い経営リテラシーが身についているかもしれません。

加えて、その経営リテラシーを武器に、「実際に」成果を出した経験があれば、転職活動で有利になる可能性があります。事業会社では第三者ではなく、社内の一員として実行面を含め事業推進に深く携わることになるため、単に提案した経験だけでなく、実行経験まであると有利であるためです。

ファーム在籍時から、経営者目線で実行から実行後までプロジェクトに携わってきたかが、転職活動で成功するかの分かれ道になりそうです。実行した上で、実際に高い成果を創出した経験があれば、最も理想的と言えます。ただ、なかなか外部コンサルタントの立場で、実行後の効果測定のフェーズまで携われなかったという方もいらっしゃるでしょう。その場合も、「いかに経営者目線で、現場の実行部隊にも気を配りながら提案できたか」をアピールできれば有利と思います。日本学術会議が述べているように、現場で「働く人々がどのような仕組みの中で行動し、いかに組織をうまく運営」するかを理解できていない社会人は少なくないことが推測できます。(引用:『経営リテラシーの定着に向けて】日本学術会議経営学委員会 経営リテラシー分科会, 2008, p.2)
だからこそ経営リテラシーを積極的に身につけようと意識しながら、普段のプロジェクトに携わるだけでも、経営者と現場の両方に意識を向けられる人材として、ご自身の希少価値を高められるのではないでしょうか。

戦略策定やM&Aのデューデリジェンスの経験は、ファーム時代からそのまま活かせても、実行後の分析・対応や成果報酬型のコンサル経験は、なかなか積みにくいのが現実です。戦略コンサルティングファームでハンズオン経験が豊富にある場合はキャッチアップしやすいですが、そうでない場合は、意識面だけでも経営リテラシーを鍛えておくことが差別化につながるでしょうか。

なお転職ハードルは高いですが、PEファンドで投資実行支援まで手掛けるチームに入り、リターンの出し方から分配方法まで把握して、経営リテラシーを磨き上げるという手もあります。

参考:フロンティア・マネジメント株式会社 経営執行支援部門 インタビュー/クライアントのCxO・経営陣として経営改革を行う同チームのビジネスモデルと、強みに迫る
https://www.axc.ne.jp/media/companyinterview/frontier-mgmt

身につけるべきこと②利益を意識してROIを共通言語としながら行動するスキル

コンサルティングファームは「イシューを説くこと」にフォーカスするため、経営面を意識する機会が少ないという声があります。いくらコンサルタントが戦略を提案したとしても、予算を確認してプランを実行するのがクライアントという構造が成り立っているのが実情です。成果報酬モデルのファームでない限りは、なかなか収益を優先的に追求する機会には恵まれにくいと言えます。

しかし事業会社では、事業の成長に向けてエコノミクスを回すために、利益に対する感度が高くなければなりません。大手企業ではそこまで求められなくても、予算が限られているスタートアップ・ベンチャーでは、特に経営層と同じ水準の感覚でお金を動かすことが求められます。

利益を意識し、お金に対する意識を持つことは、決してシビアになることにはつながらず、むしろポジティブに働くことにつながり得ます。コンサルティングファームのマネジャーを経験後、スタートアップに転職された方によると、転職後は「成果が出た時」や、会社が「目標とする未来に向けて着実に進んでいることを感じる時」にうれしさを感じるようになったそうです。

コンサルタント時代は「自身に対する評価」「自分自身の成長」に意識が向きやすい方もいらっしゃいます。しかし事業会社に入ると、企業ごとのミッションに近づいたと感じる瞬間が、大きなモチベーションになりやすいのです。「自身の成長」にこだわる内向きな意識が、「企業の成長」を目指す外向きな意識に変化して、企業全体の成長に喜びを感じることで、ポジティブに働きやすくなるでしょう。

いきなり利益に意識を向けるのが難しい場合は、まずROIから意識してみるのがおすすめです。特にベンチャー・スタートアップでは、限られた予算内であらゆる課題に対処しなければなりませんが、すべての課題に同じ予算・工数は掛けられません。どの課題にどれだけの予算・工数を掛けるかについて、ROIを共通言語にして考えれば、タスクの優先順位をつけることで予算オーバーを防げます。掛かる工数を抑えられればプライベートの時間の確保にもつながるでしょう。

身につけるべきこと③中長期的な視野での人材育成や制度の立ち上げ経験

短期的なプロジェクトに携わった経験が多いコンサルタントの方も、事業会社では中長期的な視野を持ちながら、人材育成や制度の立ち上げに携わる必要があります。事業会社では、コンサルティングファームのように、単体のプロジェクトごとにスコープが決められるわけではありません。中長期、もしくは明確な期限がないプロジェクトにおいて、さまざまなバックグラウンドの社員をまとめて育成し、1つの目標に向かわせるためのプランを策定することが求められます。

コンサルマネジャーから事業企画に転職された方は、「単発ではなく中長期視点で、メンバーが最もモチベーションを高く持って、パフォーマンスを発揮できる環境」の整備を最重要視されていました。

メンバーごとにバックグラウンドが異なるため、強みとするスキルや今後のキャリアビジョンも当然異なります。コンサルティングファームのマネジャー以上の方であれば、メンバーをまとめるポジションに就くことが想定されるため、全員の強みとキャリアビジョンを把握して、それをどう伸ばせるか意識しながらアサインしていくことが求められるでしょう。

ポイントとしては、KGI・KPIをいきなり達成しようとするのではなく、KDIも取り入れながら、細分化したタスクをこなして長期的に目標を達成していくことが挙げられます。さらに、各メンバーがどうKDIに取り組んだか把握して評価基準にすることが、事業会社で適切に人材を評価してマネジメントすることにつながりそうです。

中長期的な視点でメンバーを適切にマネジメントしつつ、目標達成に必要な制度を整えていくことの重要性は、ファームで単発の案件にアサインされることの多い方も、日頃から意識しておきたい点と言えます。

ポストコンサル転職に成功された方々のキャリアに関するインタビュー

弊社では過去にポストコンサル転職された方々のインタビューを行ってきました。ぜひご自身のキャリアの参考にしてみてください。

株式会社JMDC インタビュー/医療ビッグデータを武器にヘルスケア領域の「誰も解いたことがない」問いに挑む
https://www.axc.ne.jp/media/companyinterview/jmdc

株式会社グッドパッチ インタビュー/コンサル・広告代理店出身者がリード、「デザインの力」で企業変革を起こすStudio Q
https://www.axc.ne.jp/media/companyinterview/goodpatch-studioq

株式会社JDSC 物流ユニット インタビュー/業界全体を最適化するプラットフォーム作りに力を注ぐ
https://www.axc.ne.jp/media/companyinterview/jdsc_logistics

ファストドクター株式会社 代表取締役 水野敬志様インタビュー/コンサル出身CEOが目指す「新しい医療インフラ」の姿と、事業の魅力に迫る
https://www.axc.ne.jp/media/companyinterview/fastdoctor

Ubie株式会社 ポストコンサルメンバー鼎談/元大手ファーム・マネジャーが考える”成長初期”ヘルステックスタートアップの面白さ
https://www.axc.ne.jp/media/companyinterview/ubie

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顧客ニーズを適切にくみ取り、提案する能力にたけたコンサルタントは、営業活動や事業推進など、事業会社で強みを発揮できるシーンが多くあります。当然、コンサルティングファームとは風土の異なる事業会社では、これまでの武器が通用しないシーンもあります。たとえばロジカルシンキングが武器だった方は、事業会社では時にロジカルでない意見も尊重し、自身の力不足を認める自責思考が重要です。

外資戦略系コンサルティングファームを経て事業会社に転職された方は、ポストコンサル転職をした自社メンバーで「キャッチアップが難しく挫折した人」は見たことがないとおっしゃっています。キャッチアップに不安を抱えている場合も、周囲のメンバーに相談しながら謙虚にアンラーンすることで、これまでの強みと新たなスキルを活かして活躍することが可能です。社内の仲間はもちろん、ファーム時代以上に多様なカウンターパートに対するリスペクトを忘れずに行動すれば、周囲の協力を得ながらスムーズにキャッチアップし、早期の活躍につながるでしょう。

今回の記事では、ポストコンサル転職前に身につけるべきスキル・経験についてお伝えしました。キャリアでお悩みの方は、ぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。


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