【マネージャー以上向け】ポストコンサル「転職後」にキャッチアップが必要なこと【まとめ】

コンサルティングファームと事業会社では、組織体制やミッションはもちろん、業務内容や求められるスキルも大きく異なります。ファーム時代にマネジャー以上だった方でさえ、事業会社に転職後は、必要なスキルのキャッチアップを難しく感じる可能性があるのが実情です。
コンサルティングファームで高いパフォーマンスを発揮していた方でも、事業会社の文化・風土に適応できないと、実力に見合った評価を得られません。ポストコンサル転職後に後悔してしまう事態は避けたいところです。

そういった背景から、今まで「ポストコンサル転職後に身につけるべきこと」やよくある転職後の「失敗事例」について複数回お伝えしてきました。

マネジャー以上のコンサルが、DX推進部門に転職した際に身につけるべきこと
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/consultant_manager_dx

マネジャー以上のコンサルが、経営企画に転職した際に身につけるべきこと
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/consul_manager_corpolateplanning

マネジャー以上のコンサルが、事業企画に転職した際に身につけるべきこと
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/consul_manager_bizdev

マネジャー以上のコンサルが、ベンチャー・スタートアップに転職した際に身につけるべきこと
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/consul_manager_startup_skills

【コンサル「マネジャー以上」向け】経営企画転職におけるよくある「失敗」の理由
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/consul_manager_corpolateplanning_failure

【コンサル「マネジャー以上」向け】事業企画転職におけるよくある「失敗」の理由
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/consul_manager_bizdev_failure

【コンサル「マネジャー以上」向け】スタートアップ転職におけるよくある「失敗」の理由
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/consul_manager_startup_failure

そこで今回は、実際にポストコンサル転職を経験された方の声も参考に、事業会社でどのような部門に就いても共通する「ポストコンサル転職後にキャッチアップが必要なこと」を紹介します。

【目次】

  1. 身につけるべきこと①ビジネスパートナーを開拓して交渉する能力
  2. 身につけるべきこと②リスクや予算を意識しつつ悪戦苦闘しながら事業を推進する忍耐力
  3. 身につけるべきこと③柔軟に「事業会社なりのロジック」に適応する能力
  4. ポストコンサル転職に成功された方々のキャリアに関するインタビュー

身につけるべきこと①ビジネスパートナーを開拓して交渉する能力

ご存じの通り、事業会社では、自社の事業を推進する上で、ビジネスパートナーとなる存在が重要となります。コンサルタントは高い提案力や交渉力が評価されやすいため、事業会社に転職後も、ビジネスパートナーと折衝する任務を請け負う可能性があります。ビジネスパートナーになり得る適切な存在を開拓し、自分たちが不利にならないよう交渉しながら、契約に結び付けていくことが求められるようです。

コンサルタント時代に顧客ヒアリングや課題の改善策の提案などを行っていたとしても、それはあくまで「クライアントのサポート役の立場から」だったケースが多いでしょうか。事業会社では「自身が経営層と同様の目線で」、自社事業の成長に向け“サポートする”のではなく、“全力を出す”必要があると言えます。そのためには、事業責任を持つ立場から、深い信頼関係を構築できるビジネスパートナーを見つける意識で、社内外とのコミュニケーションを取ることが重要です。

営業担当と同様に事業の魅力をアピールして、パートナー・サポーターを増やす能力が求められるでしょうか。社外のビジネスパートナーのみならず、また社内のメンバーにも事業の魅力・メリットを広められれば、幅広い層の協力者が得られます。常に当事者意識を持って、より多くの人材を巻き込み、事業を推進する能力とマインドが求められると言えます。特にビジネスパートナーになり得る企業の経営層を納得させられるプレゼン能力があれば、多くの人を巻き込む上で有利でしょうか。

このように、自社を支えてくれる存在を発掘し、開拓・交渉していくスキルは、事業を魅力的にPRして市場での差別化を図る上でも重要です。

身につけるべきこと②リスクや予算を意識しつつ悪戦苦闘しながら事業を推進する忍耐力

事業会社ではプロジェクト推進チームの一員として、実際に手を動かし、悪戦苦闘しながら事業を推進するスキルが求められます。提案までは得意だったコンサルタントの方でも、実際に意思決定しながら事業を推進することは不慣れ・苦手である可能性があります。実際に事業会社に転職されたコンサルタントの方も、事業会社のプロジェクトでは「最終的な意思決定を担うことに難しさを感じた」とおっしゃっていました。

もちろん多くの方は、コンサルティングファームにおいて、クライアントのサポート役として親身に寄り添いながら、軸となる意志を持って提案されてきたかと思います。しかし実際にその意思を反映するか最終判断をするのは、クライアントだったはずです。

マネジャー以上の立場だったご人材であっても、立案した戦略を自ら事業に活かしていく過程を担うのは、初めてという場合があるかもしれません。事業フェーズや状況によっては、リスクや予算を意識しながら、難易度の高いかじ取りを求められる可能性があります。

優秀なコンサルタントの方は事業会社で「事業責任者」「意思決定者」の立場に就任することを期待されるでしょう。つまり、事業会社では自ら必死に事業を推進して、当事者の中でもトップに立つ責任を意識しながら、企業の成長に向けてプロジェクトを進めていく忍耐力が求められると言えます。

身につけるべきこと③柔軟に「事業会社なりのロジック」に適応する能力

コンサルタントはロジカルに考える能力が高い一方、柔軟性に欠けるという弱点を持つケースが想定できます。特に初期フェーズのベンチャー・スタートアップでは、事業を取り巻く状況が常に変動するので、ロジックだけでは対処しきれません。トラブルやハプニングには柔軟に対応し、自身の思考をも柔軟に変化させる適応力が求められます。

同業他社と差別化をする上でも、合理的に思い浮かぶ戦略は、他社も思いついているはずです。他社と同じか、それ以下の戦略しか思いつかないという事態を避けるために、柔軟に思考を巡らせて、時には「ロジカルに思えない」斬新な発想も尊重する必要があるでしょう。また理詰めで作った計画書は、経営層を納得させられても、現場社員からの反発を招くケースが多いです。経営層の意向と現場の実態をいずれも把握して、実行可能なアイデアを思いつくためにも、ブレーンストーミングの機会を増やすなどして、柔軟な思考を鍛えるのが有効でしょうか。

大企業でも、新規プロジェクトを担当する場合、業務自体が不確定というケースが想定でき、対応の際には柔軟性が求められます。柔軟な発想でミッションを捉え、そもそもミッション自体に無理がないか、ミッションを達成するために必要な業務は何かなど、社内のメンバーと話し合いながら決めていかなければなりません。このように行動することは、コンサルタントが慣れているであろう成果主義的な評価体系ではなく、ミッションベースでの行動を評価される事業会社の評価制度に適応していくことにつながります。

解説の通り、事業会社の業務内容や評価基準は、コンサルティングファームのそれとは大きく異なります。意思決定時にロジックが重視されていたコンサルティングファームでの思考に執着していては、思うように力を発揮できず、正当に評価してもらえないかもしれません。事業会社のロジックがロジックには思えないとしても、「その会社なりのロジック」として受け入れ、臨機応変に適応していく能力は、転職後に地道に鍛えていく必要があるでしょう。

ポストコンサル転職に成功された方々のキャリアに関するインタビュー

弊社では過去にポストコンサル転職された方々のインタビューを行ってきました。ぜひご自身のキャリアの参考にしてみてください。

株式会社JMDC インタビュー/医療ビッグデータを武器にヘルスケア領域の「誰も解いたことがない」問いに挑む
https://www.axc.ne.jp/media/companyinterview/jmdc

株式会社グッドパッチ インタビュー/コンサル・広告代理店出身者がリード、「デザインの力」で企業変革を起こすStudio Q
https://www.axc.ne.jp/media/companyinterview/goodpatch-studioq

株式会社JDSC 物流ユニット インタビュー/業界全体を最適化するプラットフォーム作りに力を注ぐ
https://www.axc.ne.jp/media/companyinterview/jdsc_logistics

ファストドクター株式会社 代表取締役 水野敬志様インタビュー/コンサル出身CEOが目指す「新しい医療インフラ」の姿と、事業の魅力に迫る
https://www.axc.ne.jp/media/companyinterview/fastdoctor

Ubie株式会社 ポストコンサルメンバー鼎談/元大手ファーム・マネジャーが考える”成長初期”ヘルステックスタートアップの面白さ
https://www.axc.ne.jp/media/companyinterview/ubie

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コンサルティングファームから事業会社に転職後は、なかなか組織文化に適応できず、一定以上の苦労をされる可能性があります。一方で、企業によってはコンサル出身者が力を発揮できるよう、手厚くサポートしてくれるケースも存在します。

外資戦略系のコンサルティングファームを経て、事業会社に転職された方によると、転職先の企業で「キャッチアップが難しすぎて挫折」というケースを見たことがないそうです。社員の方々が優しいため、業務について「初めてです」と一言伝えれば、詳細を教えてくれると言います。完全に頼りきる姿勢では信頼してもらえませんが、主体的に動きつつ、不明点や不慣れな業務は、謙虚にアンラーンする姿勢で質問することで、周囲からサポートを得ながらコンサルティングファームの業務との溝を埋めていけるのではないでしょうか。

事業推進者・責任者の立場になる場合、ビジネスパートナーとの信頼関係を築くため、相手のニーズを引き出して、それを満たせる提案をすることが求められます。この点は、コンサル時代と似た動きが生かせるため、スキルを横移動させやすいと思われます。コンサルタントのスキルを活かして活躍できるシーンは多いはずですので、キャッチアップすべき点は補いつつ、ぜひ事業会社での輝かしいキャリアを目指していただければ幸いです。

今回の記事では、ポストコンサル転職後にキャッチアップが必要なスキル・経験についてお伝えしました。キャリアでお悩みの方は、ぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。


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