【コンサル「マネジャー以上」向け】スタートアップ転職におけるよくある「失敗」の理由

コンサルティングファームでマネジメント職を経験された方から、スタートアップ・ベンチャーに興味があるのだが、環境が大きく異なるため事前に対策しておきたいとご相談をいただくことがあります。
ご存じの通り、とにかく変化が激しいのがスタートアップ・ベンチャー。成長や市場環境の変化に伴い、想像以上にあらゆることが起こりうるのが事実ですが、前もって対策したことやユースケースが入社後意外と役に立つこともあります。
そこで、今回の記事では、スタートアップ・ベンチャーに転職しようとするコンサルタント向けに、コンサルティングファームを経験後、スタートアップ・ベンチャーに転職された方々の声なども踏まえ、スタートアップ・ベンチャーに転職におけるよくある失敗の理由について簡単にお伝えします。スタートアップ・ベンチャーといえども状況は各社で異なりますので、あくまでも一例としてご覧ください。
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よくある失敗理由①早期にバリューを出せない
コンサルマネジャーからのスタートアップ転職は、年収も比較的高く、ポジションも少ないところにジョインするため、社外・社内からの期待値も高く、短期的な結果やバリューを出して社内外にアピールする必要があるというのはよくある話です。CxOや、役員での入社ともなるとその期待値はより高くなります。
事業会社とコンサルティングファームという大きく異なった環境ではありますが、自分が「役立つ人材である」と早期に証明できなければ、その後も支援を仰げず、退職の一因となってしまうようです。
対策としては、事前に課題を把握しておく・期待値に応えておくことでしょうか。入社前からエージェントや内部にいる知人から課題を収集したり、業務委託的に週数日程度その企業で働き、短期的にバリューを出しやすい領域でワークしたりするなど、信頼が高まった状態を事前に作ることも一策だと言えます。
よくある失敗理由②最初の課題設定でしかバリューの発揮ができない
また、最初の課題整理が一番バリューが高く、それ以降はバリューが漸減するというケースもよくあるようです。
スタートアップからコンサルタントに期待されるスキルとして、市場調査や、課題整理などがありますが、特に成長段階の企業ほど、毎週のように状況や課題が変わる、ということも起こりえます。今までのナレッジやスキルで最初にバリューを発揮するものの、サジェストするだけで実行が伴わなかったり、解決済みの課題について延々と話してしまったりしたことで、次第に居場所がなくなっていくということも考えられます。
特にマネジャー以上で入社する場合、多様な業界ナレッジに基づいた市場把握や、課題整理が自然とできるため、気づかずにこの状態に陥っていたというケースも考えられます。今までコンサルで得てきたナレッジだけでなく、新しい情報を常に集めて、毎回提言し、それを実行し続けることが求められます。
よくある失敗理由③合理的なアイデアに固執してしまう
合理的な良いアイデアは当然他社も同じことを考えるので、リソースの乏しいスタートアップは最終的に負けてしまうという話(逆説のスタートアップ思考)があります。コンサルティングファームの思考法で、ロジカルなアイデアを提示しても「それってわれわれがやる必要があるのか」と返されてしまうことも多いというのはよく聞く話です。
もちろん、合理的なアイデアが必要になるポジションもありますし、マネジャー以上のポジションでは右脳・左脳の思考を常に持ち合わせながら経営者や現場のメンバーと話し合うことができるかどうかは事業会社では重要なポイントになりそうです。
一方で、ある程度成長し、大企業に差し掛かるスタートアップ・ベンチャーのように、着実な成長を目指す企業では、「情熱」や「面白さ」を基準にして生まれた事業案に対する客観性が求められるようになるため、客観的なインサイトを提供できるコンサルタントを高く評価する企業のお話も聞いたことがあります。つまり、フェーズによってはコンサルティングファームにおける合理的な思考がより重要視される場面もあり、企業によって期待されるスキルは異なるため、内情は事前に把握しておく必要があるでしょう。
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今回の記事では、スタートアップ・ベンチャーに転職におけるよくある失敗の理由について解説しました。キャリアでお悩みの方は、ぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。