コンサルファームは難易度が高い一方で人気の転職先の一つです。単にコンサルビジネスに魅力を感じて転職を検討する人だけでなく、コンサルタントとして経験を積むことにさまざまな魅力を感じている人も少なくありません。
今回はコンサルタントになるメリットをスキルやキャリア形成、高年収などさまざまな側面から紹介していきます。コンサルタントへの転職を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
【目次】
コンサルタントになるメリット①社会人として活躍するためのスキルが手に入る
コンサルファームへの転職では、ビジネスを推進する上で基盤となるさまざまな経験・スキルが自身の強みとなります。まずはスキル面のメリットについてまとめました。
若手では高レベルなビジネススキルが全て揃う
アソシエイト以下でコンサルタントとして働くと、クライアントの事務方とコミュニケーションを取りながら、必要な資料作成、情報収集、アポイント調整などを行うことになります。どれも社会人として基本的なスキルと言われますが、若手社員の段階で全てを完璧にこなせるほど高いスキルを持っている人は決して多くありません。
ただ若いうちにコンサルファームから一般企業に転職した人が、転職先で一気に活躍し始めることはあります。コンサルプロジェクトに身を置く中で、基本的な業務をスケジュールに合わせてさばいてきた結果、一般企業での通常業務をスピーディにこなせるようになり高評価につながるケースが多いのです。
特に資料作成スキルについては、同年代の平均と比べると圧倒的に質の高いスキルが手に入ります。
コンサルタントの若手になると、エクセル上で必要なデータを整理したり、データ分析して結果を集計したり、それをパワーポイントでまとめたりといった作業をハイペースで行います。時には前日の夕方に依頼を受けて、翌朝のミーティングに間に合わせるような場面もあるくらいです。
時間がなくても資料がプロジェクトの成果物=収益源の一部をなすものとして扱われるため、細かいところまでくまなくシニアのチェックを受けて、質の高いものを作らなければなりません。日常的に質の高い資料作成を続けてきた結果、非常に高いスキルが手に入るため、転職先でも大きな力になるのです。
シニアメンバーならマネジメントスキルが手に入る
マネージャー以上でコンサルファームを経験すれば、プロジェクトマネジメントスキルや組織のマネジメントスキルが手に入ります。
マネージャーはチームメンバーを組んで、それぞれに仕事を差配し、クライアントの担当者と情報連携・交渉しながら、プロジェクトを予定通りに推進していかなければなりません。
特にプロジェクトベースの働き方をする職種に転職した場合、コンサルのマネージャーとしての経験が圧倒的な強みとなるでしょう。コンサルであれば自然と多くのプロジェクトを推進する経験を持つため、どのようなシチュエーションにも的確に対処して、プロジェクトのゴールを確実に達成させる能力が身に付くためです。
商社や投資銀行、IT企業などのプロジェクト案件が多いビジネスや、さまざまな企業の新規事業、M&Aなどにおいて活躍する上で、コンサルタントの経験が原動力になります。
さらにシニアメンバーになると複数プロジェクトの管理や人事リソース・財務の差配なども担うようになります。シニアマネージャ〜ディレクターレベルでも多くのプロジェクトを管理するようになるため、一般企業であれば部長クラス〜の仕事でも安定してこなせるスキルが身に付きます。
多くの企業の部長クラスよりコンサルタントのディレクターは若い傾向にあるため、一般企業で経験を積むよりも若い年齢でシニアレベルの役職に就ける可能性が高まるでしょう。
営業スキルも身に付く
コンサルタントのイメージとして、クライアントに対してアドバイスする「先生」のような役割を考える人もいますが、実際には究極の営業職です。現場レベルではクライアントの想定を下回る働きをすれば、すぐチームを解任されたり、最悪プロジェクト自体が失敗したりしてしまいます。
案件を取るための営業などとは異なり、プロジェクトが始まった後のクライアントとのコミュニケーションは、資料提供、交渉、情報交換の全てが「コンサルの商品」の一部を形成します。そのため、通常の営業職以上に挙動一つ一つについてクライアントが満足するように気を使い続けることになります。
コンサルタントとして経験を積めば、クライアントに満足してもらい、評価を得るためのアクションを的確に取れる質の高いビジネスマンに成長します。結果的にコンサルタント経験者が営業職で活躍するケースは全く珍しいことではありません。
コンサルタントになるメリット②キャリア形成の可能性が広がる
コンサルファームにて長期的なキャリアを形成するのも魅力的である一方、コンサルタントとしてのスキルを活かして別の仕事に転職していく人も多数います。コンサルタント経験者であることがキャリアの可能性を広げる効果もあるのです。
コンサル自体が魅力的なビジネスで長期的に勤めたくなる
コンサルタントは転職が多いイメージがあるかもしれませんが、コンサルタントとしてファームで長期的に働くのは、魅力的なキャリアプランの一つと言えます。コンサルタントとして長期で働くとさまざまなクライアントの課題に取り組むチャンスを得られます。
プロジェクトごとに必要な知識やノウハウ、クライアントの勘所が異なる中で、経験を積みながら付加価値を発揮していかなければならないコンサルタントの日常は、ハードですが刺激的な体験の連続です。社会人として高い成長と付加価値を実現したい人には最適なキャリアの一つといえるでしょう。
また、社会的な意義という面でもコンサルタントは魅力的な仕事です。クライアントは基本的に自社だけでは解決できない課題への対応やサポートをコンサルファームに依頼します。外資系の大手コンサルともなれば、相対するクライアントも日本を代表する企業です。コンサルタントとして長く働けば、日本を代表するさまざまな企業の成長や逆境の克服に貢献することができます。
こうしたやりがいや社会的な意義は、社会人として高い付加価値を発揮していきたいと感じる人にとって魅力的なポイントとなります。コンサルタントは転職市場でも付加価値が高い分、積極的に転職するイメージが強いですが、今回紹介した魅力を背景に、コンサルタントとして長期的なキャリアを築く人も多数存在します。
一般企業へ転職する時は上のレイヤーを狙える
コンサルタントとして活躍すれば、多くの場合、同年代より質の高いスキルが手に入ります。そのため転職においては企業のレベル、職階のレベルの観点からワンランク上を狙うことが可能に。業種で言えば総合商社や金融、IT系などさまざまな業種の基幹ビジネスにコンサル経験者がいます。より年収の高い業種や企業に転職するチャンスも高まるでしょう。
職階で言えば、若いうちに管理職やシニアメンバーに迎え入れられることがあります。コンサルタントのマネージャーへのプロモーションは早ければ20代のうちに行われます。マネージャーとして自立できれば、一般企業でキャリアを積んだ場合、30代半ば頃から管理職で働くことが充分可能です。
外資系転職の可能性も高まる
外資系のコンサルや金融へ転職する上では、外資系コンサルファームで経験を積んでいることがプラスに働くでしょう。ロジカルシンキングや課題解決力、情報処理能力などは、コンサルタントで経験を積んでいけば、非常に高いレベルのスキルが手に入ります。
外資系コンサル経験者であれば、このようなハイレベルなスキルを持ち合わせているとの信任がある(そして実施に充分なスキルを有している)ため、外資系企業への転職を目指す上でも、外資系コンサルの経験がプラスに働くでしょう。
起業・フリーランスという選択肢も
近年有力なキャリアの方向性になってきているのが、コンサルタントの経験を活かして独立やフリーランスとして転進していく方法です。フリーコンサルタント向けのマッチングサービスも増えてきており、コンサルタントの経験を活かして、自ら案件を獲得してコンサルサービスを提供する人は着実に増えています。
またITコンサルタント経験者の中には、フリーランスでIT関連のビジネスを手がける人も少なくありません。こちらも近年マッチングサービスなどが普及しつつあります。
どちらのケースでもフルタイムよりも少ない稼働工数で月100万円を超えるような案件もあり、複数の案件を抱えて外資系コンサルタント顔負けの年収を稼ぐ人もいます。
MBAを経験するよりも圧倒的に割安
一流企業のシニアメンバーにも通じるような経験という意味ではMBAを卒業すると、ハイレベルなマネジメントスキル、交渉スキルなどが手に入るため、ハイキャリアを目指す人には有力な資格です。コンサルタントで着実に経験を積めば、このMBA経験者と同等のキャリア形成が期待できるでしょう。
MBAを取得するためには難関の試験を通過しなければならないのは元より、非常に高額な費用がかかります。学費は年間1,000〜2,000万円はかかるでしょう。さらにMBA在学中は仕事をストップしなければならないので、無給となります。
コンサルタントであれば、働きながらスキルを身に付けられるため費用はかからず、むしろ年間1,000万円程度(職階によってはそれ以上)の年収が手に入ります。差引すれば2,000〜3,000万円のプラス効果があるのです。
このようにMBAにも引けを取らない高レベルなビジネススキルを、割安に獲得できる点も、コンサルタントの大きなメリットと言えるでしょう。
コンサルタントになるメリット③魅力的な年収水準
コンサルタントは年収水準の高い職種として知られています。年収アップを目指してコンサルにチャレンジする人も少なくないでしょう。コンサルタントの年収は特に最若手の時期と中堅の頃に際立って高い傾向にあります。
社会人を始めて1〜3年程度の頃は、日系では大手でも500万円以下にとどまる企業がほとんどです。コンサルタントなら初年度から年収500万円程度となり、その後3年以内に700〜800万円程度まで順調に上昇していくファームが多くみられます。社会人を始めて数年のうちは年収の優位性が際立つでしょう。
その後、30歳前後は、所属企業によってはコンサルファームと日系企業の差が縮まります。大手企業の中には入社5年目前後の昇進で一気に年収が上がるケースが多い一方で、コンサルファームはマネージャーでも最初の頃は1,000万円程度にとどまるファームが多いため、あまり差を感じられないタイミングがあります。
しかしながら、30代の半ば頃になると、順調にキャリアアップしている場合には再びコンサルファームの方が優位になります。日系企業の場合は、この頃から出世スピードに差が出てきますが、総合商社など極端に年収の高い業種か、もしくはよほどの出世頭にならない限り年収は1,000万円台の前半で頭打ちになります。
一方でコンサルタントの場合はディレクターになれればさらにもう一段階高い年収を目指せます。年収2,000万円も充分に狙えるレベルです。その後はおしなべてコンサルファームの方が、年収が高い傾向にありますが、日系企業でも部長〜役員まで上り詰めれば、世間の平均より圧倒的に高い年収を得られる場合も。このように、40代以降の年収レベルはそれぞれの昇進ペースによって大きく異なります。
以上をまとめると、最若手(社会人1〜3年くらい)の頃と、中堅(30代半ば頃)において、コンサルタントの年収面での魅力が際立つ傾向にあるといえるでしょう。
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「18時退社」でコンサルファームへ転職。限られた時間内でもパフォーマンスする女性のキャリア事例
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/womenscareerasconsultants
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https://www.axc.ne.jp/column/axis-column/2015/0713/264.html
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コンサルタントは人気の転職職種の一つです。コンサルファーム自体のビジネスが魅力的なのはもちろんですが、そのほかにも、キャリア形成やスキルアップ、年収面でさまざまなメリットがあります。これらのメリットを背景に、長期的なキャリアビジョンを踏まえて転職する人も少なくありません。
人気な上にコンサルファームの現役社員のレベルは高いため、コンサルタントへの転職は容易ではありませんが、これらのメリットに魅力を感じる人はチャレンジしていきましょう。
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