コンサルティング業界地図(マップ)【ジャンル毎の企業・採用動向】

一口にコンサルティングファームと言えども、それぞれ事業領域や組織形態、キャリアパスなど様々です。今回の記事では、コンサルティング業界を地図化(マッピング)し、ジャンル毎に代表的な企業や採用動向についてお伝えします。

【目次】

  1. 総合系コンサルティングファーム①:監査法人系(Big4)
  2. 総合系コンサルティングファーム②:独立系(アクセンチュア、ベイカレントなど)
  3. 総合系コンサルティングファーム③:メーカー・商社系(アビームコンサルティング、日立コンサル、日本IBMなど)
  4. 総合系コンサルティングファーム④:シンクタンク(三菱総研、野村総研など)
  5. M&A/FAS系コンサルティングファーム:KPMG FAS、PwCアドバイザリーなど
  6. 事業再生/投資系コンサルティングファーム:再生系(フロンティアマネジメントなど)、投資系(経営共創基盤、YCP Solidianceなど)
  7. 戦略系:BCG、マッキンゼー、ドリームインキュベータなど
  8. IT系コンサルティングファーム:フューチャーアーキテクト、ウルシステムズなど
  9. (中小企業、ベンチャー向け)経営系コンサルティングファーム:リブ・コンサルティング、船井総研など
  10. 人事系コンサルティングファーム:組織・研修系(グロービス、コーチ・エィなど)、制度系(マーサージャパンなど)
  11. 新規事業系コンサルティングファーム:ジェネレイトパートナーズ、イーソリューションズなど
  12. リスク・セキュリティ系コンサルティングファーム:プロティビティ、DTCYなど
  13. デザイン系コンサルティングファーム:MIMIGURI、IDEOなど
  14. Analytics系コンサルティングファーム:ギックスなど
  15. マーケティング/CRM系コンサルティングファーム:アンダーワークス、博報堂コンサルティング、電通デジタルなど
  16. AI・先端技術系コンサルティングファーム:エクサウィザーズ、PKSHA Tech、ABEJA、ブレインパッドなど
  17. コスト戦略系コンサルティングファーム:プロレドパートナーズなど
  18. 新興(ベンチャー)系コンサルティングファーム:サンアスタリスク、SHIFT、イグニションポイント、デジタルアーツコンサルティングなど
  19. 業界特化型コンサルティングファーム:製造業(IGPIものづくり戦略カンパニーなど)、ヘルスケア(IQVIAソリューションズ ジャパンなど)、宇宙(DigitalBlastなど)
  20. 監査法人:監査法人トーマツ、PwCあらた監査法人、あずさ監査法人、新日本監査法人など

総合系コンサルティングファーム①:監査法人系(Big4)

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Big4とはグローバルに知名度の高い監査法人4社の総称で、それぞれが総合コンサルファームを抱えています。そのためこれらのコンサルファームを「監査法人系」と呼び、具体的には次の4社が該当します。

□PwCコンサルティング
□KPMGコンサルティング
□デロイトトーマツコンサルティング
□EYストラテジー・アンド・コンサルティング

いずれも日本のコンサルファームとしては大規模で、国内だけで千人〜数千人規模の社員を抱えています。取り扱うプロジェクトの範囲も広く、また日本の大手企業との案件も多く扱っています。そのため自分のスキルを活かしながら、大規模な案件に関わるチャンスがあるのが特徴です。

また、世界中にグループファームを抱えていることから、グローバルな案件やクロスボーダー案件も豊富です。こうした案件には高い英語力を求められますが、海外志向の強い方にも監査法人系のコンサルティングファームは適しているといえるでしょう。

このようなファーム特性から、さまざまなスキルや知見を持った人材ニーズがあります。したがってコンサル未経験者でも、M&Aや財務、マーケティングやITなど特定の専門性や業界に関する専門知識などがあれば、コンサルになれる可能性は充分にあります。

一方で、入社したあとに活躍していくのは、難関企業揃いのコンサルティングファームの中でも難しい部類に入ります。社員数が多いことから競争が激しくなりがちです。

多くの優秀なコンサルタントの中で生き残っていくためには、もともと持っていた専門性に慢心することなく、ファームに入ってからも、新しいスキルや知見を吸収しながら、さまざまなプロジェクトに対応できるよう成長していくことが求められます。

また、社員もプロジェクトも多いということは、より多くのコンサルタントとチームアップする可能性があることになります。特定のコンサルタントとばかり仲良くするのではなく、関わりの薄いコンサルタントとでもスムーズにプロジェクトを進めていける高いコミュニケーション能力も求められます。

参考:総合系コンサルティングファームの特徴【案件、組織、キャリアパス】
https://www.axc.ne.jp/consul/map/general/

総合系コンサルティングファーム②:独立系(アクセンチュア、ベイカレントなど)

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監査法人系のコンサルティングファーム以外にも、いくつかのタイプの総合系ファームが存在します。独立系と呼ばれるコンサルティングファームは、例えばアクセンチュア、ベイカレントといったファームが有名です。

□アクセンチュア
□ベイカレント・コンサルティング
□スカイライトコンサルティング
□キャップジェミニ
□レイヤーズ・コンサルティング

これらのファームも総合系というだけあって、多数のコンサルタントが在籍しており、また幅広い業界から多くのプロジェクト案件を受注しています。その中でも特に「最上流から川下(もしくは運用)まで」といった表現をしばしば使います。

これは経営戦略など企業の最上流の部分から、組織改革や業務効率化といった施策、それに必要なシステム開発や保守・運用までを一貫しておこなえることを意味しています。

企業の変革に必要なプロセスを一貫して引き受けることで、ファームとしては潤沢なコンサルフィーを獲得できますし、クライアント企業は独立系ファームに依頼すればワンストップで企業の課題解決を進められます。

また、もう一つの特徴として、いずれのファームもITに強いという特徴があります。取り扱うテーマは幅広いものの、多くの領域についてITの知見を導入して課題解決に持ち込むことを得意としているのです。

このような特徴を持つファームですので、ITに素養のあるSIer出身者などはマッチしやすい傾向にあります。アクセンチュアのようにテクノロジー専門の人材を頻繁に募集しているファームも。近年はDXに関連するプロジェクトも増加傾向にあるため、特定業種のDX経験があればさらに強いといえるでしょう。

一方IT系の素養のない人材についても、特定の業種や領域の専門性で他者より秀でた特徴を持ち、また「コンサルスキル」ともいうような課題解決能力や交渉能力、プロジェクトマネジメント能力などがあれば充分チャレンジは可能です。ただしその場合も入社後にはITに関する知見を深めて、ITをツールとして活用しながらプロジェクトに取り組むことが求められるでしょう。

総合系コンサルティングファーム③:メーカー・商社系(アビームコンサルティング、日立コンサル、日本IBMなど)

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総合系コンサルティングファームのもう一つの潮流として、メーカーや他の大手企業から独立、もしくはグループ内のコンサル部門として運営されているコンサルティングファームがあります。日本の大手企業が出自となっているファームが多いため、必然的に日系のコンサルティングファームが多く属しています。

□アビームコンサルティング(NEC)
□Ridgelinez(富士通)
□シグマクシス(三菱商事⇒伊藤忠)
□Gran Manibus(SCSK/住友商事)
□日立コンサルティング(日立)
□ドルビックスコンサルティング(丸紅)
□NTTデータ経営研究所(NTTデータ)
□NTTデータ グローバルソリューションズ(NTTデータ)
□クニエ(トヨタ)
□日本IBM(IBM)

総合系コンサルティングファームとあるように、幅広い分野のプロジェクトに対してコンサルティングサービスを提供しています。ただし他の総合系と比較すると、母体企業のシステム関連のノウハウを活かしたIT領域のコンサルティングや、業務プロセス改革や業務効率化といったビジネスコンサルティング的な案件が比較的多い傾向にあるのが特徴です。

日立コンサルティングであれば日立製作所、NTTデータ経営研究所であればNTTデータというように、グループ企業のリソースやノウハウを活用して大規模なプロジェクトにもしっかりと対応します。

属するコンサルティングファームが多数あるため、給与面に関しては個社によりさまざまです。平均をとると外資系のコンサルティングファームには及びませんが、メーカーを中心とした一般的な日系企業よりはやや高めの水準です。

押し並べて幅広いインダストリーおよびソリューションを取り扱っているため、転職市場では一定の求人数があり、継続的に人材を探していることがわかります。コンサルティングファームで何かしらの専門性を培っていれば転職を優位に進められる可能性は高いでしょう。

また、コンサル未経験者でも転職のチャンスが比較的多いのが総合系コンサルティングファームの特徴です。特定のインダストリーにおける経験が長く、その業種のビジネス環境や業務特性を理解していれば、知見を活かして活躍するチャンスがあります。

そのほか、財務や人事、法務など、いわゆる企業のスタッフ部門での業務経験があれば、これらを題材とした案件を受け持つ企業やチームへの転職を目指すことで、コンサル未経験でも転職のチャンスは充分にあります。

参考:ドルビックスコンサルティング MD小山様、車谷様、新家谷様インタビュー/大手ファーム出身3名が考える同社の魅力と可能性
https://www.axc.ne.jp/media/companyinterview/dolbixconsulting_md

総合系コンサルティングファーム④:シンクタンク(三菱総研、野村総研など)

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シンクタンクはいくつかの点で他のコンサルティングファームと比較しても特徴的なポイントがあります。

まず一つは、大抵が大手企業の調査部門やシステム関連部門から独立したファームや、官公庁が抱えている研究所として運営されているファームが多い点です。

□日本国際問題研究所(外務省)
□日本銀行金融研究所(日本銀行)
□三菱UFJリサーチ&コンサルティング(三菱UFJフィナンシャル・グループ)
□日本総合研究所(三井住友フィナンシャルグループ)
□野村総合研究所(野村グループ)
□三菱総合研究所(三菱グループ)

こうした出自も背景に、取り扱う分野にも特徴があり、シンクタンクは大きく分けて、次のようなプロジェクトを中心に手がけています。

・経済調査やリサーチ
・ITシステムの開発や運用
・社会問題の解決

特定企業をクライアントとした依頼プロジェクトも数多く受けていますが、より社会の発展に資する長期的な課題解決に取り組む傾向にあるのが特徴です。また、日系の大手企業から派生した企業が多いということもあり、外資系ファームが多いコンサル業界の中で、このタイプはほとんどが日系ファームとなっています。

また、プロジェクトへの取り組み方にも特徴があり、シンクタンクでは特定の分野に長期にわたり従事する傾向にあります。自身が活かしていきたい専門性があれば、それをひたすら深掘りしながらバリューを発揮していくことが可能。さまざまなプロジェクトに臨機応変に対応することが求められる一般的なコンサルファームとは一線を画す特徴といえるでしょう。

このようなシンクタンクではまず大前提として、自身に高い専門知識があることが求められます。経済学や社会学、場合によっては理系の知見など、よりアカデミックな分野での知見が好まれます。これを背景に博士課程修了者の採用が多いのも特徴です。

また、能力とは異なりますが、長期的に特定分野にかかわることを求められるため、年功序列に近い給与体型になっているケースが多いです。安定性は高い一方で年収レベルは外資系のコンサルファームには及ばない可能性が高いため、金銭面以外にモチベーションを見出せる人の方が適しています。

参考:シンクタンクとコンサルとの違いとは。向いている人、向いていない人。
https://www.axc.ne.jp/column/axis-column/2015/0915/2679.html

M&A/FAS系コンサルティングファーム:KPMG FAS、PwCアドバイザリーなど

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M&AやFASを強みとするコンサルティグファームで、先に紹介したBig4は各社ともグループの中にFASを専門とするファームを抱えているため、この一群として紹介します。

□KPMG FAS
□PwCアドバイザリー
□デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー
□EYストラテジー・アンド・トランザクション

そもそもFASとは「フィナンシャル・アドバイザリ・サービス」の略、つまり企業の財務に関する助言やコンサルティングをおこなう会社です。企業再生や財務リストラクチャリングといった分野がFASの得意分野ですが、そのほかにM&Aアドバイザリーやディール進行中のデューデリジェンスや資産価値評価なども専門領域としているケースが多くあります。

また、必ずしもコンサルファームとみなされていない場合もありますが、M&Aアドバイザリーを専門におこなうファームも。GCAや、やや中小企業向けに軸足が寄る、M&Aキャピタルパートナーズや日本M&Aセンターなどがあります。

□GCA
□日本M&Aセンター
□レコフ
□パラダイムシフト
□M&Aキャピタルパートナーズ

いずれもM&Aに関する専門性を高めながら案件に関わっていきたい方には最適なファームといえるでしょう。Big4系のファームであれば、Big4のグローバルネットワークを活かして大規模で多様な案件に関わるチャンスがあります。

スキルとしてはまず、財務面に関する専門知見がある方が選好されるため、公認会計士を保有している、監査法人での就労経験があるといった方が優遇されます。そのほかでは投資銀行などでM&Aやコーポレートファイナンスといった部署で働いた経験がある方なども適しています。

また、案件が始まると短期間のうちに膨大なシミュレーションや計算処理、調査などをしなければならない局面もあり、コンサルファームの中でもハードワークになりがちなタイプといえます。長時間労働に耐性のある方が強いコンサルファームといえるでしょう。

参考:M&Aアドバイザリーとは
https://www.axc.ne.jp/consul/map/ma

事業再生/投資系コンサルティングファーム:再生系(フロンティアマネジメントなど)、投資系(経営共創基盤、YCP Solidianceなど)

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事業再生/投資系に含まれるコンサルティングファームは、ファームから経営者を送り込んでクライアント企業のマネジメントを直接行ったり、あるいはファームの資本を投資して企業の価値を高めたのちに売却~利益を獲得する手法を取るタイプであることが特徴です。

■再生系コンサルティングファーム

□フロンティア・マネジメント
□ジェネックスパートナーズ
□フォーセンス・パートナーズ

■投資系コンサルティングファーム

□経営共創基盤
□YCP Solidiance

フロンティアマネジメントなど事業再生系の方が、より経営状態が芳しくない事業や企業のターンアラウンドを目指すプロジェクトが多い傾向にあるものの、事業投資やハンズオン型のプロジェクトを手がける点では似通っています。

資本や人材リソースを直接企業や事業に投じる場合があるほか、企業のさまざまなデューデリジェンス、事業・財務改革計画の策定など、いわゆる一般的なコンサルファームでも手がけるタイプのプロジェクトも多数あります。

このタイプのコンサルティングファームに入社する場合は、企業財務関連の業務経験がある方が強みを発揮しやすい傾向にあります。公認会計士や、銀行で法人営業を経験した方、投資銀行や投資ファンド経験者などはその点で適任です。財務戦略や投資戦略に関する知見を活かして、的確な事業発展や事業再生ストーリーを描き、実行に移すのに必要な素地が整っているといえるでしょう。

もちろんプロジェクトを通じた課題解決のノウハウを活かしてバリューを発揮することも可能なため、戦略コンサルファームやFASなどの分野から転職して成功する方も少なくありません。M&Aは事業再生や事業投資においても成長を加速させるためのツールとして積極的に活用されるため、特にこれらの分野の出身者でもM&Aビジネスの経験者は優遇されやすく、また入社後も活躍の余地が大きいといえます。

案件によってはクライアント企業の経営者となってマネジメントをおこなうチャンスもあることから、将来経営者になることをビジョンとして描いている方がチャレンジする場合が多いのも特徴です。

参考:事業再生コンサルティングファームとは
https://www.axc.ne.jp/jobchange_knowhow/consul/map/business_reproduction.html

戦略系:BCG、マッキンゼー、ドリームインキュベータなど

戦略系は企業のさまざまな経営課題を見つけ出し、それに対して的確な解決策を提示するコンサルの形態です。企業戦略や事業戦略の策定や戦略を遂行するためのM&A、組織改革、DXなどといったさまざまな方策を提案します。

□マッキンゼー・アンド・カンパニー
□ボストン コンサルティング グループ
□ローランド・ベルガー
□アーサー・D・リトル
□L.E.K.コンサルティング
□コーポレートディレクション
□経営共創基盤
□ドリームインキュベータ
□ピー・アンド・イー・ディレクションズ

従来の戦略コンサルファームはどちらかというと「戦略策定」がメイン領域で、その戦略に応じた方策を進めていく部分にはあまり関わってきませんでした。しかし現在ではデジタル化により効率的に戦略実行が可能になったことや、競争激化の中でビジネスを継続するために、戦略系コンサルファームでも実行支援まで対応するケースが増えています。

とはいえ、少数精鋭で企業のトップ層に近いところと協働しながらプロジェクトを進めていくのが戦略コンサルファームの基本的な特徴です。だいたい3〜5人程度の小さなプロジェクトチームで案件は進められます。

戦略系は外資系のファームが強く、その分コンサルの中でも実力主義の色合いが強い分野となります。年収も他のファームより一段階高いところが多いですが、バリューが出せない場合の短期的な退職リスクも高いといえるでしょう。

そのような戦略系コンサルファームにおいては特に地頭の良さが要求されます。物事の情報をフレームワークなどに落とし込んで課題を整理し、そこから解決策を分析できるような課題解決能力と論理的思考力がベースとして求められます。

転職で戦略系を目指す場合にはただこれらの能力があると「アピール」するだけでは不充分で、前職まででこれらの能力を発揮してビジネスに貢献した実績が求められます。また、早い段階からマネージャーなどプロジェクトチームをマネジメントするポジションに就くことから、若い年次の転職でもマネジメント経験があることが好まれます。

資格では公認会計士やMBAなどの資格保有者が活躍するケースが少なくありません。ただし、資格があるから有利というわけではなく、こうしたビジネス関連の難関資格を保有する人材が結果的に「地頭が良い」ケースが多いと考えられます。

参考:「戦略系ファームの戦略コンサル」と「総合系ファームの戦略コンサル(またはチーム)」の違い
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/firmdifference

参考:戦略系コンサルティングファーム一覧【日系・外資系 厳選25社】
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/strategicconsultingfirm25_html

IT系コンサルティングファーム:フューチャーアーキテクト、ウルシステムズなど

近年需要が急速に高まっているのがITコンサルティングファームです。現代においてはほとんどの企業においてITをツールとしてビジネスの効率化や競争力の強化を進めています。ITコンサルティングファームはクライアント企業の状況を分析したうえで、課題を洗い出し、システム導入を通じて課題解決をおこなうのが基本的なビジネスモデルとなっています。

□フューチャーアーキテクト
□ウルシステムズ
□マネジメントソリューションズ
□ジグザ
□ITbook
□MOVER&COMPANY
□INTLOOP
□デジタルフォルン
□エル・ティー・エス
□グローバル・パートナーズ・テクノロジー
□アクティベーションストラテジー
□日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ
□NTTデータ

※金融特化型

□シンプレクス
□サインポスト

※ITアドバイザリー

□PwCあらた監査法人(システム・プロセス・アシュアランス部)
□監査法人トーマツ

しばしばSIerと似通っている印象を持たれますが、大きく異なるのは業務領域です。SIerはシステム開発とクライアント企業への導入がメイン領域です。一方でITコンサルティングファームは、まずクライアントの課題を洗い出し、その課題解決につながるシステムのデザインから始めます。また、開発・導入にかけてのプロジェクトマネジメントや導入後の運用や保守など、上流から下流に至る全工程に関わっていきます。

現代ではあらゆる課題にITの知見の活用する余地があります。財務・会計、人事・給与、顧客管理、販売・在庫管理、購買管理、生産管理など、ビジネス全般がITコンサルティングファームのビジネス領域となりえるのです。足元ではDXの名の下、ITを活用して自社の構造やビジネスモデルを大きく変革するニーズを持つ企業も多く、より一層ITコンサルティングファームが活躍できる領域は拡大しています。

ITコンサルティングファームに入社するうえで求められるのはやはりシステム開発関連のスキルです。単に指示に従ってシステムを構築した経験よりも、要件定義などクライアントのニーズを踏まえてシステム設計をした経験が役立ちます。また、システム導入プロジェクトのマネジメント経験も、コンサルプロジェクトを推進していくうえで有効です。

参考:IT系コンサルティングファームとは【SIerとの違い、キャリアパスなど】
https://www.axc.ne.jp/consul/map/it_consulting

(中小企業、ベンチャー向け)経営系コンサルティングファーム:リブ・コンサルティング、船井総研など

ここに含まれるコンサルティングファームは日系のファームが中心で、クライアントは日本の中小企業が中心になります。戦略系のような大掛かりな経営戦略というよりは、短期間でも効果が見込める実践的な課題解決を継続的にサポートしていくような形態が多いです。

□リブ・コンサルティング
□山田コンサルティンググループ
□船井総合研究所
□エスネットワークス
□りそな総合研究所
□タナベ経営
□アバージェンス

例えば、集客アップ、生産性向上、品質管理など現場レベルで競争力が高められるようなプロジェクトを手がけていきます。「プロジェクト」とはいいましたが、継続的にクライアントと顧問契約を結び「顧問料」を徴収するケースも珍しくありません。特定の課題に対応するよりは、継続的に企業経営を改善させながら、徐々に競争力を高めていく形式です。

働き方の特徴としては、通常のファームではジュニアに当たるような若いコンサルタントでも企業のトップ経営層とコミュニケーションをとっていくケースも珍しくありません。また、課題一つ一つの工数が大きくないため、複数のクライアント案件を並行して対応していくことが多いのも特徴です。

大規模なコンサル案件を手がけるファームとは競合になりにくい一方、日本には無数の中小企業があることから、ビジネス環境は比較的安定しています。そのため、コンサルタントについてもじっくりと時間をかけて育てていく風土があり、コンサルによく言われるUp or Outとは一線を画す労働環境となっています。

「中小企業の成長に貢献したい」という思いとコミュニケーション能力が備わっていれば、チャレンジの余地は充分にありますが、論理的思考力が高い方が入社後も活躍しやすいのは他のコンサルティングファームと同様です。また、中小企業診断士を保有していると、転職活動におけるアピール材料としても、入社後のビジネスをすすめていくうえでも有利に働きます。

参考:【CEOインタビュー】リブ・コンサルティングのDXコンサルティンググループ「新設の背景」と「強み」に迫る/代表取締役 関厳 様
https://www.axc.ne.jp/media/companyinterview/libcon_ceo

人事系コンサルティングファーム:組織・研修系(グロービス、コーチ・エィなど)、制度系(マーサージャパンなど)

企業経営において人材や組織に関する課題解決はとても重要であることから、この領域を専門とするコンサルティングファームがいくつかあります。日系・外資系双方のコンサルティングファームが入り混じっている領域です。

■組織系

□コーン・フェリー・ヘイグループ
□グロービス
□コーチ・エィ
□ボードアドバイザーズ
□キンセントリック
□リクルートマネジメントソリューションズ
□エッグフォワード
□ラーニングエージェンシー

■制度系

□クレイア・コンサルティング
□マーサー ジャパン
□フォー・ノーツ
□パーソル総合研究所

人事系コンサルティングファームの課題解決の領域は大きく分けて次の3つに分けられます。

・組織や人事制度の領域で、企業の組織構造の効率化や福利厚生・給与体系などの人事制度の改革をおこなう

・教育・研修の領域で、コンサルファーム自身が教育や研修を直接実行する場合もあれば、企業自身が実践するための教育・研修コンテンツを提供する場合も。マネジメントやモチベーション向上といった分野の研修などが盛んに実施されている

・人事システムの領域で、企業の大きな変革やDXの中で人事システムを大きく効率化する。M&Aなどに伴う人事制度の統合や、人事関連のツール導入による人事関連のプロセスの転換などがおこなわれる

求められる知見を見てみると、やはり人事部は人事に関する知見が豊富であることからスムーズに転職しやすいでしょう。また近年は人事分野のDX案件も増えていることから、IT領域で人事関連のDXやシステム導入などを手掛けた実績のある方も転職するチャンスが豊富です。

参考:
人事系コンサルティングファーム【事業領域からキャリアパスまで】
https://www.axc.ne.jp/consul/map/personal

【キャリアインタビュー】戦略コンサルからコーチングの世界へ。「組織開発」への想いが醸成された過程とキャリアチェンジの背景に迫る
https://www.axc.ne.jp/column/consultant-next-career/07.html

新規事業系コンサルティングファーム:ジェネレイトパートナーズ、イーソリューションズなど

その名の通り新規事業に特化したコンサルティングをおこなうタイプです。新規事業へのコンサルは総合系や戦略系など他のタイプでも対応していますが、ここに分類されるコンサルティングファームは、特に新規事業の収益化や安定化に高い専門性を持っています。

□ジェネレイトパートナーズ
□プライマル
□ベルテクス・パートナーズ
□プロジェクトカンパニー
□アスタミューゼ
□イーソリューションズ
□インフキュリオン コンサルティング
□Coum

事業の黎明期においては、市場環境や顧客動向が不明瞭、一般的なビジネス環境分析や戦略構築に必要となる情報が不足したままビジネスを進めていかなければなりません。

そのような状況である事業に多大なリソースを割ける企業は多くありませんので、事業構想や企画、仮説検証と評価、事業化や事業成長といった事業化フェーズを低コストかつスピーディに進めていく必要があります。迅速性やコスト抑制を徹底しながらスムーズな新規事業の案件化をサポートできるのが、新規事業系コンサルティングファームの特徴です。

このような形態であるため、大人数のメンバーを割く大型プロジェクトは少なく、したがって比較的若い段階で一つのプロジェクトを任されるようになります。また、特定業態に特化するよりは、さまざまなタイプの新規事業立ち上げを経験する傾向も。そのため「新規事業」全般に関する専門性を深めていくことができます。

新規事業系コンサルティングファームでは、事業や企業の立ち上げフェーズを経験してきた方が転職活動においても、入社後のプロジェクトにおいてバリューを発揮するうえでも有利です。

例えば企業で企画や新規ビジネス立ち上げ関連の部署に携わったことがある方や、ベンチャーや中小企業において企業の発展に貢献した実績のある方などは、特に新規事業系コンサルティングファームに適した人材といえます。

参考:【CEO インタビュー】プライマル株式会社/650以上もの新規事業立ち上げを支援してきた特化型ファームの魅力に迫る
https://www.axc.ne.jp/media/companyinterview/Primalintv

リスク・セキュリティ系コンサルティングファーム:プロティビティ、DTCYなど

リスク・セキュリティ系コンサルティングファームはその名の通り企業のさまざまなリスクやセキュリティ対策を支援します。

■リスクマネジメント

□デロイト トーマツ リスクサービス
□PwCビジネスアシュアランス
□プロティビティ

■セキュリティ

□デロイト トーマツ サイバー
□GRCS

企業のグローバル化が進み、またITにより情報の伝達が過去より圧倒的に早くなる中で、リスク要因はより複雑になるとともに、企業に甚大なダメージを与える要因も増えています。

リスク・セキュリティ系コンサルティングファームを活用すれば、企業のビジネスや組織などの現状を踏まえて、リスク管理やセキュリティ上の課題を洗い出しと、課題解決に向けた施策を実行可能です。ERMやコーポレートガバナンス、J-SOX対応、内部統制、不正行為の防止など、企業によりさまざまなリスク管理・セキュリティ上の課題が存在。コンサルティングファームが専門的な知見をもとに解決まで支援してくれます。

従来リスク管理は企業を「守る」ためのものという印象が強かった分野。しかし現代では、積極的かつ効率的にビジネスを営むためには、経営を取り巻く環境を踏まえた戦略的なリスクマネジメントが必要であるとの考え方が広がっています。言い換えれば、より「攻め」の姿勢を取るためのリスクマネジメントを求めるクライアントが増えつつあり、リスク・セキュリティ系コンサルティングファームのニーズは一層高まっているのです。

この分野のコンサルティングファームについては、同業のコンサルティングファームでリスクマネジメント系のプロジェクトに参画した経験があると優位です。そのほかでは企業の監査やSOX(内部統制)関連の業務経験も役立ちます。一般企業の該当部署での業務経験がある場合でも、同タイプのコンサルティングファームへの転職を目指すうえでは有利です。また、現代ではITがらみのリスクマネジメントの必要性が高まっているため、システム面の監査業務やセキュリティ関連のシステム開発関連の知見なども役立ちます。

参考:
リスクマネジメントコンサルとは
https://www.axc.ne.jp/jobchange_knowhow/consul/map/risk_management.html

【インタビュー】デロイト トーマツ サイバー合同会社/情報システム部門からサイバーセキュリティ領域のスペシャリストへ、入社前後のギャップや同領域の魅力に迫る
https://www.axc.ne.jp/media/companyinterview/dtcyinformationsystem

デザイン系コンサルティングファーム:MIMIGURI、IDEOなど

□MIMIGURI
□IDEO
□A.C.O.
□PAOS
□INDIGO DESIGN

近年ではデザインにフォーカスしたコンサルティングファームのニーズも高まっています。 現代社会においては多くの産業が成熟化し、また消費者はWebを通じて多様な情報を得ることができるようになりました。その結果、製品の選択肢が増えたため、従来のように価格と品質を追求するだけではビジネス優位を獲得するのが困難になってきています。

そこで、ビジネスにおいて「デザイン」という観点を取り入れる企業が増えています。従来はデザインといえば色調や柄、形状など視覚的な美しさや独自性に焦点があてられていましたが、現在ではこうした視覚的な質のほか機能性や使いやすさなど、デザインを通じた高いユーザーエクスペリエンスの提供が製品やサービスに求められるようになっています。

デザイン系コンサルティングファームは企業の製品・サービスやビジネスモデルの特性をもとに、その企業にあったデザインを提案・開発します。現代ではWebサイトをはじめとしたITツールのデザインもマーケティングや製品販売において重要な意味を持つため、合わせて検討が進められるケースが多いです。

また、マーケティングにおける主要なトピックとなるブランディングについてもデザインと密接に関わり合っています。デザインの開発とともにブランディング戦略について支援するプロジェクトを手がける場合もあります。

他のコンサルティングファームとはやや異なるタイプのファームですが、それでもやはり企業の課題を見つけて、解決策を提案するという「コンサル的な」ビジネスプロセスを理解していることは重要であることから、やはりコンサルティングファーム経験者は優遇されます。特にブランディングなどのプロジェクト経験者は有利に働くでしょう。

コンサルティングファーム外では、広告代理店などで製品・サービスや宣伝、ブランディングなどの中で、デザイン構築に関する業務を経験したことがある方、もしくは企業におけるマーケティングや広告関連の業務経験者などが親和性が高いでしょう。

参考:デザインコンサルティングファーム企業一覧【国内厳選20社】
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/designconsultingcompany

Analytics系コンサルティングファーム:ギックスなど

Analyticsとは「分析」という意味です。近年ビッグデータの活用などITを用いた分析は急速の高度化しています。Analytics系コンサルティングファームは企業内外に眠るさまざまなデータ分析を通じて、企業の成長に役立つ方策を提案・実行してくれるコンサルティングファームです。

□ギックス
□データミックス

このコンサルティングファームはWebマーケティングなどITを活用したビジネス戦略と親和性が高い傾向にあります。Webを活用したビジネスでは従来のオフラインのビジネスよりはるかに多くのデータを集めることが可能なためです。現代では多くの企業がWebを活用してビジネスを運営していることから、Analytics系コンサルティングファームの活躍できる領域も広がってきています。

データを活用したコンサルティング案件はさまざまですが、一例を挙げると次のようなプロジェクトがあります。

・雑然としたデータから現状や課題を「見える化」するツールやプロセスの構築
・ビッグデータ分析をもとにした課題の洗い出しと解決策となるシステム構築
・さまざまなデータ分析の元となるユーザーデータを取得する手法の開発
・データの入出力や閲覧をスムーズにおこなうためのアプリ開発

一見ITコンサルティングファームににているようにも見えますが、これまで企業が効率的に活用しきれていなかった「データ」活用にフォーカスしたコンサルティングをおこなう点が、Analytics系コンサルティングファームの大きな特徴です。

このようなコンサルティングファームであるため、いわゆるデータ処理の知見が求められる傾向にあります。データベースをもとにしたシステム設計経験や、大規模データの分析ツールの開発経験など、混沌としたデータを処理するための仕組みを作った経験がある方が優遇される傾向にあるのです。

参考:株式会社データミックス/「データビジネスの本質的な課題を解決したい」コンサルからAIベンチャーを経由しデータミックス社を起業したCEO堅田様の立ち上げへの想いや同社ソリューションの特徴
https://www.axc.ne.jp/media/companyinterview/datamix

マーケティング/CRM系コンサルティングファーム:アンダーワークス、博報堂コンサルティング、電通デジタルなど

IT技術の発展に沿って、企業のマーケティングに関するツールや技術も急速に高度化が進んでいます。一般企業がそのような高度なマーケティング手法の構築や運用にリソースを割くのは困難な環境に。そのため需要が拡大傾向にあるのがマーケティング/CRM系コンサルティングファームです。

□アンダーワークス
□クライエクシート
□電通マクロミルインサイト
□博報堂コンサルティング
□電通デジタル
□IMJ

これらのコンサルティングファームでは、実質的にはデジタルマーケティングの手法やマーケティングツールの導入や運用を通じて、クライアント企業のマーケティング高度化を実現。ビジネスの強化や企業価値の向上に役立てていくことを目指しています。CRM(顧客関係管理)はその中でも一大テーマとなっています。CRMを重視してツール導入を積極的に進める企業が多いことから、マーケティングに強みを持つコンサルティングファームではCRM関連のプロジェクトも多く受注しています。

一口にマーケティング手法の高度化といってもは例えば次のように幅広いテーマが存在します。企業のニーズに応じて的確な解決策が実行されます。

・マーケティングオートメーションによる効率化
・Webビジネス事業戦略や新規事業の展開
・市場の評価とそれを踏まえたマーケティング戦略の策定
・収支計画やリソース計画
・運営体制の整備
・Web戦略策定
・マーケティング関連のプロジェクトマネジメント

同分野のコンサルティングファームは需要が拡大中であり、大きく分けて二つの分野の人材を積極的に採用しています。一つはIT関連のコンサルティングやシステム導入経験者です。最先端のマーケティングの多くはITツールを活用して進められるため、ITの知見を持つ人材の市場価値は高いです。

もう一つは広告代理店、PRエージェンシーなど広告やマーケティングに直接関わったことのある方。IT化が進んでいるとしても根幹にはマーケティングに関する高度な知見が必要なため、やはりマーケティング関連の人材ニーズは高いといえます。

参考:デジタルマーケをコンサルティングファームでやるメリット
https://www.axc.ne.jp/column/media/careertips/mkconsulmerit

AI・先端技術系コンサルティングファーム:エクサウィザーズ、PKSHA Tech、ABEJA、ブレインパッドなど

□エクサウィザーズ
□PKSHA Tech
□HEROZ
□ABEJA
□ブレインパッド
□モルフォAIソリューションズ
□Labolo ai

先端技術をビジネスに導入することをメインビジネスとしたコンサルティングファームは、そのメインプレーヤーは変遷する可能性があるものの、常にニーズがあります。おそらく一昔前のITコンサルティングなどもそのような位置付けであったとみることが可能です。

近年、先端技術系でニーズが高いのはAI技術に関するコンサルティングファームです。AI=人工知能はかつてはそもそもAIに関する調査や知見をシェアしたり、例えばどのようなことが可能になるか?といった疑問を解決するソートリーダーシップ的な案件が多い状況でした。

しかし足元ではAIが実際のビジネス現場に導入される側面も増えてきたため、よりビジネス的な観点でAIを活用したビジネスプランニングや、業務効率化のソリューション提供などをおこなうプロジェクトが増えてきています。

例えば、飲食・小売店などのカスタマーサポートや社内問い合わせの自動化を支援するチャット型対話エンジンや、クレジットカード決済の不正利用の自動検知といった案件が見られます。業務プロセスの中の重要な機能をAIに担ってもらうための変革プロジェクトが多数おこなわれています。

また、大企業や官公庁などがクライアントとなって社会課題をAI技術を使って解決するような大規模なプロジェクトも中には存在します。

以上のような、AI・先端技術系のコンサルティングファームに転職する場合、そもそも基本的にはAIや先端技術に関する知見があることが求められます。また、新技術やシステムを具体的なビジネスに導入するような上流のITプロジェクト案件に関わったことがある経験があれば、より優遇されます。

先端技術であるがゆえに専門性が高く、また実務経験がある方が世の中に決して多くないこともあり、実務経験の有無が転職選考においてはとりわけ重視されます。

これらについで一般的なコンサルティングファームに求められる問題解決能力や、顧客とスムーズに交渉や情報共有ができるコミュニケーション能力などが求められます。

※参考:“データビジネスのパイオニア”ブレインパッドの特徴とその強みに迫る
https://www.axc.ne.jp/media/companyinterview/brainpad

コスト戦略系コンサルティングファーム:プロレドパートナーズなど

その名の通りコスト削減をメインテーマに企業のビジネス強化や企業価値向上をもたらすことを追求するコンサルティングファームです。

□プロレド・パートナーズ

一口にコストといっても、次のようにさまざまなポイントがあります。
・原材料費やランニングコストなどの変動費の圧縮
・不動産や設備などの固定費の圧縮
・ビジネスプロセスなどの変革による効率化
・取引先などとの交渉による費用圧縮

これらを全方位的におこなうコンサルティングファームもあれば、特定のプロセスに専門性や強みを持つコンサルティングファームもあります。
また、株式会社サイプレスが医療系に特化して案件受注をおこなっているように、特定業種に強みを持つケースもあります。

クライアントのニーズや現状分析を踏まえて、コスト削減が可能な部分を洗い出したうえで、適切な方策を提案・実行支援します。また、中には削減したコストを活用したビジネス価値向上の提案までおこなってくれるコンサルティングファームもあります。

こうしたコスト戦略系コンサルティングファームでは、コンサルティングファーム経験者の場合にはプロジェクトマネジメント経験者が好まれます。このポジションでは、リソース配分や予算管理などをおこなうため、効率化の余地を洗い出すうえで知見を発揮しやすいためです。

そのほかコンサル未経験者でも、企業の経営企画や総務などで物流効率化/コスト低減などを実施した経験があると、コスト戦略経営コンサルティングファームでのビジネスを優位に進めることができるでしょう。

新興(ベンチャー)系コンサルティングファーム:サンアスタリスク、SHIFT、イグニションポイント、デジタルアーツコンサルティングなど

近年はコンサルティング分野でのビジネス開拓をおこなう新興系コンサルティングファームが増えています。

□サンアスタリスク
□イグニションポイント
□SHIFT
□パクテラ・コンサルティング・ジャパン
□デジタルアーツコンサルティング
□ノースサンド

自社事業で得たノウハウをもとに他社をクライアントとしてビジネス課題の解決を図ろうとするファームが多い傾向にあります。

コンサルティング専業に移り変わっていく場合もありますが、本業+コンサルの2本柱でビジネス運営を進める企業も少なくありません。

ベンチャーのフットワークの軽さを活かして、大手では提供できない独自かつきめ細やかなコンサルサービスが強みとなるケースが多いです。

・AI・IoTなどの最先端技術を駆使したスポーツビジネスの価値最大化
・決済関連事業に特化した戦略立案やシステム開発、業務設計などの総合支援
・特定メーカの自動車販売会社への総合的コンサルティング
 など

多くのベンチャー系コンサルティングファームが独自の領域を持ってコンサルビジネスを展開していることから、このタイプのコンサルティングファームに入社すると、仕事の中で特定領域の深い知見が習得できます。ただし、特定分野に深く入りすぎるあまり他領域への転向はしづらくなるという声もあります。

年収面では大手のコンサルティングファームに及びませんが、人材登用に柔軟な組織が多いため、活躍すればコンサルティングファームの中でもとりわけ若いうちから重要ポジションにつくチャンスがあります。

ベンチャー系コンサルティングファームは、一般的に社員を教育してストレッチさせる余裕がないファームが多いため、基本的に即戦力となることを重視して人材を採用します。つまり、基本的には「コンサルティングファーム経験者」が非常に有利になります。中でも、そのファームが専門領域としているコンサル分野の経験者のニーズが特に高くなります。

自身のコンサルティングファームでの経験を踏まえて、スキルセットがマッチするベンチャー系コンサルティングファームを見つけ出しチャレンジすることが、ベンチャー系コンサルティングファームへの転職を実現するうえでは大切です。

業界特化型コンサルティングファーム:製造業(IGPIものづくり戦略カンパニーなど)、ヘルスケア(IQVIAソリューションズ ジャパンなど)、宇宙(DigitalBlastなど)

特定の業界に特化したコンサルティングファームも多数存在します。例えば長きにわたり日本の基幹産業となっている製造業や、医療・ヘルスケアに特化したファームがあります。変わったところでは、DigitalBlastのように宇宙産業を活用することで企業に変革をもたらすコンサルティングファームも存在します。

■製造系

□IGPIものづくり戦略カンパニー
□ISIDビジネスコンサル

■宇宙系

□DigitalBlast

■ヘルスケア系

□IQVIAソリューションズジャパン
□KPMGヘルスケアジャパン

■農業系

□アグリコネクト

それぞれ強みとしている業界特有のビジネス課題に対する解決策を提案・実行します。全業種に対応する通常のコンサルティングファームよりも、専門業界に対しては深い知見を持っているため、より業界特性にあった的確なコンサルティングが可能となる点が、業界特化型コンサルティングファームの強みとなります。

例えば製造業系の場合は、工場の生産工程の改革、具体的にはリードタイムの短縮やオペレーションの見直しなどが考えられます。プロダクトライフサイクルの管理や営業戦略など、マーケティング・販売戦略といった分野も得意です。

医療・ヘルスケア系であれば医薬品の製品ポートフォリオ最適化、医療系のブランド管理、医薬品や医療機器の市場投入戦略の構築などといったテーマを得意としています。また、病院経営へのコンサルティングや医療システム導入、医療法改正への対応など、医療機関に特化したコンサルティングも実施します。

業界特化型コンサルティングファームにおいては、コンサルティングファーム経験者でも、そのファームが専門とする業界のコンサルティング経験を重視します。そのためコンサルティングファーム経験者だからといって、一概に転職に有利とはいえません。

一方で、未経験者であっても、専門とする業界での実務経験が豊富であれば転職の実現可能性は充分にあります。特に現職で働く中で何らかの課題意識を持って転職に望めば、その課題意識が入社後のバリュー発揮にもつながるでしょう。

※参考:「宇宙」×「事業開発/コンサル/メディア」で日本の宇宙ビジネスをリードする株式会社デジタルブラスト インタビュー
https://www.axc.ne.jp/media/companyinterview/digitalblast

監査法人:監査法人トーマツ、PwCあらた監査法人、あずさ監査法人、新日本監査法人など

監査法人の本文は会計やシステムなどの監査ですが、これらの見るうちに周辺業務の効率化や会計・システム上影響の大きいM&A関連のアドバイザリーなどもおこなっています。

□監査法人トーマツ
□PwCあらた監査法人
□あずさ監査法人
□EY新日本監査法人

表題に挙げた4大監査法人はいずれも先に紹介したBig4にあたる総合系コンサルファームを抱えています。案件の内容を踏まえて協働したり、監査に関するナレッジで対応可能との判断から監査法人独自で進められたりと、柔軟な対応がおこなわれています。

監査法人のノウハウを生かすという意味では、決算関連のアドバイザリー業務や決算作業の効率化、海外子会社との連結や財務管理に関するアドバイザリーなどを実施。また、監査という観点からJ-SOXなどの内部統制に関する助言を提供するプロジェクトもあります。

また、会計や財務関連のインパクトが大きいM&A関連のアドバイザリー案件を豊富に抱えています。統合後の組織統制や財務管理の観点からPMIへのアドバイザリーに強いのも監査法人の特徴です。組織変更の観点からは連結や持株会社の設立なども財務や会計管理の影響が大きいため、監査法人の出番となります。

監査法人でアドバイザリーをおこなううえでは、やはり公認会計士の資格を持っている方が優位であるといえます。日本の会計士だけでなくUSCPAの資格保有者は有利です。ただし、皆が公認会計士の資格を保有しているわけではなく、コンサルティングファーム経験者で会計や財務周りのアドバイザリーの経験がある方や、企業の財務部などで財務管理などの業務をおこなった経験がある方も適しています。

そのほか、M&Aの案件が多いことから、投資銀行やコンサルティングファームやM&AブティックなどでM&A関連の業務に携わったことがある方も、評価されやすいでしょう。

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>コンサルタントへのキャリアに関する記事

コンサルタントへ転職するための「志望動機書」の作り方【未経験~ファームtoファームまで】
https://www.axc.ne.jp/column/axis-column/2015/0713/264.html

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