コンサルティングファームは報酬面・キャリア面ともに魅力的で、転職を目指す方が多いと思いますが、厳しい選考が大きなハードルです。
そこで今回は、
「どのコンサルティングファームがどのようなWebテスト・適性検査を行うのか?」
「Webテスト・適性検査で注意すべきことや対策方法は?」
といった疑問への答えも含め、中途採用向けのコンサルティングファーム別Webテスト・適性検査について解説します。
【目次】
- コンサルティングファームの中途採用におけるWebテスト・適性検査の目的と位置づけ
- コンサル向け【主要なWebテストなど適性検査の種類・概要】
- 各コンサルティングファームで実施されているWebテストなど適性検査の形式・内容一覧
- コンサルがWebテストなど適性検査で狙うべき得点率と注意点
- コンサルのWebテストにおける適性検査の対策方法
コンサルティングファームの中途採用におけるWebテスト・適性検査の目的と位置づけ
コンサルティングファームに未経験から挑戦する候補者に対して、コンサルティングファームによっては選考過程でWebテスト・筆記試験などの適性検査を実施します。
コンサルティングファームは特定の商品を販売するわけではなく、1人ひとりのコンサルタントがクライアント企業の問題解決をすることで収益を確保するため、その資源となる従業員の選別は慎重に行われます。
適性検査は、候補者がそのコンサルティングファームに適性があるかを判断する重要な基準です。
つまり、Webテストなどの適性検査を実施する目的は、受検者がコンサルティングファームの求めるポテンシャルを持っている候補者かどうか、客観的に見極めることだと言えます。
適性検査でポテンシャルを見る際は、思考力とパーソナリティー(性格)の2つの軸で判断をします。
企業によって、それらを確認するテストの種類・実施形式と難易度は異なりますが、選考過程で一番不合格となる人数が多いのは、実は適性検査です。
たとえ一流大学出身で優秀な経歴を持っていても、合格点数を下回れば容赦なく落とされます。
後述のテストの種類とコンサルティングファーム別のWebテストの種類を確認し、しっかりと対策をしましょう。
コンサルの主要なWebテストなど適性検査の種類・概要
ここでは、Webテストなど適性検査の種類について、解説していきます。
テストの種類を見ていく前に、実施形式も複数のパターンも頭に入れておいてください。
具体的には、テストセンターに行き、会場で受検するパターン・企業のオフィスを訪問し筆記試験を受けるパターン・自宅からWeb上で受検するパターンです。
志望する企業がどの試験を、どのような方法で実施するのか、事前に把握した上で対策を行いましょう。
※テストの構造と所要時間について具体的な情報は各サイトをご参考ください。
SPI(Synthetic Personality Inventory)
SPIの概要
リクルートが主催しており、多くの企業が取り入れている総合適性検査です。
自宅からWeb上で受検するパターンと、リクルート社のテストセンターで受検するパターンがあります。
試験の内容は能力検査・性格検査で、能力検査は言語(国語)と非言語(算数)に分かれています。
SPIの構造と所要時間
■筆記テストの場合
・能力検査(言語・非言語):約70分 ※言語約30分/非言語約40分
・性格検査:約40分
■WEBテストの場合
・能力検査(言語・非言語):約35分
・性格検査:約30分
※参考:適性検査「SPI」とは?
玉手箱
玉手箱の概要
日本SHL社開発の適性検査です。
内容は計数、言語、英語、性格テストがありますが、コンサルティングファームによって問題の組み合わせが変わるため、確認するようにしましょう。
玉手箱の構造と所要時間
①計数理解テスト
・四則逆算:約9分
・図表の読み取り:約15分
・表の空欄の推測:約20分
②言語理解テスト:約20分
・GAB形式の言語:約15分
・IMAGES形式の言語:約10分
・趣旨把握:約12分
③英語
・GAB形式の英語:約10分
・IMAGES形式の英語:約10分
④性格検査
筆記試験:約40分
WEBテスト:約30分
※参考:日本エス・エイチ・エルの商品
CAB・GAB
CAB・GABの概要
CAB・GABの両方とも、日本SHL社開発の総合適性テストです。
CABは主にエンジニアなどのIT職を希望する方の適性を判断するテストですが、GABは職種の制限がなく幅広く導入されています。
内容に違いはありますが、共通しているのが素ばやい処理能力が求められる点です。
時間を使えば解ける難易度の問題が、数多く出題されるため、いかに速く解き進むかが重要になります。
他の適性検査と比較しても、準備の有無が結果を左右する検査ですので、万全な対策を行いましょう。
CAB・GABの構造と所要時間
■筆記テストの場合
①CAB:約95分
・暗算
・法則性
・命令表
・暗号
・性格検査
②GAB:約90分
・言語
・係数
・性格検査
■WEBテストの場合
①CAB:72分
内容は筆記試験と同じ
②GAB:80分
内容は筆記試験と同じ
※参考:日本エス・エイチ・エルの商品
GMAT(Graduate Management Admission Test)
GMATの概要
元々はアメリカにMBA留学する際に必要なテストですが、戦略コンサルティングファームが出題するオリジナルの問題の中で、GMATに近い問題が出題されることがあります。
あるコンサルティングファームでは12分で10問出題することもあり、いかに速く解けるかが重要です。
事前準備で慣れておくだけでなく、あらかじめ問題のパターンや説明を把握しておき、本番で問題説明を読む時間を省くと良いでしょう。
GMATの構造と所要時間
戦略コンサルでは、主に下記の3つが出題されます。
時間配分は各コンサルティングファームによって異なります。
① Critical Reasoning
・20~100語程度の短い文章と、該当文章の論理構造を問う問題が1問
② Problem Solving
・一般的な数学問題で、5つの選択肢から正解を選択
③ Data Sufficiency
・問題文の後、条件文2つが続き、それらの条件が問題の回答に「十分」か「不十分」か、回答
TG-WEB
TG-WEBの概要
ヒューマネージ社開発の総合適性テストです。
言語・係数において、旧型と新型があり、設問数・制限時間・難易度が異なります。
新型の方が、問題数が多いものの、難易度は低い傾向があります。
制限時間に対して出題数が多いため、いかに速く解けるかが重要です。
TG-WEBの構造と所要時間
■旧型の場合
・言語:12分
・計数:18分
・英語:15分
・性格検査:10分
■新型の場合
・言語:7分
・計数:8分
・英語:15分
・性格検査:10分
※参考:TG-WEB eye
コンサルがWebテストなど適性検査で狙うべき得点率と注意点
Webテストなど適性検査は8割以上正解が必須!
コンサルティングファームの中途採用選考で実施されるWebテストなど適性検査の合格基準は非常に高く、正答率80%以上は欲しいところでしょうか。
その中でも、特に難易度が高い戦略系ファームなどでは、90%以上正解することが必要という声もあります。
Webテスト・適性検査通過のために注意すべきこと
新卒の頃の経験に頼らず、しっかりと対策する
新卒採用の際にWebテストの勉強をし、通過した経験があったとしても、改めて対策を行うことが必要です。
前述の通り、そもそもコンサルティングファームは合格基準が高いため、新卒の時に受けた企業よりも高い正答率を求められる可能性があり、また問題の形式に慣れていないと問題の理解に時間を使ってしまったり、余計に緊張しうまくパフォーマンスを出せなかったりするリスクもあります。
新卒の頃の経験に頼らずに、練習問題で制限時間以内に8~9割の問題を正答できるようになるまで準備をすることをお勧めします。
時間配分を行う
Webテストなどの適性検査の本番で避けたいのが「時間が足らず、終わらなかった」ということです。
問題量が多いテストも多数あるため、難易度の高い問題に時間を使い過ぎず、より多く正答する判断が必要になる場合もあります。
あらかじめ制限時間と問題数から、1問や1セクションの回答に使える時間の目安を設定し、効率よく正答数を増やすことが重要です。
事前に対策の中で練習し、時間配分もスムーズにできるように準備しましょう。
コンサルのWebテストにおける適性検査の対策方法
対策する時間をしっかり確保して選考に臨む
繰り返しになりますが、いくら早く転職したいと思っても、適切な時間を確保して選考に進むことが大切です。
現業の仕事が忙しかったり、その後のケース面接対策に時間を取られたりして、十分にWebテストなど適性検査の準備に時間を割かず、次の選考に進めなかったという事態を避けるため、十分な時間・労力をかけて対策をしましょう。
書類選考を通過するとWebテストの案内がすぐに来てしまう可能性があるため、しっかりと対策してから申し込みを行うことも大切です。
エージェントを利用している場合は、書類選考の申し込みのタイミングも相談しましょう。
コンサルティングファームごとのWebテスト・適性検査対策を行う
既にコンサルティングファームごとのWebテスト・適性検査の形式・内容についてお伝えしましたが、志望するファームがどのようなWebテスト・適性検査を行うかをリサーチし、対策することが必要です。
自宅からWeb上で適性検査を受ける場合は、通信環境に問題がないかを確認したり、集中して適性検査を受けられる環境を整えたり、電卓を用意したりといった準備も発生します。
特にオリジナルの問題を出したり、頻繁に検査内容を変更したりするコンサルティングファームを志望する場合は、最新情報や動向を確認したり、どのような問題が出るのかを調べたりした上で対策を取りましょう。
対策本で繰り返し学習し、出題形式や計算方法に慣れる
具体的な対策として、一般的に販売されている対策本・参考書で徹底的に勉強することをお勧めします。
あまりに昔の対策本を買ってしまうと、出題方法・傾向の変更点を反映していない可能性があるため、可能であれば最新版のものを買うようにしましょう。
また1つのテストの種類に対して、何冊も購入して手を広げる必要はありません。
1種類につき1~2冊の本で繰り返し練習し、短時間で高い正答率で回答できるようになることが効果的です。
問題や考え方に慣れておくことで、本番のケアレスミスや余計な緊張を防ぐことができます。
過去問や他社選考で練習する
本番に近い形での練習をするため、オンラインで入手できる過去問題・例題を解いたり、Web上で受けられる模擬試験を受けたりすることが、とても効果的な対策になります。
また場合によっては、志望度の低いコンサルティングファームで、かつ同じ形式・内容で出題する企業に申し込み、練習としてWebテスト・適性検査を受けることも有効です。
エージェントを利用している場合は、練習を含めどのコンサルティングファームをどの順番で受けるかも相談するといいでしょう。
=================
>コンサルタントへのキャリアに関する記事
コンサルの適性検査に合格できる性格
https://www.axc.ne.jp/column/axis-column/2013/0602/1997.html
=================
今回の記事では、コンサル転職を目指す方向けに、コンサルティングファーム別にWebテスト・適性検査の形式と対策のポイントをお伝えしました。実際に、コンサルティングファーム毎の出題形式について知りたい方は、ファームへの転職活動をした知人や、内部の情報に詳しいエージェントに聞くことをおすすめします。
キャリアでお悩みの方は、ぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。
アクシスの求人のうち、
約77%は非公開。
平均サポート期間は3年です。
各ファームのパートナー、事業会社のCxOに定期的にご来社いただき、新組織立ち上げ等の情報交換を行なっています。中長期でのキャリアを含め、ぜひご相談ください。