経営企画の面接で「質問されること」「逆質問で確認すべきこと」

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今回の記事では、経営企画の面接で聞かれることを面接官の質問のねらいと回答のポイントにわけて、掘り下げていきます。自身のキャリアの棚卸しをして、応募企業に合った面接準備の参考にしてみてください。

【目次】

  1. 経営企画での面接のポイント①自己紹介
  2. 経営企画での面接のポイント②転職理由・退職理由
  3. 経営企画での面接のポイント③志望動機
  4. 経営企画での面接のポイント④経験・スキルの確認(自己PR)
  5. 経営企画での面接のポイント⑤経営企画特有の質問
  6. 経営企画での面接のポイント⑥逆質問(面接官への質問)
  7. 経営企画の面接テクニック【ケーススタディの事例と自己PRのプレゼン資料】
  8. (参考)中途採用面接の大きな流れ

経営企画での面接のポイント①自己紹介

<質問のねらい>

応募者の人柄と、簡潔に分かりやすく話すことができるかというコミュニケーション力をおもに見ています。多くの場合、面接の最初になることが多く、そういう意味ではアイスブレイク的な意味合いもあります。

<回答のポイント>

短く簡潔に答える

冗長にならないようにすること。2分程度が理想で、長くても3分までです。事前に職務経歴書でスクリーニングしているため、面接官は職歴や業務内容を理解している前提で、ポイントを簡潔に伝えることが大切です。

職歴やスキル、実績を中心に話す

職歴については経験社数が多い方は全ての会社でのスキル、実績を話してしまうと、2分では収まらないため、応募企業が求めているスキルが発揮できた過去の会社や経営企画に関連する大きな実績を残せたことがPRできる会社に重心をおきます。全ての会社を同じように説明するのは避けましょう。

最後に志望意欲を添える

職歴に沿った各社でのスキル、実績だけで話が終わると、少し散漫な印象を面接官に与え、話としてのまとまりもよくありません。
最後に「これらの経験とスキルを活かし、今後は御社で××の面で貢献し、企業価値向上に尽力したい」と添えた方が、印象がよくなります。

経営企画での面接のポイント②転職理由・退職理由

<質問のねらい>

転職理由に合理性があり、同じような理由で退職しないかどうか見ています。どの企業も長期就業できる方を求めており、過去の転職理由を応募企業で解消できるかが、面接官が確認しているポイントとなります。

<回答のポイント>

全てを前向きに答える

会社の批判や他責につながることを転職理由にするのは厳禁です。どのような企業でも、個性があり、社員にとって満点の環境はなく、そこで踏ん張って頑張る社員がいるのも事実です。また、経営企画は全社の経営課題を解決する立場でもあるがゆえに、会社=経営批判につながるような転職理由であれば、採用される可能性はほとんどありません。転職理由を棚卸し、まずは自責で考え、その上で、次の新天地で、過去の退職理由でまた、退職することのないように、前向きに、誠実に話すことが大切です。

論理的に整理する

転職回数が複数ある方は特に、各社の退職理由を棚卸しした上で、全体の整合性があるか、見てみましょう。例えば、2社連続で、近しい退職理由で転職しているケースでは、面接官の印象として、学習できない、自省しない人と映ることもあります。ですので、誠実に具体的に退職理由を話すことは大切ですが、全体の退職理由の合理性と応募企業でそれらの退職理由がどのように解消されるのかという視点で、全体を見直すことをおすすめします。

経営企画での面接のポイント③志望動機

<質問のねらい>

応募企業への熱意は前提ですが、その上で、会社研究をしっかりしているか、長期就業の確からしさはあるかを確認するための質問と認識しておくのがよいでしょう。

<回答のポイント>

会社研究を軸にした応募企業への熱意を伝える

上場企業であれば、有価証券報告書をはじめ、各種IR資料が開示されているため、ホームページの情報以上の深い情報を得ることができます。勤続年数をはじめとした社員の会社に対するロイヤリティ、中期経営計画から読み取れる経営の方向性、顧客のインタビューなど、様々な情報を俯瞰し、自身の熱意を伝えられるポイントを整理することが大切です。志望理由から、会社研究を深くしていると面接官に伝えることができれば、プラスになるでしょう。

自身の経営企画の強みと志望理由を重ねる

応募企業の求人票に経営企画で求めるスキルが記載されています。自身の今までのキャリアの中で、応募企業が求めるスペックと重なっていることも重要です。必ず、求人票を見て、採用の背景や求める人物像を確認してから、自身のキャリアの強みと重なるところを志望理由に盛り込みましょう。

経営企画での面接のポイント④経験・スキルの確認(自己PR)

<質問のねらい>

応募企業が経営企画を採用する背景には「経営企画の●●を強化したい」といった明確な意図があります。裏返せば、応募者がその経営企画の●●で成果を出せるかどうかを確認するのが、ねらいです。経営企画の面接において、一般的にこのパートの評点が一番高く、念入りな事前準備が求められます。

<回答のポイント>

経営企画が何を一番求めているのかを踏まえる

求人票で読み取れる部分ではありますが、人材紹介会社経由の応募であれば、この求める領域やスペックを確認できる範囲で、より多くの情報を集めることが有効な回答につながります。経営企画という職種は非常に領域が広く、大手企業になればなるほど、経営企画の中での専門性を求める傾向にあります。例えば、管理会計・KPIとM&Aでは実務面においても求められるスキルが異なるため、的を射た回答をするためにも、求人企業が求めている経験やスキルを踏まえて、自己PRすることが大切です。

中期経営計画から経営や事業の方向性を読み取る

中期経営計画を開示している企業がありますが、これは経営企画が作成しています。この中期経営計画を策定することが、経営企画という職種の一丁目一番地ともいえるほどに重要です。ですので、IRを確認し、中期経営計画があれば、将来の方向性を深く理解した、自己PRにすることが重要です。例えば、M&Aを積極推進する、海外展開を加速化する、組織再編で効率化するなど、どれも経営企画が主導する内容となりますので、過去の職歴の棚卸しで、経験に基づく強みと重なりがあれば、面接官の評価はプラスになります。

実績は具体的に定量・定性の両面から、論理的に説明する

実績をPRする場合は目的と目標の結果を論理的に説明します。プロジェクトの成果であれば、そのプロジェクトの目的→定量結果→定性結果を順に網羅し、説明できるようにストーリーを組み立てましょう。定性目標と結果は「最初は●●の状態であったが、プロジェクトを実施することで、●●の状態になった」という具合に、数字で説明ができないものの、アピールする材料がある場合も整理するとよいでしょう。

経営企画での面接のポイント⑤経営企画特有の質問

<質問のねらい>

経営企画で求められる「分析力」と「論理的思考力」を見るための質問です。このパートの評点も高く、これまでの質問をクリアしても、ここでの評価が低いと、次につながらないケースもあります。下記によく質問される例を示します。

<質問例>

・中期経営計画を見て、当社の経営課題は何だと思いますか?
・過去の決算を見ての感想を教えてください。何か、課題はありますか?
・経営者と意見が合致しない場合はどのように対応しますか?
・当社のIRを見ての感想を株主目線で教えてください。

上記の通り、いずれも経営企画が実務として関わる領域ですが、質問が比較的抽象的であるため、答えにくい部分もあると思います。逆に言うと、応募者が準備しにくいため、ここで他の選考者と大きな開きが生じる質問でもあります。準備としては開示している資料はできる限り読み込み、自分が経営企画に入った前提で、どこに課題があってどのように解決するかという視点を強く持っておくことが求められます。

経営企画での面接のポイント⑥逆質問(面接官への質問)

<質問のねらい>

入社意欲があるかや、転職を繰り返さないようにフリーの質問で疑問解消しているかなどを、面接官は見ています。面接の最後に実施されるパートのため、ここでの印象が面接官に強く残ることを意識して、自己PRを兼ねた質問をすることが大切です。

<回答のポイント>

会社研究・分析を踏まえての質問をする

上記⑤を参考に、開示しているIR資料を深く読み込み、自身の成果を出すために確認が必要な質問をひとつはすることが望ましいです。面接官にも、深く企業研究と分析をしていると映り、また、自身の成果をしっかり出そうとしている意志がうかがえ、好印象になります。

長期就業がポイントになることもある

転職回数が多い方は特に、過去の退職理由と同じ失敗を繰り返し、短期間で離職とならないように、自分自身と向き合っていることに絡めた質問をすることで、長期的に働けるアピールができます。例えば、有価証券報告書には勤続年数が記載されています。この勤続年数が長ければ、一般的には社員の会社への総合満足度が高く、社員と経営がコミュニケーションを適切にとれているといえます。平均勤続年数がより長い会社であれば、この背景について質問をすることで、長期就業の視点で会社選びをしていると面接官に伝わり、有効な場合もあります。

経営企画の面接テクニック【ケーススタディの事例と自己PRのプレゼン資料】

経営企画の面接で、「ケーススタディ」といわれる、事前に出された課題をパワーポイント5枚程度にまとめて、面接前に提出するというものがあります。1次面接でプレゼンテーションの選考をするという企業もあり、課題認識や分析力、要約力、プレゼン力などを面接で確認するねらいがあります。経営企画では資料をまとめたり、経営陣に説明したりする機会も多くあり、特にそれらを重視する企業において、ケーススタディを課す傾向があります。

これらの経営企画の選考の特性を踏まえ、ケーススタディを課されていない場合でも、上記の面接の流れにある①と④を事前にパワーポイントにまとめ、面接でプレゼンテーションをすることが有効な場合があります。注意すべきなのは、面接の冒頭で、「自己PRを整理したものをつくってきましたので、お渡しさせていただいてもよろしいでしょうか」と面接官に伝えて、最初に資料を渡すことです。面接官から指示される前に、自主的に課題を提出しましょう。受け取らないことはまずありませんので、多くの場合は「資料に沿って、説明してください」という流れになります。ケーススタディの事例と自己PRのプレゼン資料について解説します。

ケーススタディの事例

・応募企業とは業種も異なる別の上場企業の過去数年の決算を分析して、課題を整理する
・応募企業とは業種も異なる別の上場企業の中期経営計画を分析して、経営課題の解決策を整理する
・上記同様の内容で、応募企業の課題を整理する
・応募企業が属している業界のこれからの市場の推移と企業がとるべき経営戦略の方向性について整理する

上記は一例ですが、事前課題は応募企業とは異なる企業の分析が比較的多いです。いずれも、経営企画で求められるスキルが面接でのプレゼンテーションを通して、確認できる内容になっています。

自己PRのプレゼンテーション資料

こちらは事前課題ではなく、応募者が任意で事前に作成し、面接で提示するものです。面接で聞かれることが想定される内容を簡潔に記載することが重要です。自己PRとして、資料に記載した方がよいと思われる内容を整理すると下記のようになります。

自身の特徴を含めた自己紹介

・仕事で大切にしていること
・上司や経営層から見た自身の見え方(性格はじめ、仕事上の強み弱み)
・管理職採用の場合はメンバーを抱えることになるため、メンバーのマネジメント方法や育成方針

経営企画のスキルセット整理

・戦略・事業企画・ファイナンス・IRなどの大区分をつくり、それぞれどのような強みがあるのか整理
・経験社数が多い場合は上記のそれぞれの強みをどの会社で発揮したのかも記載するとよい
・スキルセットは縦横の軸で、一目で分かるようにマトリクス形式で整理するのがよい

貢献できるポイント

・応募企業の会社研究の結果および、求人で求められているスペック
・上記を踏まえ、具体的にどの領域で、どのような貢献ができるのか簡潔に記載

最後に熱意を伝える

・自身の覚悟も含め、どのような心持ちで長期的に貢献していくのか、メッセージでしめくくる

(参考)中途採用面接の大きな流れ

1.自己紹介

2.転職理由・退職理由

3.志望動機

4.経験・スキルの確認

5.経営企画特有の事柄の確認

6.逆質問(面接官への質問)

一般的に経営企画の採用面接ではこのような質問の流れとなります。他の職種と違い4・5についてはかなり事前準備が必要で、他の選考者と加点と差をつけられる部分でもあります。

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ここまで、経営企画の面接で聞かれる内容や面接官に質問すべき内容を掘り下げてきました。中途採用面接ですので、自己PRや転職理由をはじめ、他の職種の面接と共通する部分もありますが、経営企画特有の質問があることもお分かりになったと思います。

経営企画の募集は原則、社内登用のケースが多いため、管理部門の中では求人数が少なく、競争率も高いのが一般的です。
面接内容も深く思考を洞察する質問が多く、事前準備での会社研究の深さと丁寧なキャリアの棚卸し、すり合わせがとても大切でしょう。

経営企画へのキャリアにご興味をお持ちの方は、ぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。


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